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労基署の監査項目と労務管理の整え方を社労士が詳しく解説

労基署の監査項目と労務管理の整え方を社労士が詳しく解説

こんにちは。もりおか社会保険労務士事務所の川熊です。

労基署の監査項目について調べているあなたは、労基署調査で何を見られるのか、必要書類は何か、抜き打ちで来ることはあるのか、是正勧告書や指導票を受けたらどうすればよいのか、不安に感じているかもしれません。

特に小さい会社では、36協定、年休管理簿、賃金台帳、労働時間の適正把握、健康診断、労災かくし、社会保険未加入など、気になる項目が多いですよね。

この記事では、労基署の監査で確認されやすい項目と、日ごろから整えておきたい労務管理のポイントを、できるだけわかりやすく整理します。

  • 労基署の監査で確認されやすい項目
  • 調査時に準備しておきたい必要書類
  • 是正勧告を受けた場合の基本対応
  • 小さい会社が無理なく整える労務運用

労基署の監査項目で見られる内容

まずは、労基署の監査で実際に確認されやすい項目を整理します。労基署は、会社のすべてを見るというより、労働時間、賃金、休日、有給休暇、安全衛生、法定帳簿など、労働基準関係法令に関わる部分を中心に確認します。

あなたの会社でも、日々の仕事は問題なく回っているのに、いざ書類を見せてくださいと言われると少し不安になる部分があるかもしれません。

特に小さい会社では、担当者が一人で勤怠、給与、有給、入退社情報を見ていることも多く、記録が紙やExcelに分散しやすいです。

労基署調査項目と流れ

労基署調査項目と流れ

労基署の調査では、主に労働時間、残業代、36協定、就業規則、労働条件通知書、年次有給休暇、賃金台帳、労働者名簿、安全衛生関係などが確認されます。

労基署の監査項目というと、何か特別なチェックリストがあるように感じるかもしれませんが、実際には労働基準法や労働安全衛生法などに沿って、会社の労務運用が法律に合っているかを確認するイメージです。

流れとしては、監督官による事業場訪問、帳簿や書類の確認、担当者への聞き取り、必要に応じた現場確認、その後の是正勧告書や指導票の交付という形が一般的です。

事前に日時や持参書類を指定されるケースもありますし、予告なく来るケースもあります。

ここは会社側で選べるものではないので、普段から最低限の資料を出せる状態にしておくことが大切です。

調査のきっかけは会社によって違います。

定期的な監督の場合もあれば、労働者からの申告、労災の発生、長時間労働が疑われる情報などをきっかけに行われることもあります。

たとえば、未払残業の相談、休憩が取れていないという申告、退職時のトラブル、有給を取らせてもらえないという相談などがきっかけになることもあります。

小さい会社の場合、悪意がなくても運用があいまいなまま続いていて、それが退職時やトラブル時に表面化することがあります。

調査で見られるのは書類と実態の一致

労基署の調査で大事なのは、書類があるかどうかだけではありません。

たとえば就業規則に残業は事前申請制と書いてあっても、実際には申請なしで残業している、パソコンのログと勤怠の退勤時刻が大きくズレている、給与明細には残業代が出ていない、という状態だと、書類よりも実態が重視されます。

つまり、労基署調査への備えは、調査当日にきれいな書類を並べることではなく、日常の勤怠、給与、有給、労働者情報が自然に記録されている状態を作ることです。

ここが整っている会社は、調査があっても説明しやすいですし、仮に指摘を受けても改善すべき場所が見えやすくなります。

労基署調査で大事なのは、書類があるかどうかだけではありません。実際の運用と書類の内容が合っているかが見られます。

労基署の必要書類一覧

労基署の必要書類一覧

労基署の調査で準備を求められやすい書類には、労働条件通知書、雇用契約書、就業規則、36協定、賃金台帳、労働者名簿、出勤簿、タイムカード、年休管理簿、健康診断関係書類などがあります。

