労災

労災の領収書は必要?紛失時と費用請求手続きの注意点

こんにちは。

もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。

労災の領収書が必要かどうかは、受診した医療機関や治療費の支払い方法によって異なります。

労災保険指定医療機関で窓口負担なく治療を受けた場合は原則として不要ですが、治療費を立て替えた場合は、後日の請求手続きで領収書が必要になります。

仕事中や通勤途中にケガをすると、治療を優先するあまり、受付で労災であることを伝え忘れたり、健康保険証を使ってしまったりすることがあります。

また、受診した病院が労災保険指定医療機関ではなく、突然10割分の支払いを求められて戸惑うケースも珍しくありません。

この記事では、労災で領収書が必要になる場面と不要な場面を整理したうえで、様式第7号や様式第16号の5を使った請求方法、領収書を紛失した場合の対応、会社から領収書だけ出すよう求められた場合の注意点まで解説します。

  • 労災で領収書が必要になるケース
  • 非指定医療機関で10割負担した場合の請求方法
  • 領収書を紛失した場合の対処方法
  • 会社から領収書だけ求められた場合の注意点

労災の領収書は必要?紛失時と請求方法を解説

労災の領収書が必要になる場面

労災の治療では、必ず領収書を提出するわけではありません。

窓口負担のない現物給付を受けたのか、いったん自分で治療費を支払ったのかによって扱いが変わります。

大まかに整理すると、労災保険指定医療機関で所定の手続きを行った場合は、本人が治療費を立て替えないため、費用請求用の領収書は通常必要ありません。

一方、非指定医療機関を受診した場合や、誤って健康保険を使用した場合は、支払った費用を後から請求するために領収書が重要になります。

まずは、領収書が必要になるケースと不要なケースを整理しましょう。

労災指定医療機関では原則不要

労災病院や労災保険指定医療機関で治療を受ける場合は、原則として窓口で治療費を支払う必要がありません。

これを 療養の給付 といい、金銭を後から受け取るのではなく、診察、治療、投薬などの医療そのものが労災保険から提供される仕組みです。

業務中の負傷であれば様式第5号、通勤途中の負傷であれば様式第16号の3を医療機関へ提出します。

医療機関が労災保険へ直接診療費を請求するため、労働者本人がいったん治療費を立て替え、後から労働基準監督署へ払い戻しを求める必要はありません。

受付では最初に労災であることを伝える

受診する際は、受付の段階で「仕事中のケガです」または「通勤途中の事故です」と伝えることが重要です。

健康保険証やマイナ保険証を提示した後に労災であることが判明すると、医療機関側で会計や請求の修正が必要になり、手続きが複雑になることがあります。

会社から労災の書類をまだ受け取っていない場合でも、まずは労災事故であることを医療機関へ伝えてください。

書類が後日提出になる場合の取り扱いは医療機関によって異なり、いったん預かり金を求めるところもあれば、期限を決めて書類を待ってくれるところもあります。

指定医療機関での基本的な流れ

  • 受付で仕事中または通勤途中の負傷と伝える
  • 健康保険証やマイナ保険証を使用しない
  • 会社の証明を受けた労災様式を提出する
  • 医療機関が労災保険へ診療費を請求する

窓口負担が発生しなければ、支払いを証明する領収書も通常は発行されません。

そのため、 指定医療機関で正しく労災の手続きをした場合、費用請求のための領収書は原則として不要です。

書類が間に合わない場合は領収書を保管する

ただし、指定医療機関であっても、受診時点で労災の書類が提出されていない場合は、一時的に治療費の全額や預かり金を支払うことがあります。

この場合、後日書類を提出すれば医療機関の窓口で精算できる可能性があります。

実務上は、「指定医療機関だから領収書はいらないと思って捨ててしまった」という相談もあります。

しかし、一度でもお金を支払ったのであれば、精算が完了するまでは領収書や預かり証を保管してください。

領収書に「労災書類提出後に返金」などの記載がある場合は、その内容も確認しておきましょう。

また、同じ病院に継続して通院していても、薬を受け取った薬局が労災保険指定薬局ではない場合など、病院と薬局で手続きが分かれることがあります。

病院で窓口負担がなかったからといって、すべての費用について領収書が不要とは限りません。

受診先が労災保険指定医療機関か分からない場合は、医療機関へ直接確認するか、都道府県労働局の指定医療機関名簿を確認してください。

救急受診では選ぶ余裕がないこともあるため、非指定医療機関を受診したこと自体を心配する必要はありません。

非指定医療機関では10割負担

非指定医療機関では10割負担

労災保険指定医療機関ではない病院や診療所でも、労災の治療を受けることはできます。

労災だから指定医療機関以外では診察を受けられない、ということではありません。

ただし、非指定医療機関では、医療機関が労災保険へ直接治療費を請求する療養の給付を利用できません。

そのため、原則として労働者本人が治療費をいったん全額支払い、後日、労災保険へ療養の費用を請求する流れになります。

健康保険の3割ではなく原則10割を支払う

業務上または通勤による傷病には、原則として健康保険を使用できません。

そのため、非指定医療機関の窓口では、健康保険を使ったときの3割負担ではなく、 医療費の10割分を立て替える ことになります。

たとえば、健康保険を使った場合の総医療費が3万円であれば、通常の窓口負担は9,000円ですが、労災として非指定医療機関を受診した場合は、原則として3万円をいったん支払います。

