労災

労災認定されなかった医療費はどうなる?手続きを整理

こんにちは。

もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。

労災が認定されなかった場合でも、医療費がすべて自己負担になるとは限りません。

労災保険から給付を受けられない傷病として整理された後は、原則として健康保険を利用できる可能性があります。

ただし、医療費をまだ支払っていない場合、すでに10割を支払った場合、労災指定医療機関で窓口負担なく受診していた場合では、必要な手続きが異なります。

この記事では、労災の不支給決定を受けた後の医療費の扱いと、健康保険への切り替え、不支給決定に納得できない場合の対応を実務的に解説します。

  • 労災が認定されなかった後の医療費の扱い
  • 健康保険を使う方法と療養費の申請手続き
  • 腰痛や精神疾患などが認定されにくい理由
  • 不支給決定に対する審査請求の進め方

労災認定されなかった医療費はどうなる?

労災認定されなかった医療費の扱い

労災保険の療養補償給付や療養給付は、仕事または通勤が原因となったケガや病気を対象とする制度です。

労働基準監督署が調査した結果、業務上または通勤による傷病とは認められないと判断した場合、その傷病について労災保険から治療費は支給されません。

ただし、労災保険が使えないことと、医療費をすべて本人が負担しなければならないことは、必ずしも同じではありません。

労災保険の対象でないことが確定すれば、健康保険上は業務外の傷病として取り扱われ、保険診療へ切り替えられる可能性があります。

実務では、不支給決定が出た時点で、医療機関の請求がどこまで進んでいるかを最初に確認します。

まだ会計をしていないのか、本人が10割を支払ったのか、労災指定医療機関が労災保険へ請求済みなのかによって、進め方が変わるためです。

不支給決定後の医療費は、医療機関、加入している健康保険、労働基準監督署の三者へ確認しながら整理するのが基本です。

一つの窓口だけに問い合わせても、請求処理の全体像が分からないことがあります。

不支給なら健康保険を使える

仕事中または通勤途中の負傷や、業務が原因となった病気については、原則として健康保険ではなく労災保険が優先されます。

労働者が労災保険と健康保険のうち、都合のよい制度を自由に選択できるものではありません。

労災に該当する可能性がある傷病で健康保険を使用すると、後から健康保険が負担した医療費の返還や、労災保険への切り替えが必要になることがあります。

一方、労働基準監督署が調査を行い、業務災害または通勤災害に該当しないという不支給決定をした場合は、その傷病について労災保険から給付を受けることができません。

この段階では、健康保険の給付対象となる業務外の傷病として整理できる可能性があります。

労災が認定されなかったからといって、医療費が当然に10割負担のままになるわけではありません。

加入している協会けんぽ、健康保険組合、共済組合、市区町村の国民健康保険などへ不支給決定を受けたことを伝え、健康保険による給付を受けるために必要な手続きを確認します。

ここで注意したいのは、労災申請を取り下げただけの場合と、労働基準監督署から正式な不支給決定を受けた場合では、健康保険者の確認方法が異なることです。

仕事との関係が疑われる傷病について、本人や会社の判断だけで労災ではないと整理しても、健康保険者がすぐに保険給付を認めるとは限りません。

事故の発生状況や労働基準監督署への申請状況、不支給決定通知書の有無などを確認されることがあります。

最初に確認する三つの窓口

不支給決定を受けたら、まず医療機関へ連絡します。

労災扱いで進めていた診療を健康保険扱いへ変更できるか、過去の診療分を再計算できるか、すでに労災保険へ請求しているかを確認してください。

次に、加入している健康保険へ連絡します。

医療機関での変更が可能な場合でも、過去の診療月や請求状況によっては、本人による療養費の申請を案内されることがあります。

不支給決定通知書、領収書、診療明細書など、必要となる書類も保険者ごとに確認する必要があります。

さらに、労働基準監督署にも医療費の処理状況を確認します。

特に労災指定医療機関で窓口負担なく受診していた場合は、労災保険から医療機関へ費用が支払われているのか、請求が審査中なのかによって、その後の精算方法が変わります。

不支給決定通知書は、健康保険への切り替えを進めるうえで重要な資料になることがあります。

通知書だけでなく、送付された封筒、医療機関の領収書、診療明細書、労災請求書の控えも一緒に保管しておきましょう。

健康保険の自己負担割合

健康保険へ切り替えられた場合、一般的な現役世代では医療費の3割を窓口で負担するケースが多くなります。

ただし、年齢、所得、加入制度、公費負担医療の適用状況などによって負担割合は異なります。

すべての人が一律に3割負担になるわけではありません。

また、保険診療として認められる医療費が高額になった場合は、高額療養費制度の対象になる可能性があります。

もっとも、差額ベッド代、診断書代、保険外診療などは健康保険の給付対象外です。

医療機関へ支払ったすべての金額が、健康保険によって再計算されるわけではない点には注意してください。

仕事中や通勤途中の傷病には原則として健康保険を使用できないことについては、協会けんぽも案内しています。

労災申請中の段階で安易に健康保険へ切り替えるのではなく、労災の不支給がどのように確定しているかを確認することが大切です。

(出典:全国健康保険協会「仕事中や通勤途中にケガや病気をしたときの取扱い」)

会社から労災ではないと言われただけで、直ちに健康保険を使用してよいとは限りません。

労災に該当するかどうかを最終的に判断するのは会社ではなく、労働基準監督署です。

受傷状況を医療機関へ正確に伝え、制度上の取扱いを確認してください。

実際によくある相談では、会社から健康保険を使うように言われ、そのまま受診した後で、医療機関や健康保険から仕事中の負傷ではないかと確認されるケースがあります。

最初の説明が事実と異なると、後日の切り替え手続きが複雑になります。

受診時には、誰の責任かを判断して説明するのではなく、いつ、どこで、何をしているときに負傷したのかを正確に伝えることが重要ですよ。

未払いなら保険証を提示する

未払いなら保険証を提示する

医療機関への支払いがまだ済んでいない段階で労災の不支給決定を受けた場合は、医療機関へ不支給決定の事実を伝え、健康保険による会計へ変更できるかを確認します。

医療機関が保険診療として処理できる場合は、健康保険の資格情報を確認してもらい、所定の一部負担金を支払う流れになります。

現在はマイナ保険証を利用している方も多いですが、読み取り機にマイナンバーカードを通すだけで自動的に過去の労災扱いが健康保険へ変更されるわけではありません。

受付または医事担当者へ、労災申請をしていたこと、不支給決定を受けたこと、対象となる負傷や診療日を具体的に説明してください。

医療機関によっては、労災の支給・不支給が確定するまで会計を保留していることがあります。

この場合、不支給決定が出た時点で健康保険の資格を確認し、初診時までさかのぼって保険診療として計算し直すことがあります。

本人は、再計算後の一部負担金を支払うことになります。

ただし、医療機関の請求処理がすでに締め切られている場合や、診療から長期間経過している場合、医療機関内で直接変更できないこともあります。

その場合は、本人がいったん医療費を支払い、加入している健康保険へ療養費を申請するよう案内される可能性があります。

医療機関へ伝える内容

医療機関へ連絡する際は、単に労災が駄目だったので健康保険にしてくださいと伝えるだけでは、必要な情報が不足することがあります。

次の内容を手元に整理してから問い合わせると、担当者も状況を確認しやすくなります。

  • 患者本人の氏名と診察券番号
  • 負傷または発病した日
  • 初診日と通院した期間
  • 業務災害と通勤災害のどちらで申請したか
  • 労働基準監督署から不支給決定を受けた日
  • 医療費をすでに支払っているか
  • 加入している健康保険の名称