会社の業種や規模、調査のきっかけによって追加で求められる書類は変わりますが、まずはこのあたりが基本になります。

小さい会社で特に抜けやすいのは、年休管理簿、労働者名簿、賃金台帳、36協定の控えです。

日々の業務は回っていても、監査時に説明できる形で残っていないケースは少なくありません。

たとえば、給与計算はできているけれど賃金台帳として必要な項目が一覧で出せない、有給は口頭で取らせているけれど年休管理簿がない、従業員の住所や入社日が古いExcelにだけ残っている、という感じです。

必要書類は、単体で見られるというより、複数の資料を突き合わせて確認されることが多いです。

勤怠記録では残業しているのに賃金台帳には時間外手当がない、労働条件通知書では休日が週休2日なのにシフト表では休日が足りない、年休管理簿では取得済みなのに勤怠上は出勤扱いになっている、こうしたズレがあると説明が難しくなります。

小さい会社ほど書類を一か所に集める

小規模事業者の場合、完璧な人事システムを最初から入れる必要はありません。

ただ、どこに何があるかわからない状態は避けたいところです。

最低限、労働条件、勤怠、給与、有給、労働者情報がつながって確認できる状態にしておくと、労基署対応だけでなく、毎月の給与計算や入退社手続きもかなり楽になります。

書類 確認される内容 小さい会社で起こりやすい不備
労働条件通知書 労働条件を適切に明示しているか 古い様式のまま、変更範囲や更新条件が不十分
賃金台帳 労働時間、残業時間、賃金計算が記録されているか 給与明細はあるが台帳として整理されていない
出勤簿・勤怠記録 実際の労働時間を把握できるか 手書き、口頭、Excel管理で客観性が弱い
年休管理簿 有給休暇の基準日、取得日、取得日数を管理しているか 誰が何日取ったか一覧で確認できない
36協定 残業や休日労働の根拠があるか 届出忘れ、期限切れ、代表者選出の記録不足
健康診断関係書類 健康診断の実施、結果通知、事後措置があるか 受診させて終わりで、医師意見や記録が不足

必要書類の整備は、監査のためだけではありません。

従業員から給与や有給について質問されたとき、退職時に確認が必要になったとき、助成金や各種手続きで情報が必要になったときにも役立ちます。

だからこそ、日々の運用の中で自然に残る形にしておくのが現実的かなと思います。

労基署の抜き打ち調査対策

労基署の調査は、事前連絡がある場合もありますが、予告なく行われることもあります。抜き打ちと聞くとかなり怖く感じるかもしれませんが、対策の方向性はシンプルです。

調査が来てから書類を整えるのではなく、普段から最低限の労務情報を残しておくことです。

抜き打ち調査への対策としては、特別なことをするよりも、勤怠、給与、有給、労働者情報を日常業務の中で記録できる状態にしておくことが現実的です。

監督官から確認を求められたときに、担当者が不在だと何も出せない、社長の頭の中にしかルールがない、紙のファイルがどこにあるかわからない、という状態だと対応が苦しくなります。

抜き打ち調査では、まず監督官の身分を確認し、調査の趣旨を聞き、落ち着いて対応することが大切です。

必要以上に慌てたり、事実と違う説明をしたりする必要はありません。わからないことは、確認してから回答する形で大丈夫です。

ただし、帳簿の提出や事情聴取に対して、正当な理由なく拒んだり、虚偽の説明をしたりすることは避けるべきです。

当日慌てないための準備

当日対応で困らないためには、事前に誰が対応するのかを決めておくと安心です。

社長、人事担当、給与担当、現場責任者など、会社によって役割は違いますが、少なくとも勤怠、給与、労働条件、有給、労災の情報がどこにあるかは共有しておきたいところです。

