こんにちは。
もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。
休職中で給与がなくなったとしても、その年度の住民税が自動的に止まるわけではありません。
住民税は前年の所得をもとに計算されるため、今年の収入が大きく減っていても、前年に一定の所得があれば住民税の支払いが続くことがあります。
会社員の場合、通常は給与から住民税を天引きする特別徴収ですが、無給の休職に入ると天引きする給与そのものがなくなります。
そのため、会社が一時的に立て替えるのか、本人から会社へ支払ってもらうのか、普通徴収へ切り替えて本人が市区町村へ直接納付するのかを整理しなければなりません。
休職は給与だけでなく、住民税、社会保険料、傷病手当金など複数のお金の動きが同時に変わるため、本人にとっても会社の給与担当者にとっても迷いやすい場面です。
特に、傷病手当金は非課税なのになぜ住民税を払う必要があるのか、会社が立て替えた住民税を復職後にどう精算するのか、長期休職では普通徴収へ切り替えた方がよいのか、といった点は実際の実務でも確認しておきたいポイントです。
この記事では、私傷病などによる休職を中心として、休職中の住民税の仕組み、会社側の手続き、本人の支払い方法、復職時の対応まで実務の流れに沿って解説します。
- 休職しても住民税が止まらない理由
- 無給になった場合の住民税の支払い方法
- 普通徴収への切替や復職時の会社手続き
- 支払いが難しい場合の減免や猶予の考え方

休職中の住民税が止まらない仕組み
休職中の住民税を考えるときは、最初に「なぜ給与がないのに税金を払わなければならないのか」を理解しておくことが大切です。
所得税と住民税では課税されるタイミングや徴収方法が異なるため、現在の給与だけを基準に考えると分かりにくくなります。
休職した月から給与がゼロになったとしても、それだけで現在納付している住民税の税額が再計算されるわけではありません。
まずは住民税がどの年の所得をもとに計算され、会社員の場合にどのような方法で徴収されているのかを整理していきましょう。
住民税は前年の所得をもとに決まる
個人住民税は、市区町村民税と都道府県民税などから構成され、基本的には 前年1月から12月までの所得をもとに翌年度の税額が決まる仕組み になっています。
会社員の場合、その年に給与を受け取った時点で、その給与に対応する住民税を同時に納めているわけではありません。
前年に得た給与所得などをもとに市区町村が住民税を計算し、原則として翌年6月から翌々年5月までの12回に分けて給与から徴収します。
たとえば、前年は1年間通常どおり勤務して給与を受け取っていた方が、今年の8月から病気やけがによって無給の休職に入ったとします。
8月以降の給与がゼロになったとしても、現在徴収されている住民税は、基本的には前年に得た所得をもとに決定されたものです。
そのため、 「今月の給与がゼロだから今月の住民税もゼロになる」という関係にはなりません。
休職中の住民税を理解するポイントは、現在の収入と現在納めている住民税の算定対象となった収入の時期がずれていることです。
今年休職して給与がなくなっても、前年に働いて得た所得に対する住民税が残っていれば、その税額は原則として納める必要があります。
所得税とは、この時間的なずれが特に異なります。
給与所得者の所得税は毎月の給与額に応じて源泉徴収され、年末調整などによって精算されます。
一方、住民税は前年所得をもとに後から税額が決まるため、現在の給与が急に下がったときほど負担感が大きくなりやすい仕組みです。
盛岡市でも、市・県民税について、前年1月から12月までの所得を基礎として、給与所得者については翌年6月から12回に分けて給与から特別徴収する仕組みが案内されています。
特別徴収は会社が独自に住民税額を計算しているものではなく、市区町村から通知された月割額を給与から徴収して納付する仕組みです。
休職した年の所得減少は翌年度に反映される
では、休職によって給与が大幅に減ったことはまったく住民税に反映されないのかというと、そうではありません。
今年の所得が大きく減れば、その年の所得をもとに計算される翌年度の住民税は低くなる可能性があります。
たとえば、今年の途中から長期休職に入り、その後ほとんど給与を受け取らなかった場合には、今年1年間の課税対象となる所得自体が前年より低くなります。
その結果、翌年6月以降に納める住民税が下がることがあります。
つまり、休職による所得減少の効果が住民税に現れるまでには時間差があります。
休職者本人から見ると、「収入が減った今年に高い住民税を払い、所得が減った影響は翌年度に出る」という状態になりやすいです。
この時間差を知らないと、休職後の家計を想定したときに住民税分を見落としやすいため注意してください。
会社側も、休職に入る従業員へ「給与は出ません」とだけ説明するのではなく、住民税は別途支払いが必要になる可能性があることまで案内しておくと親切です。
なお、実際の住民税額は所得だけでなく、所得控除、扶養状況、各種税額控除などによっても変わります。
単純に給与が半分になったから住民税も半分になるとは限りませんので、具体的な税額については市区町村から交付される通知書を確認してください。
