社会保険・年金

社会保険の短時間労働者とは?加入条件と判定基準を整理

こんにちは。

もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。

社会保険の短時間労働者とは、正社員など通常の労働者より所定労働時間や所定労働日数が短い人のうち、一定の条件を満たして健康保険・厚生年金保険の加入対象となる人をいいます。

パートやアルバイトだから社会保険に入らない、というわけではありません。

まず通常の労働者と比べた4分の3基準を確認し、それを満たさない場合には、週20時間以上などの短時間労働者の加入要件と勤務先の企業規模を確認します。

実務では、週の勤務時間だけを見て加入の有無を判断してしまうケースがあります。

しかし、社会保険の判定には所定労働日数、賃金、雇用期間、学生かどうか、勤務先が特定適用事業所に該当するかなど、複数の条件が関係します。

この記事では、パート・アルバイトを雇用する会社の人事・労務担当者を主な対象として、社会保険の短時間労働者の定義から加入判定、手続き上の違いまで順番に整理します。

  • 社会保険の短時間労働者に該当する条件
  • 4分の3基準と週20時間要件の違い
  • 51人以上の企業規模要件の考え方
  • 加入後の算定基礎届や雇用保険との違い

社会保険の短時間労働者に関する加入判定の早見表

確認項目 基本的な基準 実務上のポイント
4分の3基準 週の所定労働時間・月の所定労働日数がともに通常の労働者の4分の3以上 満たせば短時間労働者の特例ではなく一般の被保険者として加入
週の所定労働時間 20時間以上 原則として契約上の所定労働時間で判定
所定内賃金 2026年9月時点では月額8.8万円以上 残業代、賞与、通勤手当など一定の賃金は判定から除外
雇用見込み 2か月を超えて使用される見込み 契約期間だけでなく更新予定や過去の更新実績も確認
学生 原則として学生ではないこと 休学中、定時制、通信制などは例外がある
企業規模 2027年9月までは原則51人以上 法人は法人全体の厚生年金被保険者数を基礎に確認

なお、社会保険の適用拡大は制度改正が続いています。

2026年9月時点では月額8.8万円以上の賃金要件がありますが、厚生労働省は2026年10月の撤廃予定を案内しています。

また、企業規模要件も2027年10月以降、段階的に縮小される予定です。

(出典: 厚生労働省「社会保険加入の要件」

社会保険の短時間労働者とは?加入条件と判定方法

社会保険の短時間労働者とは何か

社会保険の加入を判定するときは、いきなり週20時間や月額8.8万円を見るのではなく、まず通常の労働者に対する4分の3基準から確認します。

4分の3基準を満たせば、短時間労働者の特例ではなく、通常の被保険者として加入するためです。

そのうえで4分の3基準を満たさない人について、短時間労働者としての加入要件を確認します。

この順番を押さえておくと、パートやアルバイトの加入判定がかなり整理しやすくなります。

この記事で使う加入判定の流れは一つです。

  • 最初に4分の3基準を確認する
  • 4分の3未満なら週20時間、賃金、雇用見込み、学生要件を確認する
  • 最後に特定適用事業所または任意特定適用事業所に該当するか確認する
  • 加入対象となれば資格取得手続きと本人への説明を行う

以下では、この流れの各項目を順番に詳しく解説します。

4分の3基準で加入を判定する

パートやアルバイトの社会保険を判定するとき、最初に確認するのが 4分の3基準 です。

週20時間や106万円という言葉のほうがよく知られているため、最初から短時間労働者の要件だけを確認してしまうことがありますが、実務上はこの順番を逆にしないことが大切です。

原則として、同じ事業所で働く通常の労働者と比較して、 1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数の両方が4分の3以上 であれば、健康保険・厚生年金保険の被保険者になります。

この場合、その人は雇用形態がパートやアルバイトであったとしても、社会保険上は短時間労働者の適用拡大によって加入する人ではなく、一般の被保険者として加入することになります。

たとえば、通常の労働者が週40時間、月20日勤務する会社を考えてみましょう。

4分の3はそれぞれ週30時間、月15日です。

パートの契約が週32時間、月16日であれば、両方とも4分の3以上なので、原則として一般の被保険者として社会保険に加入します。

確認項目 通常の労働者 4分の3の目安 パートの例 判定
週の所定労働時間 40時間 30時間 32時間 基準以上
月の所定労働日数 20日 15日 16日 基準以上