紙やExcelで管理している場合、担当者しか場所がわからない、更新が止まっている、給与計算と勤怠データが合っていない、ということが起こりがちです。

小さい会社ほど、ここは早めに整えておくと安心ですよ。

特に、クラウド勤怠やWeb給与明細を使っていると、出勤記録や給与明細の確認がしやすくなり、労務データ管理ともつなげやすくなります。

抜き打ち調査の対策は、特別な監査用ファイルを作ることではありません。普段の運用で記録が残る仕組みを作ることが、いちばん現実的な備えです。

もりおか社会保険労務士事務所の労務ととのうも、まさにこの考え方に近いサービスです。

顧問契約までは必要ないけれど、勤怠、給与明細、有給、労務情報を最低限整えておきたい会社向けに、日常業務の中で記録が残る環境づくりを重視しています。

36協定と過半数代表者

36協定と過半数代表者

法定労働時間を超えて残業させる場合や、法定休日に働いてもらう場合には、36協定の締結と届出が必要です。

36協定がないまま残業させていると、労基署の監査で指摘されやすい項目になります。ここは、小さい会社でもかなり重要です。

法定労働時間は、原則として1日8時間、1週40時間です。

これを超えて働いてもらう場合、会社と労働者代表との間で36協定を締結し、労働基準監督署へ届け出る必要があります。

忙しい時期だけ少し残業してもらっている、従業員も納得している、という場合でも、36協定がなければ法律上の根拠がない状態になります。

また、36協定は作成していればよいというものではありません。過半数代表者の選び方も重要です。

会社が一方的に指名した人、管理監督者に該当する人、形式的に選ばれただけの人では、協定の有効性が問題になることがあります。

従業員に対して、36協定を締結するための代表者を選ぶことを明示し、投票、挙手、回覧など、民主的な手続きで選んだ記録を残しておくことが大切です。

36協定で確認したいポイント

36協定では、対象となる業務、時間外労働をさせる必要のある具体的な理由、延長できる時間数、休日労働の日数などを定めます。

特別条項を設ける場合は、臨時的な特別の事情、上限時間、健康確保措置なども確認が必要です。

ここを毎年なんとなく前年の内容で出している会社もありますが、実際の残業時間と合っていない場合は注意が必要です。

たとえば、36協定では月30時間までとしているのに、実際には月45時間、60時間と残業している月がある場合、協定の範囲を超えてしまいます。

逆に、実態よりかなり大きい時間数を書けばよいというものでもありません。会社の実情に合った内容で、かつ上限規制に反しない形にする必要があります。

36協定は、事業場ごとに締結・届出が必要です。本社で出しているから支店も大丈夫、とは限らないので注意してください。

小さい会社では、36協定の届出自体を忘れていたり、期限が切れていたり、過半数代表者の選出記録が残っていなかったりします。

毎年の定例業務としてカレンダーに入れ、勤怠データと残業時間の実績も確認しながら更新していくと、労基署対応としてもかなり安定します。

年休管理簿と有休管理

年次有給休暇については、年10日以上付与される労働者に対して、年5日の取得を確実に行わせる必要があります。

その確認に使われるのが年休管理簿です。労基署の監査項目の中でも、有給管理は小さい会社で不備が出やすいところです。

年休管理簿には、労働者ごとに基準日、取得日、取得日数を記録します。

単に有給申請書を保存しているだけでは、誰が何日取得していて、誰が未取得なのかをすぐ確認できないことがあります。

特に入社日がバラバラの会社では、基準日も人によって違うため、頭の中や紙のメモだけで管理するのはかなり大変です。

年5日の取得義務についても、会社がただ待っているだけでは不十分になることがあります。

労働者本人が自主的に5日以上取っていれば問題になりにくいですが、取得が進んでいない場合は、会社が時季を指定して取得させる対応が必要になることがあります。

もちろん、実際の運用では本人の希望も聞きながら進めるのが大切です。

有給管理でよくある不備

小さい会社では、有給を口頭で処理していたり、給与計算のときだけ欠勤控除を見ていたりすることがあります。

ですが、労基署対応を考えると、有給の付与と取得を一覧で追える状態にしておくのが安全です。

たとえば、入社日、付与日数、取得日、残日数、年5日取得の進捗が見えるだけでも、管理のしやすさはかなり変わります。

また、パートやアルバイトにも年次有給休暇が発生する場合があります。

週の所定労働日数や勤続期間に応じて比例付与になることがあるため、正社員だけ管理していればよいというものではありません。ここを見落としている会社は意外とあります。

有給管理は、給与計算とつながっているとかなり楽になります。勤怠システムで有給申請と残日数管理を行い、給与明細にも反映できる状態にすると、確認漏れを減らしやすいです。

