社会保険・年金

厚生年金はいくらもらえる?平均額・年収別の目安を整理

こんにちは。

もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。

厚生年金はいくらもらえるのかというと、厚生労働省の令和6年度の統計では、厚生年金保険の平均年金月額は老齢基礎年金を含めて約15万円です。

ただし、これはあくまで受給者全体の平均であり、あなた自身の年金額は厚生年金に加入していた期間や現役時代の給与・賞与によって変わります。

会社員として長く働いている方ほど、「自分の場合はいくらになるのか」「年収が違うと年金もどのくらい変わるのか」が気になるところだと思います。

平均受給額だけで判断せず、年金額が決まる仕組みと自分の加入記録をセットで確認することが大切です。

同じ年齢の会社員であっても、就職した年齢、転職歴、厚生年金に加入していなかった期間、給与水準、賞与の有無などによって将来の受給額は変わります。

特に現役世代の方は、現在の年収だけを見て将来の年金額を判断しないことが重要です。

この記事では、厚生年金の平均受給額から男女差、年収別の目安、基本的な計算方法、ねんきんネットで自分の見込額を確認する方法まで、会社員の方に向けて実務目線で整理します。

  • 厚生年金の平均受給額と男女別の目安
  • 年収や加入期間による受給額の違い
  • 厚生年金の基本的な計算方法
  • 自分の年金見込額を確認する方法

厚生年金はいくらもらえる?平均額・年収別目安と計算方法

厚生年金はいくらもらえる?平均受給額

最初に、厚生年金を受給している人が実際にどの程度の年金を受け取っているのかを確認しましょう。

平均額を把握しておくと、自分の将来の年金を考える際の一つの基準になります。

ただし、 厚生年金は全員が同じ金額を受け取る制度ではありません。

加入期間や報酬水準による個人差が大きいため、平均額はあくまで全体像をつかむための数字として見るのがポイントです。

また、「平均受給額」と「自分が65歳から受け取る予定額」は意味が違います。

平均受給額は、現在すでに年金を受け取っている多くの人を集計した結果です。

あなたの年金額を考える場合には、平均額をスタート地点として、加入期間や給与水準などを一つずつ確認していくのが分かりやすいですよ。

厚生年金の平均受給額は月いくら?

厚生労働省が公表している「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号)の老齢年金受給者の 平均年金月額は15万1,142円 です。

単純に12か月分へ換算すると、年間では約181万円になります。

老後の生活費を考えるときには月額で見ることが多いのですが、家計全体を考える場合には年間ベースでも確認しておくと、税金や社会保険料、固定資産税、自動車関連費用など、毎月発生しない支出も含めた資金計画を立てやすくなります。

区分 平均年金月額 年間換算の目安
厚生年金保険 15万1,142円 約181万4,000円
国民年金 5万9,431円 約71万3,000円

(出典:厚生労働省「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」)

ここで非常に重要なのが、統計の「厚生年金保険の平均年金月額」が何を表しているのかという点です。

厚生年金の約15万円という数字には、老齢基礎年金に相当する部分も含まれています。

そのため、「国民年金約6万円に厚生年金約15万円が上乗せされ、合計約21万円になる」という意味ではありません。

厚生年金の平均額を見るときのポイント

厚生労働省の統計上の平均年金月額には基礎年金月額が含まれています。

会社員が受け取る公的年金全体の平均に近い数字として考えると分かりやすいでしょう。

年金について調べていると、「厚生年金の平均は15万円」「国民年金は約6万円」といった数字が別々に掲載されていることがあります。

この2つをそのまま足してしまうと、実際より大きな金額を想定してしまう可能性があります。

老後資金を考えるうえでは、この違いを最初に理解しておくことが大切です。

また、平均値には高い年金を受け取っている人も低い年金を受け取っている人も含まれます。

たとえば、20歳代から60歳代まで比較的高い報酬で厚生年金に長く加入した人と、会社員として厚生年金に加入した期間が短い人とでは、当然ながら受給額に大きな差が生じます。

つまり、平均が約15万円だからといって「会社員なら65歳から毎月15万円程度は受け取れる」と考えるのは少し危険です。

平均額は、自分の年金額を予測するための答えではなく、あくまで比較のための目安と考えてください。

また、統計上の平均額は税金や社会保険料などが差し引かれる前の年金額です。

実際の振込額は、本人の所得や年齢、住んでいる自治体、介護保険料などによって異なる場合があります。

年金からは、一定の条件に該当すると所得税、住民税、介護保険料、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料などが特別徴収されることがあります。

