こんにちは。
もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。
遺族年金は、国民年金や厚生年金に加入していた方が亡くなったとき、一定の条件を満たす遺族の生活を支えるために支給される公的年金です。
ただし、亡くなった方がどの年金制度に加入していたかだけで決まるわけではありません。
保険料の納付状況、遺族との続柄、子の有無や年齢、生計維持の状況などを順番に確認する必要があります。
また、遺族基礎年金と遺族厚生年金では受給できる遺族の範囲が大きく異なります。
2025年の年金制度改正による遺族厚生年金の見直しも予定されているため、現行制度と将来の制度を分けて理解することが大切です。
この記事では、遺族年金の受給条件から金額の考え方、子供がいない場合、中高齢寡婦加算、2028年から始まる制度改正、実際の請求手続きまで順番に整理します。
- 遺族基礎年金と遺族厚生年金の違い
- 配偶者や子などが受給するための条件
- 遺族年金の金額と支給期間の考え方
- 2025年改正と2028年以降の変更点

遺族年金の受給条件を種類別に確認
遺族年金の受給条件を確認するときは、最初に「遺族年金」という一つの制度として考えるのではなく、 遺族基礎年金と遺族厚生年金に分けて考える ことが重要です。
亡くなった方の加入していた年金制度と、残された家族の状況を照らし合わせながら確認していきましょう。
遺族年金は基礎年金と厚生年金の2種類
遺族年金には、大きく分けて 遺族基礎年金 と 遺族厚生年金 の2種類があります。
遺族基礎年金は国民年金から支給される年金です。
自営業者やフリーランスなど、国民年金の第1号被保険者であった方が亡くなった場合だけではなく、厚生年金に加入している会社員も国民年金の第2号被保険者ですので、条件を満たせば対象になります。
一方、遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が一定の要件を満たして亡くなった場合に、その方によって生計を維持されていた遺族へ支給される年金です。
| 年金の種類 | 主な対象となるケース | 受給できる主な遺族 |
|---|---|---|
| 遺族基礎年金 | 国民年金の被保険者等が死亡 | 子のある配偶者・子 |
| 遺族厚生年金 | 厚生年金の被保険者等が死亡 | 配偶者・子・父母・孫・祖父母 |
会社員として厚生年金に加入していた方が亡くなった場合には、遺族厚生年金だけではなく、子のある配偶者または一定年齢までの子がいることなどの条件を満たせば、遺族基礎年金もあわせて受け取れることがあります。
「会社員なら遺族厚生年金、自営業なら遺族基礎年金」と単純に二者択一になるわけではありません。
会社員の遺族については、条件を満たすことで遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が関係するケースがあります。
実務上は、亡くなった方の職業だけで判断するよりも、死亡時点や過去の年金加入記録を確認することが大切です。
転職や独立、退職などを経験している方は国民年金と厚生年金の加入期間が混在していることも珍しくありません。
遺族基礎年金の対象者と子の要件

遺族基礎年金で特に重要なのが、 原則として子のある配偶者または子が対象になる という点です。
亡くなった方が国民年金の被保険者であったからといって、配偶者であれば誰でも遺族基礎年金を受け取れるわけではありません。
子供がいない配偶者については、原則として遺族基礎年金の受給対象にはなりません。
ここでいう「子」には年齢などの条件があります。
原則として、18歳になった年度の3月31日までにある子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子です。
また、婚姻していないことも条件になります。
遺族基礎年金における子の基本的な要件
- 18歳到達年度の3月31日までにある
- または20歳未満で障害等級1級・2級の状態にある
- 婚姻していない
たとえば、高校生の子がいる夫婦で夫が亡くなった場合、妻が亡くなった夫に生計を維持されていたなどの条件を満たせば、妻が「子のある配偶者」として遺族基礎年金を受けられる可能性があります。
一方、夫婦だけで生活しており子供がいない場合、配偶者は遺族基礎年金の対象にはなりません。
ただし、亡くなった方に厚生年金の加入歴がある場合には、遺族厚生年金を受けられる可能性があります。
この違いから、「子供がいなければ遺族年金は一切もらえない」と誤解されることがあります。
