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労災の診断書は必要?費用・様式・もらい方を実務で確認

こんにちは。

もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。

労災の申請で診断書が必要かどうかは、請求する給付の種類によって異なります。

療養給付や休業補償給付では別紙の診断書は原則として不要ですが、障害補償給付や傷病補償年金などでは診断書が必要になります。

仕事中や通勤中にケガをして会社へ報告したところ、診断書を提出するよう言われ、「労災の手続きにも必要なのだろうか」と迷うことがあります。

労災の手続き全体の流れは、労災の手続きの流れと必要書類をまとめた記事でまとめて整理しています。

ここで整理しておきたいのは、労災保険が求める診断書と、会社が勤怠管理や復職判断のために求める診断書は必ずしも同じものではないということです。

また、診断書の費用についても、労災保険から支給されるものと、本人または会社が負担することになるものがあります。

この記事では、労災の診断書が必要になる場面、診断書の費用や自己負担、もらい方、様式、後遺障害診断書を依頼するときの注意点まで、実務の流れに沿って整理します。

  • 労災で診断書が必要になる給付
  • 診断書の費用と自己負担の考え方
  • 診断書のもらい方と使用する様式
  • 後遺障害診断書を依頼するときの注意点

労災の診断書は必要?費用・もらい方・様式を社労士が解説

労災の診断書はいつ必要になる?

労災だからといって、すべての手続きで独立した診断書を提出するわけではありません。

まずは、治療、休業、長期療養、後遺障害、死亡といった状況ごとに、診断書がどのように使われるのかを整理しておきましょう。

主な給付 別紙の診断書 主な確認方法
療養(補償)等給付 原則不要 所定の請求書や医療機関の診療内容
休業(補償)等給付 原則不要 請求書内の診療担当者の証明
障害(補償)等給付 必要 障害の状態に関する診断書
傷病(補償)等年金 必要となる 傷病の状態等に関する届など
介護(補償)等給付 原則必要 介護の必要性を示す診断書など
遺族(補償)等給付 死亡の証明が必要 死亡診断書など

この区別を最初に理解しておくと、「労災だから、とりあえず診断書をもらわなければならない」と考えて余計な費用を負担することを避けやすくなります。

療養給付では診断書は原則不要

仕事中の事故や業務が原因となった病気について、労災指定医療機関で治療を受ける場合には、 原則として別紙の診断書を用意する必要はありません。

業務災害の場合は一般に様式第5号、通勤災害の場合は様式第16号の3を医療機関へ提出し、労災保険による療養の給付を受けます。

労災指定医療機関では、労働者本人が通常の健康保険診療のように窓口で自己負担分を支払い、後から診断書を付けて請求する仕組みではありません。

医療機関が診療内容をもとに労災保険へ費用を請求するため、治療を受けるためだけに独立した診断書を取得する必要は通常ありません。

労災の治療を受ける=診断書が必要 というわけではありません。

通常の労災指定医療機関での治療では、まず必要になるのは診断書ではなく、業務災害なら様式第5号、通勤災害なら様式第16号の3です。

一方、労災指定医療機関ではない病院で治療を受けた場合などは、いったん医療費を支払い、業務災害なら様式第7号、通勤災害なら様式第16号の5などによって療養の費用を請求する方法があります。