検査や手術を伴うと立替額が大きくなることもあるため、支払いが難しい場合は、受診先や労働基準監督署へ早めに相談することが重要です。

なお、医療機関によっては独自の判断で一時的な預かり金として処理し、労災の手続き完了後に精算してくれる場合もあります。

ただし、すべての非指定医療機関が対応するわけではありません。

領収書は支払いを証明する重要書類

立て替えた治療費は、所轄の労働基準監督署へ療養の費用を請求し、労災として支給が認められれば払い戻されます。

このとき、領収書は、あなたが医療機関へ実際に費用を支払ったことを示す重要な証拠になります。

医療機関の窓口では、領収書の宛名が本人名義になっているか、支払日、医療機関名、金額が記載されているかを確認してください。

家族が代わりに支払った場合でも、治療を受けた本人が分かるようにしてもらうと、後の確認がスムーズです。

領収書だけでは請求が完了しません。

業務災害では様式第7号、通勤災害では様式第16号の5を使用し、医療機関による証明なども受ける必要があります。

領収書を労働基準監督署へ単独で提出しても、通常は療養の費用を請求できません。

病院以外の費用も個別に確認する

労災で費用請求の対象になり得るのは、病院や診療所の治療費だけではありません。

薬局で支払った調剤費、柔道整復師による施術費、医師の指示により作成した治療用装具の費用、一定の条件を満たす看護料や移送費なども対象になる可能性があります。

ただし、支払った費用であれば何でも労災保険から支給されるわけではありません。

たとえば通院のためにタクシーを利用しても、公共交通機関を利用できない医学的な事情や緊急性がなければ、移送費として認められないことがあります。

病院、薬局、柔道整復師では使用する請求書の種類が異なるため、領収書を一つにまとめて提出すればよいとは限りません。

受診先ごとに領収書と明細書を分け、どの費用について何の様式を使うのかを確認してください。

非指定医療機関を受診した後に行うこと

  • 領収書と診療明細書を受け取る
  • 業務災害か通勤災害かを確認する
  • 受診先に合った請求様式を用意する
  • 会社と医療機関に必要な証明を依頼する
  • 所轄の労働基準監督署へ提出する

健康保険から労災へ切り替える

仕事中や通勤途中のケガであることを受付で伝えず、誤って健康保険証やマイナ保険証を使用してしまうことがあります。

突然の事故で気が動転していたり、会社から健康保険を使うよう言われたりした場合に起こりやすく、実際によくある相談です。

業務上または通勤による傷病には、原則として健康保険ではなく労災保険を使用します。

健康保険を使って受診したからといって、その時点で労災申請ができなくなるわけではありませんが、健康保険から労災保険への切り替えが必要になります。

最初に医療機関で切り替え可能か確認する

まず、受診した医療機関へ連絡し、仕事中または通勤途中の事故だったことを伝えてください。

医療機関がまだ健康保険へ診療報酬を請求していない段階であれば、院内で健康保険の会計を取り消し、労災として処理し直してもらえる可能性があります。

この場合、すでに窓口で支払った3割分が返金され、代わりに労災の様式第5号や様式第16号の3を提出する流れになることがあります。

医療機関によって締切や精算方法が異なるため、誤使用に気付いた時点で早めに連絡することが大切です。

院内で切り替えられない場合の流れ

医療機関がすでに健康保険へ請求済みで、院内での切り替えができない場合は、加入している協会けんぽ、健康保険組合、市区町村などの健康保険者へ、業務上または通勤による傷病に健康保険を使用したことを申し出ます。

一般的には、健康保険者から医療費の返還通知と納付書が届き、健康保険が負担した部分を返還します。

その後、病院の窓口で支払った自己負担分と、健康保険者へ返還した金額を合わせて、労災保険へ療養の費用を請求します。

  1. 医療機関へ労災事故であることを連絡する
  2. 加入している健康保険者へ誤使用を申し出る
  3. 健康保険者から返還通知と納付書を受け取る
  4. 健康保険が負担した医療費を返還する
  5. 返還金の領収書や診療報酬明細書を受け取る
  6. 労災保険へ療養の費用を請求する