休職で収入が減っても課税は続く

休職して給与が減った、あるいは完全に無給になったという理由だけで、その年度の住民税が自動的に免除されるわけではありません。
実際によくある相談の一つが、「休職して給与が出なくなったので、住民税も止まると思っていました」というものです。
給与明細から住民税が差し引かれているため、給与がなくなれば住民税の負担もなくなるように感じるのですが、給与天引きというのはあくまで徴収方法です。
給与がなくなることと、すでに決定されている住民税そのものがなくなることは別の話です。
また、「社会保険料のように休職期間中は住民税も免除されませんか」と聞かれることもあります。
しかし、住民税と健康保険・厚生年金保険はまったく別の制度です。
さらにいうと、一般的な私傷病による休職では、健康保険料や厚生年金保険料についても、単に休職しただけで当然に免除されるものではありません。
産前産後休業や育児休業などには社会保険料の免除制度がありますが、会社独自の私傷病休職とは取扱いが異なります。
休職直後は家計負担が重くなりやすい
休職者本人にとって大変なのは、収入が減った直後にも複数の支払いが残りやすい点です。
たとえば、休職前には毎月30万円の給与から住民税や社会保険料が自動的に差し引かれ、残額が手取りとして振り込まれていたとします。
無給休職になると給与振込はなくなりますが、住民税や社会保険料の本人負担分が当然にゼロになるわけではありません。
その結果、それまでは給与から自動的に処理されていて意識しにくかった費用を、自分の預貯金などから別途支払う必要が出てきます。
| 項目 | 休職前 | 無給休職後 |
|---|---|---|
| 給与 | 通常どおり支給 | 会社規程により無給となる場合あり |
| 住民税 | 給与から特別徴収 | 本人振込・会社立替・普通徴収などを検討 |
| 社会保険料 | 給与から控除 | 私傷病休職では本人負担分が残るのが一般的 |
| 傷病手当金 | 通常勤務中は対象外 | 一定要件を満たせば支給対象となる可能性 |
このため、休職に入る段階では「毎月いくら入ってくるか」だけではなく、「毎月いくら支払いが残るか」を一緒に考える必要があります。
私は会社側に休職時の案内を整える場合、住民税、社会保険料、傷病手当金、会社からの給与の有無などを一覧にして本人へ説明できる状態にしておくことが重要だと考えています。
療養中の本人に制度を一つずつ調べてもらうより、会社から最初に全体像を示した方が認識違いも減らせます。
翌年度の住民税は下がる可能性がある
今年の大部分を休職し、課税対象となる給与所得が大幅に減少した場合には、その影響が翌年度の住民税に反映されます。
ただし、翌年度の税額がどの程度下がるかは、休職期間、休職前後の給与、賞与、その他の所得、所得控除などによって異なります。
「半年休職したから住民税も必ず半分になる」といった計算ではありません。
現在の収入が減ったことと、現在納めている住民税の税額変更は直接連動しません。
支払いが難しい場合には、税金を放置するのではなく、市区町村へ減免や徴収猶予などの相談が可能か確認することが重要です。
そもそも休職制度そのものや休職期間、給与の取扱いが分からない場合は、 休職制度の基本と注意点 もあわせて確認してください。
特別徴収と普通徴収の違い
休職中の住民税を処理するうえでは、まず 特別徴収と普通徴収の違い を理解しておく必要があります。
会社員の場合、通常は会社が給与から住民税を差し引き、本人に代わって市区町村へ納付します。
これが特別徴収です。
一方、普通徴収は、市区町村から本人へ送付される納税通知書や納付書などに基づいて、本人が直接納める方法です。
| 項目 | 特別徴収 | 普通徴収 |
|---|---|---|
| 納税方法 | 会社が給与から差し引いて納付 | 本人が市区町村へ直接納付 |
| 一般的な納付回数 | 6月から翌年5月まで12回 | 自治体が定めた納期 |
| 納税通知 | 会社へ特別徴収税額が通知される | 本人へ納税通知書などが届く |
| 給与がない場合 | 給与から差し引けない | 給与がなくても本人が直接支払える |
| 休職中の実務 | 本人振込や会社立替などの管理が必要になる場合あり | 会社による毎月の回収事務を避けやすい |
普通徴収の納期は年4回程度としている自治体が多く見られますが、具体的な納期は市区町村や年度によって異なります。
たとえば、盛岡市でも普通徴収について年度ごとに納期限が定められています。
そのため、普通徴収へ切り替わった本人は、会社から住民税を引かれていないことだけを見て「支払いが終わった」と判断しないようにしてください。
市区町村から届く納税通知書を確認し、自分で納期限までに支払う必要があります。
普通徴収にしても税額そのものが増えるわけではない
特別徴収から普通徴収へ切り替わると、「会社から引かれるより税金が高くなるのですか」と心配されることがあります。
基本的には、徴収方法が変わったことだけを理由として年税額そのものが増えるわけではありません。
違うのは、税額を誰がどのタイミングで納付するかです。