不支給決定通知書の写しを求められることもあります。

電話だけでは処理できず、窓口への来院や書類の郵送を求められる場合もあるため、提出方法も確認しておきましょう。

不支給決定前に健康保険へ変更しない

労災申請中で、まだ労働基準監督署の判断が出ていない場合は、単に審査に時間がかかっていることを理由として健康保険へ変更するのは慎重に考える必要があります。

労災の審査期間中も、傷病が業務上または通勤によるものかどうかは未確定です。

後から労災と認定されれば、健康保険が負担した医療費を返還し、改めて労災保険へ請求する手続きが必要になる可能性があります。

生活上の事情から医療機関への支払いが難しい場合は、医療機関に事情を説明し、会計の留保や支払方法を相談できることがあります。

すべての医療機関が応じるわけではありませんが、何も伝えずに受診を中断したり、請求を放置したりするより、早めに相談する方が現実的です。

初診時に仕事中または通勤途中のケガであることを伝えておくと、医療機関は労災申請を前提とした会計処理を検討できます。

事故後しばらくしてから労災であることを伝えると、すでに健康保険への請求が進んでおり、切り替えに時間がかかることがあります。

資格確認書やマイナ保険証の確認

健康保険へ切り替える時点で、転職や退職、扶養の変更などがあった場合は、診療日にどの健康保険へ加入していたかを確認する必要があります。

現在加入している健康保険と、実際に診療を受けた日に加入していた健康保険が異なることもあるためです。

療養費の申請先は、原則として受診日に加入していた健康保険です。

現在のマイナ保険証で資格確認ができたとしても、過去の診療分を現在の保険者が負担するとは限りません。

退職日、健康保険の資格喪失日、新しい資格取得日を確認してください。

実務では、不支給決定が出るまでに数か月以上かかり、その間に退職して国民健康保険へ移ったというケースもあります。

この場合、医療機関、退職前の健康保険、現在の国民健康保険のどこへ何を提出するのかを分けて整理します。

受診日ごとの加入先が分からない場合は、勤務先や各保険者へ資格期間を問い合わせましょう。

健康保険への変更が完了する前に、医療機関から請求された金額だけを見て支払方法を判断しないでください。

その請求が10割分なのか、健康保険へ変更した後の一部負担金なのか、対象期間はいつなのかを確認する必要があります。

医療費が未払いであることは、必ずしも手続き上不利ということではありません。

むしろ、医療機関内で健康保険へ変更できれば、本人が10割を支払った後に療養費を申請するよりも手続きが少なく済む可能性があります。

まずは不支給決定通知書を用意し、医療機関の医事担当者へ相談してください。

10割負担は療養費を申請する

労災指定医療機関以外で治療を受けた場合や、労災の認定結果が出るまで医療費を10割負担していた場合、不支給決定後に健康保険の療養費を申請できる可能性があります。

療養費とは、本来は健康保険による診療を受けられる場面で、やむを得ない事情により医療費を全額支払った場合などに、後から保険給付相当額の支給を受ける仕組みです。

労災が認定されなかった場合は、その傷病について労災保険から給付を受けられないことになります。

そのため、健康保険上の業務外の傷病として認められれば、療養費の審査対象になります。

一般的には、加入している健康保険の療養費支給申請書を使用し、領収書、診療内容の分かる明細書、不支給決定通知書の写しなどを添付して申請します。

必要書類や書類の名称は、協会けんぽ、健康保険組合、国民健康保険などによって異なるため、必ず申請先へ確認してください。

療養費申請の基本的な流れ

  1. 労災の不支給決定通知書を確認する
  2. 医療機関へ健康保険への変更が可能か問い合わせる
  3. 医療機関内で変更できない場合は必要書類を受け取る
  4. 受診日に加入していた健康保険へ連絡する
  5. 療養費支給申請書と添付書類を提出する
  6. 健康保険による審査後に支給決定を受ける

医療機関内で保険診療へ変更できるのであれば、医療機関から10割負担分と一部負担金との差額を返金してもらえることがあります。

この場合、本人が健康保険へ療養費を申請しなくて済む可能性があります。

どちらの方法で処理するかは医療機関の請求状況によるため、先に医療機関へ確認するのが実務上の順番です。

支払った金額の7割がそのまま戻るとは限らない

10割負担した金額のうち、単純に7割が必ず返金されるわけではありません。

健康保険の療養費は、実際に支払った金額と、健康保険の診療報酬に基づいて計算した額を比較し、健康保険が負担すべき範囲について支給されるのが基本です。

たとえば、医療機関が自由診療として健康保険の診療報酬より高い金額を設定していた場合、その差額まで健康保険が負担するとは限りません。

また、差額ベッド代、診断書の作成費用、予防接種、保険適用外の治療などは、原則として療養費の対象にはなりません。

療養費は、支払った医療費を無条件に精算する制度ではありません。

保険診療として認められる治療であるか、申請先の健康保険へ加入していた期間の受診であるか、必要書類がそろっているかなどの審査があります。

準備しておきたい書類

具体的な必要書類は保険者によって異なりますが、次の書類は早めに確保しておくとよいでしょう。

書類 確認する内容 注意点
療養費支給申請書 本人情報、受診日、傷病名、申請理由 加入先所定の様式を使用する
領収書 支払日、医療機関名、支払額 原本の提出を求められることがある
診療明細書 診察、検査、処置、薬剤などの内容 通常の明細書では不足する場合がある
不支給決定通知書 労災保険から給付されないこと 原本は手元に保管し、提出方法を確認する
本人確認・振込先資料 申請者と振込口座 保険者の案内に従う

医療機関から受け取る診療明細書については、普段窓口でもらう簡易な明細書だけでは審査に必要な情報が足りず、診療報酬明細書に相当する詳細な証明を求められることがあります。

どの書類が必要かを健康保険へ確認してから、医療機関へ発行を依頼すると二度手間を防げます。

領収書を紛失した場合

領収書の原本を紛失すると、実際に本人が医療費を負担したことを確認できず、申請が難しくなる可能性があります。

医療機関によっては領収証明書を発行してくれることがありますが、再発行手数料がかかる場合や、領収書そのものの再発行には対応しない場合もあります。

クレジットカードの利用明細や銀行口座の記録だけでは、誰がどの診療についていくら支払ったのかを十分に確認できないことがあります。

領収書を紛失した場合は、自己判断で代替書類を提出するのではなく、健康保険と医療機関の双方へ相談してください。

労災申請中に10割負担を続けている場合は、領収書を月ごと、医療機関ごとに分けて保管すると後の申請がしやすくなります。

病院だけでなく、薬局、治療用装具、訪問看護などの領収書も分けて保管しましょう。

申請期限を確認する

健康保険の給付を受ける権利には時効があります。

療養費は一般に、医療費を支払った日の翌日から一定期間を経過すると請求できなくなる可能性があります。

ただし、具体的な起算日や個別の取扱いについては、申請先の健康保険へ確認する必要があります。

労災の審査に長期間かかった場合、不支給決定を待っている間にも、古い診療分の療養費の請求期限が進んでいる可能性があります。

不支給決定後にまとめて考えればよいとは限りません。

労災申請中に10割負担している場合は、あらかじめ健康保険へ状況を伝え、将来不支給となった場合の必要書類と期限を確認しておくと安心です。

実務では、本人が労災の結果を待ち続け、健康保険への相談が遅れてしまうことがあります。

療養費は申請すれば必ず支給されるものではありませんが、相談しなければ手続きも進みません。

長期間放置せず、医療機関と保険者へ早めに連絡してください。

申請中は医療機関へ伝える

まだ労災の支給・不支給が決まっていない段階では、医療機関に対して 仕事中または通勤途中に発生した傷病であり、労災申請を予定している、または申請中であること を明確に伝えてください。

