育児休業

育児休業申出書記入例|書き方と提出期限を実務で確認

こんにちは。

もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。

育児休業を取得するときは、原則として勤務先へ育児休業の申出を行います。

会社で育児休業申出書の様式が用意されている場合は、その書類に必要事項を記入して提出するのが一般的です。

ただ、初めて書類を見ると、子どもの情報や休業期間をどのように記入すればよいのか、いつまでに提出すればよいのか迷う方もいると思います。

また、名称がよく似た育児休業等取得者申出書と混同されるケースもあります。

特に注意したいのは、育児休業申出書は従業員が会社に育児休業を申し出るための書類であり、社会保険料免除のために会社が年金事務所などへ提出する書類とは役割が異なる点です。

名前だけを見ると非常に似ていますが、誰が作成するのか、何のために使うのか、どこへ提出するのかを分けて考えると整理しやすくなります。

この記事では、育児休業申出書の記入例を確認しながら、主な記入項目、会社への提出期限、会社独自の様式を使用する場合の注意点まで順番に解説します。

  • 育児休業申出書の役割と提出先
  • 育児休業申出書の具体的な記入方法
  • 育児休業申出書を会社へ提出する期限
  • 育児休業等取得者申出書との違い

育児休業申出書記入例|書き方と提出期限を解説

育児休業申出書の記入例と書き方

まずは、育児休業申出書がどのような書類なのかを整理したうえで、実際に記入する項目を確認していきます。

会社によって書式は異なりますが、基本となる情報は大きく変わりません。

特に、休業開始予定日と終了予定日は、その後の会社の手続きにも関係する重要な項目です。

育児休業申出書は、単に会社へ「しばらく休みます」と知らせる書類ではありません。

育児休業の対象となる子どもや希望する休業期間を会社が確認し、社内の勤務管理、給与計算、社会保険、雇用保険などの手続きを進める出発点になります。

最初に書類の役割を理解してから記入内容を確認すると、どの欄が重要なのかが分かりやすくなります。

育児休業申出書とは何か

育児休業申出書は、 従業員が勤務先の会社に対して育児休業を取得したいことを正式に申し出るための書類 です。

役所や年金事務所へ従業員本人が提出する行政手続きの書類ではありません。

基本的には会社内部で使用する書類であり、会社の人事部、総務部、直属の上司など、勤務先が指定する申出先へ提出します。

育児休業は、単に上司へ「育休を取りたい」と相談するだけで手続きがすべて完了するとは限りません。

実際の職場では、妊娠や出産について上司や人事担当者へ相談した後、会社から育児休業申出書を渡され、その書類に休業期間などを記入して提出する流れが一般的です。

育児休業申出書は会社へ育休取得の意思と期間を伝えるための社内書類です。

会社から指定された様式がある場合は、まずその様式を使用してください。

法律上は書類の名称より申出内容が重要

法律上の育児休業制度と、会社内部で使用する書類の名称は分けて考えることも大切です。

会社によっては「育児休業申請書」「育児休業届」「育休申出書」など、異なる名称を使用している場合があります。

そのため、インターネットで見つけた育児休業申出書と勤務先から渡された書類の名称が違っていても、それだけで誤った書類とは限りません。

実務では、名称そのものよりも、育児休業を申し出る本人、対象となる子ども、申出日、育児休業を開始する予定日、終了する予定日など、必要となる情報が会社に伝わることが重要です。

一方で、会社に所定様式があるにもかかわらず、自分で見つけた別の様式だけを提出すると、社員番号や所属、会社独自の確認事項などが不足し、再提出を求められる場合があります。

私が実務で手続きを確認するときも、まず「会社の育児・介護休業規程ではどの様式を使用することになっているか」を確認します。

通常の育児休業と産後パパ育休は分けて考える

また、厚生労働省が公表している社内様式例では、通常の育児休業だけでなく、出生時育児休業、いわゆる産後パパ育休についても対応できる形になっています。

通常の育児休業と出生時育児休業は、どちらも子どもの養育のための休業ですが、取得できる期間や会社への申出期限などが異なります。

書類に複数の選択肢がある場合は、自分がどの制度を利用するのか確認してから該当部分を記載してください。

特に男性従業員の場合、「産後パパ育休を取ったら通常の育児休業は取れないのではないか」と誤解されることがありますが、両者は別の制度です。

出生直後に産後パパ育休を利用し、その後に通常の育児休業を取得する組み合わせも考えられます。

会社側も、育児休業申出書を受け取った段階で、通常の育児休業なのか出生時育児休業なのかを確認しておくことが重要です。

ここを取り違えると、休業期間だけでなく、申出期限や雇用保険、社会保険の実務にも影響します。

厚生労働省では、育児・介護休業規程の規定例とあわせて、育児休業申出書などの社内様式例も公開しています。

勤務先に様式がない場合や、人事担当者が様式を整備する場合の基準として参考になります。

(出典:厚生労働省「育児・介護休業等に関する規則の規定例」)