労務ととのうでは、クラウド勤怠や労務データ管理を活用し、年次有給休暇管理簿などの情報が日常業務の中で残る状態を目指します。

顧問契約までは必要ないけれど、有給管理を放置するのは不安という会社には、こうした仕組み化が合いやすいかなと思います。

労基署の監査項目対策

ここからは、労基署の監査項目に対して、日ごろからどのように備えておくとよいかを解説します。

ポイントは、監査のためだけに書類を作るのではなく、普段の勤怠管理や給与明細の発行、有給管理の中で自然に記録が残る仕組みにすることです。

小さい会社では、全部を一気に完璧にする必要はありません。

まずは、勤怠を記録する、給与明細を残す、有給を管理する、労働者情報を整理する。この4つを整えるだけでも、労基署対応の土台はかなり作れます。

賃金台帳の保存期間

賃金台帳の保存期間

賃金台帳は、労基署の監査で非常に重要な書類です。

賃金額だけでなく、労働日数、労働時間数、時間外労働時間、休日労働時間、深夜労働時間、基本給、手当、控除などを確認するために使われます。

給与明細を従業員に渡しているから大丈夫、と思われることもありますが、給与明細と賃金台帳は役割が少し違います。

労働関係書類の保存期間は、原則として5年とされています。

ただし、経過措置により当分の間は3年とされています。

とはいえ、実務上は過去の賃金や労働時間を確認する場面もあるため、できるだけ長く整理して保存できる体制にしておくと安心です。

未払残業や退職後の問い合わせが起きた場合、過去の勤怠と給与の根拠を確認できるかどうかはかなり重要です。

賃金台帳でよくある不備は、労働時間数や残業時間数が記載されていない、手当の内訳がわからない、控除の根拠が不明、勤怠データと給与計算結果がつながっていない、というものです。

特に固定残業代を導入している会社では、何時間分の固定残業代なのか、超過分を別途支払っているのか、賃金規程や雇用契約書と整合しているかが重要になります。

紙の給与明細だけでは確認に時間がかかる

紙の賃金台帳や給与明細だけで管理していると、過去分を探すのに時間がかかることがあります。

社長1名と従業員数名の会社でも、1年、2年、3年と積み上がると、必要な資料を探すだけでかなり大変です。

Web給与明細や労務データ管理を使うと、必要な情報を確認しやすくなります。

小さい会社の場合、毎月の給与計算をなんとか回すことが優先になり、賃金台帳としての保存や、勤怠との突合までは後回しになりがちです。

でも、労基署の監査項目として見た場合、勤怠と賃金台帳の整合性はかなり大切です。

ここが整っていると、労働時間の説明もしやすくなります。

賃金台帳は、給与計算の結果を残すだけでなく、なぜその金額になったのかを説明するための資料です。勤怠データ、残業時間、有給取得、控除項目と一緒に確認できる状態にしておきましょう。

労働時間の適正把握

労働時間の管理では、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間、入退館記録など、客観的な記録をもとに把握することが基本です。

自己申告だけで管理している場合は、実態と合っているかを確認する仕組みが必要になります。

厚生労働省も、労働時間を適正に把握するためには、労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、記録することを示しています(出典:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」)。