反対に、週32時間でも月の所定労働日数が14日であれば、月の所定労働日数が4分の3未満です。

この場合は4分の3基準を満たさないため、次の段階として短時間労働者の加入要件を確認します。

時間だけではなく、所定労働日数も見る という点は、実際の相談でも見落とされやすいところです。

基準になるのは原則として所定労働時間と所定労働日数

ここで重要なのは、基本的に実際に何時間働いたかではなく、雇用契約書や労働条件通知書、就業規則などに定められた 所定労働時間と所定労働日数 を確認することです。

繁忙期にたまたま残業が多かったからといって、その月だけ直ちに4分の3基準を満たしたことになるわけではありません。

一方で、契約上は週25時間としているものの、実際には長期間にわたって毎週35時間程度働いているなど、契約と勤務実態が恒常的にずれている場合には注意が必要です。

短期間の残業と、実態として勤務時間そのものが増えている状態は分けて考えなければなりません。

私が実務で確認するときは、雇用契約書だけではなく、直近数か月の勤怠、シフト表、会社が本人にどのような勤務を求めているかまで見ることがあります。

契約書だけ週25時間のまま残し、実際はほぼ正社員と同じ働き方をしているのであれば、社会保険だけでなく労働条件の管理自体を見直したほうがよいケースです。

パートだから短時間労働者とは限りません。

会社で「正社員」「パート」「アルバイト」と呼んでいる区分と、社会保険上の被保険者区分は別物です。

4分の3基準を満たしているパートは、短時間労働者の特例ではなく、一般の被保険者として社会保険に加入します。

そのため、新しくパートを採用したときは、最初から「週20時間を超えているか」だけを見るのではなく、まず通常の労働者の所定労働時間・所定労働日数を確認し、その4分の3と比較する。

この基本を社内のチェック手順にしておくと、加入漏れをかなり防ぎやすくなります。

週20時間以上が最初の要件

週20時間以上が最初の要件

4分の3基準を満たさない場合には、次に短時間労働者として社会保険の加入対象になるかを確認します。

その中心になるのが、 1週間の所定労働時間が20時間以上 という基準です。

4分の3基準を満たさない人について確認する短時間労働者の要件の中では、まず勤務時間を見ればよいため、実務でも最初に確認しやすい項目です。

ここでも基本となるのは実労働時間ではなく、就業規則、雇用契約書、労働条件通知書などで定めている所定労働時間です。

たとえば週5日、1日5時間勤務なら週25時間なので、この労働時間要件を満たします。

週4日、1日5時間ならちょうど20時間ですので、20時間以上という基準には該当します。

一方、契約上は週18時間で、ときどき残業して週20時間を超える程度であれば、通常はその残業時間をそのまま所定労働時間に加えて判定するものではありません。

たとえば年末の繁忙期だけ週23時間になった、欠員の代わりに一時的に追加出勤した、といったケースまで毎回資格取得・資格喪失を繰り返すものではありません。

ただし、実務で注意したいのは、 契約上の時間と実際の働き方が長期間ずれているケース です。

毎週のように20時間を超えて勤務する状態が続いているのであれば、単に「契約書には18時間と書いてあるから対象外」と処理するのではなく、なぜ勤務実態が20時間を超えているのかを確認したほうが安全です。

一時的な残業と恒常的な勤務増を分ける

たとえば週18時間契約の人が、ある月だけ人手不足で週22時間働いたとしても、それだけで直ちに契約上の所定労働時間が変更されたとは限りません。

一方、週18時間契約のまま半年以上にわたりほぼ毎週22時間働いており、会社も今後その働き方を続ける前提でシフトを作成しているのであれば、雇用契約の内容と勤務実態が一致しているかを改めて確認する必要があります。

社会保険の加入を避けるために契約書だけ週19時間にして、実際には最初から週25時間程度働かせるような運用はおすすめできません。

社会保険の資格判断だけでなく、労働条件の明示や給与計算、年次有給休暇、雇用保険など他の労務管理にもズレが広がっていくからです。

週単位で勤務時間が決まっていない場合

シフト制などでは、毎週同じ勤務時間になるとは限りません。

その場合は、1か月や1年間の所定労働時間から週当たりの時間へ換算して判断することがあります。

たとえば月によって勤務日数が変わる店舗や、年間カレンダーをもとに勤務する事業所では、ある1週間だけを切り取ると実際の契約内容を正しく表さない場合があります。

私がパートの加入判定を確認するときも、単純に直近1週間のタイムカードだけを見るのではなく、雇用契約書、シフトの決め方、年間休日、月間所定労働時間、実際の勤務状況を合わせて確認します。

特に飲食業、小売業、介護事業などシフト変動が大きい会社では、「週20時間」という数字だけを見て結論を出すより、会社がどのような勤務を通常予定しているのかを整理することが重要です。