医療機関は、患者から説明された負傷原因をもとに、健康保険、労災保険、交通事故などの取扱いを確認します。

最初に私生活上のケガと説明して健康保険を使用し、後から仕事中の事故だったと伝えると、医療機関が健康保険へ提出した請求を取り下げる必要が生じることがあります。

反対に、労災として処理を始めた後で不支給決定となれば、健康保険への変更や療養費申請が必要です。

どちらの結果になっても、初診時から事実を正確に伝えていれば、医療機関は診療記録や請求状況を確認しやすくなります。

申請中の医療費の扱いは医療機関で異なる

労災指定医療機関で所定の請求書を提出できれば、原則として窓口で治療費を支払わずに療養を受ける現物給付の形になります。

しかし、会社の証明や書類の準備に時間がかかっている場合、医療機関が書類の提出まで預り金を求めることがあります。

労災指定医療機関以外では、本人が医療費をいったん全額負担し、後から労災保険へ費用を請求する方法が基本です。

ただし、医療機関によっては労災の判断が出るまで会計を留保したり、一定額だけを預かったりする場合もあります。

このように、申請中の窓口対応は一律ではありません。

医療機関がどのような方法で会計を処理しているのか、労災申請書をいつまでに提出する必要があるのか、不支給となった場合はどのように精算するのかを確認してください。

受診時には、次の内容を医療機関へ正確に伝えましょう。

  • ケガや病気が発生した日時と場所
  • 事故または発病時に行っていた業務
  • 仕事中または通勤途中であったこと
  • 通勤途中の場合は移動経路と目的
  • 勤務先の名称と連絡先
  • 労災申請を予定している、または申請中であること
  • 労働基準監督署から結果が出ているかどうか

会社から労災ではないと言われた場合

実際によくある相談ですが、会社から労災ではないと言われたため、医療機関に私傷病として説明してしまうケースがあります。

しかし、労災に該当するかどうかを最終的に判断するのは会社ではありません。

労働基準監督署が、事故の状況、業務内容、医学的資料、本人と会社の説明などを調査して判断します。

会社が事業主証明をしない場合でも、労働者本人が労災請求書を労働基準監督署へ提出することは可能です。

証明が得られない事情を労働基準監督署へ説明し、具体的な提出方法を確認してください。

ただし、会社が証明しないからといって、本人の主張だけで直ちに認定されるわけでもありません。

事故発生時の状況、同僚の証言、勤怠記録、業務日報、防犯カメラ、メールなど、客観的に確認できる資料が重要になります。

医療機関には、会社の見解ではなく、実際に発生した事実を説明してください。

会社が労災ではないと言っているという説明だけでは、医療機関は適切な保険の取扱いを判断できません。

治療を中断しないための相談

労災の判断が長引き、医療費の負担が大きくなると、通院をやめようと考える方もいます。

しかし、必要な治療を自己判断で中断すると、症状が悪化するだけでなく、後の労災認定や障害の評価において、治療経過を十分に確認できなくなる可能性があります。

医療費の支払いが難しい場合は、まず医療機関へ相談してください。

会計の留保、分割払い、預り金の取扱いなどを相談できることがあります。

また、労働基準監督署へ現在の申請状況を確認し、追加資料の提出が必要になっていないかも確認しましょう。

労災の認定に時間がかかるケースでは、病院代だけでなく生活費も問題になります。

療養のために休業し、賃金が支払われていない場合は、労災の休業補償給付の請求状況も確認する必要があります。

ただし、労災が不支給となった場合は、健康保険の傷病手当金を検討できることもあるため、医療費と所得補償を分けて整理することが大切です。

医療費の制度と、仕事を休んだ期間の所得補償は別の手続きです。

治療費を健康保険へ切り替えられても、休業中の収入が自動的に補償されるわけではありません。

申請中に保管する資料

申請中は、医療機関の領収書や明細書だけでなく、労働基準監督署へ提出した書類の写し、会社とのメール、事故状況を記録したメモなども保管してください。

不支給決定を受けた後に審査請求を検討する場合、当時の状況を後から正確に再現するのは難しいためです。

事故発生日、最初に会社へ報告した日、医療機関を受診した日、労災請求書を提出した日、労働基準監督署から連絡があった日を時系列にまとめておくと、医療費の切り替えにも不服申立てにも役立ちます。

申請中は結果が出るまで何もできないわけではありません。

医療機関の会計方法を確認し、必要書類を保管し、健康保険へ不支給となった場合の手続きを確認しておくことができます。

先回りして準備しておくと、不支給決定後に突然10割分を請求されたときも落ち着いて対応しやすくなります。

指定医療機関で不支給となる場合

指定医療機関で不支給となる場合

労災指定医療機関を受診し、業務災害では様式第5号、通勤災害では様式第16号の3を提出すると、原則として本人が窓口で治療費を支払わずに療養を受けることができます。

医療機関が労災保険へ直接費用を請求するため、本人による立替払いが生じない現物給付の仕組みです。

しかし、労働基準監督署の調査後に不支給決定が出ると、その傷病について労災保険による費用負担を続けることができません。

窓口負担なく受診していた期間についても、健康保険へ変更したうえで本人負担分を精算する必要が生じます。

このとき、本人がいきなり治療費の10割全額を負担しなければならないとは限りません。

医療機関が健康保険の請求へ変更できれば、保険診療として再計算し、本人には一部負担金が請求されることがあります。

精算方法は請求の進み方で変わる

不支給決定時の精算方法は、労災保険と医療機関の間でどこまで請求処理が進んでいるかによって変わります。

請求状況 想定される対応 本人が確認する相手
医療機関が労災へ未請求 健康保険へ変更して会計を再計算 医療機関、健康保険
労災へ請求済み・未払い 請求の取下げ後に健康保険へ変更 医療機関、労働基準監督署
労災から医療機関へ支払済み 返還や請求変更を含めて個別に調整 医療機関、労働基準監督署、健康保険
本人へ10割請求された 健康保険への変更または療養費申請を検討 医療機関、健康保険