労基署の監査では、勤怠記録と賃金台帳、給与明細、残業申請の内容が合っているかを見られることがあります。

たとえば、パソコンのログでは20時まで作業しているのに、勤怠上は18時退勤になっているような場合は、説明が必要になるかもしれません。

本人が勝手に残っていただけです、という説明だけでは足りないケースもあります。

労働時間の適正把握で特に注意したいのは、始業前の準備、終業後の片付け、朝礼、研修、持ち帰り作業、在宅勤務中の作業時間などです。

会社の指示や黙認があり、業務として行われている場合は、労働時間に該当する可能性があります。ここを記録から外してしまうと、未払残業の問題につながりやすいです。

自己申告制の注意点

自己申告制で勤怠を管理している会社もあります。

自己申告制自体が必ずダメというわけではありませんが、適正に申告するための説明、実態とのズレがないかの確認、過少申告をさせない仕組みが必要です。

たとえば、残業申請を出しづらい雰囲気がある、上限時間を超えないように実際より短く申告している、休憩を取れていないのに休憩扱いになっている、という状態は危険です。

クラウド勤怠を使うと、打刻時刻、申請、承認、残業時間、有給取得などを一元的に管理しやすくなります。

もちろん、システムを入れればすべて解決するわけではありません。ルールを決め、運用し、例外が出たときに確認することが大切です。

ただ、紙やExcelだけで属人的に管理するよりは、記録が残りやすく、説明もしやすくなります。

労働時間対策の基本は、打刻、残業申請、給与計算がつながっていることです。ここが分断されていると、未払残業のリスクが見えにくくなります。

是正勧告書と指導票の違い

是正勧告書と指導票の違い

労基署の調査で法令違反が確認された場合には、是正勧告書が交付されることがあります。

一方、法令違反とまでは言い切れないものの、改善が必要と判断された場合には、指導票が交付されることがあります。

どちらも軽く考えてよいものではありません。

是正勧告書には、違反と判断された内容、根拠となる法令、是正期日などが記載されます。

たとえば、36協定を届け出ずに時間外労働をさせていた、割増賃金が不足していた、賃金台帳に必要事項が記載されていなかった、年次有給休暇の取得義務に対応できていなかった、というような内容です。