ただし、支払いの感覚はかなり変わります。
特別徴収では年税額を原則12回に分けて給与から差し引くため、毎月少しずつ負担する形になります。
一方、普通徴収では自治体が定めた納期にまとめて支払うため、1回当たりの支払額が大きくなることがあります。
普通徴収へ切り替えた本人から「急に高額な納付書が届いた」と相談されることがあります。
税額が急に増えたとは限らず、特別徴収の12回払いから普通徴収の納期に合わせた支払いへ変わったことで、1回当たりの金額が大きくなっている可能性があります。
本人の希望だけで自由に切り替えられるとは限らない
在職中の給与所得者については、原則として特別徴収が行われます。
そのため、「自分で払いたいから普通徴収にしてほしい」という本人の希望だけで自由に普通徴収を選べるとは限りません。
一方、無給の休職によって給与から税額を差し引くことができない場合には、給与所得者異動届出書を提出し、普通徴収への切替を行う実務があります。
ここは「休職したら必ず普通徴収」でも、「会社が好きな方法を自由に選べる」でもありません。
実際の給与支給状況、休職期間、市区町村の取扱いを確認しながら処理することが大切です。
会社側としては、普通徴収へ切り替える際に、本人へ「今後は会社から差し引かないため、市区町村から届く納付書で自分で支払うこと」「1回当たりの支払額がこれまでより大きく感じられる可能性があること」を案内しておくとトラブルを防ぎやすいですよ。
無給時は会社立替か普通徴収へ

休職して給与がゼロになると、会社は給与から住民税を天引きできなくなります。
このとき実務上検討される方法として、特別徴収を継続したうえで本人から会社へ住民税相当額を振り込んでもらう方法、普通徴収へ切り替える方法、会社が短期間立て替えて後から精算する方法などがあります。
どの方法が適しているかは、休職予定期間、復職の見込み、給与や賞与の支給予定、会社の事務負担などによって変わります。
会社が納付して本人から回収する方法
特別徴収を継続し、市区町村には会社がこれまでどおり住民税を納付しながら、本人から同額を会社へ振り込んでもらう方法です。
たとえば毎月、会社から本人へ「住民税○円、社会保険料本人負担分○円、合計○円を○月○日までに振り込んでください」と案内し、会社指定口座へ入金してもらいます。
休職期間が短く、数週間から1、2か月程度で復職する予定が明確な場合には、普通徴収への切替と復職時の再切替を行うより、この方法の方が事務処理が少なくなることもあります。
一方で、会社は「本人から入金されなければ市区町村への納付もしない」という管理にはしないよう注意が必要です。
特別徴収義務者として納付すべき税額と、会社が本人から回収できているかどうかは別の問題です。
本人の入金が遅れるたびに会社が立替状態になり、長期間積み上がると未回収額が大きくなります。
普通徴収へ切り替える方法
長期休職が予想され、当面給与が支給されない場合には、給与所得者異動届出書を提出し、残りの住民税を普通徴収へ切り替える方法があります。
普通徴収へ切り替わると、原則として市区町村から本人へ納税通知書等が送付され、本人が直接納税します。
会社側から見ると、毎月本人へ請求したり、入金確認をしたり、未入金分を立て替えたりする管理がなくなるため、長期休職では実務上整理しやすい方法です。
本人側にとっても、「住民税は市区町村へ直接払うもの」と支払先が明確になります。
休職期間が長くなる見込みで給与支給がない場合は、普通徴収への切替を早めに検討することが重要です。
会社が何か月も住民税を立て替えてから普通徴収へ切り替えるより、休職開始時点で今後の見込みを確認した方が処理しやすくなります。
短期間だけ会社が立て替える方法
復職予定日が近く、本人から毎月振込を受けることも難しい場合には、会社が一時的に住民税相当額を負担して納付し、復職後に本人から精算してもらう方法も考えられます。
ただし、この方法は短期間であれば管理しやすくても、休職が延長されると事情が変わります。
たとえば、住民税2万円と社会保険料4万円を毎月会社が立て替えれば、単純計算でも3か月で18万円です。
6か月になれば36万円です。
実際の金額は個人によって異なりますが、長期化すると会社側の立替額が想定以上に膨らむ可能性があります。
さらに、復職する予定だった従業員が休職期間満了で退職することになれば、給与から精算する機会そのものがなくなる場合があります。
立替分を復職後の給与からまとめて差し引く場合は注意が必要です。
会社が従業員に対して返還請求できる金額であっても、給与から会社の判断だけで自由に差し引けるとは限りません。
労働基準法上の賃金全額払いの原則との関係、賃金控除に関する労使協定、本人との合意内容などを確認したうえで精算方法を決める必要があります。
実務では、休職開始時に「会社が立て替える場合はいつまでとするか」「毎月本人が振り込むのか」「復職後に精算する場合はどのような方法にするか」まで決めておいた方が安全です。
休職が長期化してからルールを作ろうとすると、すでに立替額が積み上がっており、本人との認識もずれていることがあります。
