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労災の第三者行為とは?届出・示談・損害賠償のポイント

こんにちは。

もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。

労災の第三者行為とは、仕事中や通勤中の事故について労災保険の対象となり、なおかつ事故を起こした第三者に損害賠償責任があるケースをいいます。

典型的なのは、通勤途中に相手の車から追突された交通事故です。

この場合、通常の労災申請だけではなく、第三者行為災害届などの書類が必要になり、労災保険と加害者側からの損害賠償との調整も行われます。

特に注意していただきたいのが、加害者側との示談です。

示談内容によっては、その後の労災保険給付に影響することがあるため、単に相手方保険会社との話だけで進めるのはおすすめできません。

この記事では、第三者行為災害の意味から、必要な手続き、交通事故の場合の自賠責保険との関係、損害賠償の調整、示談前に確認しておきたいポイントまで、被災した方の立場を中心に実務的に整理します。

  • 第三者行為災害に該当する事故の考え方
  • 第三者行為災害届の書き方と必要書類
  • 労災保険と自賠責保険・損害賠償の関係
  • 示談によって労災給付を失わないための注意点

労災の第三者行為とは?届出・示談・損害賠償を解説

労災の第三者行為とは?仕組みと対象

まず確認しておきたいのは、第三者が関係する事故だからといって、すべてが第三者行為災害になるわけではないという点です。

労災保険の対象となる業務災害または通勤災害であることに加えて、その事故について第三者に民事上の損害賠償責任があることが基本になります。

交通事故をイメージすると分かりやすいですが、交通事故以外でも第三者行為災害になるケースはあります。

第三者行為災害とは何を指すのか

第三者行為災害とは、労災保険給付の原因となった事故が、労災保険関係の当事者以外の第三者の行為によって発生し、その第三者が被災した労働者や遺族に対して民事上の損害賠償責任を負うケースをいいます。

ここでいう第三者とは、単純に「自分以外の人」という意味ではありません。

労災保険上は、政府、事業主、労災保険給付を受ける被災労働者などの保険関係の当事者以外の者を指します。

第三者行為災害には、基本的に二つの要素があります。

  • 仕事中または通勤中の事故として労災保険の対象になること
  • 事故について第三者に民事上の損害賠償責任があること

この二つを分けて考えることが重要です。

たとえば通勤中に交差点で別の車から追突された場合、合理的な経路・方法による通勤であれば通勤災害になる可能性があります。業務災害・通勤災害として認められるかどうかの基本的な判断基準は、 業務遂行性・業務起因性など認定基準の考え方 で確認できます。

労災とはについて基本から確認したい場合は、労災とは?認定基準・給付内容・申請の流れについて整理した記事も参考にしてください。

同時に、追突した運転者には交通事故による損害賠償責任が発生する可能性があります。

このように、 一つの事故について労災保険給付を受ける権利と、加害者に損害賠償を請求する権利が並存する のが第三者行為災害の大きな特徴です。

一方、自分で運転中に操作を誤って電柱へ衝突したような単独事故で、損害賠償責任を負う第三者が存在しないのであれば、通勤災害になる可能性はあっても、通常は第三者行為災害にはなりません。

実務では「労災になるか」と「第三者行為災害になるか」が混同されることがあります。

まず労災保険の対象となる事故なのか、そのうえで賠償責任を負う第三者がいるのかという順番で整理すると分かりやすくなります。

第三者行為災害に当たる具体例

第三者行為災害に当たる具体例

第三者行為災害として最もイメージしやすいのは交通事故ですが、対象となるのは交通事故だけではありません。

事故の例 第三者行為災害の可能性 主な確認点
通勤途中に他車から追突された あり 通勤災害の要件と相手方の責任
業務中に相手車両と衝突した あり 業務遂行性と事故状況
他社の作業員が操作する重機に接触した あり 第三者の過失や安全管理状況
業務に関連して第三者から暴行を受けた あり得る 業務との関連性と加害行為
他人が飼っている動物に襲われた あり得る 飼い主等の賠償責任
自分の運転ミスによる単独事故 通常は該当しない 賠償責任を負う第三者の有無