たとえば総医療費が10万円で、窓口で3万円を支払っていた場合、健康保険者が負担した7万円をいったん返還することになります。

最終的には合計10万円を労災へ請求する形になりますが、一時的な負担が大きくなる点に注意が必要です。

健康保険者へ返還する前に労災保険へ請求できる取り扱いが案内される場合もあります。

全額返還が経済的に難しいときは、自分だけで判断せず、所轄の労働基準監督署と健康保険者の双方へ相談してください。

切り替え時に保管する書類

健康保険から労災へ切り替える場合は、病院の窓口で支払った一部負担金の領収書だけでなく、健康保険者へ返還した金額の領収書も必要になります。

健康保険者から診療報酬明細書や返還に関する通知書が交付された場合は、それらも一緒に保管してください。

書類 確認できる内容 注意点
医療機関の領収書 窓口で支払った自己負担額 紛失せず原本を保管する
健康保険者の返還通知 返還する金額と理由 納期限と振込先を確認する
返還金の領収書 健康保険負担分を返還した事実 労災請求に使用する
診療報酬明細書 診療内容と医療費の内訳 封印されている場合は開封しない

厚生労働省も、健康保険を使って受診した場合の切り替え方法として、業務災害では様式第7号、通勤災害では様式第16号の5を用いる手続きを案内しています。

詳しい取り扱いは、 厚生労働省「健康保険証を使って受診してしまいました。

どうしたらよいですか」をご確認ください。

なお、労災から健康保険へ変更する反対方向の手続きについては、 労災から健康保険への切り替え手続きと注意点 で詳しく解説しています。

領収書は原本提出が基本

領収書は原本提出が基本

療養の費用を請求するときは、一般的に 領収書の原本を添付する扱いが基本 です。

コピーだけでは、同じ領収書を使って複数回請求することが理論上可能になるため、支払いの事実を確実に確認する目的で原本が求められます。

ただし、すべての請求で全国一律に同じ添付方法になるとは限りません。

費用の種類や提出先の確認方法によって取り扱いが異なる場合があるため、原本を提出できない事情があるときは、提出前に所轄の労働基準監督署へ相談してください。

領収書に記載されている内容を確認する

領収書を受け取ったら、医療機関名、受診者名、支払日、金額が正しく記載されているか確認しましょう。

宛名が空欄であったり、家族の氏名になっていたりすると、誰の治療費なのか追加確認を求められる可能性があります。

また、領収書に「一式」としか記載されていない場合は、診療明細書も一緒に保管してください。

領収書は支払いの事実を証明する書類ですが、どのような診療や投薬に対する費用なのかまでは十分に分からないことがあります。

レシート形式の領収書でも、必要事項が確認できれば資料として扱われる可能性があります。

ただし、感熱紙の領収書は時間の経過により印字が薄くなることがあるため、受け取った時点でコピーや画像を残しておくと安心です。

領収書と診療明細書は役割が異なる

領収書と診療明細書は似ているように見えますが、証明する内容が異なります。

領収書は「いくら支払ったか」を示す書類であり、診療明細書は「どのような治療を受けたか」を示す書類です。

診療明細書だけでは、実際に医療費を支払った事実まで証明できないため、領収書の代わりにならない場合があります。

逆に、領収書だけでは診療内容を詳しく確認できず、追加資料を求められることもあります。

書類 主な役割 保管のポイント
領収書 医療費を支払った事実の証明 原本を提出するまで厳重に保管
診療明細書 診療や投薬の具体的な内容の確認 領収書と一緒に保管
健康保険者の返還領収書 健康保険負担分を返還した証明 切り替え請求で必要になる場合がある
支払証明書 領収書を再発行できない場合の補足資料 利用可能か労働基準監督署へ確認
クレジットカード明細 決済日と支払先の補足確認 単独では代替資料にならない場合がある

領収書を他の手続きでも使いたい場合

確定申告や民間保険の請求など、別の手続きでも領収書を使用したいことがあります。

しかし、労災保険へ原本を提出すると、原則として手元には戻らないことがあります。

そのため、提出前にコピーを取り、必要に応じて提出先へ原本返却の可否や原本証明の方法を確認してください。

コピーを取っておけば、後日、支給された金額と領収書の金額を照合するときにも役立ちます。

コピーを保存しているからといって、原本を紛失しても必ず請求できるわけではありません。

コピーはあくまで控えです。

原本がない場合は、支払証明書や領収書紛失届など、別の対応が必要になる可能性があります。

必要書類は事案や提出先の確認方法によって変わることがあります。

特に高額な治療費、装具費、移送費などを請求する場合は、支払う前または提出前に労働基準監督署へ必要資料を確認すると確実です。

コピーを手元に残すべき理由

労災の請求では領収書の原本を提出することが多く、提出後に原本が返却されない場合があります。

そのため、 提出前に領収書、診療明細書、請求書の一式をコピーまたは画像で保存しておく ことをおすすめします。

コピーは正式な添付書類の代わりというより、あなた自身が手続きの内容を確認するための控えです。

労働基準監督署や医療機関から問い合わせを受けた際、手元に何も残っていないと、受診日や支払額を一から調べ直さなければなりません。

問い合わせへの対応がしやすくなる

労災の請求後には、労働基準監督署から事故の状況、受診日、治療内容、支払額などについて確認の連絡が入ることがあります。

提出した書類のコピーがあれば、担当者と同じ書類を見ながら回答できます。

特に複数の医療機関へ通院している場合は、「どの病院の何月分を請求したのか」「薬局分は提出済みか」が分からなくなりがちです。

コピーと提出日をセットで記録しておけば、重複提出や請求漏れを防ぎやすくなります。

受診先ごとにファイルを分ける

実務では、一つの封筒にすべての領収書を入れるだけではなく、医療機関や費用の種類ごとに整理することをおすすめしています。

  • 病院ごとに領収書と診療明細書をまとめる
  • 薬局の領収書は処方元の病院と対応させる
  • 受診日順に並べる
  • 業務災害と通勤災害を分ける
  • 原本を提出した日を控える
  • 請求書一式のコピーを保管する
  • 労働基準監督署からの通知書も同じ場所に保管する