週20時間という数字は雇用保険にも出てきますが、社会保険とは他の要件が異なります。

週20時間以上だから、社会保険と雇用保険の両方が必ず同時に加入になるわけではありません。

また、2026年10月に賃金要件が撤廃される予定であるため、今後は短時間労働者の加入判定における「週20時間」の重要性がさらに高くなります。

月額8.8万円以上の賃金要件

短時間労働者については、2026年9月時点では、所定内賃金が 月額8.8万円以上 かどうかも確認します。

年額に単純換算すると105万6,000円となるため、一般には106万円の壁と呼ばれてきた基準です。

ただし、「年収が106万円を超えた瞬間に社会保険へ加入する」という理解では正確ではありません。

実際には、短時間労働者の加入条件の一つとして月額8.8万円以上の所定内賃金を確認する仕組みです。

この8.8万円を確認するときに、給与明細の総支給額をそのまま使うわけではありません。

短時間労働者の加入要件として確認する所定内賃金では、一定の賃金を除外します。

そのため、「総支給額が8.8万円を超えたから加入」「手取りが8.8万円を超えたから加入」と判断すると誤りにつながります。

月額8.8万円の判定で原則として含めない代表例

  • 時間外労働、休日労働、深夜労働の割増賃金
  • 賞与など1か月を超える期間ごとに支払う賃金
  • 通勤手当
  • 精皆勤手当
  • 家族手当

たとえば基本給が月8万5,000円で、通勤手当が1万円支給されている場合、給与の総支給額は9万5,000円です。

しかし、社会保険の短時間労働者に関する8.8万円要件では、通勤手当を単純に足して9万5,000円として判定するわけではありません。

同様に、基本給8万5,000円の人が繁忙期に残業して残業代が2万円発生したとしても、その月の総支給額だけを見て短時間労働者の賃金要件を満たしたと結論付けるものではありません。

106万円の壁と130万円の壁は別の話

ここも実際によく混同されるポイントです。

106万円の壁と呼ばれているものは、主に短時間労働者の社会保険適用に関係する月額8.8万円要件から生まれた呼び方です。

一方、130万円という数字は、健康保険の被扶養者認定や国民年金第3号被保険者の取扱いで問題になる基準です。

そのため、「年収130万円までは扶養だから会社の社会保険に入らなくてよい」とは限りません。

勤務先で短時間労働者の加入要件を満たせば、130万円に届く前でも健康保険・厚生年金保険の被保険者になります。

会社側が本人へ説明するときも、この2つを一緒に説明してしまうと混乱しやすいため分けて伝えることが大切です。

2026年10月に賃金要件の撤廃が予定されている

なお、短時間労働者の賃金要件は制度改正の対象となっており、2026年9月時点の厚生労働省の案内では、 月額8.8万円以上という賃金要件は2026年10月に撤廃予定 とされています。

そのため、この記事を2026年10月以降に確認している場合は、8.8万円要件を現在も使うのかを必ず最新情報で確認してください。

社内マニュアルや給与担当者用のチェックシートに「月8.8万円以上」と固定的に記載している会社では、制度変更に合わせて判定表そのものを更新する必要があります。

加入要件としての8.8万円と標準報酬月額の報酬は別です。

社会保険加入後に標準報酬月額を決める際には、通勤手当や残業手当など、資格取得時の8.8万円判定では除かれる賃金が「報酬」に含まれることがあります。

この2つを同じ範囲だと思って給与ソフトへ登録すると、標準報酬月額の届出を誤る可能性があります。

制度改正の前後は、採用時点と資格取得時点で条件が変わることもあります。

特に2026年秋にパートを採用する会社では、雇用契約を締結した日だけでなく、実際に資格取得の判定を行う時点の制度を確認することが重要です。

2か月超の雇用見込みを確認する

2か月超の雇用見込みを確認する

短時間労働者が社会保険の加入対象になるためには、 2か月を超えて使用される見込み があることも確認します。

ここで注意したいのは、雇用契約書に書かれている契約期間だけを機械的に見るわけではないことです。

たとえば最初の契約期間が2か月以内でも、契約更新が予定されている場合や、同じ会社で同様の契約を更新してきた実績がある場合などには、採用時点から2か月を超えて使用される見込みがあると判断されることがあります。

中小企業では、試用的な意味で「まず2か月契約」として、その後ほぼ当然に更新する運用になっていることがあります。

この場合、契約書の期間だけを見て「2か月以内だから社会保険には加入させなくてよい」と判断するのは危険です。

形式上の契約期間では2か月以内でも、採用面接で「問題がなければ長く働いてもらう予定です」と説明していたり、同じ職種の従業員がほぼ全員更新されていたりすれば、実態として継続雇用が予定されている可能性があります。

更新の可能性を契約時点で確認する

採用時には、雇用契約書や労働条件通知書の更新に関する記載も確認します。

「更新する場合がある」「勤務状況に問題がなければ更新する」「契約期間満了時の業務量により判断する」といった記載だけでなく、実際の採用経緯や同じ職種の過去の更新状況も確認しておくと判断しやすくなります。

たとえば、会社側は1年以上働いてもらうつもりで採用しているものの、社内の慣例で最初だけ2か月契約にしているような場合には、「契約書が2か月だから加入しない」とするのではなく、更新見込みを含めて確認する必要があります。

反対に、繁忙期だけの臨時採用で、契約終了日が明確に決まっており、その後の更新予定もなく、同様の契約が更新された実績もない場合には、当初の段階では2か月を超える雇用見込みがないこともあります。