会社側としては、休職命令書や休職時の案内文書などとあわせて金銭面の取扱いを説明しておくことをおすすめします。
長期休職は普通徴収への切替が基本
短期休職であれば、会社が住民税を一時的に立て替えたり、本人から毎月振り込んでもらったりする方法でも対応できます。
しかし、休職期間が数か月以上に及ぶ可能性があり、その間に給与支給がないのであれば、普通徴収への切替を検討するのが実務上分かりやすい処理になります。
特に私が会社側の実務で注意したいと考えているのは、 会社が何か月も住民税などを立て替え続けた後に、そのまま休職期間満了や退職を迎えるケース です。
休職開始時には「3か月程度で復職できるだろう」と考えていたものの、主治医から休職延長の診断書が提出され、3か月が6か月、6か月が1年と延びることは珍しくありません。
この間、会社が住民税に加えて社会保険料の本人負担分まで立て替えていると、未回収額が数十万円になる可能性があります。
会社の立替を長期化させない
会社が本人に代わって一時的にお金を支払うこと自体が直ちに問題というわけではありません。
問題になりやすいのは、立替期間、返済方法、休職が延長された場合の取扱いを決めないまま「復職したらまとめて返してもらえばよい」と考えてしまうケースです。
本人が復職すればまだ精算方法を話し合えますが、そのまま退職する場合、会社から支給する給与がなければ給与控除による精算もできません。
本人へ直接請求することになり、療養中で収入が減っている本人に一括返済を求めても、現実的に回収できないことがあります。
長期休職では「復職すること」を前提にした回収計画を作らないことが重要です。
復職、休職延長、休職期間満了、退職のどの結果になっても処理できるようにルールを決めておきましょう。
会社として切替基準を決めておく
休職者が出るたびに担当者がゼロから判断すると、同じ会社なのに従業員ごとに扱いが変わってしまうことがあります。
たとえば、ある従業員には会社が半年立て替え、別の従業員には休職開始月から普通徴収へ切り替えるといった差が生じれば、「なぜ自分だけ違うのか」という疑問につながります。
そのため会社側では、たとえば「短期休職については本人振込で特別徴収を継続する」「一定期間を超える見込みの場合には普通徴収への切替を検討する」など、基本的な社内運用を決めておく方法があります。
ただし、「1か月なら必ず特別徴収、2か月なら必ず普通徴収」といった法律上の一律基準があるわけではありません。
給与の支払状況や市区町村の取扱いを確認しながら運用してください。
就業規則や休職案内にも反映する
住民税の実務を給与担当者の頭の中だけで管理するのではなく、休職規程や休職時の案内文書に反映しておくと運用が安定します。
休職時の案内には、住民税だけでなく、休職中の給与、社会保険料、傷病手当金、会社への連絡方法、診断書の提出、復職手続きなどをまとめて記載しておくと実務がかなり整理しやすくなります。
たとえば「休職期間中に会社が負担した本人負担分については別途会社へ支払ってもらう」など、基本的な考え方を規程や個別案内で明確にし、実際の支払期限や方法は休職開始時に本人へ説明します。
中小企業では休職者が毎年発生するわけではないため、担当者が前回の処理を覚えていないこともあります。
ルールと書式を一度作っておけば、次に休職者が出た際にも同じ基準で対応できます。
長期休職では普通徴収への切替が実務上有力な選択肢になりますが、具体的な切替方法や届出書の記載内容は市区町村によって異なる場合があります。
従業員の住所地を確認し、それぞれの自治体の手続きに従って進めてください。
休職中の住民税の支払いと実務対応
ここからは、実際に休職者が発生した場合の会社側の手続きと、本人側の対応を具体的に整理します。
特に給与所得者異動届出書、1月以降の退職時に問題となる一括徴収、普通徴収へ切り替えた後の復職時の処理は、給与担当者が迷いやすい部分です。
また、本人側では、住民税の納付が難しいときにどこへ相談すればよいのか、傷病手当金を受け取っている場合に住民税がどうなるのかも押さえておく必要があります。
自治体ごとの取扱いもありますので、一般的な実務の流れを理解したうえで、最終的には実際に課税している市区町村へ確認してください。
給与所得者異動届出書の提出方法
特別徴収している従業員が休職し、給与から住民税を徴収できなくなった場合には、会社から市区町村へ 給与所得者異動届出書 を提出することになります。
給与所得者異動届出書という名称から、「退職者のための書類」と考えている担当者もいますが、退職だけに使用するものではありません。
転勤や休職などによって従来の特別徴収を続けられなくなった場合にも使用します。
盛岡市では、特別徴収の対象となっている従業員について、退職・転勤・休職などの異動があった場合には給与所得者異動届出書を提出するよう案内されており、提出期限は原則として異動があった月の翌月10日までとされています。
休職者本人の住所地が盛岡市以外であれば、実際に特別徴収を行っている市区町村へ提出します。
会社の所在地ではなく、対象となる従業員の住民税を特別徴収している自治体を確認してください。
会社側で確認したい情報
- 休職開始日
- 最後に給与を支給する月