しかし、正確には 子供の有無が特に重要なのは遺族基礎年金であり、遺族厚生年金は別の条件で判断する という整理になります。
なお、子のある配偶者が遺族基礎年金を受給している間などは、子本人に対する遺族基礎年金が支給停止となる場合があります。
同じ世帯について配偶者と子へそれぞれ同額の遺族基礎年金が重複して支給される仕組みではありません。
遺族基礎年金の保険料納付要件
遺族基礎年金では、残された家族側の条件だけではなく、 亡くなった方の国民年金保険料の納付状況 も重要です。
国民年金の被保険者である間に死亡した場合や、国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で日本国内に住所があった場合などには、原則として死亡日の前日において、所定の期間のうち保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上あることが求められます。
死亡日や年齢などによっては、死亡月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないことによる特例が適用される場合もあります。
特例の適用期間は法改正によって変更されることがあるため、実際の死亡日を基準として確認する必要があります。
「保険料を払えなかった期間がある=必ず遺族年金を受け取れない」という意味ではありません。
正式な保険料免除や納付猶予などの期間は、単純な未納とは取扱いが異なります。
特に自営業者や退職後の方については、収入が減少したときに保険料をそのまま未納にしてしまうことがあります。
しかし、遺族年金や障害年金では保険料納付要件が問題になるため、支払いが難しいときこそ免除や納付猶予の手続きを検討することが重要です。
国民年金保険料を支払うことが難しい場合の取扱いについては、 国民年金保険料の免除制度と申請方法 でも詳しく整理しています。
なお、老齢基礎年金の受給資格を満たしている方が亡くなった場合など、死亡した方の要件によっては、現役世代の死亡と同じ保険料納付要件を確認する必要がないケースがあります。
年金記録は数十年にわたることもありますので、家族が「ずっと保険料を払っていたはず」と記憶だけで判断するのは避けた方がよいでしょう。
年金事務所などで正式な加入記録を確認することが確実です。
遺族厚生年金の受給要件と優先順位

遺族厚生年金は、遺族基礎年金よりも受給対象となり得る遺族の範囲が広くなっています。
ただし、亡くなった方について一定の要件を満たしている必要があります。
代表的なのは、厚生年金保険の被保険者である会社員などが在職中に亡くなったケースです。
このほか、厚生年金の被保険者期間中に初診日がある病気やけがが原因となり、一定期間内に死亡したケース、1級または2級の障害厚生年金の受給権者が死亡したケース、一定の老齢厚生年金の受給資格を満たしていた方が死亡したケースなどがあります。
また、現役の被保険者が亡くなった場合などには、遺族基礎年金と同様に保険料納付要件の確認が必要になることがあります。
遺族厚生年金で特に注意したいのが、 遺族には優先順位がある ことです。
| 主な順位 | 対象となる遺族 | 主な確認事項 |
|---|---|---|
| 上位 | 配偶者・子 | 年齢・子の年齢などを確認 |
| 次順位 | 父母 | 年齢要件などを確認 |
| 次順位 | 孫 | 子と同様の年齢要件などを確認 |
| 次順位 | 祖父母 | 年齢要件などを確認 |
上位の順位に該当する遺族が受給権を取得する場合、下位順位の遺族が同時に遺族厚生年金を受け取る仕組みではありません。
現行制度では、夫、父母、祖父母には死亡当時55歳以上などの年齢要件があり、原則として支給開始は60歳からです。
夫については、遺族基礎年金もあわせて受けられる場合など一定の例外があります。
実際の相談では、「親も亡くなった子供に生活費を出してもらっていたから受給できるのでは」と考えるケースもあります。
しかし、配偶者や子など上位順位の遺族がいる場合には、その存在も含めて確認しなければなりません。
遺族厚生年金は、亡くなった方の加入状況だけでなく、 誰が最も優先順位の高い遺族になるのか まで確認して初めて受給可否を判断できます。
生計維持要件は年収850万円未満
遺族基礎年金と遺族厚生年金には、原則として死亡した方によって 生計を維持されていたこと という条件があります。
ここでいう生計維持は、「亡くなった方の収入だけで100%生活していた」という意味ではありません。
共働き夫婦であっても条件を満たす可能性があります。