ただし、途中から事情が変わり、契約を延長して継続雇用することが決まった場合には、その時点で改めて社会保険の加入要件を確認しなければなりません。

契約更新時だけでなく採用時点から確認する

実務で起こりやすいのが、「2か月経過したら社会保険に入れればよい」という誤解です。

2か月を実際に経過してから初めて加入判定する制度ではなく、採用時点で2か月を超えて使用される見込みがあるのかを確認することが重要です。

私が会社の入社手続きを確認するときも、資格取得届だけを見るのではなく、雇用契約期間と更新条項を確認します。

特に有期契約社員や短時間パートが多い会社では、採用担当者と社会保険手続きをする担当者が別になっていることがあります。

その場合、採用担当者は長期雇用の予定を知っている一方で、手続担当者は「契約期間2か月」という文字だけを見てしまうことがあります。

社会保険の適用では、「契約書に何か月と書いてあるか」だけではなく、実際に2か月を超えて雇用される見込みがあるかという視点で確認することが大切です。

入社時のチェックシートに「契約期間」と「更新の有無・見込み」を別項目として設けておくと、加入漏れを防ぎやすくなります。

社会保険の加入時期を誤ると、後から資格取得日を遡って訂正し、本人負担分の保険料をまとめて精算しなければならないこともあります。

本人にとっても会社にとっても負担が大きいため、入社時点で雇用見込みまで確認しておくことが実務上のポイントです。

学生は原則として加入対象外

短時間労働者の社会保険では、原則として 学生ではないこと も加入要件の一つです。

そのため、昼間の大学や専門学校などに通う学生アルバイトが4分の3基準を満たさず、短時間労働者の適用要件によって判定される場合には、原則としてこの制度による加入対象から除かれます。

学生アルバイトを多く採用する飲食店、小売店、宿泊業などでは、この学生除外を「学生なら社会保険には絶対に入らない」という意味で運用してしまうことがあります。

しかし、これは正確ではありません。

まず、学生であっても通常の労働者の4分の3基準を満たす働き方をしている場合には、短時間労働者の学生除外とは別に、一般の被保険者として社会保険の加入対象になる可能性があります。

つまり、学生除外を確認するのは、4分の3基準を満たさず、短時間労働者の適用拡大によって加入するかどうかを判定する場面です。

休学中や定時制などは例外がある

また、短時間労働者の学生除外についても、学生という名称だけで一律に判断するものではありません。

休学中の人、夜間・定時制・通信制など一定の学生については加入対象となる場合があります。

会社側では「学校へ通っているか」だけではなく、どのような在学形態なのかまで確認が必要になることがあります。

さらに、卒業前から勤務していて、卒業後も引き続き同じ会社で勤務することが決まっているケースなど、個別の事情によって取扱いを確認したほうがよい場合があります。

特に3月から4月にかけては、学生アルバイトから通常のパート・社員へ切り替わる人もいるため、卒業日や雇用契約の変更日を確認して資格取得時期を整理する必要があります。

実務では、採用時に「学生ですか」という質問だけして終わりにせず、学校名、昼間・夜間等の区分、卒業予定時期、卒業後も勤務する予定があるかを必要な範囲で確認しておくと、その後の加入判定がしやすくなります。

学生という名称だけで加入対象外と決めないことが重要です。

学校の種類、在学状況、4分の3基準、卒業後の雇用予定などを確認したうえで判断します。

また、社会保険と雇用保険では学生の取扱いにもそれぞれルールがあります。

社会保険で学生除外に該当したからといって、他の労働・社会保険手続きもすべて同じ結論になるわけではありません。

会社の入社手続きでは、社会保険、雇用保険、所得税の扶養などを一つの「学生区分」で一括処理しないことが大切です。

学生アルバイト本人から「親の扶養に入っているので社会保険には入りたくありません」と言われることもありますが、加入要件を満たす場合に本人の希望だけで加入を選択できる制度ではありません。

会社側では本人の希望と法律上の適用要件を分けて説明する必要があります。

社会保険の短時間労働者とは実務でどう扱うか

短時間労働者本人の要件を確認しただけでは、社会保険への加入義務が確定しない場合があります。

4分の3基準を満たさない短時間労働者については、勤務先が特定適用事業所または任意特定適用事業所に該当するかも重要です。

ここからは、会社側で特に判断を間違えやすい企業規模要件、一般の被保険者との違い、算定基礎届、雇用保険との関係まで、実務の流れに沿って整理します。

51人以上の企業規模要件を確認する

4分の3基準を満たさない人が短時間労働者として社会保険に加入する場合、2026年9月時点では、勤務先が 特定適用事業所 に該当するかを確認します。

現在の企業規模要件では、原則として厚生年金保険の被保険者数が 51人以上 となる企業等が対象です。

制度上は「50人を超える」と表現されるため、実務では51人以上と説明されることが多いです。

2024年10月に適用範囲が拡大され、それまでの101人以上から51人以上へ引き下げられました。

ここで非常に重要なのが、 単純に会社に在籍している従業員を全員数えて51人以上かを見るわけではない ということです。

特定適用事業所の企業規模を確認するときは、原則として、フルタイムの従業員や4分の3基準を満たして厚生年金保険に加入している人など、企業規模判定の対象となる厚生年金保険の被保険者数を基礎として確認します。

