社会保険・年金

障害年金の診断書とは?種類・現症日・依頼方法のポイント

こんにちは。

もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。

障害年金の診断書は、障害の種類に応じて8種類の専用様式があり、請求方法によって必要な枚数や、どの時点の状態を書いてもらうのかが変わります。

特に重要なのが、診断書に記載される現症日です。

障害年金を請求するとき、「主治医には何を頼めばよいのか」「診断書は1枚でよいのか」「費用はいくらかかるのか」と迷う方は少なくありません。

また、せっかく診断書を取得しても、必要な現症日の範囲から外れていれば、取り直しが必要になることもあります。

この記事では、これから障害年金を請求する本人やご家族に向けて、診断書の種類、現症日の考え方、医師への依頼方法、費用、受け取った後に確認したいポイントまで、実務の流れに沿って解説します。

  • 障害年金で使用する8種類の診断書と選び方
  • 請求方法ごとに異なる現症日と必要枚数
  • 主治医へ診断書を依頼するときの伝え方
  • 診断書を受け取った後の確認ポイント

障害年金の診断書とは?種類・現症日・依頼方法を社労士が解説

障害年金の診断書で最初に確認すること

障害年金の診断書は、病院で一般的に発行してもらう診断書とは異なり、日本年金機構が定める専用様式を使用します。

重要なのは、いきなり主治医へ診断書を依頼するのではなく、先に「どの様式を使うのか」「どの請求方法なのか」「いつの状態を書いてもらうのか」を確認することです。

実務上、診断書を先に取得してから年金事務所へ相談する方もいらっしゃいます。

しかし、請求方法や現症日の範囲が合っていなければ、せっかく作成してもらった診断書をそのまま使えない場合があります。

診断書は費用も時間もかかる書類ですので、私は「診断書を取る前の整理」が非常に重要だと考えています。

障害年金の診断書は8種類ある

障害年金の診断書には、障害が現れている部位や傷病の種類に応じて、次の8種類があります。

診断書は年金事務所などで入手できるほか、日本年金機構のホームページからダウンロードすることもできます。

様式 主な対象となる障害
様式第120号の1 眼の障害
様式第120号の2 聴覚、鼻腔機能、平衡機能、そしゃく・嚥下機能、音声・言語機能の障害
様式第120号の3 肢体の障害
様式第120号の4 精神の障害
様式第120号の5 呼吸器疾患の障害
様式第120号の6-(1) 循環器疾患の障害
様式第120号の6-(2) 腎疾患、肝疾患、糖尿病の障害
様式第120号の7 血液、造血器、その他の障害

たとえば、うつ病や双極性障害、統合失調症、発達障害などで請求する場合は、原則として 精神の障害用である様式第120号の4 を使用します。

視力や視野の障害であれば眼の障害用、手足や関節などの障害であれば肢体の障害用というように、障害の状態に対応した様式を使用します。

ここで注意したいのは、診断書の種類が単純に「病名ごと」に決まっているわけではないという点です。

同じ病気でも、実際にどこにどのような障害が現れているかによって使用する診断書が変わる場合があります。

たとえば脳血管障害では、手足の麻痺が中心であれば肢体の障害用の診断書が考えられますが、器質性精神障害など精神面の障害も生じている場合には、精神の障害用の診断書も必要になる可能性があります。

糖尿病でも、腎機能障害、網膜症による視覚障害など、障害が現れている場所によって確認する様式が異なります。

つまり、 一つの傷病だから診断書も必ず一種類とは限りません。

複数の障害がある場合には、障害の状態を適切に審査してもらうため、それぞれの状態に対応した診断書が必要になることがあります。

診断書を取得する前に様式を確認することが大切です。

診断書を先に医師へお願いしてしまうと、後から「別の様式が必要だった」「もう一種類必要だった」と分かり、再度依頼することになりかねません。

日本年金機構も、障害年金の要件や使用する診断書の種類、診断書に記入する症状の日付を確認してから作成を依頼するよう案内しています。

また、診断書には、それぞれの障害に応じた検査数値、身体機能、日常生活能力、就労状況などを記載する欄があります。

障害年金は病名だけで支給の可否を判断する制度ではありません。

診断書を通じて、その傷病によって日常生活や労働能力にどの程度の制限が生じているのかが確認されます。

そのため、「自分はこの病気だからこの診断書だろう」と自己判断するより、請求の前段階で年金事務所などに確認しておくほうが安全です。

診断書を準備する際は、傷病名だけではなく、初診日から現在までの経過や実際に生じている障害を確認したうえで、必要な診断書を整理することが大切です。

各様式や記載要領は、 日本年金機構「障害年金の請求手続き等に使用する診断書・関連書類」 で確認できます。

病気に合う診断書様式の選び方

病気に合う診断書様式の選び方

診断書の様式を選ぶときは、単純に病名だけを見るのではなく、 その病気によって、身体や日常生活のどの部分に障害が生じているのか を確認します。

たとえば糖尿病であっても、糖尿病そのものによる障害状態を確認する場合と、糖尿病性網膜症による視覚障害、糖尿病性腎症による腎機能障害では、審査で確認する内容が異なります。