- 最後に特別徴収できる月
- 残っている未徴収税額
- 今後給与支給の予定があるか
- 賞与支給の予定があるか
- 休職予定期間
- 普通徴収へ切り替えるか
特に給与締日と支給日の関係には注意してください。
たとえば、毎月末締め翌月25日払いの会社で、8月1日から休職に入ったとしても、7月勤務分の給与が8月25日に支給される場合があります。
「8月から休職だから8月は給与ゼロ」と休職開始日だけで判断するのではなく、給与計算上いつまで支給が残るのか、その給与から住民税を徴収できるのかを確認する必要があります。
給与計算と住民税処理を別々に進めない
実務で起こりやすいのが、人事担当者は休職開始日を把握しているものの、給与担当者へ連絡されておらず、通常どおり住民税の特別徴収を続けてしまうケースです。
反対に、「休職したから給与計算対象から外した」ことで住民税まで処理されず、市区町村への異動届出書の提出が漏れるケースもあります。
休職者が出た場合は、人事手続きと給与計算を一つの流れとして確認することが重要です。
休職開始日だけでなく、最終給与、住民税、社会保険料、傷病手当金の事業主証明など、関連する処理を一覧で管理すると漏れを防ぎやすくなります。
本人への説明も忘れない
普通徴収へ切り替える場合は、会社側の届出だけで終わりにしない方がよいでしょう。
本人には、「今後は給与から住民税を引かないこと」「市区町村から納税通知書等が送られてくること」「通知書が届いたら本人が納期限までに支払う必要があること」を案内します。
本人がこの説明を受けていないと、納付書が突然届いたように感じ、「会社で処理していた住民税をなぜ自分でも払うのか」と不安になることがあります。
普通徴収への切替時期によっては、自治体側の処理や通知書の発送まで時間がかかる場合もあります。
その間に本人が住所変更をしている場合などは、通知書が届かない可能性もあるため、本人にも届出状況を確認してもらうと安心です。
市区町村によって様式、提出方法、電子申請への対応などは異なりますので、 正確な情報は公式サイトをご確認ください。
1月から5月の一括徴収に注意

住民税の一括徴収については、休職と退職を分けて考える必要があります。
給与担当者が混同しやすいところですが、「給与から住民税を引けなくなった」という結果が同じでも、単なる休職と雇用契約が終了する退職では取扱いが同じとは限りません。
退職時には、その年度の残っている住民税を最後の給与や退職手当等からまとめて徴収する一括徴収という仕組みがあります。
一般的には、6月から12月までの間に退職等の異動が生じた場合には、本人から申出があれば未徴収税額を一括徴収することができます。
一括徴収をしなければ、残額は普通徴収へ切り替わる取扱いになります。
一方、翌年1月1日以降の退職等で、新しい勤務先で特別徴収を継続しない場合には、5月までに徴収する予定だった未徴収税額を最後に支給する給与や退職手当等から原則として一括徴収する取扱いになります。
休職だけなら退職時の一括徴収とは別に考える
ここで重要なのは、 退職時の一括徴収ルールを、休職した従業員にそのまま当てはめないこと です。
休職の場合、雇用契約は継続しています。
単に給与が支給されない期間が発生したからといって、「今後の住民税を全部最後の給与から引いてしまえばよい」と機械的に判断するのは適切ではありません。
特別徴収を継続するのか、本人から別途入金してもらうのか、普通徴収へ切り替えるのかを、休職の状況に応じて整理する必要があります。
休職と退職は分けて処理してください。
休職開始時に普通徴収へ切り替えた後、そのまま休職期間満了等で退職する場合には、退職時点の住民税の状況を改めて確認します。
1月から春先の休職は特に確認したい
1月から春先にかけて休職へ入り、その後復職できず退職するケースでは、住民税の年度切替も近いため処理が分かりにくくなりやすいです。
たとえば、休職開始時には当年度分の未徴収税額が残っており、その処理をしているうちに、新年度の住民税について会社へ特別徴収税額決定通知書が届くことがあります。
会社側が休職情報を給与担当者や住民税担当者へ共有していないと、新年度も通常どおり特別徴収する前提で管理されてしまう可能性があります。
そのため、春先に休職者がいる場合には、現在の年度分だけでなく、6月から始まる新年度分の住民税をどのように処理するかも確認しておきましょう。
最後の給与額との関係も確認する
退職時に一括徴収が必要となるケースでも、最後に支給する給与や退職手当等の金額によっては、未徴収税額をすべて徴収できるかを確認する必要があります。
休職が長期間続いた後の退職では、そもそも退職時に通常の給与支給がほとんどない場合があります。
また、住民税以外にも社会保険料本人負担分や会社立替金などが残っているケースがあります。
給与担当者としては、「退職だから全部給与から控除する」と考えるのではなく、各控除について法令上・契約上どのような処理が可能かを一つずつ確認することが重要です。
休職開始時に処理したから終わりではありません。
休職延長、復職、退職のタイミングごとに住民税の状態を再確認する。
この運用をルール化しておくと、年度をまたぐ長期休職でも処理が安定します。