医療機関からまとまった金額の請求書が届いた場合は、対象期間、診療内容、請求割合を確認してください。

労災保険から支払われなかった医療費の10割分を一時的に請求しているのか、健康保険へ変更した後の一部負担金を請求しているのかで、その後の対応が異なります。

請求書が届いても、内容を確認せずに放置しないでください。

未払いのままにすると医療機関との関係に影響するだけでなく、必要な健康保険の手続きが遅れる可能性があります。

医療機関から10割を請求された場合

医療機関内で過去の診療を健康保険へ変更できない場合、本人へいったん10割分が請求されることがあります。

この場合、本人が支払った後に加入している健康保険へ療養費を申請する方法を検討します。

ただし、支払う前に健康保険へ相談し、療養費申請に必要な書類を確認しておくことが大切です。

医療機関から領収書だけでなく、診療内容を記載した証明書を受け取る必要がある場合があります。

後から書類を依頼すると、発行に時間がかかることもあります。

また、医療機関が提示した10割分の金額と、健康保険から支給される療養費の計算額が一致するとは限りません。

自由診療として計算されている部分や保険外費用があれば、その部分は本人負担として残る可能性があります。

健康保険への切り替えに必要な説明

健康保険へ問い合わせる際は、労災指定医療機関で窓口負担なく受診していたこと、労災の不支給決定を受けたこと、対象となる診療期間、医療機関から請求を受けているかを説明します。

不支給決定通知書のほか、医療機関から送付された請求書、診療明細書、労災請求書の控えなどを用意すると話が進みやすくなります。

健康保険者によっては、仕事中の傷病が健康保険の対象となる理由を確認するため、不支給決定の内容や事故状況について追加の届出を求めることがあります。

労災から健康保険へ変更する具体的な順番や、傷病手当金を含めた整理については、 労災から健康保険への切り替え手続きと注意点 でも詳しく解説しています。

指定医療機関で窓口負担がなかった場合でも、不支給決定後の医療費が消えるわけではありません。

誰がどこへ請求し、健康保険へ変更した後に本人がいくら負担するのかを確認する必要があります。

治療継続中の場合

不支給決定後も治療が続いている場合は、不支給決定日以降の診療だけでなく、初診から不支給決定までの診療分についても取扱いを確認します。

将来分だけ健康保険へ変更し、過去分の精算を放置すると、後からまとめて請求される可能性があります。

次回の診察時に健康保険の資格情報を提示するだけでは、過去分の変更が完了しないことがあります。

受付で不支給決定通知書を提示し、過去分と今後分を分けて確認してください。

また、病院と院外薬局では請求先が別です。

病院側の切り替えが終わっても、薬局側に不支給決定が伝わっていないことがあります。

通院先、薬局、整骨院、訪問看護など、労災扱いで利用していた関係先を一覧にし、それぞれへ連絡しましょう。

実務では、病院の精算だけで安心し、薬局から後日まとまった請求が届くケースもあります。

労災保険で処理していたサービスごとに、健康保険へ変更できるか、本人による申請が必要かを確認することが重要です。

様式第7号で還付を受ける流れ

様式第7号は、業務災害について、労災指定医療機関以外で治療を受け、本人が医療費を立て替えた場合などに使用する、療養補償給付たる療養の費用請求書です。

正式には傷病や請求内容に応じて複数の種類があり、医療機関で診療を受けた場合、薬局から薬剤の支給を受けた場合、柔道整復師の施術を受けた場合などで様式が分かれています。

通勤災害について費用を請求する場合は、原則として様式第16号の5を使用します。

業務災害と通勤災害では使用する用紙が異なるため、事故がどちらに該当するのかを最初に整理しなければなりません。

様式第7号や様式第16号の5による請求は、本人が立て替えた費用について、労災保険から支給を受けるための手続きです。

そのため、労災として認定されることが前提になります。

最終的に不支給決定となった場合は、これらの様式によって労災保険から還付を受けることはできません。

指定医療機関と指定外医療機関の違い

受診状況 業務災害 通勤災害 医療費の支払い
労災指定医療機関で療養 様式第5号 様式第16号の3 原則として窓口負担なし
指定医療機関を変更 様式第6号 様式第16号の4 変更先へ所定の書類を提出
費用を立て替えて請求 様式第7号 様式第16号の5 本人が支払った後に請求

労災指定医療機関では、医療機関が労災保険へ直接請求するため、本人が治療費を立て替える必要がないのが基本です。

一方、指定外医療機関では、本人が医療費を支払い、後から労働基準監督署へ費用請求を行います。

ただし、指定外医療機関であっても、医療機関独自の取扱いによって会計を一時的に留保していることがあります。

指定医療機関かどうかだけで実際の支払状況を判断せず、領収書と医療機関の説明を確認してください。

様式第7号の請求手順

  1. 受診先が労災指定医療機関か確認する
  2. 医療費を支払い、領収書を保管する
  3. 傷病や支払先に合った様式第7号を準備する
  4. 本人が請求欄を記入する
  5. 事業主証明欄の記載を依頼する
  6. 医療機関に診療内容などの証明を依頼する
  7. 所轄の労働基準監督署へ提出する

請求書には、負傷または発病の年月日、災害の原因と発生状況、治療を受けた期間、支払った費用などを記載します。

事故状況については、単に作業中に負傷したと書くだけでなく、どのような場所で、どの作業を行い、どのような動作や出来事によって負傷したのかを具体的に記載することが重要です。

医療機関には、診療期間、傷病名、診療内容、費用などの証明を依頼します。

医療機関によっては証明書の作成に時間がかかることがあるため、早めに依頼してください。

厚生労働省は、様式第7号や様式第16号の5を含む労災保険給付関係の様式と、請求手続きの案内を公開しています。

使用する用紙は傷病や請求内容によって異なるため、最新の様式を確認してください。

(出典:厚生労働省「主要様式ダウンロードコーナー(労災保険給付関係主要様式)」)

会社が事業主証明をしない場合

会社が事故の発生状況について異なる見解を持ち、事業主証明を拒否することがあります。

ただし、事業主証明が得られないからといって、労働者本人が労災請求を一切できなくなるわけではありません。

会社から証明を得られない事情を労働基準監督署へ説明し、証明欄が空欄のままでも受理してもらえるか、別途どのような資料を提出すべきかを確認します。

労働基準監督署は、必要に応じて会社から事情を聴き、事故の発生状況を調査します。

もっとも、会社の証明がなくても必ず認定されるという意味ではありません。

本人は、業務日報、勤務表、同僚の証言、事故直後のメール、写真など、事故と業務の関係を示す資料を整理する必要があります。

請求書を提出する前に、記入済みの書類一式をコピーまたはPDFで保管してください。

後日、労働基準監督署から事故状況について質問された場合や、不支給決定に対して審査請求を行う場合に役立ちます。

不支給決定となった場合の切り替え

様式第7号を提出しても、労働基準監督署の調査で業務上の傷病と認められなければ、療養の費用は支給されません。

その場合、本人が負担した医療費について、健康保険の療養費申請へ切り替えることを検討します。

ここで、労災保険の様式第7号と、健康保険の療養費支給申請書を混同しないようにしてください。

様式第7号は労働基準監督署へ提出する労災保険の請求書です。

一方、健康保険の療養費支給申請書は、協会けんぽ、健康保険組合、市区町村など、受診日に加入していた健康保険へ提出します。

労災の不支給決定後に健康保険へ申請する際は、不支給決定通知書、医療機関の領収書、診療内容を証明する書類などが必要になる可能性があります。

労災請求時に領収書の原本を提出している場合は、原本がどこに保管されているかを労働基準監督署へ確認してください。

労災へ提出した書類が、自動的に健康保険へ引き継がれるわけではありません。

不支給決定後は、本人が健康保険へ連絡し、改めて必要書類を準備する必要があります。

薬局や治療用装具も確認する

様式第7号による費用請求は、病院の診療費だけに限られません。

院外薬局で支払った薬剤費、医師の指示により作成した治療用装具、柔道整復師による施術、訪問看護などについても、要件を満たせば労災保険の費用請求の対象となる場合があります。