適用拡大によって加入している短時間労働者を単純に人数へ加えて、51人に達したかを判定する仕組みではありません。

法人は本社と支店を合算する

法人の場合は、本社だけ、支店だけ、店舗だけと別々に人数を数えるのではなく、原則として同一法人番号に属する適用事業所を合算して確認します。

たとえば、本社に30人、支店に25人の対象となる厚生年金保険被保険者がいる同一法人であれば、本社30人、支店25人を別々に見て「どちらも51人未満だから対象外」と判断することはできません。

法人全体では55人ですので、企業規模要件への該当を確認する必要があります。

事業所 企業規模判定の対象となる被保険者数の例
本社 30人
A支店 15人
B支店 10人
法人全体 55人

この場合、各拠点だけを見れば51人未満ですが、法人全体で確認すると55人になります。

複数店舗や営業所を持つ会社では特に注意したいところです。

一時的に51人になっただけで判断しない

また、企業規模要件は、ある1日だけ51人になったかどうかで判断するものではありません。

原則として、1年のうち6か月以上、基準人数を超えることが見込まれるかという継続的な状況を確認します。

従業員数が50人前後で推移している会社では、採用や退職のたびに「今月は51人」「来月は49人」と人数が動くことがあります。

この場合、毎月単純に加入・対象外を切り替えるのではなく、特定適用事業所の判定ルールに沿って確認する必要があります。

51人の判定で確認したいポイント

  • 単純な全従業員数ではない
  • 厚生年金保険の被保険者数を基礎に確認する
  • 法人では同一法人番号の適用事業所を合算する
  • 一定期間継続して基準人数以上になる見込みも確認する

特定適用事業所の人数の数え方や該当後の手続きを詳しく確認したい場合は、 特定適用事業所の50人超の判定方法 も参考にしてください。

2027年10月以降は企業規模要件がさらに縮小する

2025年の年金制度改正により、企業規模要件は今後さらに段階的に縮小され、最終的には撤廃される予定です。

2026年9月時点では51人以上が基本ですが、2027年10月からは36人以上、2029年10月からは21人以上、2032年10月からは11人以上へと対象企業が広がり、2035年10月には企業規模要件そのものが撤廃される予定です。

時期 企業規模要件
2027年9月まで 51人以上
2027年10月から 36人以上
2029年10月から 21人以上
2032年10月から 11人以上
2035年10月から 企業規模要件を撤廃予定

そのため、現在30人程度の会社だから関係ない、と考えて社内体制を何も準備しないのはおすすめできません。

給与システムの設定、対象パートの洗い出し、本人への説明、社会保険料の会社負担など、適用時には複数の実務が同時に発生します。

対象となる時期が近づいたら、余裕を持って準備することが大切です。

任意特定適用事業所なら加入できる

任意特定適用事業所なら加入できる

企業規模要件を満たさない会社だからといって、短時間労働者を社会保険に加入させる方法がまったくないわけではありません。

一定の労使合意に基づいて申出を行い、 任意特定適用事業所 となることで、企業規模要件を満たしていない適用事業所でも、一定の短時間労働者に健康保険・厚生年金保険を適用することができます。

実務では、「51人未満だから希望者だけ自由に社会保険へ加入させればよい」という制度ではない点に注意してください。

任意特定適用事業所として所定の手続きを行ったうえで、加入要件を満たす短時間労働者について適用する仕組みです。

従業員Aさんだけ加入させ、同じ条件のBさんは本人が希望しないから加入させない、といった個人単位の自由選択制度ではありません。

任意特定適用事業所は労使合意を経て申し出る

任意特定適用事業所の申出には、対象となる被保険者等の同意が必要です。

具体的には、同意対象者の過半数を組織する労働組合の同意、過半数を代表する者の同意、または一定数以上の同意を得る方法などがあります。

会社側が「社会保険を充実させたいから明日から適用します」と一方的に決めて完了するものではありません。

制度の内容、会社と本人の保険料負担、加入後の給付、対象者などを説明し、必要な労使手続きを経たうえで日本年金機構へ申し出ます。

任意特定適用事業所の申出が受理されると、その申出に伴って新たに被保険者資格を取得する短時間労働者について、資格取得届などの手続きが必要になります。

給与計算担当者には、社会保険料をいつの給与から控除するかという実務も発生します。

会社側の負担だけでなく採用面の効果も考える

会社にとっては、短時間労働者にも健康保険・厚生年金保険を適用すると、当然ながら社会保険料の事業主負担が増えます。

短時間労働者が10人、20人といる会社では、人件費への影響も小さくありません。

そのため、任意適用を検討する際には、年間の会社負担額を試算してから判断することをおすすめします。

一方で、従業員側から見ると、厚生年金へ加入できることや健康保険の被保険者になれることは、勤務先を選ぶ際の条件になることがあります。

特に人材確保が難しい業種では、「社会保険に加入できる働き方」を希望する求職者もいます。

私は、任意特定適用事業所を検討する場合には、単に保険料が増えるかどうかだけではなく、採用・定着、勤務時間の確保、従業員の希望、人件費全体を合わせて考えることが大切だと思います。