復職時に特別徴収へ戻す手続き
休職中に住民税を普通徴収へ切り替えていた方が復職した場合、給与支給が再開したからといって自動的に特別徴収へ戻るとは限りません。
会社側では、普通徴収から特別徴収へ切り替えるための手続きを行う必要があります。
年度途中で普通徴収から特別徴収へ戻す場合には、市区町村へ 普通徴収から特別徴収への切替申請書など を提出する方法が一般的です。
ただし、書類の正式名称や提出方法は自治体によって異なります。
復職時には勤務再開の手続き、社会保険、給与計算、診断書の確認などに注意が向きやすく、住民税の切替が後回しになりやすいので注意してください。
本人がどこまで普通徴収で納付したか確認する
特別徴収への切替手続きをする前に、本人が普通徴収でどこまで納付済みなのかを確認します。
本人の手元に納付書が残っている場合、単に「残っている納付書をすべて会社へ渡してください」とするのではなく、すでに金融機関やスマートフォン決済などで支払った期がないか確認してください。
本人が納付済みの住民税まで会社が給与から徴収すると、二重納付につながる可能性があります。
復職時の確認ポイントは、未納付額と会社が特別徴収を再開できる月のすり合わせです。
本人の納付書、市区町村への切替申請、給与計算の開始月をセットで確認しましょう。
すべての残額をすぐ特別徴収にできるとは限らない
復職した時期や市区町村への申請時期によっては、直近の普通徴収分を特別徴収へ変更できない場合があります。
たとえば、普通徴収の納期限が迫っている期については本人がそのまま納付し、その後の未納期分から会社の特別徴収へ切り替えるといった取扱いになることがあります。
したがって、「復職日から住民税はすべて会社天引きに戻る」と本人へ案内してしまうと、普通徴収の納付書も残り、どちらを払えばよいのか分からなくなる可能性があります。
会社から市区町村へ切替申請をした後、実際にどの月から給与天引きを開始するのかを確認し、本人へ案内してください。
会社立替分の精算は別問題
会社が休職期間中の住民税を立て替えていた場合は、特別徴収への復帰とは別に、会社と本人との立替金の精算も必要になります。
ここは混同しやすいところです。
復職後に給与から通常の住民税が再び引かれることと、休職中に会社が立て替えた過去の住民税を本人が会社へ返すことは別の処理です。
復職直後は、通常の社会保険料や住民税が再び給与から控除されるうえ、休職中に会社が立て替えた社会保険料なども残っている可能性があります。
これらを一度に精算すると、復職後最初の給与がほとんど残らないという事態も考えられます。
立替をするのであれば、休職開始時点で「いつ、どのように返してもらうのか」まで本人と確認しておくことが大切です。
会社の立替金だからといって、復職後の給与から当然に全額控除できるとは限りません。
賃金全額払いの原則や労使協定、本人との合意内容などを確認し、必要に応じて分割精算なども検討してください。
実務では、復職後数か月に分けて返済してもらうなど、本人の生活にも配慮しながら処理するケースがあります。
ただし、具体的な控除方法については会社ごとの状況によって異なるため、安易に給与控除を行わず確認したうえで進めましょう。
住民税の減免や徴収猶予を相談する
休職で収入が大幅に減ると、住民税を納めたくても現実的に支払いが難しくなることがあります。
特に、前年は通常どおり働いていたため住民税額が比較的高い一方で、現在は無給休職となっている場合、現在の収入と税負担の差が大きくなります。
その場合でも、納税通知書をそのまま放置することは避けてください。
市区町村によっては、一定の要件に該当する場合に住民税の減免、徴収猶予、換価の猶予、分割での納付相談などができることがあります。
減免
減免とは、条例などで定められた一定の事情に該当する場合に、申請等に基づいて住民税の一部または全部を減額する制度です。
ただし、 休職して収入が減っただけで必ず住民税が減免されるわけではありません。
どのような人を減免対象とするかは自治体ごとの条例や基準によって異なります。
病気やけがによる所得の減少、現在の所得状況、生活状況、資産状況などを確認したうえで判断される場合があります。
したがって、「病気で休職しているから減免される」「給与が半分になったから半額になる」といった一律の判断はできません。
減免は通常の住民税計算そのものとは別の制度です。
休職したという情報が会社から市区町村へ伝わっただけで自動的に減免されるとは考えず、本人から自治体へ相談することが重要です。
徴収猶予や分割納付
税額そのものを減らす減免の要件に該当しない場合でも、一時に納付することが困難な事情があれば、徴収猶予などについて相談できる可能性があります。
また、自治体の納税相談では、現在の収入や生活状況などを確認したうえで、分割納付について相談できる場合もあります。
ここで大切なのは、「払えないから何もしない」のではなく、「払う意思はあるが現在の収入では一括納付が難しい」という状況を早めに自治体へ伝えることです。
相談は納期限前のできるだけ早い時期に
減免制度には申請期限が設けられていることがあります。