そのため、年金通知書に記載されている年金額と実際に銀行口座へ振り込まれる金額が一致しないケースも珍しくありません。

平均受給額と手取り額は別です。

老後の生活費を考えるときは、年金の額面だけでなく、そこから税金や社会保険料などが差し引かれる可能性も考えておきましょう。

特に年金以外の所得がある方は、手取り額との差が大きくなることがあります。

国民年金と厚生年金を含めた平均受給額全体については、 年金受給額の平均と国民年金・厚生年金の違い でも詳しく整理しています。

平均額は毎年度の状況によって変わりますので、最新の統計については厚生労働省が公表している情報を確認することが大切です。

また、将来あなたが年金を受給するときの水準が現在と同じとは限らないため、老後資金の計画では「現在の平均額」と「自分の見込額」を分けて考えるようにしましょう。

男性と女性で平均受給額が違う理由

男性と女性で平均受給額が違う理由

厚生年金では、男性と女性の平均受給額にも比較的大きな差があります。

厚生労働省の令和6年度末の資料にある厚生年金保険(第1号)の老齢年金受給権者ベースでは、平均年金月額は男性が 16万9,967円 、女性が 11万1,413円 となっています。

区分 平均年金月額
男性 16万9,967円
女性 11万1,413円

単純に比較すると、月額で5万円を超える差があります。

年間では60万円を超える差になるため、老後の生活設計という観点では決して小さな数字ではありません。

この差を見て、「男性だから年金が多く、女性だから少ない制度なのか」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、厚生年金の計算式そのものが男女で異なるわけではありません。

大きく影響しているのは、これまでの 厚生年金への加入期間と現役時代の報酬水準 です。

過去の働き方の違いが平均額に表れている

現在の年金受給世代では、過去の雇用環境から、男性は正社員として長期間働き続けた人が比較的多い一方、女性は結婚や出産、育児などをきっかけに退職したり、厚生年金に加入しない働き方をしていた期間が長かったりするケースがあります。

厚生年金は加入期間が長ければ長いほど報酬比例部分が積み上がる仕組みです。

そのため、厚生年金に40年間加入した人と20年間加入した人では、同じ報酬水準であっても将来の老齢厚生年金に相当な差が出ます。

さらに、過去の賃金水準にも男女差があったため、その影響が厚生年金の平均受給額に表れています。

たとえば、同じ40年間厚生年金に加入していても、加入期間を通じた平均的な報酬が月25万円だった人と月40万円だった人とでは、報酬比例部分に差が生じます。

厚生年金は最終給与だけを見る制度ではなく、長期間にわたる報酬記録が影響するためです。

今の現役世代にも同じ差が出るとは限らない

現在働いている人について、将来も必ず同程度の男女差が生じるという意味ではありません。

厚生年金への加入状況や働き方が変われば、将来の平均受給額の傾向も変化していく可能性があります。

現在は、以前と比べて女性が結婚や出産後も厚生年金に加入しながら働き続けるケースが増えています。

また、短時間労働者に対する社会保険の適用範囲も段階的に拡大されており、厚生年金に加入する人の働き方そのものが変わってきています。

そのため、現在30歳や40歳の女性が将来受け取る年金について、現在の女性受給者の平均額である約11万円をそのまま当てはめることは適切ではありません。

同様に、男性だから必ず約17万円受け取れるというものでもありません。

将来の年金額を考えるときに重要なのは、性別よりもあなた自身の加入記録と報酬記録です。

社労士として年金について説明するときも、私は「男性平均」「女性平均」だけを見るのではなく、まず本人が何年間厚生年金に加入してきたのか、その間の給与がどの程度だったのかを確認するようにしています。

夫婦で老後資金を考える場合も、「夫は男性平均、妻は女性平均」という置き方だけではなく、それぞれのねんきん定期便やねんきんネットを確認する方が現実的です。

共働きで長期間厚生年金に加入している夫婦であれば、現在の受給世代の平均とはかなり異なる年金構成になることもあります。

男女別平均を見る目的

男女別平均は、現在の受給世代にどのような傾向があるのかを把握するためには有用です。

ただし、自分の将来額を計算する資料としては、個人の加入履歴を確認する方が重要です。

特に転職、育児休業、扶養に入っていた期間、自営業だった期間などがある方は、単純な平均値との比較より、自分自身の年金記録を確認することを優先してください。

年収別にみる厚生年金の受給額目安

厚生年金はいくらもらえるのかを考えるうえで、現役時代の年収は重要な要素です。

基本的には、厚生年金に加入している間の給与や賞与が高いほど、将来の老齢厚生年金も多くなる傾向があります。

「年収300万円ならいくら」「年収500万円ならいくら」といった形で知りたい方も多いと思います。

そこで、一例として、平成15年4月以降の加入期間について使われる報酬比例部分の計算式を単純化し、40年間加入したと仮定すると、おおまかなイメージは次のようになります。

平均年収のイメージ 平均報酬月額の単純換算 厚生年金部分の月額目安
300万円 約25万円 約5万5,000円
400万円 約33万3,000円 約7万3,000円
500万円 約41万7,000円 約9万1,000円
600万円 約50万円 約11万円
700万円 約58万3,000円 約12万8,000円

この表は、平均年収を単純に12で割った金額を平均標準報酬額に近いものとして扱い、平成15年4月以降の計算式で40年間加入したものとして概算したものです。

老齢基礎年金は含めていません。

たとえば年収500万円程度で40年間加入したケースでは、単純計算上の厚生年金部分は月約9万1,000円となり、これとは別に要件を満たした老齢基礎年金が加わるイメージです。