複数の合併症があり、それぞれが障害の状態として問題となっている場合には、複数種類の診断書が必要になることもあります。

人工関節であれば肢体の障害用、人工透析であれば腎疾患等の障害用が基本的な確認対象になります。

また、がんや難病などは「病名を見れば一つの様式に決まる」とは限りません。

がんの場合でも、病変の部位、治療内容、全身状態、日常生活への影響などによって確認すべき内容が変わります。

このため、診断書を準備するときには「私は何という病気なのか」だけでなく、 「その病気によって、現在どの機能に障害が残っているのか」 という視点を持つことが大切です。

病名だけを見て自分で診断書の様式を決めてしまわないこと が重要です。

誤った様式で作成してもらうと、必要な障害状態を十分に記載できないだけでなく、別の診断書を取り直すことになる可能性があります。

診断書料も再度必要になることがありますので、先に確認しておくほうが負担を抑えられます。

また、「主治医が診ている診療科」と「障害年金で使用する診断書の種類」が必ずしも一対一で対応するわけではありません。

診療科ではなく、障害の状態を記載できる医師であるか、必要な項目を医学的に判断できるかという視点も重要です。

複数の医療機関を受診している方の場合には、どの医師にどの診断書を作成してもらうのかも整理します。

たとえば身体障害について整形外科、精神障害について精神科を受診しているのであれば、それぞれの障害状態を継続して診ている医師に依頼することが考えられます。

請求の準備では、まず初診日や傷病の経過、現在の障害状態を確認し、そのうえで請求方法と必要な診断書を整理します。

診断書は障害年金請求のスタート地点ではなく、請求方法を整理した後に取得する書類 と考えると分かりやすいですよ。

また、障害年金では「障害認定日による請求」と「事後重症による請求」で必要となる診断書の時点が違います。

そのため、様式だけ確認しても十分ではありません。

次に説明する現症日までセットで確認してから、医師へ依頼することが重要です。

診断書依頼前に確認したい3点

  • どの傷病・障害について請求するのか
  • どの診断書様式を使用するのか
  • どの時点の状態を記載してもらうのか

障害年金そのものの受給要件については、 障害年金の受給条件と初診日・納付要件・障害等級 で詳しく解説しています。

初診日や保険料納付要件がまだ整理できていない方は、診断書を取得する前に確認しておくと全体の流れが分かりやすくなります。

現症日で必要な診断書が変わる

障害年金の診断書で特に重要なのが 現症日 です。

現症日とは、診断書を作成した日ではなく、 医師が「この日の障害状態について記載している」と示す基準日 です。

障害年金では、請求方法ごとに必要となる現症日の範囲が決められています。

実務で非常に多い誤解が、「診断書は発行してから3か月以内なら使える」という考え方です。

障害年金で見るのは、単純な診断書の発行日や受取日ではありません。

どの時点の障害状態について作成された診断書なのか、つまり 現症日が必要な期間に入っているか を確認します。

請求方法 原則として必要な診断書
障害認定日から1年以内の認定日請求 障害認定日以後3か月以内の現症の診断書
障害認定日から1年以上経過した認定日請求 障害認定日時点と請求日時点の診断書
事後重症請求 請求日前3か月以内の現症の診断書
20歳前に初診日がある障害基礎年金 障害認定日の前後3か月以内の現症の診断書が基本