社会保険の適用拡大に関する企業向け支援策は、時期によって内容が変わります。

社会保険料負担に関する特例や助成金を利用する場合は、導入を決める前に、その時点の対象者、対象企業、申請期限などを確認してください。

また、今後は企業規模要件自体が段階的に撤廃される予定です。

現在は任意特定適用事業所になるかどうかを検討できる会社でも、将来的には法律上当然に短時間労働者の適用対象となる可能性があります。

そのため、数年以内に企業規模要件の対象になる会社では、「任意適用するか」だけでなく「いずれ強制的な適用対象になる時期はいつか」まで確認しておくと、経営判断がしやすくなります。

一般の被保険者との違いを整理する

社会保険に加入した後の基本的な保障は、一般の被保険者だから、短時間労働者である被保険者だからという理由で大きく分けられているわけではありません。

短時間労働者として健康保険・厚生年金保険に加入すれば、本人と会社が保険料を負担し、厚生年金の加入期間として将来の年金に反映されます。

健康保険でも、一定の要件を満たせば傷病手当金や出産手当金など、被保険者本人を対象とする給付を受けられるようになります。

そのため、本人へ社会保険加入を説明するときに「保険料が給与から引かれるので手取りが下がります」という部分だけを説明するのは十分ではありません。

保険料負担が生じる一方で、どのような保障が加わるのかまで説明したほうが、制度を理解してもらいやすくなります。

一方で、会社側の実務では 資格取得時の区分や算定基礎届、月額変更届などの処理に違い があります。

項目 一般の被保険者 短時間労働者である被保険者
主な加入判定 4分の3基準を満たす 4分の3未満で短時間労働者の要件を満たす
健康保険 加入 加入
厚生年金保険 加入 加入
保険料 原則として労使で負担 原則として労使で負担
算定基礎届の支払基礎日数 原則17日以上 原則11日以上
資格取得時 一般の被保険者 短時間労働者の区分を届け出る

短時間労働者でも保険料の計算方法そのものは同じ

社会保険料は、原則として標準報酬月額をもとに計算します。

短時間労働者だけ別の健康保険料率や厚生年金保険料率が設定されるわけではありません。

報酬に応じて標準報酬月額が決まり、それに保険料率を掛けて保険料を計算し、原則として本人と会社が負担します。

たとえば短時間労働者だから「給与額の10%を一律に引く」といった計算ではありません。

会社側では、資格取得時に届け出た報酬月額、その後の算定基礎届、月額変更届などによって決定された標準報酬月額を給与ソフトへ正しく登録する必要があります。

加入後の保険料や標準報酬月額について詳しく確認したい場合は、 社会保険料の等級表と標準報酬月額の見方 も参考にしてください。

勤務時間が変わると被保険者区分が変わることがある

加入した後も、ずっと同じ区分が続くとは限りません。

たとえば短時間労働者として加入していたパートの勤務時間が増え、4分の3基準を満たすようになった場合には、一般の被保険者への区分変更を確認します。

反対に、一般の被保険者だった人の勤務時間が短くなり、4分の3未満となったものの短時間労働者の加入要件を引き続き満たす場合には、短時間労働者への区分変更が関係することがあります。

実務では、資格取得時の区分だけ登録して、その後の契約変更を社会保険担当者へ伝えていないケースがあります。

人事担当者が勤務時間変更を把握したら、給与担当者や社会保険手続担当者にも共有する仕組みを作っておくことが大切です。

雇用契約を変更したときは、社会保険区分も確認します。

  • 週の所定労働時間を増やした
  • 勤務日数を増やした
  • 正社員から短時間勤務へ変更した
  • パートからフルタイム勤務へ変更した

このような変更があったときは、給与だけでなく社会保険上の区分も確認してください。

本人にとっても、扶養から外れる、国民健康保険から会社の健康保険へ切り替わる、国民年金第1号または第3号から厚生年金の被保険者になる、といった変化があります。

会社側が制度を正確に説明することで、加入後の「思っていたより手取りが少ない」「扶養から外れるとは聞いていなかった」というトラブルを減らすことができます。

算定基礎届は11日基準で扱う

短時間労働者として社会保険に加入した後、会社側で特に間違いやすいのが算定基礎届の取扱いです。

一般の被保険者については、定時決定の際、原則として支払基礎日数が 17日以上 ある月を算定対象とします。

一方、特定適用事業所や任意特定適用事業所などで短時間労働者として社会保険に加入している人については、原則として 11日以上 ある月が算定の基準になります。

たとえば、4月・5月・6月の支払基礎日数がそれぞれ12日、13日、12日だった場合、一般の被保険者であれば17日基準を満たしませんが、短時間労働者である被保険者なら、3か月すべて11日以上ですので、その3か月の報酬をもとに標準報酬月額を決定することになります。