現在の年収だけで計算できない理由

ここで注意していただきたいのは、「今の年収が500万円だから、表の500万円の欄を見れば将来の年金が分かる」ということではない点です。

厚生年金の報酬比例部分は、基本的に厚生年金へ加入していた長い期間の報酬をもとに計算します。

たとえば、22歳で就職して30歳までは年収300万円、40歳までは400万円、50歳までは500万円、その後600万円というように給与が上昇してきた場合、現在の600万円だけを基準にして40年間分を計算すると、実際より高い試算になる可能性があります。

反対に、転職や再雇用によって現在の年収が以前より低くなっている方であれば、現在の年収だけを使った単純計算では、これまでの高い報酬期間が十分に反映されません。

年収別の金額はあくまで一般的な目安です。

実際の年金計算では、各月の標準報酬月額、標準賞与額、加入した時期、再評価率などが使われます。

単純な現在の年収だけで将来の年金額が決まるわけではありません。

年収には賞与も影響する

もう一つ忘れやすいのが賞与です。

平成15年4月以降の厚生年金では、毎月の給与だけでなく賞与も標準賞与額として年金額の計算に反映されます。

たとえば、年収480万円の人でも、「月給40万円で賞与なし」のケースと「月給30万円で年間120万円の賞与がある」ケースでは、単純な年収は同じです。

ただし、厚生年金では標準報酬月額と標準賞与額を用いるため、実際の計算は単純に年収を12で割っただけではありません。

標準報酬月額には等級があり、実際の給与額そのものがそのまま年金計算に使われるわけではないこともポイントです。

そのため、年収別の早見表は「大まかな水準を把握するためのもの」と考えるのが適切です。

特に、昇給によって年収が大きく変化した人や、転職・休職・育児休業などがあった人は、「現在の年収×加入年数」だけでは正確な見込額を出せません。

また、20歳代や30歳代の方の場合、これから30年以上の賃金や働き方が変わる可能性があります。

現時点で表示される試算額を「確定した老後収入」と考えるのではなく、今の条件が続いた場合の一つのシミュレーションとして利用するとよいでしょう。

年収別シミュレーションの使い方

「自分の年収なら大体どのくらいの厚生年金部分になるのか」という感覚をつかむためには便利です。

一方、住宅ローンの完済時期や退職時期など、具体的な老後資金計画を立てる場合には、ねんきんネットなどによる個人別の試算を使いましょう。

年収と加入期間を組み合わせたより詳しい目安は、 厚生年金受給額の年収・加入期間別早見表 で確認できます。

加入期間で受給額はどれだけ変わる?

加入期間で受給額はどれだけ変わる?

厚生年金の金額を左右するもう一つの大きな要素が、 厚生年金に加入していた期間 です。

報酬水準が同じであれば、原則として加入期間が長いほど報酬比例部分は増えていきます。

これは厚生年金の報酬比例部分が、「報酬の水準」と「加入していた月数」を基礎として計算されるためです。

たとえば、平成15年4月以降の期間だけを単純化し、平均標準報酬額を40万円と仮定した場合の報酬比例部分を概算してみます。

厚生年金加入期間 報酬比例部分の年額目安 月額換算の目安
10年 約26万3,000円 約2万2,000円
20年 約52万6,000円 約4万4,000円
30年 約78万9,000円 約6万6,000円
40年 約105万2,000円 約8万8,000円

同じ報酬水準でも、10年間の加入と40年間の加入では厚生年金部分に大きな差が出ることが分かります。

たとえば平均標準報酬額40万円という条件が同じなら、20年間加入した場合より40年間加入した場合の方が、単純計算上の報酬比例部分はおおむね2倍になります。

老後資金を考える際に、年収だけでなく「何年間厚生年金に入っていたか」が重要なのはこのためです。

働いた期間と厚生年金加入期間は同じとは限らない

ここで会社員の方に注意していただきたいのが、「働いていた年数」と「厚生年金の加入期間」は必ずしも同じではないという点です。

たとえば、学生だった期間、自営業だった期間、厚生年金の適用を受けない働き方をしていた期間などは、厚生年金の被保険者期間には含まれません。

20歳から60歳までの40年間について国民年金の保険料納付済期間などが40年あれば老齢基礎年金の満額につながりますが、その40年間すべてが厚生年金の加入期間になるわけではありません。

たとえば22歳から会社員として10年間勤務した後、20年間自営業をし、その後再び会社員として8年間勤務した場合、就業していた期間自体は長くても、厚生年金の加入期間は会社員として加入していた期間を中心に計算することになります。