この場合も、通常は「診断書を付ければ治療費が戻ってくる」という単純な仕組みではなく、医療機関による所定欄の証明や領収書などを使って請求します。

実務では、医療機関の受付で「会社に診断書を出してください」と言われたことを、労災保険上の必須書類だと受け取っているケースがあります。

会社が事故状況や休業の必要性を確認するために診断書を求めているのであれば、それは労災保険の療養給付とは別の話です。

なお、はり・きゅうなど一部の施術については、医師が必要性を認めたことを示す診断書等が必要になる場合があります。

通常の病院での治療と同じ扱いになるとは限らないため、利用する施術によって必要書類を確認してください。

休業補償でも診断書は原則不要

休業補償でも診断書は原則不要

労災によるケガや病気の療養のため働くことができず、賃金を受けられない場合には、一定の要件を満たすと休業(補償)等給付の対象になります。

業務災害では様式第8号、通勤災害では様式第16号の6を使用します。

この休業補償の請求についても、 原則として別紙の診断書を毎回添付する必要はありません。

請求書そのものに診療担当者が証明する欄が設けられており、医師が傷病名、療養期間、療養のため労働できなかったと認められる期間などを記載します。

つまり、医師による医学的な証明は必要ですが、「病院で一般的な診断書を別に発行してもらい、それを添付する」という意味での診断書は通常必要ありません。

この違いは、実際の労災相談でもかなり混同されやすいところです。休業補償給付そのものの支給要件や金額は、 休業補償給付の支給要件と金額の考え方 で詳しく確認できます。

書類 業務災害 通勤災害 医師の関与
休業給付の請求書 様式第8号 様式第16号の6 診療担当者の証明欄へ記載
一般的な診断書 原則不要 原則不要 別途求められた場合は作成

休業補償の書類について詳しく確認したい場合は、 労災の8号様式の書き方と提出方法 でも実務の流れを整理しています。

なお、労災保険ではなく、会社の就業規則上「一定日数以上欠勤するときは診断書を提出する」と定められていることがあります。

この場合、労災保険上は診断書が不要でも、会社との労働契約上は診断書の提出を求められる可能性があります。

労災保険に診断書が必要か と、 会社へ診断書を提出する必要があるか は分けて考えてください。

会社から提出を求められた場合は、提出目的と就業規則上の根拠を確認しておくと整理しやすくなります。

障害補償給付では診断書が必要

労災によるケガや病気について治療を続けても一定の障害が残り、医学上これ以上大きな改善が見込めない状態になることがあります。

労災保険では、この状態を一般に「治ゆ」といい、実務では 症状固定 と呼ばれることが多くあります。

症状固定後に一定の障害が残っている場合には、障害(補償)等給付を請求できる可能性があります。

業務災害では様式第10号、通勤災害では様式第16号の7を使用し、 医師または歯科医師が作成した障害の状態に関する診断書を添付します。

ここでは、単に「腰が痛い」「手が動かしづらい」と記載してもらうだけではありません。

残った障害の内容によって、関節の可動域、筋力、神経学的所見、画像検査、聴力、視力など、障害の程度を客観的に確認するための情報が重要になります。

障害(補償)等給付では、診断書は単なる添付書類ではありません。

どのような障害が、どの程度残っているのかを医学的に確認する重要な資料 になります。

もっとも、医師が「○級の後遺障害です」と決定するわけではありません。

医師は医学的な状態を診断書へ記載し、その内容や検査資料などを踏まえて、最終的に労働基準監督署が障害等級を判断します。

そのため、患者側から医師へ特定の等級になるような記載を求めるのではなく、現在残っている症状や検査結果を正確に記録してもらうことが大切です。

また、2026年6月1日から、障害(補償)等給付に添付する診断書の様式が改訂されています。

現在請求する場合は古い様式をそのまま使用せず、最新様式を確認してください。

傷病年金や介護給付で必要な診断書

傷病年金や介護給付で必要な診断書

労災の診断書が必要になるのは、後遺障害の請求だけではありません。

長期間治療を続けても傷病が治っていない場合に関係してくる傷病(補償)等年金や、重い障害が残り現に介護を受けている場合の介護(補償)等給付でも、医師による診断書が重要になります。