スマートフォンで撮影する場合は、領収書全体が一枚に収まり、医療機関名、日付、金額が読める状態で保存してください。

画像のファイル名を「2026年7月1日・〇〇病院・15,000円」のようにすると、後から探しやすくなります。

おすすめの保管単位

領収書、診療明細書、労災請求書のコピー、健康保険者からの通知、労働基準監督署からの通知を、一つの事故ごとにまとめて保管すると管理しやすくなります。

医療費控除との関係も確認しやすい

確定申告で医療費控除を検討するときも、領収書の控えが役立ちます。

ただし、労災保険から治療費の払い戻しを受けた場合、その給付によって補填された部分は、原則として医療費控除の対象額から差し引きます。

たとえば、非指定医療機関へ5万円を支払い、その全額が労災保険から支給された場合、実質的な自己負担はありません。

その5万円をそのまま医療費控除の対象に含めることはできません。

一方、労災から補填されない費用があり、それが税法上の医療費控除の対象となる場合は、その自己負担部分を計算に含められる可能性があります。

労災の支給決定通知と領収書の控えを一緒に保管しておけば、どの医療費が補填されたのかを確認できます。

医療費控除の申告では、通常、領収書そのものを確定申告書へ添付する必要はありませんが、税務署から提示を求められる場合に備えて一定期間保管する必要があります。

税務上の判断に迷う場合は、税務署や税理士へ確認してください。

領収書のコピーは、自分用の控えとして非常に有用ですが、労災請求で原本の代わりに必ず受理されるという意味ではありません。

原本を紛失した場合は、コピーだけを提出して終わらせず、医療機関と労働基準監督署へ相談しましょう。

労災の領収書を使う請求手続き

治療費を立て替えた場合は、領収書を保管するだけでなく、所定の請求書を作成して労働基準監督署へ提出します。

業務災害と通勤災害では使用する様式が異なり、病院、薬局、柔道整復師など、費用を支払った相手によっても用紙が分かれます。

また、会社や医療機関の証明が必要になるため、本人だけですぐに完成できるとは限りません。

ここからは、業務災害と通勤災害で使用する様式、領収書を紛失した場合の対応、会社との関係で注意したいポイントを順番に確認します。

業務災害は様式7号で請求

仕事中の事故や業務が原因となった傷病について、非指定医療機関などで治療費を立て替えた場合は、 様式第7号の療養補償給付たる療養の費用請求書 を使用します。

たとえば、作業中に機械で手を負傷した場合、会社の倉庫で転倒した場合、業務上の負担によって傷病を発症した場合などが業務災害の対象になり得ます。

ただし、仕事中に起きた出来事であればすべて自動的に認定されるわけではなく、業務との関係が確認されます。

受診先に応じて様式を選ぶ

様式第7号には複数の種類があります。

病院や診療所で治療を受けた場合、薬局から薬剤の支給を受けた場合、柔道整復師による施術を受けた場合などで使用する用紙が異なります。

そのため、「病院で様式第7号を出したから、薬局分も同じ用紙に含まれている」とは限りません。

病院と薬局でそれぞれ費用を支払った場合は、各受診先に対応する請求書を用意する必要があります。

治療用装具、看護、移送などについても専用の記載方法や証明が必要になる可能性があります。

請求対象となるか不明な費用は、領収書だけを提出するのではなく、事前に労働基準監督署へ確認してください。

様式第7号を作成する際の主な確認事項

  • 負傷または発病した年月日
  • 災害が発生した時刻と場所
  • 災害が発生した具体的な状況
  • 事業場の名称と所在地
  • 労働保険番号
  • 労働者の職種と具体的な作業内容
  • 医療機関による診療内容と費用の証明
  • 治療費の領収書などの添付資料
  • 振込先となる本人名義の口座

災害発生状況は具体的に記載する

災害発生状況は、単に「仕事中に転倒した」「作業中に負傷した」と書くだけでは、事故の状況が十分に伝わりません。

いつ、どこで、誰の指示により、どのような作業をしていたのか、何が原因で、身体のどの部分を負傷したのかを具体的に記載します。

たとえば、「倉庫内で商品を棚へ格納するため脚立を使用していたところ、脚立の脚が滑り、約1メートルの高さから床へ転落して右手首を負傷した」というように、第三者が読んでも状況を想像できる内容が望ましいです。