ただし、それぞれ使用する様式や必要な証明が異なります。

病院の診療費について使用した様式を、そのまま薬局や装具代へ使用できるとは限りません。

支払先ごとに領収書を分け、労働基準監督署へ適切な様式を確認してください。

不支給となった場合も同様に、病院の医療費だけでなく、薬局や装具代について健康保険の給付対象となるかを確認します。

健康保険へ切り替えられるものと、保険給付の対象外となるものがあるためです。

様式第7号を提出した後も、領収書の写し、申請書の控え、提出日を記録しておくことが重要です。

支給された場合、不支給となった場合のどちらでも、その後の精算や不服申立てに必要になります。

様式第7号は、単に領収書を添えて医療費を返してもらう書類ではありません。

労災に該当するかどうかの審査を受けたうえで、療養の費用の支給を求める請求書です。

不支給決定を受けた場合は、決定理由を確認するとともに、健康保険による療養費の申請へ速やかに切り替えてください。

労災認定されなかった医療費と不服申立て

労災の不支給決定を受けても、その判断に納得できない場合は、不服申立てを検討できます。

ただし、労災認定は病名や事故の有無だけで決まるものではありません。

仕事との因果関係、事故が起きた状況、発症までの経過、医師の所見、勤怠記録などを総合的に確認したうえで判断されます。

そのため、不支給決定を受けた後は、医療費を健康保険へ切り替える対応と、不支給決定そのものを争う対応を分けて考えることが重要です。

審査請求をしたからといって、健康保険への切り替えを保留しなければならないとは限りません。

治療を継続するための医療費の処理を進めながら、並行して不服申立ての準備を行う場面もあります。

また、不服申立てには期限があります。

不支給決定通知書を受け取ったら、通知書の内容、受取日、決定理由を確認し、必要な資料をできるだけ早く整理してください。

ここからは、どのようなケースで労災が認定されにくいのか、認定基準をどのように確認するのか、不服申立てをどのように進めるのかを説明します。

不支給決定後は、医療費の処理と不服申立てを別々の課題として整理することが大切です。

健康保険への切り替えを進めたことだけを理由に、直ちに不支給決定を受け入れたことになるわけではありません。

個別の取扱いは、健康保険と労働基準監督署へ確認してください。

労災が認定されない主な例

勤務時間中にケガをしたり、仕事をしている時期に病気を発症したりしても、必ず労災と認定されるわけではありません。

業務災害として認められるためには、一般に業務遂行性と業務起因性が確認されます。

業務遂行性とは、労働者が事業主の支配または管理下にある状態で災害が発生したかという視点です。

会社の施設内で作業をしていた場合だけでなく、出張先、取引先、会社の指示による移動中なども、具体的な状況によって業務遂行性が認められることがあります。

業務起因性とは、仕事とケガや病気との間に、労災保険上の因果関係が認められるかという視点です。

会社内で発生した出来事であっても、業務とは無関係な私的行為が原因であれば、業務起因性が認められない可能性があります。

勤務時間中の私的行為による負傷

たとえば、休憩時間中に私的な遊びをして負傷した場合や、同僚との個人的な争いによってケガをした場合は、会社内で発生していても業務との関係が否定されることがあります。

ただし、休憩中であっても会社設備の欠陥によって負傷した場合などは、業務災害と認められる可能性があります。

休憩中だから一律に労災ではない、会社内だから必ず労災である、という単純な整理ではありません。

事故が発生した場所だけでなく、事故時に何をしていたか、会社の設備や管理状況が事故に影響したかを確認します。

業務とは関係のない持病の悪化

もともと腰痛、心臓疾患、精神疾患などがあった場合、その症状が勤務中に現れたというだけでは、直ちに労災とは認められません。

業務による負荷が、持病を自然な経過を超えて悪化させたと判断できるかが問題になります。

たとえば、以前から腰痛があり、特に重い物を持った事実や業務負担の増加がないまま痛みが強くなった場合、加齢や基礎疾患による自然な悪化と判断される可能性があります。

一方で、重量物の運搬作業が急増した、無理な姿勢での作業を長時間続けたなどの事情があれば、業務による増悪として検討されることがあります。

事故状況を確認できない場合

本人が仕事中に転倒したと主張していても、発生直後に会社へ報告しておらず、受診時にも仕事中の負傷と説明していない場合は、事実関係の確認が難しくなることがあります。

目撃者がいない事故では、本人の説明、診療録、事故直後のメール、勤怠記録、防犯カメラなどを総合的に確認します。

事故から長期間経過した後に労災申請を行うと、当時の状況を確認できる資料が失われていることもあります。

労災請求には一定の時効がありますが、時効期間内だから資料を後からそろえればよいとは限りません。

事故が起きたら、できるだけ早く会社へ報告し、医療機関へ発生状況を正確に説明することが大切です。

業務命令ではない行動中の事故

会社の行事、懇親会、運動会、親睦旅行などでケガをした場合、その参加が業務の一環だったのか、任意の私的参加だったのかが問題になります。

会社が参加を強く求めていたか、費用を負担していたか、出勤扱いとしていたか、会社の管理下で実施していたかなどを確認します。

営業先へ向かう途中で個人的な買い物をするため大きく経路を外れた場合や、私用を終えた後の移動中に事故に遭った場合も、業務災害または通勤災害に該当しない可能性があります。

労災が認定されない理由は、事故が軽いからとは限りません。

負傷の程度が重くても、業務との因果関係を確認できなければ不支給となる可能性があります。

反対に、比較的軽い負傷でも業務との関係が明確であれば労災の対象になり得ます。

不支給決定通知書で確認すること

不支給決定を受けたら、まず通知書に記載された処分内容を確認します。

ただし、通知書だけでは詳細な判断過程が十分に分からないこともあります。

どの事実が認められなかったのか、医学的因果関係が否定されたのか、通勤経路の要件を満たさなかったのかによって、準備すべき資料は変わります。

労働基準監督署へ問い合わせる際は、単にどうして不支給なのかと聞くだけでなく、業務遂行性、業務起因性、事故の事実、医学的判断のうち、どの部分が主な理由だったのかを確認するとよいでしょう。