支払基礎日数 一般の被保険者 短時間労働者
4月 12日 原則算定対象外 算定対象
5月 13日 原則算定対象外 算定対象
6月 12日 原則算定対象外 算定対象

短時間労働者について、4月から6月のうち1か月または2か月だけ支払基礎日数が11日以上の場合には、11日以上ある月の報酬月額を使って算定します。

3か月とも11日未満であれば、原則として従前の標準報酬月額で決定されます。

(出典: 日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」

パート=算定基礎届は11日基準、ではありません。

4分の3基準を満たして一般の被保険者として加入しているパートと、特定適用事業所などで短時間労働者として加入しているパートでは取扱いが異なります。

会社で付けている「正社員」「パート」という名称ではなく、社会保険上の被保険者区分を確認してください。

短時間就労者と短時間労働者を混同しない

算定基礎届では、さらに「短時間就労者」と「短時間労働者」という似た言葉が出てくるため注意が必要です。

一般の被保険者として加入しているパートタイマーなどについては、17日以上の月がない場合に15日以上の月を使う取扱いが関係することがあります。

一方、特定適用事業所などに勤務する社会保険上の短時間労働者は11日基準です。

名前が非常に似ているため、給与計算担当者が「パートだから11日」と一律に処理してしまうことがあります。

実際の算定基礎届では、まず資格取得時にどの区分で届け出ているかを確認し、そのうえで支払基礎日数を見ることが重要です。

月額変更届でも11日基準が関係する

11日という基準は算定基礎届だけの話ではありません。

短時間労働者について随時改定、いわゆる月額変更届の要件を確認する場合にも、支払基礎日数11日以上という基準が関係します。

たとえば時給が上がった、所定労働時間が増えて固定的賃金が変わったときには、標準報酬月額の随時改定に該当するかを確認します。

その際、一般の被保険者と短時間労働者では支払基礎日数の基準が異なるため、給与ソフトが自動判定している会社でも被保険者区分が正しく登録されているか確認しておきたいところです。

私は給与計算や算定基礎届を確認するとき、現在の雇用契約だけでなく、資格取得時の届出区分や標準報酬月額の決定通知まで確認するようにしています。

会社が自社で手続きをしている場合でも、毎年の算定前に短時間労働者の一覧を出しておくとミスを減らしやすいですよ。

算定基礎届の支払基礎日数や標準報酬月額の決め方については、 算定基礎届の書き方と支払基礎日数の確認方法 で詳しく整理しています。

雇用保険の週20時間基準と区別する

雇用保険の週20時間基準と区別する

社会保険の短時間労働者を確認するときに、雇用保険と混同しやすいのが 週20時間 という基準です。

雇用保険も原則として1週間の所定労働時間が20時間以上であることが加入基準の一つですが、社会保険とは制度そのものが違います。

同じ週20時間という数字が出てくるため、「雇用保険に入るなら社会保険にも入る」「社会保険に入らないなら雇用保険も入らない」と考えてしまうケースがありますが、必ずしも一致しません。

確認項目 社会保険の短時間労働者 雇用保険
週の所定労働時間 20時間以上 原則20時間以上
企業規模要件 2026年9月時点ではあり 同様の企業規模要件なし
賃金要件 2026年9月時点では月額8.8万円要件あり 同様の月額8.8万円要件なし
雇用見込み 2か月を超える見込みを確認 原則31日以上の雇用見込み
学生 短時間労働者は原則除外 原則除外だが例外あり

たとえば、2026年9月時点で従業員数20人程度の会社に、週25時間働くパートがいたとします。

通常の労働者の4分の3基準は満たしておらず、会社も特定適用事業所や任意特定適用事業所に該当していないのであれば、短時間労働者の適用拡大による社会保険加入の対象にならない場合があります。

一方、雇用保険には社会保険と同じ51人以上という企業規模要件はありません。

そのため、週20時間以上、31日以上の雇用見込みなど雇用保険側の要件を満たしていれば、雇用保険には加入するという組み合わせがあり得ます。

社会保険と雇用保険は別々にチェックする

実務では、入社手続きのチェックリストを「保険加入あり・なし」の一欄だけにしている会社があります。

しかし、これでは社会保険と雇用保険の判定が混ざりやすくなります。

おすすめなのは、「健康保険・厚生年金保険」「雇用保険」を別々の欄にして、それぞれ所定労働時間や雇用見込みなどを確認する方法です。

社会保険についてはさらに、4分の3基準と短時間労働者要件を分けて確認すると加入漏れを防ぎやすくなります。

たとえば次のような人がいた場合にも、制度ごとに分けて考えます。

  • 週25時間だが企業規模要件を満たさないパート
  • 週30時間で4分の3基準を満たすパート
  • 週20時間以上働く学生アルバイト
  • 契約上は週18時間だが一時的に残業が増えた人