職種欄についても、単に「会社員」ではなく、「建設現場で型枠の組立作業に従事」「飲食店の厨房で調理作業に従事」など、具体的な仕事内容を記載すると、事故との関係が伝わりやすくなります。

会社が証明しない場合も相談できる

事業主証明欄は、通常、会社に記入を依頼します。

しかし、会社が「労災ではない」と判断したり、事故の発生自体を認めなかったりして、証明を拒むことがあります。

この場合でも、会社の証明がないことだけを理由に、労働者が労災請求を一切できなくなるわけではありません。

会社の証明を得られない理由を説明し、証明欄が空欄のままでも提出できるか、労働基準監督署へ相談してください。

労災保険の支給・不支給を最終的に判断するのは会社ではなく、所轄の労働基準監督署長です。

会社が労災と認めたから必ず支給されるわけでもなく、会社が認めないから必ず不支給になるわけでもありません。

会社と事故状況について認識が異なる場合は、目撃者、作業日報、勤怠記録、事故直後の写真、会社への報告メール、医療機関へ説明した受傷原因などを整理しておきましょう。

後から説明が変わると、事実関係の確認に時間がかかることがあります。

提出先と請求時効を確認する

様式第7号は、原則として事業場を管轄する労働基準監督署へ提出します。

本人が居住する地域を管轄する労働基準監督署とは異なる場合があるため、提出先を確認してください。

療養の費用を請求する権利は、原則として費用を支出した日の翌日から2年で時効となります。

複数回通院した場合は、支払日ごとに時効が進行する点に注意が必要です。

様式や記載例は、 厚生労働省「主要様式ダウンロードコーナー(労災保険給付関係)」 で確認できます。

制度改正や様式変更の可能性もあるため、提出時点の最新版を使用しましょう。

通勤災害は様式16号の5

通勤災害は様式16号の5

合理的な経路や方法による通勤中の事故について、治療費を立て替えた場合は、 様式第16号の5 を使用して療養の費用を請求します。

通勤災害とは、単に道路上で発生した事故という意味ではありません。

住居と就業場所との間の移動、複数の就業場所間の移動など、労災保険法上の通勤に該当する移動中の災害であることが必要です。

通常の通勤経路と事故場所を整理する

通勤災害の請求では、住居と勤務先の住所、通常利用している経路や交通手段、事故が発生した場所、出発時刻、勤務開始または終了時刻などを確認されます。

電車やバスを利用している場合は、利用路線や乗降駅を整理します。

自動車や自転車の場合は、普段通っている道路と事故地点が分かる地図を用意すると説明しやすくなります。

通常の経路と異なる道を通っていたからといって、直ちに通勤災害ではなくなるとは限りません。

道路工事、渋滞回避、保育園への送迎など、経路が異なった理由も含めて判断されます。

逸脱や中断がある場合

通勤途中で買い物、飲食、私的な用事などのために合理的な通勤経路を外れたり、移動を中断したりすると、その間と、その後の移動が通勤として扱われないことがあります。

ただし、日用品の購入、病院への立ち寄り、家族の介護など、日常生活上必要な一定の行為については、行為を終えて合理的な経路へ戻った後、再び通勤として扱われる可能性があります。

通勤災害に該当するかどうかは、事故が起きた場所だけでは判断できません。

自宅を出た時刻、勤務開始時刻、通常の通勤経路、立ち寄った目的、立ち寄った時間、事故までの移動状況を時系列で整理してください。

たとえば、帰宅途中に長時間飲酒し、その後に事故に遭った場合と、帰宅途中に短時間スーパーへ寄って日用品を購入し、通常経路へ戻った後に事故に遭った場合では、評価が異なる可能性があります。

交通事故では第三者行為の書類も必要になる

自動車、自転車、歩行者などの交通事故で相手方がいる場合は、第三者行為災害として追加の手続きが必要になることがあります。

労災保険と自賠責保険、相手方の任意保険から、同じ治療費を二重に受け取ることはできません。

そのため、どの保険を先に使用するのか、相手方の保険会社からどこまで支払われているのかを整理する必要があります。

交通事故証明書、事故発生届、第三者行為災害届、念書、示談書などの提出を求められることがあります。

相手方と示談を成立させると、示談内容によっては労災保険からの給付に影響する可能性があるため、治療中に安易な示談をしないことも重要です。

相手方の保険会社が病院へ直接治療費を支払っている場合は、あなた自身がその費用を立て替えていないため、同じ治療費について領収書を添付して労災へ請求することはできません。