産後パパ育休について詳しく確認したい方は、 産後パパ育休制度の28日・分割取得・給付金のポイント も参考にしてください。

育児休業申出書は会社へ提出する

育児休業申出書は会社へ提出する

育児休業申出書の提出先は、原則としてあなたが勤務している会社です。

年金事務所やハローワークへ直接提出する書類ではありません。

実務では、勤務先の育児・介護休業規程などに「人事部へ提出する」「所属長を経由して総務部へ提出する」といった申出先が定められていることがあります。

会社から案内を受けている場合は、そのルールに従って提出してください。

まず会社の申出先と提出方法を確認する

同じ育児休業申出書でも、会社によって手続きの流れはかなり違います。

従業員数の多い会社であれば、人事システム上で育児休業の申請を行った後に、必要書類をアップロードする仕組みになっていることもあります。

一方、中小企業では直属の上司へ相談した後、総務担当者から紙の様式を受け取るケースも珍しくありません。

提出方法についても、紙で直接提出する会社だけではありません。

会社のルールによっては、電子メール、社内システム、電子申請フォームなどを利用できる場合があります。

重要なのは、誰に、いつ、どのような内容で育児休業を申し出たのかを明確にしておくことです。

たとえば、口頭で上司に育休取得の希望を伝えていたとしても、人事担当者には情報が届いておらず、正式な手続きが進んでいなかったという行き違いは避けたいところです。

特に育児休業の開始時期が近い場合には、「上司には前から話していました」という状況と、会社に正式な育児休業申出をした日が同じとは限りません。

制度上の申出期限を判断するときは、いつ正式な申出が行われたかが重要になる場面があります。

上司への事前相談と、育児休業の正式な申出は分けて考えておくと安全です。

会社所定の申出書やシステムがある場合は、相談だけで終わらせず、会社が定める正式な手続きまで完了させてください。

提出した申出書は手元にも記録を残す

従業員側としては、会社の指定方法を確認し、可能であれば提出した申出書のコピーや送信済みメールなどを手元に残しておくと安心です。

紙で提出する場合であれば、提出前に写真やPDFを保存しておく方法があります。

電子メールで送る場合は送信済みメール、社内システムで申請する場合は申請完了画面や受付日を確認しておくと、「何月何日に、いつからいつまでの育児休業を申し出たか」を後から確認できます。

これは会社と争うことを前提にした話ではありません。

育児休業では、出産日が予定日からずれたり、保育所への入所状況によって休業期間を延長したりすることがあります。

その際、当初どの期間で申し出ていたのかを本人も確認できるようにしておくと、変更手続きが非常にスムーズです。

会社側としても、申出日、休業開始予定日、終了予定日を記録しておくことで、その後の育児休業給付や社会保険手続きを進めやすくなります。

会社には、育児休業の申出を受けた後、休業開始予定日や終了予定日など一定の事項について労働者へ通知する手続きがあります。

従業員から書類を受け取って終わりではなく、その後の社内処理まで含めて管理することが重要です。

人事労務担当者の立場では、育児休業申出書を受け取ったら、単にファイルへ保存するだけでは不十分です。

休業期間を勤怠や給与担当者へ連携し、社会保険料免除や雇用保険の育児休業給付に必要な情報も整理しておく必要があります。

従業員本人としては、会社へ正式に申出書を提出した後、会社から休業期間についての通知や今後の手続き案内があるか確認しておけばよいでしょう。

会社によって手続きの名称や流れは違いますので、不明な場合は人事・総務担当者に確認してください。

育児休業申出書の主な記入項目

育児休業申出書の具体的な様式は会社によって異なりますが、一般的には、申出者本人の情報、育児休業の対象となる子どもの情報、取得する育児休業の期間などを記入します。

厚生労働省の様式例では、通常の育児休業だけでなく、出生時育児休業や1歳を超えて取得する育児休業なども一つの様式で整理されています。

そのため、すべての欄を記入するのではなく、 自分が取得する育児休業に関係する部分を確認して記入する ことが基本です。

主な項目 記入する内容 確認ポイント
申出日 会社へ育児休業を申し出る年月日 休業開始予定日から申出期限を逆算する
所属・氏名 勤務している部署名と本人氏名 社員番号欄がある場合はあわせて記入する
子どもの氏名 育児休業の対象となる子の氏名 出生前は出産予定者等を記載する様式もある
子どもの生年月日 実際の出生日 出産予定日と混同しない
本人との続柄 子など本人との関係 様式の記載方法に従う
出産予定日 申出時点でまだ出生していない場合の予定日 出生後は実際の出生日も会社へ連絡する
休業開始予定日 育児休業を開始したい日 産後休業や取得する制度との関係を確認する
休業終了予定日 育児休業を終了する予定の日 復職予定日の前日になることが一般的
過去の取得状況 同じ子について既に育児休業を取得している場合など 分割取得の場合は特に確認する