会社が労災ではないと主張していても、そのことだけで不支給になるわけではありません。

反対に、会社が労災だと認めて事業主証明をしていても、労働基準監督署の調査で要件を満たさないと判断されれば不支給となることがあります。

実務上は、本人と会社の説明に食い違いがあるケースもあります。

このような場合は、どちらの説明が感情的に納得できるかではなく、当時作成された資料や第三者の証言と整合するかが重要です。

不支給決定に納得できない場合は、最初の申請時に提出した内容と追加できる資料を整理してください。

腰痛や精神疾患の認定基準

腰痛や精神疾患の認定基準

腰痛や精神疾患は、転倒や機械への巻き込まれ事故のように原因が一つの出来事として見えにくく、仕事との因果関係が争点になりやすい傷病です。

本人にとっては仕事が原因だと感じていても、労災認定では業務上の負荷、発症時期、既往歴、業務以外の要因などを客観的に確認します。

そのため、不支給決定を受けた場合は、診断名が付いていることだけではなく、認定基準のどの要件を満たしていないと判断されたのかを確認する必要があります。

腰痛の場合

腰痛の労災認定では、大きく分けて、突発的な出来事によって発生した災害性の腰痛と、日々の業務負担が積み重なって発症した非災害性の腰痛が検討されます。

災害性の腰痛では、重量物を持ち上げようとした瞬間に腰へ急激な力が加わった、足を滑らせて不自然な姿勢になった、転倒しそうになった人を支えて腰をひねったなど、通常の動作とは異なる突発的な出来事があったかが重要です。

単に仕事中に腰が痛くなったという説明だけでは、発症の原因を特定しにくくなります。

何を持っていたのか、重量はどの程度だったのか、どの姿勢で、どちらの方向へ体を動かしたのか、その直後からどのような症状が出たのかを具体的に整理してください。

非災害性の腰痛では、重量物を反復して取り扱う業務、腰を深く曲げた姿勢を続ける業務、腰へ振動が加わる車両運転など、日常的な業務負担が確認されます。

重量物の重さだけでなく、持ち上げる回数、作業時間、作業姿勢、補助具の使用状況、従事期間などを総合的に見ます。

業務による筋肉などの疲労を原因とする腰痛については、比較的短期間であっても、おおむね3か月以上、腰に過度の負担がかかる業務へ従事していたかなどが検討されます。

また、約20キログラム以上の重量物を反復して扱う業務などが例として示されていますが、数値に該当すれば自動的に認定されるわけではありません。

腰痛の申請では、次の資料が判断材料になりやすいものです。

  • 取り扱っていた荷物の重量と大きさ
  • 一日当たりの作業回数と作業時間
  • 作業時の姿勢が分かる写真や動画
  • 同じ作業をしていた同僚の説明
  • 発症前後の勤務表と業務日報
  • 過去の腰痛や治療歴が分かる資料

既往症がある場合

過去に腰痛の治療を受けていた場合でも、直ちに労災の対象外になるわけではありません。

業務上の出来事や負荷によって、既往症が自然な経過を超えて悪化したと認められるかを確認します。

一方で、画像検査に加齢性の変化が見られる場合や、以前から同程度の症状が続いていた場合は、今回の仕事によって新たに発症または悪化したことを説明する必要があります。

過去の診療記録を隠すのではなく、以前の症状と今回の症状がどう違うのかを整理した方がよいでしょう。

精神疾患の場合

うつ病、適応障害、急性ストレス反応などの精神障害について労災認定を受けるためには、認定対象となる精神障害を発病していること、発病前のおおむね6か月の間に業務による強い心理的負荷が認められること、業務以外の心理的負荷や個体側要因だけで発病したとはいえないことなどが検討されます。

精神障害では、本人が強いストレスを感じたかという主観だけではなく、同種の労働者が一般的にどの程度の心理的負荷を受ける出来事だったかという視点から評価されます。

長時間労働については、発病直前1か月におおむね160時間以上、または発病直前3週間におおむね120時間以上の時間外労働などが、極度の長時間労働として強い心理的負荷と評価される例です。

ただし、これらの時間数を下回ったら認定されないという意味ではありません。

発病前2か月間連続して月おおむね120時間以上、または発病前3か月間連続して月おおむね100時間以上の時間外労働が続いた場合や、仕事内容の大きな変化、ハラスメント、重大な事故や失敗などが重なった場合も、総合的に評価されます。

精神障害の最新の認定基準と具体的な評価方法については、厚生労働省の案内を確認してください。

(出典:厚生労働省「心理的負荷による精神障害の労災認定基準を改正しました」)

ハラスメントが問題になる場合

パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、顧客からの著しい迷惑行為などが原因で精神疾患を発病したと主張する場合は、いつ、誰から、どのような言動を受けたかを具体的に整理します。

本人の記憶だけでなく、メール、社内チャット、録音、相談窓口への申告記録、同僚の証言、会社の調査報告などが重要です。

継続的な言動であれば、発生した日時と内容を時系列にまとめてください。

会社がハラスメントを認めていない場合でも、労働基準監督署は関係者から事情を聴くなどして調査します。

ただし、証拠が乏しく、本人と相手方の説明が大きく異なる場合は、事実認定が難しくなることがあります。

長時間労働の時間数を確認する資料

時間外労働の時間数は、会社が作成した勤怠記録だけでなく、パソコンのログイン記録、入退館記録、メール送信履歴、業務日報、持ち帰り業務の記録などから確認されることがあります。

固定残業代を受け取っていたことと、実際の時間外労働時間は別の問題です。

また、管理監督者として扱われていた場合でも、実際の労働時間が労災認定で考慮されなくなるわけではありません。

時間外労働が認定基準の目安に達していることだけで、精神疾患が自動的に労災認定されるわけではありません。

発病時期、診断内容、業務上の出来事、業務以外の出来事などを含めて総合的に判断されます。

診断書だけでは不足することがある

医師の診断書は重要な資料ですが、診断書に仕事が原因と書かれているだけで、労働基準監督署が必ず業務上と認定するわけではありません。

医師は患者から聞いた内容をもとに記載することもあり、労働基準監督署は勤務状況や会社側の説明なども含めて判断します。

不支給決定を争う場合は、診断名だけでなく、いつ発病したと判断されたのか、その時期までにどのような業務上の出来事があったのかを対応させることが大切です。

腰痛や精神疾患では、認定基準の数字だけを探すより、本人の業務実態を数字や記録で示すことが重要です。

作業量や残業時間を後から正確に思い出すのは難しいため、申請を検討した段階で資料を保存してください。

通勤災害で認定されない場合

通勤途中の事故が通勤災害として認められるためには、労災保険上の通勤に該当する移動であることが必要です。

一般には、住居と就業場所との間の往復、就業場所から別の就業場所への移動などを、合理的な経路および方法で行っていたかが確認されます。

自宅から会社へ向かっていたというだけで、すべての移動が通勤として保護されるわけではありません。

移動の目的、経路、寄り道の内容、事故が起きた時点などによって判断が変わります。

合理的な経路とは

合理的な経路は、必ずしも最短距離の経路だけではありません。

電車の混雑を避けるため別の路線を利用した、道路工事や渋滞を避けて別の道を通った、子どもを保育施設へ送るため通常とは異なる道を利用したなど、具体的な事情から合理性が認められることがあります。