たとえば配送業務中に取引先へ向かっている際、相手車両から衝突されたのであれば、業務災害であると同時に第三者行為災害となる可能性があります。

また、建設現場などでは、自社の従業員だけでなく別会社の作業員や重機が同じ場所で作業していることがあります。

他社の作業員の操作ミスによって自社の従業員が負傷した場合なども、第三者行為災害として整理することがあります。

暴行については少し注意が必要です。

第三者から暴行を受けたからといって、それだけで労災になるわけではありません。

業務との関係が認められる必要があります。

たとえば仕事上のトラブルに関連して顧客から暴行を受けたケースと、勤務中に私的な理由によるケンカをしたケースとでは、労災保険上の評価が変わる可能性があります。

第三者行為災害かどうかを判断するときは、 誰がケガをさせたかだけではなく、なぜその事故が起きたのか まで確認することが大切です。

通勤中の交通事故も労災になる

通勤中に交通事故に遭った場合も、一定の要件を満たせば労災保険の通勤災害として給付を受けることができます。

たとえば、自宅から会社へ通常利用している経路を自動車で移動している途中、信号待ちで後方から追突された場合です。

合理的な経路・方法による通勤と認められれば、通勤災害となる可能性があります。

相手方のいる交通事故であれば、さらに第三者行為災害としての手続きが必要になることがあります。

ただし、「出勤途中だった」というだけで自動的に通勤災害になるわけではありません。

労災保険上の通勤に該当するかどうかについては、就業との関係、移動していた経路や方法、その途中で私的な寄り道をしていなかったかなどを確認します。

たとえば帰宅途中に大きく経路を外れて私用を済ませていたところ事故に遭った場合、逸脱・中断として通勤災害の対象外になる可能性があります。

通勤災害そのものの判断基準については、 労災で通勤災害と認められる基準と手続き で詳しく整理しています。

相手方の保険会社が対応していることと、労災保険の通勤災害に該当することは別の問題です。

交通事故だから自動的に労災になるわけでも、相手方保険会社がいるから労災を使えないわけでもありません。

会社側としても、交通事故について相手方保険会社が対応しているからといって労災手続きを確認しなくてよいわけではありません。

従業員から通勤途中の事故について報告を受けた場合には、事故場所、時間、通勤経路、事故状況などを早い段階で整理しておくことが実務上重要です。

交通事故で過失割合は影響するか

交通事故で過失割合は影響するか

交通事故では、「自分にも過失があるので労災は使えないのではないか」と心配される方がいます。

しかし、交通事故の過失割合と、労災保険の対象になるかどうかは分けて考える必要があります。

労災保険は、交通事故で決められる過失割合をそのまま給付額に反映して減額する制度ではありません。

そのため、被災した労働者にも一定の過失がある交通事故であっても、業務災害または通勤災害の要件を満たせば労災保険給付の対象になる可能性があります。

一方、加害者に対する民事上の損害賠償については過失割合が重要になります。

たとえば損害額が同じであっても、被災者側にも事故発生について過失が認められれば、民事上の賠償額は過失相殺によって調整されることがあります。

自賠責保険についても、被害者側の過失が一定程度以上になると重過失による減額が行われる場合があります。

交通事故では三つを分けて考えると整理しやすくなります。

  • 労災保険の対象になるか
  • 加害者側にどの程度の損害賠償責任があるか
  • 労災保険給付と損害賠償をどう調整するか

特に被災者側の過失が大きい事故では、相手方から受けられる賠償と労災保険の給付に差が生じることがあります。

そのため、「過失があるから労災は使わない」と最初から決めてしまうのではなく、事故の状況を整理したうえで両方の制度を確認することが大切です。

労災の第三者行為で必要な手続きと注意点