申出者と子どもの情報を正確に記入する

最初に記入することが多いのは、申出者本人の所属、氏名、申出日などです。

会社独自の様式では、社員番号や雇用区分、勤務場所などを記載する欄が設けられていることもあります。

子どもが既に出生している場合には、育児休業の対象となる子どもの氏名、生年月日、本人との関係などを記載します。

子どもがまだ生まれていない段階で申し出る場合には、子どもの氏名や生年月日ではなく、出産予定者の氏名や出産予定日などを記入する欄が設けられていることがあります。

出生前に育児休業を申し出ること自体は珍しいことではありません。

むしろ、通常の育児休業には申出期限があるため、出産前から会社と取得時期について相談するケースが一般的です。

出生後には実際の出生日が確定しますので、予定日と異なった場合には会社へ連絡し、その後の休業開始日などに変更が必要か確認してください。

また、養子の場合や特別養子縁組に向けた監護期間中など、一般的な実子のケースとは異なる場合には、追加の記入欄が設けられている様式もあります。

該当する場合は通常の出生ケースと同じように自己判断で記載せず、人事担当者へ確認すると確実です。

休業開始予定日と終了予定日が最重要

育児休業申出書の中で、実務上とても重要なのが休業開始予定日と休業終了予定日です。

この2つの日付をもとに、会社は勤務予定、給与計算、社会保険料免除、雇用保険の手続きなどを準備します。

「子どもが1歳になるまで休みたい」という希望だけでは、会社側は正確な休業期間を処理できません。

育児休業申出書では、原則として具体的な年月日を記載することになります。

特に間違いやすいのが、 休業終了予定日と職場復帰予定日の関係 です。

たとえば、育児休業を3月31日まで取得するのであれば、通常は4月1日が職場復帰予定日になります。

会社の様式に両方の記入欄がある場合は、同じ日付を書かないよう確認しましょう。

育児休業終了予定日は「最後に育児休業をする日」、復職予定日は「会社に戻る日」と考えると整理しやすくなります。

また、育児休業を2回に分割して取得する場合には、それぞれの取得期間をどのように申し出るかも確認が必要です。

会社の様式によっては1枚に複数の期間を記載できる場合もあれば、別途申出を行う形式になっている場合もあります。

申出書に空欄があると必ず無効になるということではありませんが、重要な情報が不足していると会社から確認を求められます。

分からない欄を推測して埋めるより、人事担当者へ「この欄は私の場合も記載が必要ですか」と確認したほうが、結果的には早く手続きを終えられます。

育児休業申出書の具体的な書き方

育児休業申出書の具体的な書き方

ここでは、一般的な育児休業を取得するケースを想定して、育児休業申出書の記入例を確認します。

会社ごとに様式が異なるため、以下はあくまで一般的な記入例として考えてください。

項目 記入例 書き方のポイント
申出日 2026年8月20日 会社へ正式に申し出る日を確認
所属 営業部 現在の所属部署を記載
氏名 育休 太郎 会社の登録氏名に合わせる
子の氏名 育休 花子 出生後の場合に記載
子の生年月日 2026年7月1日 実際の出生日を記載
本人との続柄 様式の指定に従う
育児休業開始予定日 2026年9月21日 申出期限もあわせて確認
育児休業終了予定日 2027年6月30日 最後に休業する日を記載
職場復帰予定日 2027年7月1日 休業終了予定日の翌日が基本

申出日は休業開始日から逆算して確認する

まず確認したいのは申出日です。

申出日は単に書類を作成した日ではなく、会社へ正式に申し出る日として記載するのが基本です。

休業開始予定日から逆算し、必要な申出期限を満たしているか確認してください。

たとえば、自宅で申出書を書いたのが8月15日でも、実際に会社へ提出したのが8月20日であれば、会社側では8月20日を申出日として扱うことが考えられます。

会社所定の様式に日付の記載方法が決められている場合は、その方法に従ってください。

申出期限ぎりぎりの場合には、この数日の違いが重要になることがあります。

育児休業を取得したい時期が決まったら、「いつ書くか」より「いつ会社へ正式に申し出るか」を意識するとよいでしょう。

子どもの情報は出生前後で書き方が変わる

次に、対象となる子どもの情報を記入します。

出生後であれば氏名、生年月日、本人との続柄などを記入します。

出生前に申し出る場合は、会社の様式に従って出産予定日などを記入します。

出産予定日はあくまで予定ですので、実際の出生日が前後することがあります。

出生時育児休業や父親の育児休業では実際の出生時期が休業計画に直接影響する場合がありますので、子どもが生まれたら会社へ速やかに出生日を連絡し、当初の申出内容から変更が必要か確認してください。