日頃利用していない経路であるという理由だけで、直ちに通勤災害から外れるわけではありません。

ただし、通勤とは関係のない私的目的のために大きく遠回りした場合は、その区間が合理的な通勤経路とは認められない可能性があります。

合理的な方法とは

徒歩、鉄道、バス、自動車、自転車など、一般的に用いられる交通手段は、通常、合理的な方法となり得ます。

普段は電車通勤をしている人が、その日に限って自転車を利用したという事情だけで、直ちに合理性が否定されるものではありません。

ただし、無免許運転など、移動方法自体に重大な問題がある場合は個別の判断が必要です。

交通違反があったから一律に通勤災害にならないという単純な話ではありませんが、事故状況を正確に説明する必要があります。

逸脱と中断

通勤経路から、通勤や就業とは関係のない私的な目的で外れることを逸脱といいます。

また、合理的な通勤経路上で、通勤とは関係のない私的行為を行うことを中断といいます。

たとえば、仕事帰りに映画館へ立ち寄るため経路を外れる場合は逸脱となる可能性があり、通勤経路上の飲食店で長時間飲酒する場合は中断となる可能性があります。

逸脱または中断があると、その後の移動は原則として通勤とは認められません。

そのため、私用を終えて元の通勤経路へ戻った後に事故に遭っても、原則として通勤災害の対象外となることがあります。

日常生活上必要な行為の例外

逸脱や中断があっても、日常生活上必要な行為を、やむを得ない事情により最小限度の範囲で行った場合は、その行為中を除き、合理的な経路へ戻った後の移動が再び通勤として扱われることがあります。

例としては、日用品の購入、病院での診察、選挙権の行使、職業訓練や一定の教育訓練、要介護状態にある家族の介護などが挙げられます。

ただし、日用品の購入であれば、店内にいる間の事故まで通勤災害になるという意味ではありません。

逸脱または中断している間は原則として通勤に含まれず、用事を終えて合理的な経路へ戻った後から再び通勤となる可能性があります。

通勤災害では、次の情報を時系列で整理してください。

  • 勤務終了時刻と会社を出た時刻
  • 通常利用している通勤経路
  • 事故当日に選んだ経路
  • 寄り道をした場所と目的
  • 寄り道にかかった時間
  • 事故が起きた正確な場所と時刻
  • 事故時にどこへ向かっていたか

コンビニやトイレへの立ち寄り

通勤経路の近くにある公衆トイレを利用した場合や、経路上の店舗で飲み物やたばこなどを短時間購入した場合は、社会通念上ささいな行為として、逸脱または中断に当たらないことがあります。

一方、店舗で長時間過ごした、通勤経路から大きく離れた店舗へ行った、買い物以外の私的目的があったなどの事情があれば、判断が変わる可能性があります。

何分以内であれば問題ないという一律の基準があるわけではありません。

立ち寄った目的、場所、所要時間、通勤経路との位置関係を総合的に見ます。

飲酒後の帰宅

仕事帰りに同僚と飲酒し、その後の帰宅途中で事故に遭ったケースでは、飲酒の場所、目的、時間、会社行事だったかなどが確認されます。

本人が任意で参加した私的な飲食であれば、通勤の中断と判断され、その後の帰宅が通勤災害として認められない可能性があります。

会社主催の懇親会であっても、必ず業務または通勤と認められるわけではありません。

参加が事実上強制されていたか、会社の指揮命令下にあったか、費用や時間の扱いなどを確認します。

複数の就業先がある場合

副業や兼業により複数の勤務先で働いている場合、一つ目の勤務先から二つ目の勤務先へ移動する途中の事故が、通勤災害として扱われることがあります。

ただし、移動が就業に関するものであることや、合理的な経路と方法であることなどの確認が必要です。

自宅へ一度帰宅した、私用を済ませた、長時間の空白があるなどの場合は、どの移動が通勤に当たるかを詳しく確認します。

勤務先が複数ある場合は、双方の勤務時間、移動経路、雇用関係を示す資料を用意してください。

寄り道をした事実を隠して申請することは避けてください。

事故時刻、警察への届出、店舗の利用記録などから経路が確認され、説明の信用性に影響する可能性があります。

事実を正確に示したうえで、例外に該当するかを検討します。

通勤災害で不支給となった場合は、合理的な経路ではないと判断されたのか、逸脱または中断があったと判断されたのか、そもそも就業に関する移動ではないと判断されたのかを確認してください。

理由によって、提出すべき資料や審査請求で主張する内容が変わります。

不支給決定への審査請求

不支給決定への審査請求

労働基準監督署長による不支給決定に納得できない場合は、労働者災害補償保険審査官に対して審査請求を行うことができます。

審査請求は、元の決定が事実または法令上妥当だったかを、労災保険審査官に改めて審査してもらう制度です。

単に労働基準監督署へもう一度相談することや、同じ請求書を出し直すこととは異なります。

正式な不服申立てとして、期限内に所定の方法で行う必要があります。

審査請求の期限

審査請求は、原則として、不支給決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に行います。

通常は不支給決定通知書を受け取った日が重要になりますが、具体的な起算日は個別の事情によって確認が必要です。

通知書が普通郵便で届いた場合でも、受け取った日を記録しておきましょう。

封筒の消印や配達記録が、期限を確認する資料になることがあります。

家族が先に受け取った、長期不在で確認が遅れたなどの事情がある場合は、自己判断せず早めに相談してください。

審査請求の準備に時間がかかっても、期限が自動的に延長されるわけではありません。

資料がすべてそろっていない場合でも、まず期限内に審査請求を行い、追加資料の提出方法を確認する必要があることがあります。

審査請求書の提出先

審査請求は、不支給決定を行った労働基準監督署の所在地を管轄する都道府県労働局に置かれた労働者災害補償保険審査官へ行います。

審査請求書は、労働基準監督署や都道府県労働局で入手できます。

提出方法や提出先が分からない場合は、不支給決定を行った労働基準監督署または都道府県労働局の労災補償課へ確認してください。

審査請求自体に手数料はかかりませんが、診断書や意見書の作成、専門家への依頼などには費用が生じることがあります。

審査請求で整理する内容

審査請求では、不支給決定に納得できないという感情だけを示すのではなく、元の決定のどの判断に誤りがあると考えるのかを整理することが重要です。

たとえば、事故の発生事実が認められなかったのであれば、目撃者の陳述書、防犯カメラ、事故直後の報告メールなどを提出します。

業務と病気との因果関係が否定されたのであれば、業務量、残業時間、医学的所見などを補います。

通勤災害で合理的な経路ではないと判断されたのであれば、地図、定期券の利用区間、道路工事の状況、保育施設への送迎事情などを示すことが考えられます。

不支給理由と資料を対応させて整理すると、主張が分かりやすくなります。

  • 事故の発生が否定された場合は事故を示す資料
  • 業務負荷が弱いとされた場合は作業量や勤務時間の資料
  • 医学的因果関係が否定された場合は診療経過や医師の意見
  • 通勤経路が否定された場合は地図や移動目的の資料
  • 私的行為とされた場合は会社の指示や業務との関係を示す資料

口頭意見陳述

審査請求では、審査請求人が自分の意見を述べる機会が設けられることがあります。

書面だけでは伝わりにくい事故状況や業務内容を説明できる場面ですが、話す内容は事前に整理しておく必要があります。

元の申請時の説明と異なる内容を述べる場合は、なぜ説明が変わったのかも確認される可能性があります。

当時は混乱していた、会社の指示で十分に説明できなかったなどの事情があれば、事実に基づいて説明してください。

再審査請求

審査官の決定にも不服がある場合は、労働保険審査会へ再審査請求を行うことができます。

また、審査請求を行った後、3か月を経過しても審査官の決定がない場合は、決定を待たずに再審査請求を行える場合があります。

再審査請求は、原則として、審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2か月以内に文書で行います。