第三者行為災害では、通常の労災保険給付の請求に加えて、第三者行為災害届などの手続きが必要になります。

さらに交通事故の場合には自賠責保険や任意保険が関係し、すでに受け取った損害賠償金がある場合には労災保険との調整も必要です。

ここからは、実際に事故が起きたときに確認しておきたい手続きを順番に説明します。

第三者行為災害届は誰が提出するか

第三者行為災害について労災保険給付を受ける場合、基本となるのが 第三者行為災害届 です。

この書類は、被災した労働者本人や、死亡事故の場合には遺族などの労災保険給付を受ける方が、所轄の労働基準監督署へ提出します。

会社が労災手続きをサポートしている場合には、人事・労務担当者や社会保険労務士が作成を手伝うこともあります。

そのため会社が提出する書類のように感じるかもしれませんが、第三者行為災害届には被災者側が確認すべき事項が多く含まれています。

事故状況、相手方の情報、保険会社、損害賠償の支払状況などは、後の給付調整にも関係します。

会社や相手方から書類を渡された場合でも、内容を確認せずに署名することは避けてください。

事故状況や過失について、実際に自分が認識している内容と違う記載があれば訂正する必要があります。

事故直後には過失割合が決まっていないことも多いため、分からない事項を推測で断定するのではなく、事実関係に沿って記載することが重要です。

現在の岩手労働局の案内では、第三者行為災害届は所轄の労働基準監督署へ1部提出し、労災保険給付の請求書と同時またはその後速やかに提出する取扱いが示されています。

第三者である加害者側についても、事故状況や損害賠償金の支払状況などを確認するため、第三者行為災害報告書の提出を求められることがあります。

第三者行為災害届の書き方と添付書類

第三者行為災害届の書き方と添付書類

第三者行為災害届では、被災した労働者、勤務先、第三者、事故の発生状況、損害賠償や保険の状況などを記載します。

交通事故の場合には、自分の氏名や勤務先だけでなく、相手方の氏名・住所、車両、自賠責保険や任意保険、事故の発生場所、事故状況など複数の情報が必要になるため、事故直後から資料をまとめておくと手続きを進めやすくなります。

交通事故で整理しておきたい情報

  • 事故の日時と場所
  • 事故発生時の業務または通勤の状況
  • 相手方の氏名や連絡先
  • 車両番号や保険会社の情報
  • 警察への届出状況
  • 損害賠償金や保険金の受取状況
  • 示談の有無

第三者行為災害届には、事故の内容に応じて添付書類も必要になります。

主な書類 必要となる場面 確認ポイント
念書(兼同意書) 第三者行為災害 原則として給付を受ける本人が署名
交通事故証明書 交通事故 自動車安全運転センターが発行
交通事故発生届 事故証明書を提出できない場合 所定の様式を使用
示談書の写し すでに示談している場合 示談内容を確認
保険金支払通知書等 賠償金等を受け取っている場合 支払内容と金額を確認
死亡診断書・戸籍謄本等 死亡事故 事故内容に応じて提出

岩手労働局の現在の案内では、これらの主な書類について提出部数は各1部とされています。

ただし、必要書類は事故内容や手続きの状況によって異なる場合があります。

様式や最新の提出方法については、 岩手労働局の第三者行為災害に関する案内 を確認してください。

また、交通事故で最初に健康保険を使って受診してしまった場合には、第三者行為災害届とは別に、医療機関や健康保険者との精算が必要になることがあります。

詳しくは 労災で健康保険を使ってしまった場合の切り替え手続き も参考にしてください。

念書を提出する意味と注意点

第三者行為災害の手続きでは、念書(兼同意書)の提出が必要になります。

名前だけを見ると「何か責任を認める書類なのではないか」と不安になるかもしれませんが、念書には第三者行為災害における労災保険と損害賠償との調整を適切に行うための重要な内容が記載されています。