転職しても厚生年金の加入記録は通算される

一方、転職して会社が変わっていても、それぞれの会社で厚生年金に加入していれば加入記録は通算されます。

「新卒で入った会社を辞めたので、それまで払った厚生年金がリセットされるのでは」と心配される方もいますが、そのような仕組みではありません。

A社で5年間、B社で10年間、C社で15年間厚生年金に加入していれば、それぞれの加入記録が年金額の計算につながります。

転職回数より加入記録が重要です。

会社を何社経験したかではなく、それぞれの期間について厚生年金の加入記録が正しく登録されているかを確認してください。

実務上、特に確認しておきたいのは、転職と転職の間に空白期間があるケースです。

退職日の翌日から次の会社の厚生年金資格取得日まで期間が空いている場合、その期間は国民年金への切替が必要になることがあります。

加入制度がどのようにつながっているのかは、ねんきん定期便やねんきんネットの記録で確認できます。

また、パートやアルバイトで働いていた期間でも、その勤務先で厚生年金の加入要件を満たし、実際に被保険者となっていた期間であれば厚生年金の加入期間になります。

「正社員でなければ厚生年金に反映されない」ということではありません。

年金記録に空白や疑問がある場合

過去の勤務先名が表示されていない、加入期間が自分の記憶と合わないなどの疑問がある場合は、そのままにせず確認しましょう。

将来の年金額は登録されている年金記録を基礎として計算されるため、受給直前になって初めて確認するより、現役のうちから定期的に確認しておく方が安心です。

特に50歳代になったら、単純に平均受給額を見るだけではなく、これまでの加入期間と今後何歳まで働く予定なのかをセットで考えることが重要です。

60歳以降も厚生年金に加入して働く場合には、その加入期間も将来の年金額に反映されていきます。

厚生年金には基礎年金も含まれる?

ここは、厚生年金の金額を調べている方が特に混乱しやすいところです。

制度としては、65歳から受け取る年金は原則として 老齢基礎年金と老齢厚生年金という別々の年金 です。

よく「会社員は厚生年金、自営業は国民年金」と説明されます。

制度を大まかに理解するには便利な表現ですが、会社員は老齢厚生年金だけを受け取るわけではありません。

会社員として厚生年金に加入していた方も同時に国民年金の第2号被保険者となるため、受給要件を満たせば老齢基礎年金を受け取れます。

そのうえに、厚生年金の加入記録に応じた老齢厚生年金が加わります。

会社員の年金の基本イメージ

老齢基礎年金 + 老齢厚生年金 = 65歳以降に受け取る公的年金の基本的な形

「2階建て」と考えると分かりやすい

日本の公的年金制度は、よく「2階建て」と表現されます。

1階部分が国民年金から支給される老齢基礎年金、2階部分が会社員などが加入する厚生年金から支給される老齢厚生年金というイメージです。

たとえば、20歳から60歳までの国民年金について満額の老齢基礎年金を受け取れる要件を満たし、さらに会社員として長期間厚生年金に加入していた方であれば、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方が老後収入の中心になります。

一方、自営業として長く働いてきて厚生年金の加入期間がない方は、原則として老齢基礎年金が公的年金の中心です。

この違いが、国民年金だけの受給者と厚生年金受給者の平均額に差が生じる大きな理由の一つです。

厚生労働省の平均15万円には基礎年金が含まれる

一方、厚生労働省が公表している「厚生年金保険の平均年金月額」という統計には、基礎年金月額が含まれています。

そのため、平均受給額を見るときには、 「厚生年金約15万円に、さらに基礎年金約7万円を足す」という計算をしないこと が重要です。

この点は検索結果だけを見ていると非常に誤解しやすいところです。

「厚生年金平均15万円」「国民年金満額約7万円」という別々の数字を見て、合計22万円程度受け取れると考えてしまうケースがありますが、統計上の15万円には基礎年金部分が含まれているため、単純加算はできません。

「厚生年金部分」と「厚生年金受給者の平均年金月額」を区別しましょう。

年収別の簡易計算で示す「厚生年金部分」は、主に報酬比例部分を指します。

一方、厚生労働省の統計にある厚生年金保険の平均年金月額には、併給される老齢基礎年金が含まれています。

同じ「厚生年金の金額」という表現でも意味が異なるため注意が必要です。

なお、令和8年度の老齢基礎年金の満額は、昭和31年4月2日以後生まれの方の場合で月額7万608円です。

ただし、老齢基礎年金は20歳から60歳までの保険料納付状況などによって金額が変わるため、誰でも満額を受け取れるわけではありません。

国民年金保険料の未納期間がある場合だけでなく、免除期間などがある場合にも、満額との関係を確認する必要があります。

また、会社員として厚生年金に加入していた20歳から60歳までの期間は、老齢基礎年金の計算においても重要な期間になります。

さらに、年金の繰上げ受給や繰下げ受給を選択した場合には、65歳から本来受け取る場合とは年金額が変わります。

そのため、同じ加入記録を持つ人でも、何歳から受け取り始めるかによって実際の月額が違うことがあります。

また、年金額は年度ごとに改定されるため、将来あなたが受給を開始するときの金額が現在と同じとは限りません。

特に30歳代、40歳代の方が老後資金を考える場合には、現在の老齢基礎年金の満額を何十年後もそのまま受け取れる金額として家計表へ固定的に入れるのではなく、現行制度に基づく参考値として利用することが大切です。