また、徴収猶予等にも要件や必要書類があります。
納期限を何か月も過ぎてから相談するより、支払いが難しいことが分かった段階で市区町村へ相談した方が選択肢を確認しやすくなります。
住民税を払えない可能性がある場合は、原則として住民税を課税している市区町村の市民税担当・納税担当窓口へ相談します。
会社が本人に代わって減免を決定することはできません。
本人自身の所得や生活状況を確認したうえで自治体が判断します。
会社の担当者から本人へ説明する場合も、「休職すれば減免されます」と断定するのではなく、「支払いが難しい場合は自治体の減免や猶予の対象になる可能性があるため、早めに相談してください」と案内するのが適切です。
何も連絡せず滞納が続けば、延滞金が発生したり、最終的には滞納処分に進んだりする可能性があります。
療養中の本人にとって役所への相談は負担になることもありますが、だからこそ会社側から休職開始時に「住民税が払えない場合の相談先」まで伝えておくとよいかなと思います。
減免、徴収猶予、分割納付等の名称、要件、必要書類、申請期限は自治体によって異なりますので、 正確な情報は公式サイトをご確認ください。
傷病手当金は非課税でも住民税は残る

私傷病で休職する方から特に多いのが、「傷病手当金は非課税なのだから、住民税も払わなくてよいのではないか」という質問です。
結論として、傷病手当金が非課税であることと、休職中に前年所得に対する住民税を納めることは両立します。
健康保険の傷病手当金は、業務外の病気やけがによって療養のため仕事に就くことができず、給与を受けられない場合などに、一定の要件を満たすことで支給される健康保険の給付です。
傷病手当金そのものは 所得税の課税対象となる所得ではありません。
国税庁も、健康保険から支給される傷病手当金について非課税所得として所得税が課されないことを案内しています。
(出典:国税庁「給与所得以外に、傷病手当金を受け取った場合」)
傷病手当金に住民税がかかっているわけではない
それでは、非課税の傷病手当金しか受け取っていないのに、なぜ住民税の納付書が届くのでしょうか。
理由は、現在支払っている住民税が、現在受け取っている傷病手当金に対して課税されているものではないからです。
たとえば、前年は会社で通常勤務し、給与所得があった方が今年から休職した場合、今年6月以降に納める住民税は前年の給与所得などをもとに計算されています。
今年受け取る傷病手当金が非課税であっても、前年に課税対象となる給与所得があったという事実は変わりません。
傷病手当金が非課税であることと、前年所得に対する住民税を納めることは別の話です。
「非課税なのになぜ住民税が来るのか」と感じた場合は、現在の住民税がどの年の所得をもとに計算されているかを確認すると整理しやすくなります。
翌年度の住民税には影響する
一方、傷病手当金が非課税であることは、翌年度の住民税を考えるうえでは意味があります。
たとえば今年1年間の大部分を休職し、給与はほとんど受け取らず、主な生活資金が傷病手当金だったとします。
傷病手当金そのものが課税所得として加算されるわけではないため、前年まで通常勤務していた場合と比較すると、その年の課税対象となる所得が大きく減る可能性があります。
その結果、その年の所得をもとに計算される翌年度の住民税は下がる可能性があります。
ただし、休職前後に給与や賞与を受け取っている場合、ほかの所得がある場合、各種控除の状況などによって最終的な住民税額は変わります。
傷病手当金と住民税と社会保険料は分けて整理する
休職中のお金については、傷病手当金、住民税、健康保険料、厚生年金保険料を一緒に考えてしまうと分かりにくくなります。
| 項目 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 傷病手当金 | 一定の要件を満たす場合に健康保険から支給される給付で、非課税所得 |
| 現在の住民税 | 原則として前年の所得をもとに計算されており、休職しても自動的にはなくならない |
| 翌年度の住民税 | 休職した年の課税所得が減れば、下がる可能性がある |
| 社会保険料 | 一般的な私傷病休職では、休職のみを理由に当然に免除されるわけではない |
この4つを別々に整理すると、休職中のお金の流れがかなり理解しやすくなります。
会社側から本人へ説明する際にも、「傷病手当金が非課税なので住民税はありません」と誤った説明をしないようにしてください。
現在の住民税は前年所得に対するものだという説明を一言加えるだけでも、本人の疑問は解消しやすくなります。
傷病手当金には支給要件や待期期間、申請書の作成など別途確認すべき事項がありますので、これから申請する方は 傷病手当金の申請方法と実務上の注意点 も確認してください。
休職中の住民税は事前確認が重要
休職中の住民税で最も大切なのは、休職が始まって給与がゼロになってから慌てて考えるのではなく、 休職開始前または休職開始時に支払い方法を決めておくこと です。
休職は本人の体調を第一に考える場面ですが、療養を続けるためには生活面のお金の見通しも重要です。
本人側では、まず住民税が休職によって自動的に止まらないことを理解しておきましょう。