たとえば、労災保険給付を受けた後に加害者から損害賠償を受けた場合には、その事実を労働基準監督署へ報告する必要があります。

また、先に労災保険から給付が行われた場合、政府が被災者の持っていた損害賠償請求権の一部を取得し、加害者や保険会社に求償することがあります。

念書は、こうした仕組みを理解したうえで手続きを進めるための書類でもあります。

念書は内容を読まずに署名する書類ではありません。

特に重要なのが、加害者との示談や損害賠償金の受領に関する事項です。

示談の内容によっては、その後の労災保険給付に影響する可能性があります。

現在の労働局の案内でも、念書(兼同意書)は労災保険給付を受ける本人が署名するものとされています。

実務上も、会社の担当者が本人に代わって内容を判断して署名するようなものではありません。

本人が内容を確認し、分からない部分があれば労働基準監督署などへ確認してから提出するのが基本です。

労災と自賠責はどちらを先に使うか

通勤中や業務中の交通事故では、「労災保険と自賠責保険のどちらを先に使えばよいのか」という相談がよくあります。

結論からいうと、 法律上、必ず自賠責保険を先に使わなければならないという決まりはありません。

被災者は、自賠責保険等を先に利用するか、労災保険を先に利用するかを選択できます。

労働局の案内では、自賠責保険には慰謝料など労災保険にはない補償が含まれることなどから、自賠責保険を先行させる方法が案内されることがあります。

しかし、すべての事故で自賠責先行が有利とは限りません。

状況 検討しやすい方法 理由
相手方の責任が明確 自賠責先行を検討 慰謝料なども含めて対応できる
被災者側の過失が大きい 労災先行も検討 交通事故上の過失割合をそのまま労災給付へ反映しない
相手が任意保険未加入 労災先行も検討 賠償の回収が不安定になりやすい
ひき逃げなど相手が不明 労災利用を早めに確認 相手方からの賠償をすぐ受けにくい
過失割合でもめている 労災先行も検討 治療や休業補償を賠償交渉と分けやすい

たとえば事故の過失割合について相手方保険会社と大きく争っており、賠償の支払いが進んでいないケースでは、労災保険を利用することで治療や休業に関する給付を先に進められる場合があります。

逆に、相手方の責任が明確で保険会社による対応が円滑に進んでいるのであれば、自賠責保険等を先行させる選択肢もあります。

「交通事故なら自賠責が先」と機械的に決めるのではなく、過失割合、相手方の保険加入状況、治療期間、休業の状況などを踏まえて判断することが重要です。

損害賠償の控除と労災の求償

第三者行為災害で最も分かりにくい仕組みの一つが、労災保険給付と損害賠償との調整です。

第三者行為災害では、被災者には労災保険から給付を受ける権利がある一方、事故を起こした第三者に対して損害賠償を請求する権利もあります。

しかし、同じ損害について労災保険と第三者の双方から満額の補償を受ければ、同じ損害が二重に補填されることになります。

そこで、労災保険では 求償と控除 という仕組みによって調整します。

労災保険が先なら求償

先に労災保険給付が行われた場合には、政府が、その給付額の範囲で被災者が第三者に対して持っている損害賠償請求権を取得します。

そして政府が加害者本人や保険会社などへ請求します。

これが求償です。

被災者から見ると、労災保険から先に治療費等の給付を受け、その後、政府と加害者側との間で調整が行われるイメージです。

損害賠償が先なら控除

反対に、加害者側から先に損害賠償を受けている場合、その賠償と労災保険給付が同じ損害を補うものであれば、その範囲について労災保険給付が調整されます。

これが控除です。

先に支払われたもの 調整方法 基本的な考え方
労災保険給付 求償 政府が第三者へ請求
第三者からの損害賠償 控除 同一の損害について労災給付を調整

ここで非常に重要なのが、 損害賠償として受け取った金額のすべてが労災保険から差し引かれるわけではない という点です。

支給調整の対象になるのは、基本的に労災保険給付と同じ性質の損害です。

たとえば療養給付は治療費、休業給付は休業によって失われた利益と対応します。

一方、精神的苦痛に対する慰謝料については、労災保険に対応する保険給付がないため、通常は同一の事由として支給調整されません。

また、 休業特別支給金などの特別支給金も支給調整の対象ではありません。

「労災を使ったら慰謝料が全部なくなる」「加害者から賠償金を受け取ったら労災は一切もらえない」という理解は正確ではありません。

どの損害項目について支払われた金銭なのかを分けて確認することが重要です。

求償・控除の基本的な考え方については、 東京労働局の第三者行為災害に関する公式案内 でも確認できます。

示談前に確認したい重要な注意点

示談前に確認したい重要な注意点

第三者行為災害で私が特に注意していただきたいのが、加害者側との示談です。

交通事故では、相手方の保険会社から比較的早い段階で示談の提案を受けることがあります。

金額に納得できれば署名して終わりにしたいと考えるのは自然ですが、労災保険を利用している、またはこれから利用する可能性がある場合には慎重な確認が必要です。

被災者と第三者との間で、すべての損害について真正な示談が成立し、示談額以外の損害賠償請求権を放棄した場合には、 原則として示談成立後の労災保険給付が行われなくなる可能性があります。