障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を経過した日です。

ただし、一定の傷病や治療については、1年6か月を待たずに障害認定日となる場合があります。

そのため、まず初診日を確定し、それをもとに障害認定日を確認する必要があります。

たとえば、障害認定日による請求をする場合、現在の状態が重いだけでは足りません。

障害認定日時点でも障害年金の基準に該当する状態だったことを確認する必要があるため、その時期の診断書が重要になります。

一方、障害認定日には障害の程度が軽かったものの、その後悪化した場合などに利用するのが事後重症による請求です。

この場合には、請求日前3か月以内の現症日となっている診断書を準備します。

20歳前に初診日がある場合は少し考え方が異なります。

20歳に達した日が障害認定日となるケースなどでは、障害認定日の前後3か月以内の現症日の診断書が対象になります。

初診日から1年6か月を経過した日が20歳以降になるケースなどもあるため、20歳前障害については個別に障害認定日を確認することが大切です。

診断書は「作成日から3か月有効」という単純な仕組みではありません。

確認するのは、必要な期間の中に現症日が入っているかどうかです。

診断書の作成日、受取日、提出日だけを見て判断しないようにしましょう。

また、現症日が適切でも、診断書を取得してから請求まで長期間空けてしまうと、事後重症請求などでは請求日前3か月以内という条件から外れる可能性があります。

医師へ診断書をお願いしてから完成するまでには一定の期間が必要ですので、取得時期と提出時期を逆算する必要があります。

たとえば「診断書ができたので安心して、その後数か月手続きを止めてしまった」というケースでは、現症日の関係で再取得が必要になることがあります。

費用だけでなく、主治医へもう一度依頼する負担も生じます。

現症日を確認する前に診断書を依頼しないこと。

特に、障害認定日から時間が経っている方、遡及請求を検討している方、65歳が近い方は、診断書を依頼する前に請求方法とスケジュールを整理することをおすすめします。

診断書の取得には一定の日数がかかりますので、必要な現症日の範囲を確認したうえで、請求までのスケジュールを組むことが大切です。

遡及請求では診断書が2枚必要

遡及請求では診断書が2枚必要

障害認定日から1年以上経過してから、障害認定日にさかのぼって障害年金を請求する場合は、原則として 2時点の診断書 が必要になります。

  • 障害認定日時点の障害状態を示す診断書
  • 請求日前3か月以内の現在の障害状態を示す診断書

つまり、「障害認定日の頃にどの程度の障害があったのか」と「現在はどの程度の状態なのか」を、それぞれ確認する仕組みです。

同じ医療機関へ継続して通院している場合でも、1年以上さかのぼって障害認定日請求を行う場合には、基本的に2時点についての診断書が必要になります。

ここで実務上問題になりやすいのが、 障害認定日当時の診療録が残っているかどうか です。

障害認定日が何年も前の場合、当時の医療機関が廃院していたり、カルテが残っていなかったり、現在とは別の病院へ通院していたりするケースがあります。

遡及請求は、「昔から病気だった」という本人の申立てだけで認められるわけではありません。

障害認定日時点の障害状態を医学的な資料によって確認できることが重要です。

そのため、遡及請求を考える場合には、現在の診断書を取得する前に、まず 障害認定日頃の診断書を作成してもらえるか を確認しておくことが実務上の大きなポイントになります。

遡及請求を考えている場合は、現在の診断書を先に取るのではなく、 障害認定日当時の診断書を作成できるか確認してから全体を進める ことをおすすめします。

過去の診断書が作成できないことが分かった後で請求方法を変更すると、現在の診断書の現症日との関係も改めて確認する必要が生じることがあります。

たとえば、障害認定日当時に通院していた病院と現在の病院が異なる場合、過去の診断書は当時の医療機関、現在の診断書は現在通院している医療機関へ依頼することがあります。

診断書料もそれぞれ発生するのが一般的です。

さらに、障害認定日に受給権が認められたとしても、実際に支払われる年金には時効があります。

請求そのものは障害認定日から長期間経過していても行える場合がありますが、 さかのぼって受け取れる年金は原則として5年分が限度 です。

一方、遡及請求ができないからといって、現在の障害状態による請求までできないとは限りません。

障害認定日時点の状態を証明できない場合でも、現在の障害状態が基準に該当していれば、事後重症による請求を検討できるケースがあります。

遡及請求と事後重症請求は確認する時点が違います。

  • 遡及請求では、障害認定日時点の障害状態が重要
  • 事後重症請求では、請求時点の障害状態が重要

どちらで進めるかによって、必要な診断書の現症日や枚数が変わります。

なお、事後重症請求については、原則として 65歳の誕生日の前々日まで に請求書を提出する必要があります。

事後重症は請求日の翌月分から支給対象となる制度ですので、請求が遅れれば、その分だけ受給開始も後ろになります。

特に65歳が近い方は、「診断書を依頼したから大丈夫」と考えず、完成予定日と請求書の提出日まで確認しておくことが重要です。

診断書に時間がかかる場合もありますので、早めに年金事務所や専門家へ相談することをおすすめします。

診断書と関連書類の整合性を確認する

障害年金は、診断書だけで審査されるわけではありません。

請求内容に応じて、受診状況等証明書や病歴・就労状況等申立書などの書類も提出します。

これらの書類は、それぞれ役割が異なりますが、一つの障害年金請求として審査されるため、事実関係に大きな食い違いがないことが重要です。

診断書だけを完璧にしようとする方もいますが、障害年金では初診日、これまでの治療経過、日常生活、就労状況などを複数の書類から確認します。

したがって、診断書を受け取った後は、他の提出書類との関係まで確認する必要があります。

受診状況等証明書

受診状況等証明書は、主に 障害年金の初診日を証明するための書類 です。

一般的には、初診時の医療機関と現在診断書を作成する医療機関が異なる場合に必要になります。

障害年金における初診日は、単なる「最初に現在の病院へ行った日」ではありません。

障害の原因となった傷病について初めて医師または歯科医師の診療を受けた日を確認します。

この初診日によって、障害基礎年金なのか障害厚生年金なのかといった制度上の区分や、保険料納付要件をどの時点で確認するのか、障害認定日がいつになるのかが変わります。

その意味で、初診日は障害年金請求の土台となる日付です。

診断書にも初診日に関する記載欄がありますので、受診状況等証明書に記載された初診日と診断書上の初診日が一致しているか確認しておきたいところです。

ただし、転院を繰り返している場合や、当初は別の病名で受診していた場合など、初診日の判断が簡単ではないケースもあります。

本人が「この日が初診だと思っていた」という日と、制度上確認すべき初診日が異なることもあります。

病歴・就労状況等申立書

病歴・就労状況等申立書は、発病から現在までの受診経過や日常生活、仕事の状況などを本人側から説明する書類です。

診断書を作成する医師ではなく、原則として本人が作成し、必要に応じて家族などが補助します。

この書類では、発病から初診まで、その後の通院・入院、転院、治療内容、仕事の状況、日常生活への影響などを時系列で整理します。

特に精神疾患では、本人が自覚している生活上の困難と、診断書に記載されている日常生活能力の内容との関係が重要になります。

注意したいのは、 診断書と申立書で事実関係が大きく食い違わないようにすること です。

たとえば、診断書には「家族の援助を受けている」と書かれている一方で、申立書には「日常生活はすべて一人で問題なくできる」と記載されていれば、審査する側から見て実際の生活状況が分かりにくくなります。