傷病補償年金は本人が請求する給付ではない

傷病補償年金または傷病年金は、療養開始後1年6か月を経過しても傷病が治っておらず、その障害の程度が一定の傷病等級に該当する場合に支給されます。

特徴的なのは、通常の休業補償給付のように本人が年金の支給請求をして決定されるのではなく、 労働基準監督署長が職権で支給の可否を決定する ことです。

ただし、何もしなくてもよいわけではありません。

療養開始後1年6か月を経過しても治っていない場合には、原則としてその後1か月以内に様式第16号の2「傷病の状態等に関する届」を提出します。

傷病の状態を確認するため、所定の診断書など医学的資料の提出が必要になります。

介護給付でも医学的な確認が必要

障害(補償)等年金または傷病(補償)等年金を受給している方のうち、一定の障害があり、現に常時または随時介護を受けている場合には、介護(補償)等給付の対象となることがあります。

介護が本当に必要な状態なのかを確認する必要があるため、原則として診断書などの医学的資料が関係します。

ただし、すでに労災保険上の障害の状態が確認されているケースなどでは、請求時の取扱いが異なることがあります。

傷病年金や介護給付は、一般的なケガの労災手続きよりも必要書類が複雑になります。

長期療養となっている場合は、休業補償だけを繰り返し請求するのではなく、現在どの給付の段階にあるのかを確認しておくことが重要です。

遺族給付では死亡診断書が必要

労災事故や業務上の疾病などによって労働者が亡くなった場合には、一定の要件を満たす遺族が遺族(補償)等給付を受けられる可能性があります。

この場合には、死亡した事実や死亡年月日などを確認する必要があるため、 死亡診断書や死体検案書など、死亡を証明する資料 が必要になります。

業務上の死亡であれば遺族補償年金や遺族補償一時金、通勤災害であれば遺族年金や遺族一時金などが問題になります。

さらに、葬祭を行った方については、一定の要件を満たすと葬祭料または葬祭給付の対象になることがあります。

死亡事故の場合は、死亡診断書だけを用意すればすべての手続きが終わるわけではありません。

死亡した労働者と請求人との関係、配偶者や子など遺族の状況、生計維持関係など、給付ごとに確認される事項があります。

死亡事故では、労災保険給付の請求だけでなく、会社側の労働者死傷病報告、第三者が関係する事故であれば第三者行為災害の手続きなどが同時に発生することがあります。

必要書類を一つずつではなく、手続き全体で整理することが大切です。

また、労災保険給付の請求主体と会社の手続きは別です。

死亡事故を含め、労災保険は「会社が労災だと認めれば給付される」「会社が認めなければ申請できない」という制度ではありません。

最終的な労災認定は労働基準監督署が行います。

労災の診断書の費用と入手方法

診断書が必要だと分かったら、次に気になるのが「どこでもらうのか」「費用はいくらなのか」「どの様式を使えばよいのか」という点です。

特に注意したいのが、病院が任意に発行する一般的な診断書と、労災保険の給付請求に必要な所定の診断書を混同しないことです。

目的の違う診断書を先に取得すると、後から改めて労災用の診断書を作成してもらうことになり、時間も費用も余計にかかる可能性があります。

診断書の費用と自己負担の考え方

一般的な診断書の作成費用は全国一律ではありません。

健康保険の通常診療とは異なり、診断書などの文書料については医療機関ごとに料金が設定されていることが多く、数千円程度から、内容が複雑なものではそれ以上になることもあります。

診断書なら何でも労災保険が全額負担するわけではない ため、何のための診断書なのかを確認することが重要です。

診断書の目的 費用の考え方
労災保険給付で提出が求められる診断書 労災保険で文書料の支給対象となる場合がある
会社が欠勤確認のため独自に求める診断書 労災保険の文書料とは別に考える
本人が任意に取得する診断書 原則として本人負担となる可能性がある