理由は、労災保険の求償の仕組みにあります。

政府は労災保険給付を行った場合、被災者が第三者に対して持っていた損害賠償請求権を一定範囲で取得します。

しかし被災者自身が示談によってその請求権を放棄してしまえば、政府が取得するべき権利にも影響します。

そのため、示談は単に「相手からいくらもらうか」という問題だけではありません。

示談書に次のような内容がある場合は特に慎重に確認してください。

  • 本件について今後一切請求しない
  • これをもってすべて解決済みとする
  • 将来発生する損害についても請求を放棄する
  • その他の債権債務が存在しないことを確認する

こうした条項自体が直ちに問題という意味ではありません。

交通事故の示談では一般的に用いられることがあります。

重要なのは、 その示談によって何の権利まで放棄することになるのかを理解したうえで署名すること です。

治療が終了していない、後遺障害が残る可能性がある、労災保険給付がまだ確定していないといった段階では、特に慎重な判断が必要です。

実務では、相手方保険会社との交渉と労災保険の手続きが別々に進んでしまい、後になって調整が必要になるケースがあります。

示談する前に、労災保険を利用していることを相手方保険会社へ伝えるとともに、所轄の労働基準監督署にも示談予定であることを相談しておくと整理しやすくなります。

会社に対する損害賠償請求の考え方や慰謝料の範囲は、 労災の損害賠償は会社に請求できる?慰謝料と時効を実務で確認 でも整理しています。

労災の第三者行為で損をしないために

労災の第三者行為は、通常の労災事故よりも手続きが複雑です。

労災保険だけを考えればよいのではなく、加害者への損害賠償、自賠責保険、任意保険、過失割合、求償・控除、示談まで同時に考える必要があるからです。

ただし、最初からすべてを完璧に理解する必要はありません。

事故が起きたときは、まず事故の事実関係を記録し、勤務先へ報告するとともに、第三者行為災害に該当する可能性があることを労働基準監督署へ伝えてください。

第三者行為災害で押さえておきたい順番

  • 仕事中または通勤中の事故か確認する
  • 第三者に損害賠償責任がある事故か確認する
  • 第三者行為災害届と必要書類を準備する
  • 労災と自賠責のどちらを先行させるか検討する
  • 受け取った損害賠償金や保険金を正確に申告する
  • 示談する前に労災給付への影響を確認する

特に避けたいのは、 事故直後に過失割合を自分で決めつけること、内容を十分確認せず書類へ署名すること、労災保険との関係を確認せずに全部示談を成立させること です。

第三者行為災害届についても、事故当時の状況をできるだけ客観的に記載してください。

警察への届出、交通事故証明書、事故現場の写真、ドライブレコーダー、保険会社とのやり取りなどがあれば、後から事実関係を整理しやすくなります。

会社側では、従業員から事故の報告を受けた段階で、通常の労災なのか第三者行為災害なのかを確認することが大切です。

ただし、過失割合や損害賠償額について会社側で判断してしまうのではなく、被災者本人、労働基準監督署、保険会社などの手続きを切り分けて進める必要があります。

また、労災保険と損害賠償の調整は、事故の内容やすでに受けた給付・賠償によって個別に異なります。

特に示談や高額な損害賠償が関係する場合には、労災保険だけではなく民事上の損害賠償の検討も必要になることがあります。

制度や提出様式、具体的な支給調整の取扱いは変更される場合があります。

正確な情報は公式サイトをご確認ください。

また、示談、過失割合、損害賠償額などは個々の事故によって結論が変わります。

重要な権利関係に関わる場合には、 最終的な判断は専門家にご相談ください。

労災の第三者行為では、「労災を使えるか」だけではなく、 労災保険と第三者からの賠償をどう整理するか まで考えることが重要です。

特に交通事故では、示談を成立させてからでは対応できないこともあります。

事故後の早い段階で制度の全体像を確認し、順番を間違えずに手続きを進めていきましょう。

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