就労についても同じです。

診断書には「一般企業で勤務」とだけ記載され、申立書では頻繁な欠勤、短時間勤務、仕事内容の軽減、上司や同僚の継続的なフォローなどが記載されている場合、その背景が十分伝わるよう整理する必要があります。

書類の表現を意図的に合わせるという意味ではありません。

同じ事実を、それぞれの書類の役割に応じて正確に記載する ことが重要です。

診断書に合わせて申立書の事実を変えたり、逆に診断書の評価を本人の希望する内容へ合わせてもらったりするものではありません。

書類を確認するときは、単に文章表現が同じかどうかを見るのではなく、「初診日はつながっているか」「治療歴に不自然な空白がないか」「診断書の日常生活能力と本人の生活実態が大きく矛盾していないか」「就労状況の背景まで説明できているか」といった点を確認することが大切です。

障害年金では、一枚の書類だけを切り取って考えるより、請求全体を一つのストーリーとして見たほうが分かりやすいです。

初診から現在まで、どのように症状が変化し、その結果として現在の日常生活や仕事にどのような制限があるのか。

各書類がその事実をそれぞれの立場から説明するイメージです。

障害年金請求の全体的な手順や必要書類については、 障害年金の申請方法と必要書類・手続きの流れ も参考にしてください。

障害年金の診断書を依頼・確認する流れ

使用する様式と現症日が確認できたら、実際に主治医へ診断書の作成を依頼します。

障害年金の診断書は医師が医学的判断に基づいて作成するものですが、診察室だけでは分からない日常生活の状況を本人から正確に伝えることも重要です。

特に精神疾患では、数分から十数分程度の診察で、家での生活状況、家族の援助、仕事上の配慮などがすべて主治医へ伝わっているとは限りません。

診断書を書いてもらう段階になってから慌てるのではなく、普段の診察から生活上の困りごとを具体的に伝えておくことも大切です。

主治医へ診断書を依頼するときの伝え方

障害年金の診断書を依頼するときは、まず 障害年金の請求に使用する診断書であること を主治医に伝えます。

そのうえで、年金事務所などで確認した内容に基づき、どの時点の障害状態について診断書が必要なのかを伝えます。

障害年金では、医師が自由な日付で現在の状態を書けばよいわけではありません。

請求方法によって必要となる現症日の範囲があるためです。

たとえば事後重症請求であれば、請求日前3か月以内の現症日が必要です。

遡及請求であれば、障害認定日時点と現在の2時点について診断書が必要になる場合があります。

実務では、 「診断書をください」とだけ依頼するのではなく、必要な現症日を確認したうえで依頼すること が大切です。

医療機関側があなたの請求方法まで把握しているとは限りません。

年金事務所などで確認した現症日の範囲を、依頼時に明確に伝えておきましょう。

そしてもう一つ重要なのが、診察室では見えにくい生活上の状況を主治医へ伝えることです。

特に精神疾患の場合、診察の日だけは何とか身なりを整えて受診できていたり、医師との短い会話には問題なく対応できていたりすることがあります。

しかし、診察室で数分間会話できることと、毎日の生活を安定して送れることは別の話です。

帰宅すると何もできなくなる、入浴できない日が続く、食事を家族が準備しなければ食べない、服薬を忘れる、金銭管理ができないといった事情があるなら、その事実も伝えておく必要があります。

たとえば、次のような内容は医師に伝えておきたい情報です。

  • 食事や家事を一人でどこまでできるか
  • 入浴や着替えができない日があるか
  • 金銭管理を家族に任せているか
  • 通院や服薬に家族の声かけが必要か
  • 一人で外出できるか
  • 仕事をしている場合の勤務時間や欠勤状況
  • 職場で受けている配慮や援助
  • 家族から日常的に受けている援助

ここで大切なのは、「できる・できない」だけではなく、 どの程度の頻度で、誰の援助を受けて、どこまでできているのか を具体的に伝えることです。

たとえば「買い物はできます」だけでは、近所のコンビニへ家族と一緒に週1回行ける状態なのか、一人で献立を考えて予算管理まで行い、日常的に買い物できる状態なのかが分かりません。

同じ「できる」でも、生活能力としての意味は大きく異なります。

診察の際に口頭ですべて説明するのが難しい場合は、日常生活の状況を簡潔なメモに整理して主治医へ渡す方法もあります。

家族から見た様子を補足するのも有効です。

ただし、何十ページもの資料を一方的に渡すより、食事、清潔保持、金銭管理、通院・服薬、外出、対人関係、就労など、項目ごとに簡潔に整理したほうが伝わりやすいかなと思います。