いずれも「週20時間」という数字だけでは結論を出せません。

また、社会保険では2026年10月に賃金要件の撤廃が予定され、企業規模要件も2027年以降段階的に縮小される予定です。

これにより、今後は社会保険と雇用保険の両方で週20時間という基準がこれまで以上に重要になります。

ただし、学生要件や雇用期間などが完全に同じ制度になるわけではないため、将来も別々の制度として判定する必要があります。

入社時だけでなく、契約変更時にも同じです。

週18時間から週22時間へ変更した場合には、雇用保険だけでなく社会保険の加入要件も改めて確認する。

逆に週25時間から週15時間へ減らした場合には、両制度の資格喪失要件をそれぞれ確認する。

この習慣をつけておくと手続き漏れを防ぎやすくなります。

社会保険の短時間労働者とは誰か整理する

最後に、社会保険の短時間労働者とは誰なのかを整理します。

社会保険の短時間労働者とは、単純に勤務時間が短い人や、会社で「パート」と呼ばれている人のことではありません。

社会保険の加入判定では、まず通常の労働者と比較した4分の3基準を確認します。

4分の3基準を満たせば、パートやアルバイトという名称であっても一般の被保険者として加入します。

4分の3基準を満たさない場合には、週の所定労働時間、所定内賃金、雇用見込み、学生かどうかを確認し、さらに勤務先が特定適用事業所または任意特定適用事業所に該当するかを確認します。

2026年9月時点では、週20時間以上、月額8.8万円以上、2か月を超えて使用される見込み、学生ではないことなどが中心的な確認事項です。

最終チェックで確認する項目

確認事項 確認する資料の例 注意点
4分の3基準 就業規則、雇用契約書 時間と日数の両方を確認
週の所定労働時間 雇用契約書、シフトルール 一時的な残業と区別
所定内賃金 雇用契約書、賃金規程 2026年10月の制度変更に注意
雇用見込み 契約期間、更新条項 更新予定や過去実績も確認
学生か 本人申告、在学状況 休学・夜間・通信制等の例外に注意
企業規模 厚生年金被保険者数 法人は法人全体で確認

つまり、社会保険の短時間労働者とは、 4分の3基準に満たない人について、所定労働時間、賃金、雇用見込み、学生かどうか、勤務先の企業規模などを組み合わせて社会保険の適用を判断する制度上の区分 と考えると分かりやすいでしょう。

加入対象になったら資格取得手続きだけで終わらせない

会社側では、加入対象となることを確認したら、健康保険・厚生年金保険の資格取得届を所定の期限内に提出します。

資格取得届では短時間労働者に該当する場合、その区分を正しく届け出る必要があります。

ただし、実務で大切なのは書類を提出することだけではありません。

本人にとっては、社会保険へ加入すると給与から健康保険料・厚生年金保険料が控除されるため、手取り額が変わります。

配偶者の扶養に入っていた人であれば扶養から外れることになりますし、国民健康保険・国民年金に加入していた人であれば切替えが必要になります。

一方で、厚生年金への加入によって将来の老齢厚生年金につながり、一定の場合には障害厚生年金や遺族厚生年金の保障も関係します。

健康保険でも被保険者本人として一定の給付を受けられるようになります。

本人説明では、保険料負担だけではなく、このような制度全体を説明することが重要です。

加入回避のためだけに勤務時間を変える対応には注意する

また、「社会保険に加入させたくないから」という理由だけで、すでに合意している週の所定労働時間を本人の同意なく一方的に20時間未満へ減らすような対応は避けるべきです。

社会保険に加入するかどうかと、会社と従業員の間で合意した労働条件を変更できるかどうかは別の問題です。

会社側の都合だけで勤務時間や賃金を減らせば、労働条件の不利益変更として問題になる可能性があります。

社会保険料の負担を検討すること自体は経営上必要ですが、そのために既存の雇用契約をどう変更するかは慎重に考える必要があります。

反対に、契約上は週20時間未満でも、恒常的にそれを超えて勤務している場合には、実際の働き方と契約内容が一致しているかを確認する必要があります。

社会保険の判定をきっかけに、雇用契約そのものを整理したほうがよいケースも少なくありません。

私が実務でおすすめしているのは、パートを採用したときだけ判定するのではなく、契約更新、勤務時間変更、賃金変更、学生の卒業、会社の被保険者数増加など、加入要件が変わるタイミングで再確認する運用です。

社会保険は一度判定したら終わりではありません。

社会保険の適用範囲は制度改正が続いています。

2026年9月時点では月額8.8万円の賃金要件がありますが、2026年10月の撤廃が予定されています。

また、企業規模要件も2027年10月以降、段階的に縮小・撤廃される予定です。

この記事に記載した人数・金額・期間などは制度を理解するための一般的な基準としてご覧ください。

正確な情報は公式サイトをご確認ください。

個別の雇用契約、勤務実態、企業規模、資格取得時期などによって判断が分かれる場合もあるため、 最終的な判断は専門家にご相談ください。

短時間労働者の加入判定を一枚に整理する

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