会社から普通徴収へ切り替えると説明された場合には、自宅へ納税通知書等が届きます。
給与から住民税を引かれなくなったからといって、住民税そのものがなくなったわけではありません。
本人が休職前に確認したいこと
- 休職中に会社から給与が支給されるか
- 住民税を会社へ振り込む必要があるか
- 普通徴収へ切り替わる予定か
- 社会保険料本人負担分をどのように支払うか
- 傷病手当金を申請できるか
- 会社が立て替える金額があるか
- 復職時に立替金をどのように精算するか
休職に入った後は、それまで給与から自動的に引かれていた支払いが、自分で支払う形へ変わることがあります。
特に普通徴収では1回当たりの納付額が大きくなることがあるため、預貯金や傷病手当金の入金時期も含めて資金繰りを考えておくことが大切です。
会社側が休職開始時に確認したいこと
- 休職開始日と休職予定期間
- 休職中の給与が有給か無給か
- 最終給与と賞与の支給予定
- 住民税の特別徴収をいつまで続けるか
- 本人から毎月振込を受けるか
- 普通徴収へ切り替えるか
- 会社が立て替える場合の上限や期間
- 社会保険料の本人負担分をどう回収するか
- 傷病手当金の申請を行うか
- 休職延長時に処理を見直すか
- 復職時に特別徴収へ戻す方法
- 休職期間満了や退職時の精算方法
実際の労務相談でも、住民税だけを単独で説明するより、社会保険料、給与、傷病手当金、復職後の精算まで一緒に整理した方が本人に伝わりやすいと感じます。
休職者本人は療養中ですので、会社から何度も「今月はこの金額を振り込んでください」「次はこの書類を出してください」と連絡するより、休職開始時にできるだけ全体像をまとめて渡した方が双方の負担を減らせます。
休職時のお金を一覧化しておく
会社側では、休職時に本人へ渡す案内書を作っておく方法がおすすめです。
| 確認項目 | 会社側で決める内容 | 本人へ伝える内容 |
|---|---|---|
| 給与 | 休職中の賃金支給の有無 | いつの給与まで支給されるか |
| 住民税 | 特別徴収継続・普通徴収切替等 | 会社へ払うか自治体へ払うか |
| 社会保険料 | 本人負担分の回収方法 | 毎月の支払額・支払期限 |
| 傷病手当金 | 事業主証明等の処理 | 申請時期や必要書類 |
| 立替金 | 立替期間・精算方法 | 復職・退職時の返済方法 |
| 復職 | 給与・住民税の再開手続き | 復職後に控除される金額 |
このような一覧を作っておけば、人事担当者、給与担当者、本人の認識をそろえやすくなります。
就業規則だけでなく個別案内も行う
会社側では、就業規則や休職規程に休職期間中の金銭負担について基本的なルールを設けておくことも重要です。
ただし、就業規則に「休職中の社会保険料その他本人負担分は本人が負担する」と記載するだけでは、具体的な支払方法までは本人に伝わらないことがあります。
そのため、規程で基本ルールを定めたうえで、実際に休職に入る本人には個別の案内書を渡し、「毎月何日までに、何を、どこへ支払うのか」を明確にするのが実務的です。
会社が住民税や社会保険料を立て替える場合は、支払方法や精算方法を曖昧にしたまま長期休職へ入らないことが重要です。
立替期間が長くなると、復職できなかった場合に会社側の未回収リスクが大きくなります。
休職延長時にも見直す
休職開始時に「短期だから会社立替」と決めたとしても、その後休職が延長された場合には処理を見直す必要があります。
最初に決めた方法を休職終了まで必ず続ける必要があるわけではありません。
たとえば1か月程度の予定で会社が立て替えていたものの、主治医の診断によりさらに6か月の休職が必要になったのであれば、その時点で普通徴収への切替を検討するなど、実情に合わせて判断します。
この「延長時の見直し」を休職管理のチェック項目に入れておくと、会社の立替が知らないうちに長期化することを防げます。
休職中の住民税は「税額」「徴収方法」「会社と本人の精算」を分けて考えることがポイントです。
休職しても前年所得に対する税額は原則として残りますが、給与天引きができなくなった場合には徴収方法を整理する必要があります。
短期休職では本人から会社への振込や一時立替、長期休職では普通徴収への切替など、休職期間に応じた運用を検討しましょう。
そして本人側で支払いが難しい場合には、そのまま滞納するのではなく、市区町村の減免、徴収猶予、納税相談などを早めに確認することが大切です。
住民税の普通徴収への切替、減免、徴収猶予などは市区町村によって具体的な取扱いが異なります。
また、会社が立替金を給与から精算する場合などは労働法上の確認も必要になります。
休職制度そのものも会社ごとの就業規則によって内容が異なるため、すべての会社・すべての休職者に同じ方法がそのまま当てはまるわけではありません。
本人側は自分の住民税通知書や勤務先の休職制度を確認し、会社側は給与支給状況、市区町村への届出、就業規則、本人との精算方法を整理したうえで対応してください。
個別の状況によって結論が変わることがありますので、会社の制度や自治体の取扱いを確認し、判断に迷う場合には、 最終的な判断は専門家にご相談ください。