自分の年金を見るときは内訳を確認

ねんきんネットなどで将来の年金額を見る場合には、合計額だけでなく、老齢基礎年金がいくら、老齢厚生年金がいくらという内訳まで確認すると制度を理解しやすくなります。

厚生年金はいくらもらえるか決まる仕組み

ここからは、厚生年金の金額がどのように決まるのかを具体的に見ていきます。

厚生年金は、大まかに言えば「どのくらいの報酬で、どのくらい長く厚生年金に加入していたか」によって計算されます。

ただし、実際の計算では標準報酬月額や標準賞与額、加入時期ごとの計算式などが関係するため、単純な年収だけでは正確な金額を求めることはできません。

計算式そのものを見ると難しく感じるかもしれませんが、会社員の方が押さえておきたいポイントはそれほど多くありません。

「加入期間」「給与」「賞与」の3つがどのように年金額につながっているのかを理解しておけば、ねんきん定期便やねんきんネットの数字も読みやすくなります。

厚生年金の基本的な計算方法

老齢厚生年金の中心となるのが「報酬比例部分」です。

報酬比例部分は、厚生年金に加入していた期間の報酬と加入月数を基礎として計算されます。

「厚生年金は現役時代の給料によって変わる」といわれるのは、この報酬比例部分があるためです。

現在の年金制度では、平成15年4月から賞与も年金額の計算に反映する総報酬制が導入されたため、平成15年3月以前と平成15年4月以降で基本的な計算方法が分かれています。

加入期間 基本的な計算式
平成15年3月以前 平均標準報酬月額 × 7.125÷1,000 × 加入月数
平成15年4月以降 平均標準報酬額 × 5.481÷1,000 × 加入月数

(出典:日本年金機構「報酬比例部分」)

平成15年4月を境に計算方法が違う

平成15年3月以前の計算で使う「平均標準報酬月額」は、基本的に毎月の標準報酬月額を基礎としたものです。

一方、平成15年4月以降の「平均標準報酬額」には、標準報酬月額だけでなく標準賞与額も含めて計算します。

そのため、長く会社員として働いている方については、平成15年3月以前の加入期間と平成15年4月以降の加入期間を分けて計算し、それぞれを合計することになります。

現在40歳前後の方であれば、原則として加入期間のほとんどが平成15年4月以降になるため、5.481÷1,000という率を使った計算のイメージが中心になります。

一方、現在の年金受給世代では平成15年3月以前の加入期間を持つ方が多いため、単純に現在の計算式だけでは再現できないケースがあります。

平均標準報酬額40万円・40年加入の簡易例

たとえば平成15年4月以降について、平均標準報酬額が40万円で40年間、つまり480か月加入したものとして単純化すると、次のようになります。

40万円 × 5.481 ÷ 1,000 × 480か月 = 約105万2,000円/年

月額に換算すると、報酬比例部分は約8万8,000円という計算です。

この例では、平均標準報酬額が同じ40万円であれば、加入月数が240か月なら金額はおおむね半分になります。

反対に、加入期間が同じでも平均標準報酬額が20万円であれば、40万円の場合より報酬比例部分は小さくなります。

つまり、厚生年金の報酬比例部分は、 報酬の高さと加入期間の長さの掛け合わせ で考えると理解しやすいでしょう。

実際の年金額は簡易計算より複雑

実際には過去の報酬を現在の価値に置き換える再評価率や生年月日による取扱い、従前額保障なども関係するため、この式だけで最終的な年金額を確定することはできません。

さらに、人によっては加給年金額などが関係する場合もあります。

また、繰上げ受給や繰下げ受給を選択すれば、65歳から受け取る本来の年金額から増減します。

手計算は目安の把握に使いましょう。

報酬比例部分の式を使えば「給与と加入期間が年金にどう影響するか」は理解できますが、実際に将来受け取る金額を1円単位で求めるための方法ではありません。

一般の会社員の方が老後資金を考える目的であれば、計算式をすべて自分で追いかけるよりも、仕組みを理解したうえでねんきんネットの見込額を確認する方が実務的です。

私は、まず簡易計算で「なぜこのくらいの年金になるのか」という仕組みを理解し、その後にねんきんネットで本人の実際の記録を使って確認する方法が分かりやすいと思います。

数字の根拠が分かるので、今後何歳まで働くかを考えるときにも役立ちます。

給与水準が年金額に与える影響

給与水準が年金額に与える影響

厚生年金では、現役時代の給与水準が将来の受給額に反映されます。

簡単に言えば、厚生年金に加入している期間について 給与や賞与が高い期間が長いほど、将来の老齢厚生年金も増えやすくなります。

ただし、「最後の給与が高ければ年金も高くなる」という仕組みではありません。

退職前に月給50万円をもらっているからといって、40年間ずっと月給50万円だったものとして計算されるわけではありません。

厚生年金では、長期間にわたって記録されてきた標準報酬をもとに報酬比例部分を計算します。

若い頃の給与も年金額に関係する

厚生年金の計算では、加入期間を通じた標準報酬の記録が使われます。

そのため、定年前の数年間だけ給与が高かったとしても、それまで長期間にわたり給与が低かった場合には、その影響も含めて年金額が計算されます。

たとえば22歳で月給20万円からスタートし、30歳で25万円、40歳で35万円、50歳で45万円、60歳前後で50万円となった方の場合、最後の50万円だけで年金額を計算するわけではありません。