医師に診断書の評価や文章を指定することとは違います。

「この項目を重くしてください」「2級になるように書いてください」と求めるのではなく、本人や家族にしか分からない日常生活上の事実を正確に伝え、医学的な評価と記載は医師に委ねるという考え方が基本です。

診断書の作成には、医療機関によって2週間から1か月程度かかることもあります。

これはあくまで一般的な目安であり、医療機関の規模や主治医の診療状況によっては、さらに時間がかかることもあります。

依頼するときには、「料金はいくらか」「完成までどの程度かかるか」「受取方法はどうなるか」を受付で確認しておくとよいでしょう。

現症日の範囲が決まっているため、完成予定日を確認することは単なる事務手続きではなく、障害年金請求のスケジュール管理そのものです。

精神の診断書は日常生活能力が重要

精神の診断書は日常生活能力が重要

うつ病、双極性障害、統合失調症、発達障害など精神の障害で障害年金を請求する場合は、症状や診断名だけでなく、 日常生活にどの程度の制限が生じているか が重要な判断材料になります。

「うつ病だから2級」「発達障害だから3級」というように、診断名だけで障害等級が決まるわけではありません。

同じ診断名であっても、症状の程度、治療状況、生活環境、援助の有無、就労状況などは人によって大きく違います。

精神の障害用診断書には、日常生活能力の判定として、主に次の7つの項目があります。

  • 適切な食事
  • 身辺の清潔保持
  • 金銭管理と買い物
  • 通院と服薬
  • 他人との意思伝達や対人関係
  • 身辺の安全保持や危機対応
  • 社会性

さらに、これらを含めた日常生活全般について「日常生活能力の程度」が記載されます。

ここで非常に重要なのが、家族と同居しているから日常生活が成り立っている場合です。

たとえば、本人は毎日食事を取れているとしても、実際には家族が献立を考え、買い物をし、調理をし、食事の時間に声をかけているかもしれません。

その場合、「食事ができている」という結果だけを見ると、本人の生活能力を実態より高く見てしまう可能性があります。

精神の障害に関する等級判定では、家族等の日常生活上の援助や福祉サービスの有無なども考慮されます。

また、家族との同居など支援が常態化した環境で生活が安定している場合であっても、単身で生活するとしたときにどのような支援が必要になるのかという観点が示されています。

(出典: 厚生労働省「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン」 )

たとえば家族が毎日食事を準備してくれるため食事ができている場合、「食事ができる」という結果だけでなく、 家族の援助がなければ自分で適切な食事を準備・摂取できるのか という実態を伝えることが重要です。

金銭管理も同じです。

キャッシュレス決済を使って買い物ができるというだけでは、収入の範囲で計画的に支出し、公共料金を支払い、必要なお金を残して生活できるかまでは分かりません。

家族が通帳やカードを管理している場合には、その援助も重要な事実です。

通院と服薬についても、病院へ通っている事実だけで判断するものではありません。

予約日を家族が管理している、送迎してもらわなければ受診できない、薬を家族が仕分けしないと飲み忘れるといった事情があれば、それも生活上の援助です。

また、調子が良い日の状態だけでなく、症状の波や悪化した時期も含めて伝える必要があります。

双極性障害やうつ病などでは、診察日には比較的調子が良くても、普段は寝込んでいる日が多いというケースがあります。

このような場合、「一番良い日」だけでも「一番悪い日」だけでもなく、一定期間の生活全体としてどの程度の支障があるのかを主治医へ伝えることが大切です。

仕事をしている場合も同様です。

「働いている」という事実だけでは、実際の障害状態は分かりません。

一般雇用なのか障害者雇用なのか、フルタイムなのか短時間勤務なのか、仕事内容が限定されているか、欠勤・遅刻・早退がどの程度あるか、上司や同僚からどのような配慮を受けているかなどを確認します。

たとえば同じ週5日勤務でも、一人で通常業務を行えているケースと、業務量を大幅に減らし、常に同僚のフォローを受けながら勤務を継続しているケースでは実態が異なります。

日常生活能力を実態より重く伝えることも、軽く伝えることも適切ではありません。

現在受けている援助を含めて、できていること・できていないことを具体的に伝える ことが基本です。

「できますか」と聞かれると、多くの方が「何とかできます」と答えがちです。

しかし詳しく振り返ると、「母親が毎朝起こしてくれる」「食事はすべて家族が用意する」「仕事の翌日はほとんど寝ている」といった事情が出てくることがあります。

障害年金の診断書では、表面的にできているかだけではなく、 その生活がどのような援助によって成り立っているのか を正確に把握してもらうことが大切です。

診断書を書いてくれない場合の対応

障害年金を請求したいと主治医に相談したところ、「障害年金の対象にはならないと思う」「診断書は書けない」と言われて困るケースがあります。

このような場合、すぐに主治医を変更しようと考えるのではなく、まず確認したいのが、 なぜ診断書を作成できないと言われたのか という点です。

診断書を書けない理由は一つではありません。

たとえば、転院したばかりで現在の医師がこれまでの経過を十分把握していない、受診回数が少なく日常生活や症状の推移を判断できない、障害認定日当時は別の医療機関へ通院していたため過去の状態を証明できない、といった事情があります。