現行制度では、原則として亡くなった方と生計を同じくしており、遺族本人の前年収入が850万円未満、または所得が所定の基準未満であることなどが判断基準になります。
したがって、妻も正社員として働いていた、夫婦それぞれに収入があったという事情だけで、遺族年金の対象外になるわけではありません。
別居していた場合でも、仕送りを受けていた、健康保険上の扶養関係があったなど、実態として生計を同じくしていたことが確認できれば、生計同一が認められる可能性があります。
また、死亡時点では収入が基準以上だったとしても、退職や廃業などにより近い将来に収入が基準未満になることが客観的に見込まれる場合には、個別に判断されることがあります。
このため、「自分も働いていたから遺族年金は無理だろう」「年収が高かったから申請しても意味がないだろう」と自己判断してしまうのはおすすめできません。
生計維持関係は、住民票上の住所だけでは判断できないケースもあります。
別居、単身赴任、事実婚、死亡直前の生活状況などが関係する場合には、提出資料も含めて年金事務所に確認するとよいでしょう。
なお、2028年から始まる遺族厚生年金の見直しでは、有期給付の対象者について収入要件を見直す仕組みも予定されています。
現在の受給条件と改正後の受給条件を混同しないこと が重要です。
遺族年金の受給条件と金額・改正点
受給できる可能性があることを確認したら、次に気になるのが「いくら受け取れるのか」「いつまで受け取れるのか」という点でしょう。
ここからは遺族基礎年金と遺族厚生年金の金額の考え方、子供がいない場合、中高齢寡婦加算、2025年の制度改正、請求手続きまで整理します。
遺族年金はいくら受け取れるか
遺族年金の金額は、遺族基礎年金と遺族厚生年金で計算方法が異なります。
遺族基礎年金については、年度ごとに定められる基本額に、対象となる子の人数に応じた加算額を加えて計算するのが基本です。
第1子と第2子には所定の加算があり、第3子以降については別の加算額が設定されています。
年金額は賃金や物価などに応じて毎年度改定されるため、記事を読んだ時点の金額をそのまま将来の受給額として考えることはできません。
一方、遺族厚生年金は、基本的に 亡くなった方の老齢厚生年金における報酬比例部分の4分の3 を基礎として計算されます。
金額の基本的な考え方
- 遺族基礎年金:年度ごとの基本額+子の加算
- 遺族厚生年金:亡くなった方の報酬比例部分を基礎に計算
報酬比例部分とは、厚生年金に加入していた期間の給与や賞与、加入月数などをもとに計算される部分です。
そのため、亡くなった方の現役時代の年収が同じでも、加入期間や過去の標準報酬の記録によって遺族厚生年金の額は異なります。
一定の死亡要件に該当する場合には、厚生年金の加入期間が300月に満たなくても300月として計算する取扱いがあります。
そのため、単純に「厚生年金に5年しか加入していなかったから、25年加入した人の5分の1程度になる」と計算することはできません。
厚生年金の報酬比例部分そのものの考え方を確認したい場合は、 厚生年金受給額の年収・加入期間別の目安 も参考になります。
また、年金記録を確認するときは、手元の通知だけで判断せず、加入期間や標準報酬などを確認することが重要です。
ねんきん定期便の見方と年金見込額の確認ポイント でも年金記録の見方を整理しています。
遺族厚生年金は、亡くなった方が受給していた年金額全体の4分の3になるとは限りません。
老齢基礎年金部分まで含めて単純に4分の3と計算しないよう注意してください。
また、65歳以上で自分自身の老齢厚生年金を受けられる方については、自分の老齢厚生年金との調整が行われます。
両方の年金をそのまま全額合算して受け取れるとは限りません。
具体的な金額は個人の年金記録によって大きく変わりますので、実際に受給額を確認するときは日本年金機構の記録や年金事務所での試算を利用するのが確実です。
子供がいない場合と妻・夫の違い

「子供がいないと遺族年金はもらえない」という話を聞くことがありますが、これは遺族年金全体については正確ではありません。
子供がいない場合、原則として遺族基礎年金は受け取れません。
しかし、亡くなった配偶者に厚生年金の加入歴があり、その他の条件を満たしていれば、 子供がいない配偶者でも遺族厚生年金を受け取れる可能性があります。
現行制度では、妻と夫で遺族厚生年金の受給条件に違いがあります。
| 遺族 | 現行制度の主な取扱い |
|---|---|
| 妻 | 原則として年齢要件なし。ただし子のない30歳未満の妻は原則5年間 |
| 夫 | 死亡当時55歳以上が原則。支給開始は原則60歳 |
たとえば、子供のいない35歳の妻が会社員の夫を亡くした場合と、35歳の夫が会社員の妻を亡くした場合では、現行制度上の扱いが同じではありません。