それぞれの時期の標準報酬の記録が将来の年金につながります。

逆に、現在の給与が以前より下がっている場合でも、過去に高い報酬で厚生年金へ加入していた期間は記録として残っています。

役職定年や再雇用によって60歳以降の給与が大きく下がる方もいますが、60歳以降の低い給与だけを見て「これまで積み上げた厚生年金も全部低い金額で計算し直される」ということではありません。

年金額を考えるときは「今の年収」だけを見るのではなく、これまでの厚生年金加入期間全体を見ることが大切です。

年金相談でも、現在の給与だけから受給額を推測すると実際の見込額とのズレが大きくなることがあります。

昇給すると将来の厚生年金も増えやすい

これから長期間厚生年金へ加入する現役世代であれば、今後の給与水準も将来の年金額に影響します。

たとえば30歳から40歳までの10年間について、標準報酬月額が以前より高くなれば、その10年間分について高い報酬水準が年金記録に反映されます。

昇給したから翌年すぐに将来の年金が大幅に増えるわけではありませんが、高い報酬水準で加入する期間が長くなるほど、その積み重ねが将来の報酬比例部分へ反映されます。

一方、会社員を辞めて自営業になる場合などは、その後は原則として厚生年金の加入期間が増えなくなります。

つまり、年収そのものだけでなく、どの制度に加入して働くかも重要です。

将来の給与を予測するときは複数パターンで考える

また、将来の給与が変われば、現在表示されている年金見込額からさらに変化する可能性があります。

転職や役職定年、再雇用などを予定している方は、その点も踏まえて老後資金を考える必要があります。

特に50歳代の方であれば、「60歳で退職する」「60歳以降は再雇用で給与が下がる」「65歳まで現在と同程度の給与で働く」といった複数のケースで年金見込額を比較してみると、退職時期を考える材料になります。

給与を見るときは現在だけでなく過去と未来も確認

  • これまでどの程度の給与で厚生年金に加入してきたか
  • 現在の給与水準はいくらか
  • 今後何歳まで働く予定か
  • 転職や再雇用で給与が変わる可能性があるか