特に障害(補償)等給付の請求用診断書については制度改正があり、 2026年6月1日以降、労災保険上の文書料は7,000円に改定されています。

それ以前の資料には4,000円と記載されているものがありますが、現在の障害(補償)等給付用診断書については取扱いが変更されています。

金額や対象となる診断書の範囲は今後変更される可能性があるため、実際に請求するときは最新情報を確認してください。

また、会社が労災保険の請求とは別に、「欠勤の確認のため」「復職可能か確認するため」といった目的で独自に診断書を求める場合があります。

会社提出用の診断書について、労災保険法上、一律に労働者が会社へ提出しなければならないと定められているわけではありません。

提出義務や費用負担については、就業規則の定め、診断書を求める目的、会社と労働者の取り決めなどを確認する必要があります。

会社から診断書を求められたときは、 「労災申請用ですか、それとも会社の勤怠・復職判断用ですか」 と確認すると整理しやすくなります。

様式7号で診断書料を請求する方法

様式7号で診断書料を請求する方法

労災保険の給付に必要な診断書について、対象となる診断書料を本人が医療機関へ支払った場合には、療養の費用として労災保険へ請求できることがあります。

業務災害では一般に 様式第7号(1) 、通勤災害では 様式第16号の5(1) を使用します。

医療機関へ診断書料を支払った場合は、領収書を必ず保管しておきましょう。

実務では、「診断書を書いてもらったから領収書は不要だと思って捨ててしまった」というケースがありますが、立替費用を請求するときの確認資料になります。

診断書料を立て替えたときの流れ

手順 対応
診断書を依頼 労災のどの給付に使用するか医師へ伝える
文書料を支払う 領収書を受け取り保管する
請求書を準備 業務災害は様式第7号、通勤災害は様式第16号の5などを確認する
労基署へ提出 領収書など必要書類を添えて請求する

ただし、すべての診断書代を様式第7号で自由に請求できるわけではありません。

労災保険上、文書料の支給対象とされている診断書であることが前提です。

例えば、本人が安心のために任意で取得した診断書や、会社だけに提出するために取得した診断書まで当然に労災保険で支給されるわけではありません。

「労災のケガについて書かれた診断書」=「診断書料が労災から出る」ではありません。

診断書の目的と、労災保険給付上必要とされる文書かどうかを確認してください。

立替払いした費用や領収書の扱いについては、 労災の領収書と費用請求手続き でも詳しく整理しています。

なお、2026年6月1日以降の障害(補償)等給付用診断書については文書料が7,000円へ改定されているため、古い資料に記載された4,000円だけを前提に手続きを進めないよう注意してください。

労災の診断書はどこでもらう?

労災の診断書は、基本的に 実際にその傷病を診療している医師または歯科医師 へ作成を依頼します。

労働基準監督署で診断書を書いてもらうわけではありません。

まず、どの労災保険給付を請求するための診断書なのかを確認し、必要な様式を準備して主治医へ依頼します。

労災保険関係の主要な請求書は、労働基準監督署の窓口で入手できるほか、厚生労働省のウェブサイトからダウンロードできます。

厚生労働省の労災保険給付関係主要様式ダウンロード から最新様式を確認できます。

病院へ依頼するときに伝えたいこと

  • 労災事故による傷病であること
  • 業務災害か通勤災害か
  • 何の給付を請求するための診断書か
  • 労働基準監督署へ提出する書類であること
  • 所定様式がある場合はその用紙