審査請求とは期限が異なるため、決定書が届いたらすぐに確認してください。

手続き 主な申立先 一般的な期限
審査請求 労働者災害補償保険審査官 処分を知った日の翌日から3か月以内
再審査請求 労働保険審査会 審査官の決定書送付日の翌日から2か月以内
再審査請求の特例 労働保険審査会 審査請求後3か月を経過しても決定がない場合に検討

不服申立ての期限や手続きについては、厚生労働省の各都道府県労働局でも案内されています。

期限の数え方を誤ると申立てが認められない可能性があるため、最新の案内を確認してください。

(出典:福島労働局「労災保険給付決定に不服がある場合」)

行政訴訟

再審査請求の裁決に不服がある場合は、不支給決定の取消しを求める行政訴訟を検討することがあります。

また、一定の場合には、再審査請求を経ずに、審査請求の決定後に取消訴訟を提起できることがあります。

行政訴訟にも出訴期間があります。

一般に処分または裁決があったことを知った日から6か月以内などの期限が問題になりますが、どの決定を対象にするか、いつから起算するかによって判断が変わります。

訴訟では、審査請求以上に法的・医学的な争点整理が必要です。

行政訴訟を検討する場合は、期限を確認したうえで、労災事件に詳しい弁護士へ早めに相談してください。

会社に対する損害賠償請求

労災保険の不支給決定と、会社に対する民事上の損害賠償責任は、同じ判断ではありません。

労災保険から給付を受けられなかった場合でも、会社に安全配慮義務違反や不法行為があったとして、治療費、休業損害、慰謝料などを請求できる可能性があります。

ただし、労災が不支給となった理由が業務との因果関係を認められなかったことにある場合、民事上の損害賠償でも因果関係が争われる可能性があります。

また、労災保険の認定基準と民事上の損害賠償責任の判断枠組みは同一ではありません。

会社への請求を考える場合は、事故の原因、安全対策、会社が危険を認識していたか、本人にも過失があったかなどを個別に検討します。

審査請求と損害賠償請求のどちらを先に行うかも、事案によって異なります。

不服申立てや訴訟には厳格な期限があります。

期限の数え方や選択する手続きによって権利関係が変わる可能性があるため、通知書を受け取った段階で早めに専門家へ相談してください。

労災認定されなかった医療費のまとめ

労災が認定されなかった場合、その傷病について労災保険から療養補償給付または療養給付を受けることはできません。

しかし、不支給決定が出たからといって、医療費の10割すべてが最終的な自己負担になるとは限りません。

労災保険の対象外と判断された傷病は、健康保険上の業務外の傷病として整理され、健康保険を利用できる可能性があります。

医療機関への支払いがまだであれば、健康保険による会計へ変更できるかを医療機関へ確認します。

すでに医療費を10割負担している場合は、医療機関内で保険診療へ変更して差額を返金してもらえるかを確認してください。

医療機関内で変更できない場合は、受診日に加入していた健康保険へ療養費を申請する方法を検討します。

労災指定医療機関で窓口負担なく受診していた場合も、不支給決定後は過去の診療費を精算する必要があります。

医療機関が健康保険へ請求を変更できれば、本人には一部負担金が請求されることがあります。

請求処理が進んでいる場合は、医療機関、健康保険、労働基準監督署の間で個別の調整が必要になることがあります。

不支給決定後の確認手順

  1. 不支給決定通知書と受取日を確認する
  2. 医療機関へ過去の請求状況を問い合わせる
  3. 健康保険へ切り替えまたは療養費申請の方法を確認する
  4. 領収書、診療明細書、申請書の控えを整理する
  5. 薬局や治療用装具など病院以外の費用も確認する
  6. 不支給理由に納得できない場合は審査請求の期限を確認する

特に重要なのは、医療機関から請求を受けるまで何もしないのではなく、不支給決定を受けた段階で関係先へ連絡することです。

医療機関がまだ労災保険へ請求していない段階であれば、比較的スムーズに健康保険へ変更できる可能性があります。

一方、労災保険から医療機関へすでに費用が支払われている場合や、複数の医療機関や薬局を利用している場合は、精算に時間がかかることがあります。

請求書が届いたら、対象期間と請求内容を確認し、支払方法について相談してください。

医療費と不服申立ては分けて考える

不支給決定に納得できず審査請求を行う場合でも、現在の治療費をどの制度で処理するかは整理する必要があります。

審査請求の結果が出るまで長期間かかる可能性があるため、その間ずっと医療費を未処理のままにできるとは限りません。

健康保険へ切り替えた後、審査請求によって不支給決定が取り消され、労災認定されることになれば、改めて健康保険から労災保険への切り替えや費用調整が必要になる可能性があります。

手続きが二度になるように感じるかもしれませんが、治療を継続するための現時点の処理と、不支給決定の妥当性を争う手続きは、目的が異なります。

医療機関と健康保険へ、審査請求を予定していることも伝えたうえで進めるとよいでしょう。

領収書と通知書を保管する

労災の不支給決定後は、不支給決定通知書、医療費の領収書、診療明細書、労災請求書の控え、会社とのやり取りなどをまとめて保管してください。

療養費申請では領収書の原本を求められることがあります。

審査請求では、不支給決定の理由に対応する証拠を提出する必要があります。

原本を提出する場合は、提出前にコピーまたはPDFを残しておきましょう。

また、いつ、どこへ、どの書類を提出したかを記録してください。

複数の医療機関を受診している場合や、病院と薬局で別々に手続きをする場合は、一覧表を作ると管理しやすくなります。

確認先 主に確認する内容
医療機関 請求状況、健康保険への変更、本人負担額
健康保険 療養費申請、必要書類、受診日の資格
労働基準監督署 不支給理由、労災請求の処理状況
都道府県労働局 審査請求の提出先と手続き
専門家 不服申立て、訴訟、損害賠償の検討

労災が認定されなかった医療費について重要なのは、10割負担のまま諦めず、健康保険への変更や療養費申請の可否を確認することです。

不支給決定の内容に疑問がある場合は、医療費の手続きと並行して、審査請求の期限も確認してください。

実際によくあるのは、不支給決定を受けて気持ちが落ち込み、医療機関や健康保険への連絡が後回しになるケースです。

しかし、時間が経過すると、領収書を紛失したり、医療機関で過去分の請求を変更できなくなったりすることがあります。

まずは、不支給決定通知書と医療費関係の書類を一か所に集め、医療機関へ連絡してください。

その後、受診日に加入していた健康保険へ相談し、必要な申請書と添付書類を確認します。

不支給決定に不服がある場合は、通知書を受け取った日から期限が進みます。

追加資料の収集には時間がかかるため、労働基準監督署、都道府県労働局、社労士または弁護士へ早めに相談することが重要です。

労災保険、健康保険、不服申立ての取扱いは、個別の事実関係や手続きの進行状況によって異なります。

数値や期限は一般的な取扱いを示したものであり、例外的な取扱いが問題になる場合もあります。

制度や申請書の取扱いは、加入している健康保険や個別の状況によって異なる場合があります。

正確な情報は公式サイトをご確認ください。

医療費の精算、不支給決定への対応、会社への損害賠償請求などは、それぞれ異なる法律上の検討が必要です。

最終的な判断は専門家にご相談ください。

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