指導票は、法違反と断定されるものだけでなく、改善が望ましい事項について出されることがあります。

たとえば、労働時間の把握方法が不十分、健康障害防止措置の運用が弱い、書類の整理が不十分、再発防止策を講じる必要がある、といった内容です。

是正勧告書ではないから放っておいてよい、というものではないですよ。

是正報告は証拠付きで行う

指定された期限までに改善し、是正報告書や改善報告書を提出する必要があります。

報告書には、単に今後気をつけますと書くのではなく、何を、いつ、どのように改善したのかを具体的に記載します。

未払賃金を支払った場合は振込記録、就業規則を改定した場合は改定後の規程、勤怠運用を変えた場合は新しい運用資料など、証拠となる資料を添付することもあります。

是正対応でよくないのは、その場しのぎで書類だけ作って、実際の運用が変わらないことです。

たとえば、残業申請書を作っただけで、現場では誰も使っていない。

年休管理簿を作っただけで、更新されていない。36協定を出しただけで、実際の残業上限は見ていない。

こうなると、再度確認されたときに同じ問題が出てしまいます。

是正勧告を受けた場合は、期限内に対応することが重要です。内容によっては会社の状況に応じた判断が必要になるため、迷う場合は早めに専門家へ相談してください。

小さい会社では、是正対応をきっかけに、勤怠、給与、有給、労働者情報の管理方法を見直すのがおすすめです。

労務ととのうのように、顧問契約ではなくても最低限の運用を整えるサービスを使うことで、再発防止につながる形を作りやすくなります。

健康診断と安全衛生

労基署の監査では、健康診断や安全衛生体制も確認されることがあります。

雇入時健康診断、定期健康診断、結果の通知、医師の意見聴取、長時間労働者への面接指導などが代表的です。

労働時間や賃金に比べると後回しにされやすいですが、従業員の健康に関わる大事な項目です。

健康診断は、受けさせて終わりではありません。結果を確認し、必要な事後措置を行い、記録を保存するところまでが労務管理です。

たとえば、健康診断の結果で就業上の配慮が必要とされる場合、医師の意見を聴き、業務内容や労働時間の調整を検討する必要があります。

長時間労働者に対する面接指導も、該当者を把握できなければ実施できません。

常時50人以上の事業場では、衛生管理者や産業医の選任、衛生委員会の開催なども重要になります。

業種によっては、安全委員会や安全衛生委員会が必要になる場合もあります。

製造業、建設業、運送業、医療・介護、飲食業など、現場作業や危険を伴う業種では、設備、作業手順、保護具、労災防止策も確認されやすくなります。

小さい会社でも健康診断は軽視しない

小さい会社では、忙しさを理由に健康診断が後回しになることがあります。

社長も現場に出ていて、人事担当もいないとなると、つい日程調整が遅れますよね。

わかります。でも、健康診断の未実施や記録不足は、労基署の監査で指摘される可能性があります。

また、長時間労働と健康診断、安全衛生はつながっています。勤怠管理が不十分だと、長時間労働者を把握できず、面接指導や健康確保措置も漏れやすくなります。

つまり、健康診断だけの問題ではなく、勤怠データの整備とも関係しているわけです。

安全衛生の項目 確認したい内容 管理のポイント
定期健康診断 対象者に実施しているか 実施日、結果、未受診者を一覧管理する
結果通知 本人へ結果を通知しているか 通知状況を記録しておく
医師意見 必要な場合に意見聴取しているか 就業上の措置とあわせて保存する
長時間労働者対応 面接指導対象者を把握しているか 勤怠データから対象者を確認する
衛生委員会 該当事業場で開催しているか 議事録を作成し保存する

健康診断や安全衛生は、事故や不調が起きてから整えるのでは遅い場合があります。

まずは、対象者、実施状況、記録の保存場所を確認するところから始めるとよいかなと思います。

労災かくしの罰則

労災かくしの罰則

仕事中のけがや病気について、労災として扱うべきものを健康保険で処理したり、労働者死傷病報告を提出しなかったりすることは、いわゆる労災かくしとして問題になります。

労基署の監査項目の中でも、労災関係は会社の信用に関わる重要な部分です。

労働災害により労働者が死亡または休業した場合には、労働者死傷病報告の提出が必要です。

報告をしない、または虚偽の報告をすることは、罰則の対象になることがあります。

現場で少しけがをしただけだから、本人も大丈夫と言っているから、健康保険で処理したほうが簡単だから、という判断は危険です。

労災かどうか迷うケースもあります。通勤中の事故、出張中のけが、在宅勤務中のけが、休憩時間中の事故など、状況によって判断が必要です。

こうした場合に、会社だけで無理に判断して処理してしまうと、後から問題になることがあります。

事故発生時の社内ルールを作る

労災対応で大事なのは、事故が起きた後の流れを決めておくことです。誰に報告するのか、いつまでに報告するのか、病院には何を伝えるのか、休業日数をどう確認するのか、労働者死傷病報告が必要かどうかを誰が判断するのか。

このあたりがあいまいだと、現場任せになって報告漏れが起きやすくなります。

小さい会社では、社長や現場責任者がその場で対応することが多いと思います。

だからこそ、難しいマニュアルでなくても、事故発生時の連絡ルートと記録様式だけは決めておくと安心です。

けがの日時、場所、状況、作業内容、目撃者、受診先、休業見込みなどを記録しておくと、後から確認しやすくなります。

労災対応は、会社の信用にも関わります。判断に迷う場合は、自己判断で処理せず、労基署や専門家に確認することをおすすめします。

また、労災が起きた後は、報告だけでなく再発防止も重要です。同じ作業でまた事故が起きないように、作業手順、教育、保護具、設備、休憩、長時間労働の有無などを確認します。

労基署の調査でも、事故そのものだけでなく、会社がどのような再発防止策を取ったかが見られることがあります。

社会保険未加入と労基署

社会保険未加入については、労基署の監査項目そのものというより、ハローワークや日本年金機構の所管と分けて考える必要があります。

ここは検索でも混同されやすいところです。

労基署、ハローワーク、年金事務所は、それぞれ見ている制度が違います。

労働保険の成立に関する手続きは労基署が関係しますが、雇用保険はハローワーク、健康保険・厚生年金は日本年金機構が主な窓口です。

ただ、小さい会社では、労働保険、雇用保険、社会保険、雇用契約書、給与明細、勤怠記録がバラバラに管理されていることがあります。

そうなると、何か確認が必要になったときに時間がかかります。

たとえば、週の所定労働時間が雇用保険の加入要件に関係する、報酬額が社会保険の標準報酬に関係する、入社日や退職日が手続きに関係する、というように、労務情報はつながっています。