誰が、どの費用を、いくら支払ったのかを整理しましょう。

病院と薬局の領収書を分けて保管する

通勤災害の場合も、病院代の領収書だけでなく、薬局の領収書、健康保険者へ返還した金額の領収書、治療用装具や移送費の領収書などを分けて保管してください。

病院では様式第16号の5を提出したものの、薬局分の請求を忘れていたというケースもあります。

処方箋を受け取った日と薬局の領収日を対応させて保管すると、請求漏れを防ぎやすくなります。

また、通勤災害では一部負担金として原則200円が徴収される仕組みがありますが、徴収方法は給付からの控除などによって処理されます。

窓口で健康保険の自己負担分を支払うという意味ではありません。

領収書を紛失した場合の対応

労災の請求前に領収書を紛失しても、それだけで直ちに療養の費用を請求できなくなるとは限りません。

しかし、領収書は実際に費用を支払ったことを示す重要書類であるため、何もせずに請求書だけを提出するのではなく、段階を踏んで対応する必要があります。

最初に医療機関へ再発行を依頼する

まずは、受診した病院、診療所、薬局、柔道整復師などへ連絡し、領収書を再発行できるか確認してください。

医療機関には会計記録が残っているため、受診日、氏名、診療科などを伝えれば、支払いを確認してもらえる可能性があります。

ただし、領収書の再発行は法律上必ず対応してもらえるものではなく、二重使用を防ぐ目的から再発行しない方針の医療機関もあります。

この場合、「再発行」と記載した領収書や、領収証明書、支払証明書などの別書類を発行してもらえることがあります。

再発行や支払証明書の発行に手数料がかかる場合もあります。

手数料の金額と受け取りまでの日数を確認したうえで依頼してください。

医療機関へ伝える情報

  • 受診者の氏名と生年月日
  • 受診した日またはおおよその期間
  • 受診した診療科
  • 支払ったおおよその金額
  • 支払方法
  • 労災保険の請求に使用する目的

領収書のコピーがある場合

原本を紛失していても、コピーやスマートフォンで撮影した画像が残っている場合は、それを保管してください。

コピーには、医療機関名、受診者名、支払日、金額などが記載されているため、支払いを確認する補足資料になります。

ただし、コピーがあるから原本と同じように扱われるとは限りません。

コピーだけで受理できるか、支払証明書や紛失届を追加する必要があるかは、労働基準監督署の確認によります。

医療機関へ支払証明書を依頼する際も、領収書のコピーがあれば受診日や金額を特定しやすくなります。

カード明細や振込記録は補足資料

クレジットカード、デビットカード、電子マネー、銀行振込で支払った場合は、利用明細や振込記録も保管してください。

支払先、支払日、金額が確認できれば、支払いの事実を裏付ける資料になり得ます。

ただし、カード明細には「〇〇病院」と金額が表示されていても、誰のどの治療費なのかまでは分かりません。

複数人分をまとめて支払っている場合や、診断書代など労災給付の対象外となる費用が含まれている場合もあります。

クレジットカードの利用明細、通帳の記録、家計簿などは、原則として補足資料です。

それだけで領収書の代わりとして必ず認められるわけではありません。

紛失に気付いたら早めに相談する

領収書を紛失したことに気付いたら、請求期限の直前まで放置しないでください。

時間が経過すると、医療機関側で過去の会計情報を調べるのに時間がかかることがあります。

また、複数の領収書を紛失した場合は、どの受診日の分が不足しているのかを整理する必要があります。

診察券、予約履歴、お薬手帳、医療機関から受け取った診療明細書などを確認し、受診日を一覧にしましょう。

領収書を紛失しても、支払いの事実を客観的に確認できれば、請求が認められる可能性はあります。

ただし、必要資料や確認方法は個別事情によって異なるため、医療機関と労働基準監督署の双方へ早めに相談してください。

療養費等領収書紛失届の提出

医療機関から領収書を再発行してもらえず、原本を提出できない場合は、所轄の労働基準監督署へ相談し、 療養費等領収書紛失届 を請求書に添付する方法があります。

これは、領収書を紛失した事情を申し出たうえで、労働基準監督署が支払いの事実を確認するための書類です。

領収書の代わりとなる金券のようなものではなく、紛失の事実と請求内容を申告するための資料と考えると分かりやすいでしょう。

紛失届に記載する主な内容

紛失届には、一般的に、請求人の氏名と住所、負傷年月日、受診した医療機関名、受診期間、領収書の金額、紛失した理由などを記載します。

紛失した理由は、「紛失した」とだけ書くのではなく、「自宅で保管していたが、引っ越しの際に誤って廃棄した」「提出用の書類を持ち運んでいる途中で紛失した」など、分かる範囲で具体的に記載します。

事実と異なる内容を記載してはいけません。

紛失した状況が分からない場合は、推測で作るのではなく、「保管場所を確認したが発見できず、紛失時期は不明」と正直に記載しましょう。

代替資料をできる限りそろえる

療養費等領収書紛失届を提出する場合でも、支払いの事実を裏付ける資料があれば一緒に準備します。

  • 医療機関が発行した支払証明書
  • 領収書のコピーや撮影画像
  • 診療明細書
  • クレジットカードや電子マネーの利用明細
  • 銀行の振込記録
  • 医療機関からの請求書
  • 健康保険者から交付された返還通知書