このような場合は、医師が障害年金に否定的というより、 医学的な根拠を持って診断書を作成できない という問題かもしれません。

一方、「あなたは働いているから障害年金は無理だと思う」「自分は障害等級に該当しないと思う」という趣旨で断られることもあります。

障害年金の障害等級を最終的に認定するのは、診断書を作成する医師自身ではありません。

医師が作成した診断書や本人が提出する申立書などをもとに、日本年金機構側で審査が行われます。

そのため、医師の見解を否定したり対立したりする必要はありませんが、「障害年金の請求に使用したいので、現在の医学的な状態を診断書に記載していただくことは可能でしょうか」と改めて相談してみることは考えられます。

診断書の作成を無理に求めるのではなく、主治医が作成できない理由を確認することが第一歩です。

転院直後などで状態を十分に把握できていないのであれば、一定期間受診を重ねたうえで改めて相談する方法もあります。

特に遡及請求の場合には、現在の主治医へ「数年前の障害認定日の診断書を書いてほしい」とお願いしても、当時その医師が診療しておらず、診療記録もなければ作成が難しい場合があります。

その場合は、障害認定日当時に受診していた医療機関へ確認することになります。

また、「診断書を書いてくれる病院を探して転院すればよい」と単純に考えるのも注意が必要です。

障害年金の診断書は、継続的な診療や医学的な事実をもとに作成する書類です。

転院した直後の医師が、過去や日常生活の状態まで十分に把握できるとは限りません。

診断書を書いてくれないからといって、自己判断で通院を中断するのはおすすめできません。

障害年金だけでなく、何より治療の継続が優先です。

主治医との関係や治療上の必要性も含めて慎重に考えましょう。

主治医とのやり取りで困っている場合には、年金事務所へ請求方法を確認したり、障害年金を扱う社会保険労務士へ相談したりする方法があります。

特に、初診日が古い、転院回数が多い、認定日当時の医療機関が現在と異なる、遡及請求を検討している、といった場合は、単に診断書を書いてもらえるかどうかだけではなく、請求全体を整理したうえで次の手続きを決めることが大切です。

私も実務では、診断書だけを切り離して考えることはあまりありません。

初診日の証明ができるか、障害認定日がいつか、認定日当時の資料が残っているか、現在の診断書はいつ依頼すべきかという順番で確認します。

そのうえで主治医へ何をお願いするのかを整理したほうが、本人にとっても医療機関にとっても分かりやすいですよ。

障害年金の診断書費用はいくらか

障害年金の診断書の作成料には健康保険が適用されず、原則として 全額自己負担 です。

診断書の料金は法令で全国一律に決められているものではなく、医療機関ごとに異なります。

数千円から1万円台程度となることがありますが、これはあくまで一般的な目安です。

医療機関や診断書の種類によっては、それを上回ることもあります。

そのため、「障害年金の診断書はいくらですか」とインターネット上の平均だけを調べるより、実際に依頼する医療機関へ直接確認するのが確実です。

依頼前に受付で「障害年金用の診断書はいくらですか」「支払いは依頼時ですか、受取時ですか」「完成までどのくらいかかりますか」と確認しておくと、後から慌てにくくなります。

書類 費用の考え方
障害年金用診断書 医療機関が独自に設定。原則として健康保険適用外
遡及請求の診断書 2枚必要な場合は、それぞれ診断書料が発生するのが一般的
受診状況等証明書 診断書とは別に文書作成料がかかることがある

特に負担が大きくなりやすいのが遡及請求です。

障害認定日当時の診断書と現在の診断書の2枚が必要になれば、それぞれに診断書料がかかるのが一般的です。

たとえば1枚の診断書料が仮に1万円であれば2枚で2万円となり、さらに初診日の医療機関が別で受診状況等証明書が必要になれば、その文書料もかかります。

実際の金額は医療機関ごとに異なるため、この金額はあくまで考え方を理解するための例です。

また、診断書を取得した結果、障害年金が不支給となった場合でも、基本的に診断書料が返金されるわけではありません。

医師は診断書という文書を作成したことに対して料金を設定していますので、障害年金の審査結果とは別の話になります。

だからこそ、私は 診断書を取る前の確認が重要 だと考えています。

請求方法を整理せずに診断書を取得し、後から現症日が違ったと分かれば、同じ医療機関へ再度診断書を依頼する可能性があります。

数千円から1万円台の文書料だけでなく、完成まで待つ時間も再度必要になります。

料金や作成期間は医療機関によって大きく異なります。

ここで示した金額や期間は一般的な目安です。

実際の料金は、診断書を依頼する医療機関へ事前に確認してください。

また、受診状況等証明書にも別途文書料がかかることがあります。

初診から転院を重ねている方は、診断書以外にも複数の医療機関から書類を取得する必要が出てくることがありますので、請求全体でどの程度の費用がかかるのかを把握しておくと安心です。