所管は違っても労務情報は一体で管理する

社会保険未加入の問題そのものは、主に年金事務所やハローワークの分野ですが、会社としては制度ごとにバラバラに考えるより、従業員情報として一体で管理するほうが実務上は楽です。

氏名、住所、生年月日、入社日、雇用形態、所定労働時間、給与額、扶養情報、退職日などを整理しておくと、各種手続きがスムーズになります。

特に、社長1名・従業員数名の会社では、手続きが発生する頻度は多くないかもしれません。

だからこそ、いざ入社や退職があったときに、前回どうしたか思い出せないことがあります。

操作マニュアルや労務データ管理があると、毎回ゼロから調べる手間を減らせます。

顧問契約までは必要ないけれど、最低限の労務情報は整えておきたい。そんな会社では、クラウド勤怠、Web給与明細、労務データ管理を使って、日常業務の中で記録が残る形にしておくと現実的です。

労務ととのうでは、社会保険手続きや労務相談は別途料金という形にしながらも、会社の基本的な労務情報を整えておくことを重視しています。

毎月たくさん相談するほどではないけれど、最低限ちゃんとしておきたい。

そんな会社には、顧問契約よりも軽い形で労務インフラを整える選択肢もあります。

労基署の監査項目まとめ

労基署の監査項目は、労働時間、残業代、36協定、年次有給休暇、賃金台帳、労働者名簿、労働条件通知書、健康診断、安全衛生、労災報告など、幅広い内容に及びます。

こうして並べると、やることが多くて大変に感じますよね。

ただし、小さい会社が最初から完璧を目指す必要はありません。

まずは、勤怠を記録する、給与明細を残す、有給を管理する、労働者情報を整理するという基本からで十分です。

ここが整うと、賃金台帳、年次有給休暇管理簿、労働者名簿などの土台が作りやすくなります。

労基署対策は、監査が来たときだけ慌てて対応するものではなく、普段の運用を少しずつ整えることが一番の近道です。

たとえば、クラウド勤怠で出退勤を記録する、Web給与明細で給与情報を残す、労務データ管理で従業員情報を整理する。

こうした日常業務の積み重ねが、結果として監査時の説明資料になります。

小さい会社は最低限整えるだけでも変わる

小さい会社ほど、労務は何となくで回ってしまいがちです。

社長と従業員の距離が近く、困ったら口頭で話せるため、書類や記録が後回しになりやすいです。

でも、従業員が増えたり、退職者が出たり、労基署対応を考えたりすると、口頭だけでは足りなくなります。

だからこそ、顧問契約までは必要ない段階でも、最低限の労務運用を整えておく意味があります。

毎月たくさん相談するわけではない。でも、勤怠、有給、給与明細、労務情報がバラバラなのは不安。

そう感じているなら、今が整えどきかもしれません。

労基署の監査項目への備えは、特別なことではなく、日常の労務記録を残すことから始まります。小さい会社ほど、無理なく続けられる仕組みにすることが大切です。

もりおか社会保険労務士事務所では、小さい会社向けに、クラウド勤怠、Web給与明細、労務データ管理などを活用して、最低限の労務運用を整えるサービスとして労務ととのうをご用意しています。

労務ととのうは、顧問契約ではありません。

けれど、会社の状況をある程度理解している社会保険労務士がいて、クラウド勤怠、Web給与明細、労務データ管理、AI検索できる操作マニュアルなどを使いながら、小さい会社でも無理なく続けられる労務運用を整えるサービスです。

顧問契約までは必要ないけれど、労務を放置するのは少し不安。

労基署対応を考えると、今の管理方法で大丈夫か気になる。

そんな場合は、まずは自社でどこまで整えられているかを確認してみてください。

なお、この記事の内容は一般的な目安です。法令や制度は改正されることがあるため、正確な情報は厚生労働省、労働局、労働基準監督署などの公式サイトをご確認ください。

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