この男女差は、かつて男性が主な家計の担い手であることを前提として設計されてきた制度の名残ともいえます。
しかし、共働き世帯が増え、女性の就業状況も大きく変化したことから、2025年の年金制度改正では見直しが決まりました。
「夫は遺族年金を受け取れない」という説明も正確ではありません。
現行制度でも、夫が死亡当時55歳以上であるなどの条件を満たせば遺族厚生年金の対象になることがあります。
一方で、2028年以降の改正によって男女の取扱いは段階的に近づいていきます。
現在の制度で受給できるかを確認したい方は、将来の改正内容ではなく、原則として実際の死亡時点に適用される制度を基準に判断する必要があります。
中高齢寡婦加算の対象と支給期間
遺族厚生年金には、一定の要件を満たす妻を対象とした 中高齢寡婦加算 という仕組みがあります。
代表的なのは、夫が亡くなった当時に妻が40歳以上65歳未満で、一定の子がおらず遺族基礎年金を受けられない場合です。
また、もともと遺族基礎年金と遺族厚生年金を受けていた妻について、子が一定年齢に達したことで遺族基礎年金を受けられなくなった後に対象となるケースもあります。
中高齢寡婦加算は、子がいない、または子が成長したことで遺族基礎年金を受けられない中高齢の妻について、65歳になるまでの所得保障を補う役割を持っています。
ただし、夫の厚生年金加入期間などについても条件があるため、「40歳以上の妻なら必ず加算される」という制度ではありません。
中高齢寡婦加算の金額は年度によって改定されます。
過去の記事や古い資料に掲載されている金額を、そのまま現在の金額として使用しないようにしてください。
また、妻が65歳になると中高齢寡婦加算は終了します。
その後、生年月日など一定の条件を満たす方については、経過的寡婦加算が関係する場合があります。
この部分は「遺族厚生年金そのもの」と「加算」を分けて考えることがポイントです。
中高齢寡婦加算が65歳で終了するからといって、必ず遺族厚生年金そのものが65歳でなくなるという意味ではありません。
さらに、2025年の制度改正により、中高齢寡婦加算についても将来的に長い期間をかけて段階的に縮小・見直しが行われる予定です。
現在受給している方と将来新たに受給権が発生する方では扱いが異なる可能性があるため、受給時点の制度確認が必要です。
2025年改正と2028年からの変更
2025年に成立した年金制度改正では、遺族厚生年金について大きな見直しが決まりました。
中心となる考え方は、 遺族厚生年金に残っている男女差を段階的に解消すること です。
現行制度では、子供のいない妻と夫で受給要件に大きな違いがあります。
これを見直し、将来的には、一定年齢までの子を養育していない60歳未満の配偶者について、男女とも原則5年間の有期給付とする方向に制度が統一されていきます。
施行は2028年4月からですが、ここで最も注意したいのが、 2028年4月になった瞬間に、現在の遺族厚生年金受給者全員が5年間で打ち切られるわけではない という点です。
すでに遺族厚生年金を受給している方については現行の給付が維持される仕組みが設けられています。
また、女性については影響を急激に生じさせないため、長期間をかけて段階的に制度を移行することとされています。
| 主な改正内容 | 考え方 |
|---|---|
| 男女差の見直し | 遺族厚生年金の支給要件を男女共通の仕組みに近づける |
| 原則5年間の有期給付 | 一定年齢までの子を養育していない60歳未満の配偶者を中心に見直し |
| 有期給付への加算 | 一定期間の給付額を手厚くする措置を設ける |
| 5年経過後の配慮 | 所得や障害など一定の事情がある場合の継続給付を設ける |
| 中高齢寡婦加算 | 長期間をかけて段階的に見直す |
つまり、SNSなどで見かける「遺族年金は今後5年しかもらえない」という説明だけでは制度の全体像を正しく表していません。
子を養育している場合、受給開始時の年齢、すでに受給しているかどうか、改正の経過措置に該当するかなどによって取扱いが変わります。
また、有期給付となる方については給付を手厚くする加算や、5年間の給付終了後も所得や障害など一定の事情がある場合に継続して給付を受けられる仕組みなどが設けられる予定です。
2028年以降の制度については経過措置を含めて確認することが重要です。
単に「60歳未満なら5年間」といった一部分だけで判断しないでください。
制度改正の詳細については、 厚生労働省の年金制度改正に関する案内 で最新情報を確認してください。
寡婦年金・死亡一時金と請求手続き