育児休業期間は年月日まで記載する

最も重要なのが育児休業の期間です。

単に「1年間」「子どもが1歳になるまで」と書くのではなく、 休業開始予定日と休業終了予定日を年月日まで具体的に記入 しておくと、会社側でもその後の手続きを正確に進めやすくなります。

上記の記入例では、2026年9月21日から2027年6月30日までを育児休業期間とし、2027年7月1日に復職する形にしています。

つまり、6月30日はまだ育児休業中で、7月1日から通常勤務へ戻るという関係です。

上記の日付は記入方法を説明するための例です。

実際に取得できる期間は、出産日、産後休業との関係、配偶者の取得状況、育児休業の分割取得歴などによって異なる場合があります。

通常の育児休業は原則として子が1歳になるまでですが、現在は制度上、一定の範囲で分割して取得することも可能です。

また、パパ・ママ育休プラスや1歳以降の延長を利用するケースでは期間の考え方が変わります。

そのため、書類を書く前に「何月何日から何月何日まで休みたいのか」を具体的に決め、その期間が制度上取得できるか会社の人事担当者と確認してから記入すると、書類を何度も訂正する可能性を減らせます。

出産日や保育所への入所状況などによって、当初申し出た休業期間が後から変わることは珍しくありません。

最初の申出書を無理に将来まで確定させるというより、現時点の予定を正確に申し出て、その後変更があれば所定の手続きを行うという考え方が実務的です。

記入後は、氏名や日付だけでなく「休業開始予定日」「休業終了予定日」「復職予定日」が矛盾していないかを最後に確認してください。

この3つを確認するだけでも、育児休業申出書でよく起こる記入ミスのかなりの部分を防げます。

育児休業申出書のテンプレート

勤務先に育児休業申出書の指定様式がある場合は、基本的に会社の様式を使用します。

まずは人事部や総務部へ「育児休業を取得したいので申出書をください」と確認するとよいでしょう。

インターネットで「育児休業申出書 テンプレート」と検索するとさまざまな様式が見つかりますが、最初から外部のテンプレートを使用する必要はありません。

会社によって育児休業規程や社内手続きが異なるため、まず勤務先に所定様式があるかを確認するのが最も確実です。

会社に様式がなければ厚生労働省の様式例が参考になる

一方、勤務先にまだ様式が整備されていない場合には、厚生労働省が公表している様式例を参考にできます。

厚生労働省の規定例には、育児・介護休業申出書や育児・介護休業取扱通知書などの社内様式例が掲載されています。

法改正への対応状況も確認できるため、インターネット上にある作成時期の分からないテンプレートをそのまま使用するより、公的な様式例を基準にするほうが安全です。

厚生労働省の様式例には、通常の育児休業だけでなく、出生時育児休業、1歳を超える育児休業などに対応するための記載欄も用意されています。

そのため、これから社内様式を整備する企業にとっても参考になります。

従業員の方は、インターネット上のテンプレートを先に作成するのではなく、会社指定の様式がないか最初に確認してください。

会社独自のテンプレートでも必要事項は押さえる

会社独自の申出書があるにもかかわらず別のテンプレートを提出すると、必要な社内情報が不足して再提出になることがあります。

たとえば、社員番号、所属長確認欄、社内連絡先、復帰予定部署など、会社独自の管理項目を設定していることがあります。

反対に、人事労務担当者が新しく育児休業申出書を作成する場合は、必要以上に複雑な様式にしないことも大切です。

育児休業の取得を申し出る従業員に過度な負担を求める仕組みではなく、必要な情報を確実に把握できる様式にしておくのが実務的です。

たとえば、会社が実務上必要だからといって、育児休業の取得と直接関係のない詳細な家庭事情まで申出書へ記載させる必要があるとは限りません。

申出書は、会社が育児休業の対象者や期間を確認し、必要な社内手続きを行うためのものです。

何を記載させるのかは、その目的とのバランスを考える必要があります。

人事担当者がテンプレートを作成する場合は、育児休業申出書だけを単独で作るのではなく、育児休業取扱通知書、期間変更に関する様式、撤回時の様式なども一緒に整理しておくと実際の運用がしやすくなります。