生活保護を受給している場合など、本人の状況や自治体の制度によって文書料の取り扱いが異なることがあります。

利用できる制度がないか確認したい場合は、自治体や医療機関の窓口へ問い合わせてください。

費用だけでなく時間もコストです。

診断書が完成するまで数週間かかり、現症日が合わずに取り直しとなれば、請求時期そのものが遅れる可能性があります。

特に事後重症請求では請求日の翌月から支給対象となるため、手続きが遅れる影響にも注意が必要です。

診断書料が高いからといって、必要な診断書を省略することはできません。

一方で、不要な取り直しはできるだけ避けられます。

診断書の種類、現症日、必要枚数を確認してから依頼する。

この順番を守ることが、結果として費用負担を抑えることにもつながります。

受け取った診断書の確認ポイント

受け取った診断書の確認ポイント

障害年金の診断書を主治医から受け取ったら、そのまま提出するのではなく、まず内容を確認することをおすすめします。

診断書は医師が医学的判断に基づいて作成する書類ですので、本人が内容を書き換えることはできません。

しかし、氏名や日付の誤り、記載漏れ、本人が医師へ伝えていた事実との明らかな食い違いなどがあれば、提出前に医療機関へ確認できます。

「医師が書いた書類を患者が見てもよいのだろうか」と心配する方もいますが、障害年金の請求者はあなた自身です。

少なくとも提出する書類の内容を把握し、他の提出書類との整合性を確認しておくことには大きな意味があります。

主に確認したいのは次の項目です。

  • 現症日が必要な期間に入っているか
  • 傷病名に誤りがないか
  • 初診日が他の提出書類と食い違っていないか
  • 日常生活や就労状況が実態と大きく異なっていないか
  • 必要な欄に記入漏れがないか
  • 医療機関名や医師名など必要事項が記載されているか

この中で私が最初に見るのは、やはり 現症日 です。

診断内容がどれほど詳しく書かれていても、請求に必要な現症日の範囲に入っていなければ、そのまま使用できない可能性があります。

特に最初に確認したいのが現症日です。

必要な期間から外れている場合、診断内容そのものが適切でも、その請求に使用できない可能性があります。

次に確認したいのが初診日です。

診断書、受診状況等証明書、病歴・就労状況等申立書などに記載された日付が大きく違っていないか確認します。

ただし、日付が違っているからといって、必ずどれかが間違っているとは限りません。

「現在の医療機関を初めて受診した日」と「障害年金制度上の初診日」が別の日である場合もあります。

そのため、意味を確認せずに医師へ修正を求めるのではなく、何の日付なのかを確認することが重要です。

精神の障害用診断書であれば、日常生活能力の判定・程度だけでなく、現在の生活環境、就労状況、援助や配慮の状況なども確認しておきたいところです。

たとえば、実際には家族が金銭管理、服薬管理、通院の付き添い、食事の準備までしているのに、診断書上では援助がほとんどないように読める場合には、主治医がその事実を把握しているか確認してみてもよいでしょう。

就労についても同様です。

単に「就労中」と記載されていても、実際には障害者雇用、短時間勤務、大幅な業務軽減、継続的な職場の援助があるのであれば、その状況が医師へ伝わっているか確認します。

確認する目的は「等級を上げること」ではありません。

診断書に記載されている前提事実が、実際の生活や医師に伝えている状況と大きく食い違っていないかを確認するためです。

また、空欄がある場合にも注意してください。

診断書には医師が記載すべき項目が多くあります。

空欄だから必ず不備になるとは限りませんが、本来記載が必要な箇所が抜けていると、年金機構から医療機関へ照会や補正が行われ、審査に時間がかかることがあります。

診断書に封がされている場合は、医療機関によって取り扱いが異なることがあります。

無断で開封するのではなく、「障害年金の提出前に内容を確認したいのですが、開封してもよいでしょうか」と医療機関へ確認するとよいでしょう。

診断書に誤りを見つけても、自分で加筆や訂正をしてはいけません。

事実と異なる箇所や記載漏れがある場合は、診断書を作成した医師や医療機関へ訂正を依頼してください。

特に避けたいのは、ボールペンで本人が書き足したり、修正液を使ったりすることです。

診断書は医師が作成する医学的な証明書ですので、本人が訂正するものではありません。

診断書を取得した段階で、現症日、初診日、傷病名、日常生活能力、就労状況、申立書との整合性などを確認しておくことが大切です。

提出してから気付くよりも、提出前に確認したほうが対応しやすいためです。

診断書が完成したから手続きは終盤だと安心してしまいがちですが、 受け取った後の確認までが診断書取得の一連の手続き と考えておくとよいですよ。

障害年金の診断書は期限と内容を確認する

障害年金の診断書で最も大切なのは、単に診断書を取得することではありません。

正しい様式で、必要な現症日の診断書を取得し、内容を確認したうえで提出すること です。

障害年金の請求を初めて行う方は、どうしても「まず病院で診断書を書いてもらおう」と考えがちです。

しかし、実務上はその前に確認することがあります。

まず、初診日を整理し、障害認定日がいつなのかを確認します。

そのうえで、障害認定日による請求なのか、遡及請求なのか、事後重症請求なのかを整理します。

請求方法が決まって初めて、必要となる診断書の現症日や枚数が明確になります。

次に、障害の種類に合った診断書様式を確認します。

複数の障害がある場合には、1種類だけでよいのか、それぞれについて診断書が必要なのかも確認します。

その後、主治医へ障害年金の診断書であることと必要な現症日を伝え、日常生活や仕事で困っていることを事実に沿って説明します。

障害年金の診断書を取得するときの基本的な順番

  • 請求方法を確認する
  • 必要な診断書の様式を確認する
  • 必要な現症日と枚数を確認する
  • 主治医へ診断書を依頼する
  • 受け取った診断書の内容を確認する
  • 他の書類と整合性を確認して提出する