遺族基礎年金を受け取れない場合でも、亡くなった方に国民年金の第1号被保険者としての保険料納付実績がある場合には、 寡婦年金や死亡一時金 の対象になることがあります。
寡婦年金は、一定の要件を満たす夫が亡くなった場合に、その夫と一定期間婚姻関係にあり、生計を維持されていた妻などが60歳から65歳になるまで受け取れる国民年金の給付です。
死亡一時金は、一定期間以上国民年金保険料を納付した方が、老齢基礎年金や障害基礎年金を受けることなく死亡し、その死亡によって遺族基礎年金を受けられる遺族がいない場合などに、一定の遺族へ支給される一時金です。
寡婦年金と死亡一時金の両方の条件を満たす場合には、原則としてどちらか一方を選択することになります。
「遺族基礎年金が出なかったから、国民年金から受け取れるものは何もない」とは限りません。
亡くなった方が自営業者だった期間が長い場合などは、寡婦年金や死亡一時金まで確認しておくとよいでしょう。
遺族年金は自動的に振り込まれるものではなく、原則として遺族側から請求手続きを行う必要があります。
遺族厚生年金を含む場合は年金事務所などで手続きするのが基本です。
遺族基礎年金のみの場合には、市区町村の国民年金窓口で手続きできるケースもあります。
必要となる書類は個別の状況によって異なりますが、一般的には次のような資料を準備します。
- 年金請求書
- 死亡した方と請求者の関係を確認できる戸籍関係書類
- 死亡の事実を確認できる書類
- 住民票など生計関係を確認する書類
- 請求者の収入を確認する書類
- 年金番号や年金加入記録を確認できる資料
- 子の状況を確認するために必要な書類
マイナンバーの記載などによって一部の添付書類を省略できる場合もありますので、最初からすべての書類を自己判断で取り寄せるより、年金事務所などで必要書類を確認してから準備する方が効率的です。
また、公的年金には時効があります。
受給権が発生していても長期間請求しなければ、過去分の一部を受け取れなくなる可能性があります。
遺族年金を受け取れる可能性がある場合は、請求を長期間放置しないことが重要です。
亡くなった方の年金加入記録が分からない場合でも、まず年金事務所へ相談して確認を始めましょう。
遺族年金の受給条件を確認して請求へ
遺族年金の受給条件を確認するときは、「亡くなった方が会社員だったからもらえる」「子供がいないからもらえない」といった一つの条件だけで判断しないことが重要です。
まず、遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金があることを理解し、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
- 亡くなった方の国民年金・厚生年金の加入状況を確認する
- 死亡した方について受給要件と保険料納付要件を確認する
- 配偶者・子・父母など誰が対象となるか確認する
- 子の年齢や生計維持要件を確認する
- 遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が対象になるか確認する
- 中高齢寡婦加算などの加算制度も確認する
- 寡婦年金や死亡一時金など他の給付も確認する
特に間違えやすいのは、 子供がいない場合でも遺族厚生年金を受けられることがあること、夫にも遺族厚生年金の受給可能性があること、共働きでも生計維持要件を満たす可能性があること です。
また、保険料の未納期間がある場合でも、正式な免除や猶予期間との違いを確認する必要があります。
本人や家族の記憶だけでは正確な年金記録を把握できないことも多いため、年金事務所で記録を確認することをおすすめします。
2028年からは遺族厚生年金の制度改正も始まります。
ただし、既存の受給者や年齢などに応じた経過措置があり、すべての人の遺族厚生年金が一律5年間になるわけではありません。
制度の基本については、 日本年金機構の遺族年金に関する案内 でも最新の受給要件や年金額を確認できます。
年金額や制度内容は年度改定や法改正によって変更されることがあります。
正確な情報は公式サイトをご確認ください。
また、実際の受給可否は、死亡した方の年金加入記録、家族構成、生計維持関係、年齢、他の年金の受給状況などによって異なります。
個別事情を含めた 最終的な判断は専門家にご相談ください。
大切な家族を亡くした直後は、年金制度まで細かく調べる余裕がないこともあります。
しかし、遺族年金は残された家族の生活を支える重要な制度です。
自分は対象外だと決めつけず、条件に当てはまりそうであれば早めに年金記録と受給要件を確認し、必要な請求手続きを進めてください。