また、会社の様式が古いままになっているケースにも注意が必要です。

育児・介護休業法はこれまで複数回改正されており、出生時育児休業や育児休業の分割取得など、過去の様式では想定されていない制度があります。

企業側では、現在使用している社内様式が現行制度に対応しているか定期的に確認しておきましょう。

従業員側は、会社から渡された申出書について分からない欄があれば、自分で判断して埋める必要はありません。

「この欄は今回の育児休業でも記入しますか」と人事担当者へ確認してください。

特に複数の制度に関する欄が一つの様式にまとまっている場合には、該当しない欄まで記載しないよう注意しましょう。

育児休業申出書の記入例と提出期限

育児休業申出書は、正しく記入するだけでなく、いつ会社へ提出するかも重要です。

通常の育児休業と1歳以降の育児休業では原則となる申出期限が異なります。

また、産後パパ育休には別の期限がありますので、自分が利用する制度を分けて確認してください。

申出期限を過ぎたからといって直ちに育児休業そのものを永久に取得できなくなるという単純な話ではありませんが、会社側が休業開始予定日を一定の範囲で指定できる場合があります。

希望する日から確実に育児休業へ入りたいのであれば、期限から逆算して早めに申し出ることが重要です。

育児休業申出書はいつまでに提出するか

通常の育児休業について、希望する日から休業を開始するためには、 原則として育児休業開始予定日の1か月前まで に会社へ申し出ます。

たとえば、10月1日から通常の育児休業を開始したい場合は、原則として9月1日までに申出を行うイメージです。

会社によっては、法令上の基準より従業員に有利な形で「2週間前まで」「10日前まで」など、より短い申出期限を社内規程に定めている場合もあります。

そのため、最終的には勤務先の育児・介護休業規程を確認してください。

育児休業の種類 原則的な申出期限 実務上の確認事項
通常の育児休業 休業開始予定日の1か月前まで 会社の規程でより短い期限が定められていないか確認
1歳以降の育児休業 休業開始予定日の2週間前まで 延長要件や開始時期も確認
出生時育児休業 原則として休業開始予定日の2週間前まで 労使協定による申出期限の取扱いも確認

通常の育児休業は原則1か月前まで

通常の育児休業については、原則として1か月前までに申し出るというルールをまず覚えておくと分かりやすいでしょう。

ここでいう1か月前は、会社が仕事の引き継ぎをしたいから任意に決めている期限ではなく、育児・介護休業法に基づく申出と休業開始日の関係を考えるうえで重要な基準です。

そのため、「会社には出産予定について伝えてあるから、育児休業申出書は直前でもよい」とは考えないほうが安全です。

妊娠・出産の報告と、いつから育児休業を取得するかという正式な申出は別の手続きとして扱われることがあります。

実際には、会社から産前産後休業や育児休業に関する案内を受け、その流れの中で早めに育児休業申出書を提出するケースが多いと思います。

期限ぎりぎりを狙うメリットはほとんどありません。

産後パパ育休は原則2週間前

出生時育児休業、いわゆる産後パパ育休については、通常の育児休業とは異なり、原則として休業開始予定日の2週間前までに申し出ます。

ただし、一定の要件を満たす労使協定が締結されている場合には、会社が申出期限を最大1か月前までとする取扱いがあります。

産後パパ育休を利用する方は、単純に「2週間前なら必ずよい」と決めつけず、勤務先の育児・介護休業規程も確認してください。

また、出産予定日より早く子どもが生まれた場合など、通常の予定どおりに申出を行うことが難しいケースについては、休業開始予定日の変更に関する制度があります。

育休を取ることが決まったら、法定期限ぎりぎりまで待つのではなく、取得予定期間が見えてきた段階で早めに会社へ相談することをおすすめします。

期限を過ぎた場合はすぐ会社へ相談する

申出期限を過ぎてしまった場合には、「もう育児休業は取得できない」と自己判断して諦めるのではなく、まず会社へ相談してください。

法律上は、所定の申出期限より遅れて申出が行われた場合、会社が一定の範囲で育児休業開始予定日を指定できる仕組みがあります。

つまり、申出が遅れた場合の問題は、育児休業の権利が当然にすべて消滅するというより、あなたが希望した日から休業を開始できない可能性が出てくることです。

申出期限を過ぎたときは、自分で休業開始日を決め直して申出書を書き換えるのではなく、会社の人事・労務担当者へ状況を伝えて確認してください。

会社側では、業務の引き継ぎだけでなく、雇用保険の育児休業給付、社会保険料免除、給与計算、住民税など複数の実務が動きます。

早めに情報を共有しておくことで、従業員側、会社側の双方が準備しやすくなります。

また、出産予定日はあくまで予定です。

実際の出産日が前後することを想定し、会社と連絡が取れる状態にしておくことも大切です。

予定日と実際の出生日が変わった場合に、育児休業期間の変更手続きが必要になるかを人事担当者へ確認しておきましょう。

1歳以降の育児休業は2週間前まで

1歳以降の育児休業は2週間前まで

育児休業は原則として子が1歳になるまでの制度ですが、保育所等に入所できないなど一定の事情がある場合には、要件を満たすことで1歳6か月まで、さらに2歳まで延長できる場合があります。