厚生年金はいくらもらえるのかを現実的に考えるためには、このように過去・現在・将来を分けて見ることがポイントです。

「年収500万円だから年金は○万円」と一つの数字だけで判断するより、自分の働き方そのものを確認する方が正確な見通しにつながります。

標準報酬月額と賞与の関係

厚生年金の計算を理解するうえで知っておきたいのが、「標準報酬月額」と「標準賞与額」です。

会社から支給される毎月の給与額をそのまま1円単位で年金計算に使用するわけではありません。

給与を一定の幅ごとに区分した 標準報酬月額 を使って、厚生年金保険料や将来の年金額の基礎を決めています。

会社員の方は給与明細を見ると毎月厚生年金保険料が控除されていますが、その保険料も標準報酬月額を基礎として計算されています。

つまり、毎月払っている厚生年金保険料と、将来受け取る老齢厚生年金は、標準報酬という仕組みを通じてつながっています。

標準報酬月額は実際の月給そのものではない

たとえば毎月の報酬が31万8,000円だからといって、厚生年金の計算でも31万8,000円をそのまま使用するわけではありません。

報酬額を一定の等級に区分し、その等級に対応する標準報酬月額を使います。

また、ここでいう報酬には基本給だけが含まれるわけではありません。

原則として、労働の対償として経常的に支給される各種手当なども報酬に含まれるため、「基本給だけを見れば自分の標準報酬月額が分かる」とは限りません。

会社員の方であれば、毎年の定時決定や、固定的賃金が大きく変動した場合の随時改定などによって標準報酬月額が決定・改定されます。

たとえば昇給によって固定的賃金が変わり、その後の報酬が一定の条件を満たして大きく変動した場合には、随時改定によって標準報酬月額が変わることがあります。

その結果、毎月の厚生年金保険料も変わり、将来の年金額の計算に使われる報酬記録にも反映されます。

賞与も厚生年金の計算に入る

一方、賞与については「標準賞与額」として厚生年金保険料と年金額の計算に反映されます。

報酬の種類 年金計算で使われる主な項目
毎月の給与 標準報酬月額
賞与 標準賞与額

平成15年4月以降の平均標準報酬額には、標準報酬月額だけでなく標準賞与額も含まれます。

そのため、月給が同じ人でも、賞与の支給状況が大きく違えば、将来の厚生年金額にも違いが出る可能性があります。

たとえば「月給30万円の人」とだけ聞いても、賞与が年間100万円ある人と、賞与がまったくない人では、厚生年金の計算上まったく同じとは限りません。

この点は年収別の厚生年金額を考えるときにも重要です。

「月給×12か月」だけでは実際の報酬を十分に表せない人も多いためです。

標準報酬には上限がある

標準報酬月額や標準賞与額には制度上の等級や上限があります。

そのため、給与や賞与が増えれば将来の年金額が際限なく同じ割合で増えるわけではありません。

たとえば給与が非常に高い方については、実際の給与額と厚生年金の計算上使用する標準報酬との間に差が生じることがあります。

そのため、年収1,000万円の人の厚生年金が年収500万円の人の単純に2倍になるとは限りません。

これは保険料についても同様です。

報酬が上がると一定の範囲では厚生年金保険料も上がりますが、制度上設定された標準報酬の範囲を超えた部分まで無制限に保険料が増えていく仕組みではありません。

給与明細を見るときの実務ポイント

毎月の厚生年金保険料が突然変わった場合には、単純な計算ミスとは限りません。

定時決定、随時改定、育児休業等終了時改定などにより標準報酬月額が変更されている可能性があります。

給与明細を見ると厚生年金保険料が毎月控除されていますが、この保険料の計算に使われている標準報酬月額は、将来受け取る厚生年金ともつながっている数字です。

自分の厚生年金額を詳しく理解したい方は、単純な年収だけを見るのではなく、「標準報酬月額」「標準賞与額」という仕組みがあることを知っておくと、年金記録を確認するときにも理解しやすくなります。

ねんきんネットで見込額を確認する方法

ねんきんネットで見込額を確認する方法

平均額や計算式を確認したら、最終的には あなた自身の年金加入記録を使って見込額を確認すること をおすすめします。

その際に便利なのが、日本年金機構の「ねんきんネット」です。

ねんきんネットでは、自分の年金記録を確認できるだけでなく、将来受け取る老齢基礎年金と老齢厚生年金の見込額を試算できます。

厚生年金はいくらもらえるのかを調べるとき、平均額や年収別の簡易表は大まかな相場観を知るためには役立ちます。

しかし、老後の生活設計に使うのであれば、やはり本人の加入記録を反映した数字を見ることが重要です。

かんたん試算で確認する

現在と同じ条件で60歳まで年金制度に加入し続けると仮定した試算であれば、「かんたん試算」を利用できます。

今と同じ働き方を続けた場合に、将来どの程度の年金になるのかを大まかに確認したい方には使いやすい方法です。

特に30歳代、40歳代で今後の働き方がまだ大きく変わる予定がない方であれば、まずはかんたん試算で現在の延長線上にある年金額を確認すると分かりやすいでしょう。

ただし、「現在と同じ条件が続く」という前提であることは忘れないでください。

今後転職する、独立する、給与が大きく変わる、60歳前に退職する予定があるといった場合には、実際の将来像と試算条件が合わなくなることがあります。

今後の働き方を変えて試算する

ねんきんネットでは、詳細な条件を設定した試算もできます。

  • 何歳まで厚生年金に加入して働くか
  • 今後の収入をどの程度と想定するか
  • 何歳から年金を受け取り始めるか
  • 国民年金保険料を追納した場合どうなるか