これらの資料を提出すれば必ず支給されるわけではありませんが、医療機関、支払日、金額、診療内容を確認しやすくなります。

紛失届の様式や必要な添付資料は、労働局・労働基準監督署の運用によって異なる場合があります。

インターネット上で見つけた他県の様式をそのまま使用する前に、実際の提出先へ確認してください。

提出後に医療機関へ照会されることがある

紛失届を提出すると、労働基準監督署が医療機関へ受診状況や支払額を照会することがあります。

医療機関側の記録と請求内容が一致しているか確認したうえで、支給の可否が判断されます。

そのため、紛失届を出したからすぐに支給されるとは限りません。

通常の領収書を添付した請求より確認に時間がかかる可能性もあります。

医療機関が廃院している、診療記録の保存期間を過ぎている、支払者や支払額を確認できないといった場合は、事実確認が難しくなることがあります。

領収書の紛失に気付いたら、可能な限り早く手続きを始めてください。

支払証明書の手数料も確認する

医療機関によっては、支払証明書や領収証明書の発行に手数料がかかります。

数百円で済む場合もあれば、証明する月数や件数に応じて費用が増える場合もあります。

この発行手数料が労災保険から当然に支給されるとは限りません。

証明書を依頼する際は、発行費用、受け取り方法、発行までの期間を確認しましょう。

領収書を紛失した場合の最も確実な進め方は、医療機関へ再発行または支払証明書を依頼し、その結果を踏まえて労働基準監督署へ相談することです。

先に紛失届だけを作るより、必要書類を具体的に案内してもらいやすくなります。

領収書だけ出してと言われた場合

領収書だけ出してと言われた場合

会社から、労災を使わず健康保険で受診し、領収書だけ会社へ提出するよう指示されることがあります。

会社が治療費を負担するつもりで、手続きを簡単に済ませようとしているケースもあり、必ずしも最初から労災を隠す意図があるとは限りません。

しかし、会社が窓口で支払った金額を精算するだけでは、健康保険の使用や法定報告の問題が解決しないことがあります。

あなたとしては、治療費を会社が払ってくれるかどうかだけでなく、事故全体が適切に処理されるかを確認する必要があります。

業務上のケガに健康保険は原則使えない

業務上または通勤による傷病には、原則として労災保険が適用されます。

会社が病院の窓口で支払った3割分を後から返したとしても、残りの7割分は健康保険者が負担したままです。

つまり、会社が領収書記載額だけを精算しても、健康保険を本来の対象外となる傷病に使用した状態は解消されません。

後日、健康保険者から医療費の返還を求められ、健康保険から労災へ切り替える手続きが必要になる可能性があります。

会社が全額を負担すると言っていても、健康保険の使用が適切になるわけではありません。

誰が治療費を負担するかという問題と、どの保険制度を使用するかという問題は分けて考える必要があります。

労災申請と死傷病報告は別の手続き

労働者が労災保険を請求する手続きと、会社が労働者死傷病報告を提出する手続きは別のものです。

一定の労働災害によって労働者が死亡または休業した場合、会社には労働者死傷病報告を労働基準監督署へ提出する義務があります。

労働者が「治療費は会社から受け取ったので労災申請をしない」と判断しても、会社の報告義務が当然になくなるわけではありません。

労働者死傷病報告を提出しなかったり、事故の発生場所や状況を偽って報告したりすると、いわゆる労災隠しとして問題になる可能性があります。

労働者死傷病報告を故意に提出しないことや、虚偽の内容を報告することは、いわゆる労災隠しに当たる可能性があります。

報告義務に違反した場合は、労働安全衛生法に基づき50万円以下の罰金の対象となることがあります。

会社へ確認したいポイント

会社から領収書だけ提出するよう言われたときは、すぐに対立的な態度を取るのではなく、どのような処理を予定しているのか具体的に確認しましょう。

  • 会社は事故を業務災害または通勤災害として扱う予定か
  • 健康保険を使用するよう案内した理由は何か
  • 労災保険の請求書を誰が準備するのか
  • 会社は労働者死傷病報告を提出する予定か
  • 病院へ労災の書類を提出する予定か
  • 会社が負担する費用の範囲はどこまでか
  • 休業が発生した場合の賃金や補償をどう扱うのか

「会社が治療費を払うから労災にはしない」という説明だけでは不十分です。

治療が長引いた場合、休業補償、障害が残った場合の給付、再発時の治療などに影響する可能性があります。

領収書を渡す前にコピーを残す

会社へ領収書の原本を提出するよう求められた場合は、何の手続きに使用するのか確認し、渡す前にコピーを残してください。

会社が労災の請求書と一緒に労働基準監督署へ提出するのであれば、通常の手続きの一環と考えられます。

一方、会社内で治療費を精算するだけで、労災手続きを行わないのであれば、その後の処理を改めて確認する必要があります。

領収書を会社へ渡すときの記録

  • 領収書のコピーまたは写真を残す
  • 渡した日を記録する
  • 受け取った担当者の氏名を控える
  • 何の手続きに使うのか確認する
  • 提出後の返却有無を確認する

会社が対応しない場合

会社が労災の書類作成を拒否する、健康保険を使用するよう強く求める、事故を報告しないよう指示するなど、対応に疑問がある場合は、事業場を管轄する労働基準監督署へ相談できます。