このような 1歳以降の育児休業については、原則として休業開始予定日の2週間前まで に会社へ申し出ます。

ここで注意したいのは、「最初に育休を申し出ているのだから、自動的に2歳まで延長される」という制度ではないことです。

1歳6か月までの延長は改めて確認が必要

たとえば、子が1歳になる時点で保育所等に入れず1歳6か月まで育児休業を延長する場合には、延長に必要な要件を確認したうえで、改めて会社へ申し出る必要があります。

さらに1歳6か月から2歳まで延長する場合にも、改めて手続きが必要です。

最初に提出した育児休業申出書に「できれば2歳まで休みたい」と記載していたとしても、それだけで法律上の延長要件を満たすわけではありません。

1歳時点、1歳6か月時点で、それぞれ延長できる事情があるかを確認する必要があります。

育児休業の延長は、本人が希望するだけで自由に行えるものではありません。

保育所等に入れないことなど、法律上定められた一定の事情を満たす必要があります。

会社への申出と育児休業給付の延長は別に確認する

また、会社への育児休業の申出と、雇用保険の育児休業給付を延長するための確認は同じ手続きではありません。

育児休業そのものを会社へ申し出る手続きと、給付金の支給期間延長に必要となる手続きを分けて考える必要があります。

ここは実務で非常に重要なポイントです。

「会社から育児休業の延長を認めてもらったから、育児休業給付も自動的に延長される」とは限りません。

休業制度と雇用保険の給付制度では、それぞれ確認される要件があります。

特に保育所等への入所を理由として延長する場合には、自治体への保育所申込みの時期や内容が関係することがあります。

子が1歳になる直前になってから確認すると間に合わないこともありますので、延長の可能性がある場合は早めに会社と自治体の双方へ確認しておきましょう。

延長の可能性があるなら1歳直前まで待たない

育児休業を開始した時点では「1歳で復職する予定」だったとしても、保育所の状況や家庭事情によって延長が必要になることは十分考えられます。

そのため、子どもが1歳になる直前になってから初めて延長制度を調べるのではなく、数か月前から自治体の保育所申込スケジュールや会社の手続きを確認しておくことをおすすめします。

人事担当者から見ても、「来週で育児休業が終わる予定でしたが延長したいです」と突然相談を受けるより、事前に「保育所に入れない場合は延長する可能性があります」と共有されていたほうが、社会保険や雇用保険を含めた準備がしやすくなります。

1歳以降の育児休業では、会社への申出期限だけを見るのではなく、延長要件、保育所等の申込み、育児休業給付の手続きをセットで確認することが重要です。

育児休業の延長については制度改正により確認方法が変わることもあります。

特に雇用保険給付に関する延長手続きは、会社への育児休業申出書とは別の制度ですので、最新の要件を会社やハローワークで確認してください。

会社独自の様式を使う場合の注意点

育児休業申出書については、すべての会社が厚生労働省の様式をそのまま使用しているわけではありません。

実際には、会社独自の育児休業申出書を作成して運用している企業も多くあります。

そのため、あなたが育児休業を取得するときは、まず就業規則や育児・介護休業規程を確認し、会社指定の申出方法があるか確認してください。

会社独自の管理項目が追加されることがある

会社独自の様式では、一般的な子どもの情報や休業期間に加えて、次のような項目が設けられていることがあります。

  • 社員番号
  • 所属部署
  • 休業中の連絡先
  • 直属上司の確認欄
  • 引き継ぎ担当者
  • 復職予定日
  • 復職後の勤務希望

これらは会社内部で育児休業を管理するための情報として設けられているケースがあります。

たとえば、休業期間中に会社から社会保険や住民税、育児休業給付などについて連絡をする必要があるため、休業中の連絡先を確認することがあります。

また、復職予定日を人員配置の参考にするため、育児休業終了予定日とは別に記入欄を設ける会社もあります。

このような会社独自の項目があるからといって、厚生労働省の様式と違うので無効というわけではありません。

会社の業務運営上必要な情報を追加しているケースはあります。

会社独自様式でも過度な条件を付けない

一方、会社側が独自の様式を設ける場合には、育児休業を申し出る労働者へ不必要に重い負担を課さないよう注意が必要です。

制度上必要な申出を実質的に難しくするような手続きにしてしまうのは適切ではありません。

たとえば、「後任者を自分で見つけなければ申出書を受理しない」「引き継ぎが完全に終わるまで育児休業を認めない」といった考え方で、法律上認められた育児休業の取得そのものを制限することは避ける必要があります。