実務上、避けたいのは、請求方法を決めないまま先に診断書を取得してしまうことです。

現症日が必要な期間から外れてしまえば、費用をかけて診断書を取り直すことになりかねません。

また、診断書が完成した後も、提出までの時間を空けすぎないことが大切です。

特に事後重症請求では請求日前3か月以内の現症日が必要ですので、取得後に長期間放置すると現症日との関係を改めて確認しなければならなくなります。

そして、診断書だけを見るのではなく、受診状況等証明書や病歴・就労状況等申立書との関係も確認します。

障害年金は、初診日から現在までの経過を複数の資料によって審査する制度です。

「診断書の評価が重ければ受給できる」という単純なものではありません。

初診日、保険料納付要件、障害認定日、現在の障害状態など、それぞれの要件を確認する必要があります。

更新時の障害状態確認届にも注意する

すでに障害年金を受給していて有期認定となっている方には、障害の状態を確認するための 障害状態確認届 が送付されます。

原則として、提出が必要な年の誕生月の3か月前の月末に送付され、医師に診断書欄を記載してもらって、誕生月の末日までに提出します。

更新用の障害状態確認届では、提出期限前3か月以内の障害状態を医師に記載してもらいます。

以前の制度では作成期間が今より短かった時期がありますが、現在は医療機関へ依頼する期間を確保できるよう、誕生月の3か月前の月末頃に送付される運用となっています。

届いたら「まだ3か月あるから」と後回しにせず、できるだけ早く主治医へ依頼することをおすすめします。

医療機関によっては診断書作成に数週間かかることがありますし、内容に確認事項があれば再度医療機関へ問い合わせる時間も必要だからです。

更新用の診断書は、最初に障害年金を請求したときの診断書とは役割が異なります。

現在も引き続き障害年金を受ける程度の障害状態にあるかを確認するための書類です。

そのため、以前の診断書をそのまま写してもらうというものではありません。

前回の認定以降に症状が改善したのか、変わらないのか、悪化したのか、生活状況や就労状況がどのように変化したのかが重要になります。

たとえば、前回は無職だったものの現在は働き始めた場合でも、それだけで直ちに年金が止まると決まるわけではありません。

どのような雇用形態で、どの程度の援助や配慮を受け、どの程度安定して働けているのかなど、実際の状況を確認します。

反対に、障害の程度が以前より重くなっている場合には、更新時期まで必ず待たなければならないとは限りません。

一定の要件を満たす場合には、障害等級の変更を求める額改定請求を検討できることがあります。

障害状態確認届の手続きや等級変更については、 障害年金の更新と診断書・提出期限のポイント で詳しく解説しています。

障害年金は、初診日、加入していた年金制度、請求方法、傷病の状態などによって必要書類や取り扱いが変わります。

正確な情報は公式サイトをご確認ください。

また、個別の事情によって判断が分かれる場合があるため、 最終的な判断は専門家にご相談ください。

障害年金の診断書は、審査において非常に重要な資料です。

一方で、診断書だけを整えればよいわけではありません。

初診日の証明、保険料納付要件、障害認定日、病歴・就労状況等申立書、現在の日常生活や就労状況など、請求全体として事実関係が正確に伝わるよう準備することが大切です。

特に診断書は、本人が後から自由に書き換えられる書類ではありません。

だからこそ、依頼前に必要な様式と現症日を確認し、依頼時には主治医へ実際の日常生活を伝え、受取後には記載内容と他の書類との整合性を確認するという順番が重要になります。

最後にもう一度確認しておきたいポイント

  • 病名だけで診断書様式を自己判断しない
  • 診断書を依頼する前に請求方法を決める
  • 作成日ではなく必要な現症日を確認する
  • 遡及請求では2時点の診断書を確認する
  • 日常生活の事実を主治医へ具体的に伝える
  • 受取後は現症日・初診日・記載漏れを確認する
  • 本人が診断書を加筆・訂正しない

診断書を依頼する前に、まず請求方法と現症日を確認する。

この順番を意識するだけでも、診断書の取り直しや請求の遅れといったトラブルを防ぎやすくなります。

障害年金は一人ひとり初診日や治療経過、生活状況が異なります。

インターネットで同じ病名の事例を探しても、そのままあなたのケースに当てはまるとは限りません。

診断書の種類や現症日、請求方法に迷う場合は、年金事務所や障害年金に詳しい社会保険労務士へ早めに確認することをおすすめします。

※本記事は制度の一般的な解説を目的としています。当事務所では現在、企業・事業主の方を対象とした人事労務管理に関するご相談を中心に承っております。個人の方からの障害年金の請求、審査請求・再審査請求に関する個別相談および代理業務は、現在取り扱っておりません。具体的な案件については、障害年金を取り扱う社会保険労務士などへの相談をご検討ください。

-社会保険・年金