労災請求は、会社の許可を受けなければできない制度ではありません。

会社の証明を受けられない事情を説明し、本人から請求を進められる場合があります。

ただし、会社が証明しない事情や事故状況によって必要な対応は変わります。

事故直後の写真、目撃者、会社へ報告したメール、勤怠記録、作業日報、医療機関のカルテに記載された受傷原因など、事実を確認できる資料を整理しておきましょう。

労災申請の主体や会社の証明については、 労災申請は誰がするのかを解説した記事 も参考になります。

労災の領収書は早めに準備する

労災の領収書が必要になるのは、主に非指定医療機関で治療費を立て替えた場合や、健康保険から労災保険へ切り替える場合です。

指定医療機関で窓口負担なく療養の給付を受けた場合は、費用請求のための領収書は原則として必要ありません。

ただし、指定医療機関であっても、労災の書類が間に合わず預かり金を支払った場合や、薬局など別の機関で費用を支払った場合は、精算が完了するまで領収書を保管する必要があります。

受診直後から書類を整理する

労災の手続きは、治療が落ち着いてからまとめて行おうとすると、受診日や支払額が分からなくなりやすいものです。

受診するたびに、領収書、診療明細書、処方箋の控えなどを一つのファイルへ入れるようにしましょう。

病院と薬局の領収書は対応する日付が分かるようにまとめ、交通費や装具費などを請求する可能性がある場合は、その費用も別に記録します。

会社へ書類を渡した場合は、渡した日と相手の氏名を記録し、原本を渡す前にコピーを取ってください。

会社が手続きを進めていると思っていたものの、実際には提出されていなかったという事態を防ぐためにも、提出状況を確認することが大切です。

最後に確認したいポイント

  • 指定医療機関か非指定医療機関かを確認する
  • 支払った領収書と診療明細書を保管する
  • 原本を提出する前にコピーを残す
  • 病院と薬局の請求を分けて確認する
  • 健康保険を使った場合は切り替えを申し出る
  • 紛失したら医療機関へ再発行を依頼する
  • 再発行できなければ労働基準監督署へ相談する
  • 会社から領収書だけ求められても処理内容を確認する

請求時効を過ぎないようにする

療養の費用を請求する権利には時効があり、原則として費用を支出した日の翌日から2年で時効となります。

治療がすべて終了してから2年ではなく、各費用を支払った日の翌日からそれぞれ時効が進む点に注意してください。

長期間通院している場合、古い領収書から順に時効を迎える可能性があります。

また、請求書には会社や医療機関の証明が必要になるため、手続きを始めた当日にすべてそろうとは限りません。

医療機関によっては証明に数週間かかることもあります。

期限が迫っている場合は、必要書類がすべてそろうまで待たず、労働基準監督署へ対応を相談してください。

領収書を持っているだけでは請求したことにはなりません。

時効を止めるために何が必要かは個別に確認し、期限が近いときは早めに労働基準監督署へ相談しましょう。

医療費控除では補填額を差し引く

労災で立て替えた医療費を確定申告の医療費控除に含める場合は、労災保険から補填された金額を差し引いて計算します。

たとえば、治療費として10万円を支払い、その後、労災保険から10万円が支給された場合、その治療費について実質的な自己負担はありません。

支給が確定申告後になる見込みの場合は、見込額を含めた計算が必要になることもあります。

一方、労災保険から支給された金額が対象となる医療費を上回っても、その超過分を無関係な別の医療費から差し引くものではありません。

税務上の取り扱いは個別事情によって変わるため、領収書の控えと労災保険の支給決定通知を一緒に保管してください。

医療費控除のために領収書の原本を手元に残したい場合でも、労災請求では原本提出を求められることがあります。

労災へ提出する前にコピーを取り、税務上必要な保管方法について税務署へ確認しましょう。

分からないまま放置しない

労災の領収書をめぐる手続きは、受診先が指定医療機関か、健康保険を使ったか、誰が治療費を支払ったか、業務災害か通勤災害かによって変わります。

書類の名称も似ているため、自分で調べるほど分からなくなることもあるかなと思います。

その場合は、領収書、診療明細書、会社から受け取った書類、健康保険者からの通知を手元にそろえ、労働基準監督署へ現在の状況を具体的に説明してください。

「労災かもしれないが会社に言っていない」「健康保険を使って数か月たっている」「領収書の一部だけ紛失した」といった場合でも、状況に応じた対応を検討できます。

何もせずに放置すると、健康保険者から返還を求められたり、労災の請求時効が進んだりする可能性があります。

労災の様式、提出書類、時効や医療費控除の取り扱いは、制度改正や個別事情によって異なる可能性があります。

正確な情報は公式サイトをご確認ください。

事故の経緯、受診方法、健康保険の使用状況、会社の対応などによって必要な手続きは変わります。

判断に迷う場合は所轄の労働基準監督署へ確認し、 最終的な判断は専門家にご相談ください。

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