業務の引き継ぎは重要ですが、それと育児休業を申し出る権利は分けて考えるべきです。

実務では、書類そのものよりも、 休業開始日、終了予定日、対象となる子、申出日を会社と従業員の双方で正確に共有できているか が重要です。

会社側は申出書だけで管理するのではなく、育児休業取扱通知書、社会保険手続き、雇用保険手続き、給与計算などを一連の流れとして管理するとミスを防ぎやすくなります。

期間が変わったら元の申出書を書き換えない

また、育児休業期間が変更になった場合には、当初提出した申出書を単純に書き換えるのではなく、会社所定の期間変更申出書などによって変更手続きを行う運用が一般的です。

元の申出書の日付を二重線で直したり、会社側が本人に確認せず終了予定日を書き換えたりすると、当初どの内容で申出が行われ、その後いつ変更されたのか分からなくなる可能性があります。

労務管理では、最終的な日付だけでなく変更の経緯を残すことも大切です。

従業員側でも、出産日が変わった、育児休業を早めに終了して復職したい、一定の要件を満たして延長したいなど、当初の予定と変わった場合は会社へ早めに連絡してください。

私が会社側の手続きを確認するときも、育児休業申出書だけを見るのではなく、その後に期間変更がなかったか、実際の休業開始日と終了日がどうなったかまで確認します。

社会保険料免除や雇用保険の手続きでは実際の休業期間が重要だからです。

会社独自の様式を使うこと自体は問題ではありませんが、申出書・会社からの通知・期間変更の履歴を一連の記録として管理することが重要です。

従業員側は、会社の様式を見て分からない項目があれば、インターネット上の記入例をそのまま写すのではなく、勤務先へ確認しましょう。

同じ項目名でも会社ごとに意味や運用が異なる場合があります。

育児休業等取得者申出書との違い

育児休業等取得者申出書との違い

育児休業の手続きで特に混同しやすいのが、 育児休業申出書と育児休業等取得者申出書の違い です。

名称はよく似ていますが、目的、作成する人、提出先が異なる別の書類です。

比較項目 育児休業申出書 育児休業等取得者申出書
主な目的 会社へ育児休業取得を申し出る 育休中の社会保険料免除を申し出る
主に作成する人 育児休業を取得する従業員 会社
提出先 勤務先の会社 年金事務所・事務センター等
書類の性質 社内での育児休業申出 健康保険・厚生年金保険の手続き

育児休業申出書は従業員から会社へ出す

あなたが育児休業を取りたい場合に、まず関係するのが育児休業申出書です。

これを会社へ提出し、育児休業を取得する意思と期間を伝えます。

つまり、育児休業申出書の役割は「私はこの子を養育するため、何月何日から何月何日まで育児休業を取得したいです」と会社へ伝えることです。

会社はその申出内容を確認し、育児休業の取扱いを従業員へ通知するとともに、必要な社内手続きを進めます。

この段階で、従業員が自分で年金事務所へ育児休業申出書を持っていく必要はありません。

また、ハローワークへ育児休業申出書をそのまま提出するわけでもありません。

育児休業等取得者申出書は社会保険料免除の手続き

その後、健康保険・厚生年金保険に加入している従業員について、所定の要件を満たす育児休業期間中の社会保険料免除を受けるために会社が行うのが、健康保険・厚生年金保険の育児休業等取得者申出書による手続きです。

従業員が年金事務所から育児休業等取得者申出書をダウンロードして、自分で提出する手続きではありません。

日本年金機構でも、被保険者から育児休業等取得の申出を受けた場合に、事業主が育児休業等取得者申出書を提出する手続きとして案内されています。

(出典:日本年金機構「育児休業等を取得し、保険料の免除を受けようとするとき」)

育児休業申出書は「休むための会社への申出」、育児休業等取得者申出書は「社会保険料免除のための会社から年金事務所等への申出」と整理すると分かりやすいです。

社会保険料免除にも別の判定ルールがある

社会保険料免除の仕組みは、単純に育児休業を1日でも取得すれば必ずその月の保険料が免除されるというものではありません。

毎月の報酬にかかる健康保険・厚生年金保険料については、育児休業等を開始した日の属する月から、終了日の翌日が属する月の前月までという基本的な免除期間があります。

また、開始日と終了日の翌日が同じ月に含まれる短期間の育児休業でも、その月に14日以上の育児休業等を取得するなど一定の要件を満たせば、月額保険料が免除される場合があります。