たとえば「60歳で退職する場合」と「65歳まで働く場合」を比較するなど、老後の働き方を考える材料として活用できます。

50歳代の方であれば、60歳以降の再雇用をどうするか、65歳まで働くかといった判断にも使いやすい機能です。

単純に年金額だけを見るのではなく、60歳以降の給与収入と組み合わせて考えると、より現実的な老後のキャッシュフローを作れます。

また、老齢年金は受給開始時期によって金額が変わります。

受給開始年齢を変えた場合の試算を確認しておけば、「早く受け取る」「65歳から受け取る」「繰下げて受け取る」といった選択肢を比較する材料にもなります。

平均額より自分の見込額を優先しましょう。

老後資金を具体的に考える段階では、平均受給額よりも、自分自身の加入記録に基づいた年金見込額の方が重要です。

ねんきん定期便と一緒に確認する

ねんきん定期便にも年金に関する情報が記載されていますが、年齢によって表示されている年金額の意味が異なります。

特に50歳未満の方と50歳以上の方では、ねんきん定期便に表示される年金額の考え方が異なるため、数字だけを見て判断しないことが大切です。

確認するときは、 年金定期便の見方と年金見込額の確認ポイント も参考にしてください。

加入記録そのものも確認する

ねんきんネットを利用するメリットは、見込額だけではありません。

これまでの年金加入記録を確認できることも重要です。

「以前勤務していた会社の期間が入っているか」「転職の間に未納期間がないか」「自分の記憶している勤務期間と記録が合っているか」などを確認してみましょう。

もし記録に疑問があるのであれば、受給開始直前まで放置せず、早めに確認することをおすすめします。

昔の勤務先に関する資料や給与記録などは時間が経つほど確認しにくくなる場合があります。

ねんきんネットの試算額は将来の支給額を保証するものではありません。

試算条件、今後の働き方、受給開始年齢、制度改正などによって実際の年金額は変わる可能性があります。

また、個別の年金記録や加算などによって、年金事務所で確認する金額と差が生じる場合もあります。

なお、ねんきんネットの試算結果と年金事務所での試算では、共済年金の加入記録、加給年金、離婚分割、厚生年金基金の加入記録などによって差が生じる場合があります。

加入記録に疑問がある場合や、より正確な試算が必要な場合には、年金事務所への確認も検討してください。

私としては、「平均はいくらか」を確認した後、最終的にはねんきんネットで自分自身の数字まで確認することをおすすめします。

ここまで行えば、厚生年金について漠然とした不安を抱える状態から、具体的な数字をもとに老後を考えられる状態へかなり近づきます。

厚生年金はいくらもらえるか確認しよう

厚生年金はいくらもらえるのかについて、厚生労働省の令和6年度の統計を見ると、厚生年金保険の平均年金月額は老齢基礎年金を含めて約15万円です。

ただし、 平均額があなた自身の受給額になるわけではありません。

この記事をここまで読んでいただくと分かるように、厚生年金には「会社員なら全員○万円」という固定額があるわけではありません。

同じ会社で働いている同年代の人であっても、これまでの加入期間や給与・賞与の履歴が違えば、将来受け取る老齢厚生年金も違ってきます。

厚生年金の報酬比例部分は、主に現役時代の報酬水準と厚生年金への加入期間によって決まります。

年収が高くても加入期間が短ければ年金額は抑えられますし、長く働いていても報酬水準によって金額は変わります。

まず平均額で全体像を把握する

最初の段階では、厚生年金受給者の平均額を把握しておけば十分です。

現在の平均が老齢基礎年金を含めて月約15万円であることを知っておけば、自分の見込額が平均より高いのか低いのかを比較する一つの基準になります。

ただし、男性平均や女性平均も含め、平均値そのものに自分を無理に当てはめる必要はありません。

年金に加入してきた経歴は人それぞれですから、平均値はあくまで現在の受給者全体の傾向です。

次に自分の加入履歴を確認する

次に確認したいのが、これまで何年間厚生年金に加入してきたのかという点です。

20歳代から長期間会社員として働いている人、自営業期間がある人、扶養に入っていた期間がある人、転職を繰り返してきた人では厚生年金の加入履歴が違います。

加入履歴が分かったら、その期間の給与や賞与が年金額に影響するという基本的な仕組みを押さえておきましょう。

厚生年金を確認するときの順番

  • 平均受給額で全体の水準を把握する
  • 加入期間と過去の給与・賞与を確認する
  • ねんきん定期便で年金記録を確認する
  • ねんきんネットで自分の見込額を試算する

老後資金は年金の見込額から逆算する

私は、老後資金を考える場合には「平均で15万円だから自分もそのくらい」と考えるのではなく、まず自分自身の年金見込額を数字で確認することが重要だと考えています。

たとえば、あなたの年金見込額が月16万円で、老後に必要と考えている生活費が月22万円なら、単純計算では毎月6万円の不足が想定されます。

年間なら72万円です。

この差額が分かれば、「65歳以降も働く」「退職までに預貯金を増やす」「退職金を生活費の不足分に充てる」「企業年金など他の収入を確認する」といった具体的な検討ができます。

逆に、自分の年金見込額を確認しないまま「老後には2,000万円必要らしい」「年金だけでは暮らせないらしい」と一般論だけを見ても、本当に自分がいくら準備すべきなのかは分かりません。

そのうえで、年金だけで毎月の生活費を賄えるのか、不足する場合には預貯金や退職金、企業年金、65歳以降の就労収入などでどのように補うのかを整理していくと、老後資金の計画がかなり具体的になります。

一度確認して終わりではなく定期的に見直す

特に現役世代の方は、一度年金見込額を確認したら終わりではありません。

給与が上がった、転職した、独立した、60歳以降も働くことにしたなど、働き方が変われば将来の年金見込額も変わる可能性があります。

30歳代や40歳代であれば数年に一度、50歳代になれば退職時期や再雇用の予定を考えるタイミングなどで見直すとよいでしょう。

厚生年金はいくらもらえるのかという疑問に対して最も確実なのは、平均額ではなく、あなた自身の年金記録から見込額を確認することです。

平均受給額、年収別の目安、計算式は、自分の年金額を理解するための材料として使ってください。

最後はねんきん定期便やねんきんネットで本人の記録を確認する。

この順番が一番分かりやすいと思います。

この記事で紹介した平均受給額や年収別の金額は、あくまで一般的な目安です。

年金額や制度上の数値は年度ごとの改定や法改正などによって変わる場合があります。

正確な情報は公式サイトをご確認ください。

また、加入記録や個別事情によって判断が異なる場合がありますので、 最終的な判断は専門家にご相談ください。

特に、長期間の未加入・未納期間がある場合、共済組合への加入歴がある場合、離婚時の年金分割が関係する場合、加給年金などの加算が想定される場合、繰上げ・繰下げを検討している場合などは、一般的な早見表だけでは判断しにくくなります。

年金は老後の生活設計の土台になる制度です。

まだ受給まで何年もある方であっても、現在の加入記録と見込額を一度確認しておくことには意味があります。

将来どのくらい働くのか、どの程度の老後資金を準備するのかを考える際の具体的な基準になるからです。

主な確認先

  • 厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」
  • 日本年金機構「老齢厚生年金」
  • 日本年金機構「ねんきんネット」

-社会保険・年金