さらに、賞与にかかる社会保険料の免除には別の条件があります。

そのため、育児休業申出書に記載した期間をそのまま見て「この月の保険料は必ず免除」と判断することはできません。

詳しい免除条件については、 育休の社会保険料免除はいつからか、条件と期間を解説した記事 で整理しています。

育児休業申出書を会社へ提出しただけで、社会保険料免除や育児休業給付の行政手続きがすべて自動的に完了するわけではありません。

会社側では、それぞれ別の制度として必要な手続きを確認する必要があります。

この違いは人事労務担当者にとっても重要です。

名称が似ているため、従業員から「育児休業等取得者申出書をください」と言われたときには、本当に社会保険の書類を指しているのか、それとも会社へ提出する育児休業申出書を探しているのかを確認するとよいでしょう。

従業員側は、会社へ育児休業申出書を提出した後、社会保険や雇用保険に関して追加で本人が提出する書類があるか、会社からの案内を確認してください。

会社によっては給付申請に必要な確認書類や振込先情報などの提出を求められることがあります。

育児休業申出書の記入例まとめ

育児休業申出書は、従業員が会社に対して育児休業の取得を申し出るための書類です。

役所へ自分で提出する届出ではなく、まず勤務先へ提出する社内手続きだと考えると分かりやすいでしょう。

記入するときは、本人の氏名や所属だけでなく、対象となる子どもの氏名や生年月日、育児休業開始予定日、終了予定日などを確認します。

子どもがまだ出生していない段階で申し出る場合には、出産予定日などを記載する場合があります。

記入前に会社の様式を確認する

育児休業申出書を作成するときに最初に行いたいのは、インターネットからテンプレートを探すことではなく、勤務先の会社に指定様式があるかを確認することです。

会社独自の様式がある場合には、その様式に従って記入します。

分からない項目があるときは、一般的な記入例をそのまま当てはめるのではなく、人事・総務担当者へ確認してください。

会社に様式が整備されていない場合には、厚生労働省が公開している社内様式例を参考にすることができます。

企業側でも、古い様式を長期間使い続けている場合は、現行制度に対応しているか確認しておくとよいでしょう。

日付は特に慎重に確認する

通常の育児休業は、希望する日から取得するためには原則として休業開始予定日の1か月前までに会社へ申し出ます。

1歳以降の育児休業については原則2週間前までとなります。

産後パパ育休については別の申出期限がありますので、利用する制度を混同しないことも大切です。

そして、申出書の中では「申出日」「休業開始予定日」「休業終了予定日」「復職予定日」をそれぞれ分けて確認してください。

特に休業終了予定日と復職予定日は1日ずれることが一般的であり、記入例を見ながら作成する際にも混同しやすいポイントです。

育児休業申出書の記入例を見るときは、次の4点を確認してください。

  • 会社指定の様式があるか
  • 対象となる子どもの情報が正しいか
  • 育児休業の開始日と終了日が正しいか
  • 所定の申出期限を満たしているか

似た名称の書類を混同しない

また、育児休業申出書と、社会保険料免除に使用する育児休業等取得者申出書は別の書類です。

従業員側で両方を用意しなければならないわけではありません。

育児休業申出書は従業員から会社へ提出し、育児休業等取得者申出書は、社会保険料免除のために事業主が年金事務所等へ提出します。

さらに、雇用保険の育児休業給付についても別の手続きがあります。

つまり、育児休業に関係する書類は一つではありません。

名称だけで判断せず、「何のための書類なのか」「誰が作成するのか」「どこへ提出するのか」という3点で整理すると迷いにくくなります。

確認するもの 主な目的 主な提出先
育児休業申出書 育児休業を取得する意思と期間を申し出る 勤務先
育児休業等取得者申出書 健康保険・厚生年金保険料の免除手続き 年金事務所・事務センター等
育児休業給付に関する手続き 雇用保険から給付を受けるための手続き ハローワーク等

実務では、育児休業申出書がその後の一連の手続きのスタートになります。

会社側は申出を受けたら、休業期間を確認し、給与計算、勤怠管理、社会保険、雇用保険、復職予定などを順番に整理していきます。

従業員側も、申出書を提出して終わりではなく、出産日や復職予定、保育所の状況などに変化があった場合には会社へ連絡してください。

特に育児休業を延長する場合や予定より早く復職する場合は、当初の申出内容から変更が生じます。

育児休業に関する手続きは、一つひとつの書類を見ると複雑に感じますが、「会社へ休業を申し出る」「会社が社会保険等の手続きを行う」「必要に応じて期間変更を行う」という流れで整理すると理解しやすくなります。

会社ごとに育児・介護休業規程や申出方法が異なる場合があります。

また、育児・介護休業法や社会保険、雇用保険の制度は改正されることがありますので、 正確な情報は公式サイトをご確認ください。

実際の育児休業期間、申出期限、延長要件などは、出産日、これまでの育児休業取得状況、勤務先の規程などによって判断が異なる場合があります。

個別の事情によって判断に迷う場合には、 最終的な判断は専門家にご相談ください。

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