例えば、「診断書をお願いします」とだけ伝えると、病院の一般的な診断書様式で作成される可能性があります。

しかし、障害(補償)等給付では、労災保険用の診断書に必要な項目を記載してもらう必要があります。

その結果、一般診断書を取得した後にもう一度労災用の診断書を依頼し、文書料も二重に発生することがあります。

病院では、最初に 「労災の障害補償給付を請求するための診断書です」 など、使用目的まで具体的に伝えましょう。

また、診断書を依頼する前に、労働基準監督署から指定された書式がないか確認しておく方法もあります。

特に障害の種類によって必要な検査や記載項目が異なるケースでは、先に様式を確認してから医師へ渡した方がスムーズです。

後遺障害診断書の様式と注意点

労災による治療を続けたものの障害が残り、症状固定となった場合には、障害(補償)等給付を検討します。

その際に使用するのが、障害の部位や状態を記載する労災保険用の診断書です。

業務災害の請求書は様式第10号、通勤災害では様式第16号の7を使用しますが、請求書とは別に、医師が作成する障害(補償)等給付請求用の診断書を添付します。

2026年6月1日から障害(補償)等給付に係る診断書様式が改訂されているため、現在請求する場合には新しい様式を使用することが重要です。

労働局の障害給付用診断書の様式改訂案内 でも、改訂内容と文書料の変更を確認できます。

自覚症状だけではなく客観的所見が重要

後遺障害の認定では、本人が感じている痛みやしびれなどの自覚症状も重要ですが、それだけで障害の程度を判断するわけではありません。

例えば関節の障害であれば可動域、神経障害であれば神経学的所見や画像所見など、傷病の内容に応じた客観的な資料が重要になります。

診断書に必要な情報が十分記載されていなければ、労働基準監督署から追加資料を求められたり、追加の医学的確認が行われたりする可能性があります。

症状固定の診察では、普段感じている症状を漠然と「まだ痛い」とだけ伝えるのではなく、 どの動作で、どこに、どの程度の症状が出るのか を具体的に医師へ伝えることが大切です。

ただし、患者本人が診断書の内容を指定したり、医学的根拠のない記載を求めたりするべきではありません。

診断書はあくまで医師が診察や検査結果をもとに医学的な判断として作成するものです。

そのうえで、診察時に伝え忘れた症状がないか、実際の状態と記載内容に明らかな食い違いがないかを確認することが大切です。

また、症状固定を早めれば早く障害給付を請求できるからといって、本人の都合だけで症状固定を急ぐのは適切ではありません。

治療による改善の可能性や症状の経過を踏まえ、症状固定の時期は医師が医学的に判断します。

診断書の作成期間と申請期限

診断書の作成期間と申請期限

診断書は、依頼したその日に必ず受け取れるわけではありません。

作成期間は医療機関によって異なり、一般的な診断書でも数日から数週間程度かかることがあります。

特に後遺障害診断書では、診察だけでなく、関節可動域の測定、画像検査、神経学的検査などが必要になることがあり、通常の診断書より時間がかかる可能性があります。

そのため、「請求期限の直前に診断書を依頼すればよい」と考えない方が安全です。

労災保険には時効がある

労災保険の給付には、それぞれ請求権の時効があります。

主な給付 時効の目安 起算点の考え方
療養の費用 2年 療養費を支払った日の翌日から
休業(補償)等給付 2年 賃金を受けない日ごとに翌日から
障害(補償)等給付 5年 傷病が治った日の翌日から
遺族(補償)等給付 5年 労働者が死亡した日の翌日から

例えば障害(補償)等給付では、治ゆ、つまり症状固定となった日の翌日から5年を経過すると、原則として請求権が時効により消滅します。

もっとも、「5年あるから急がなくてもよい」という意味ではありません。

時間が経過すると、医療記録の確認、症状固定時点の状態の再現、事故当時の資料収集などが難しくなる可能性があります。

後遺障害が残っている可能性がある場合は、症状固定後に長期間放置せず、診断書の依頼と請求準備を早めに進めることをおすすめします。

診断書の作成日数は病院によって大きく異なります。

「通常は何日で完成する」と一律に決められているわけではないため、依頼時に病院の文書受付で完成予定日を確認しておきましょう。

労災の診断書で迷ったときの確認点

労災の診断書について迷ったときは、最初に 「誰が、何のために診断書を求めているのか」 を確認してください。

労災保険の療養給付なのか、休業補償なのか、後遺障害の障害給付なのか、それとも会社独自の欠勤・復職管理なのかによって、必要な書類も費用の扱いも変わります。

労災の診断書で確認するポイント

  • 請求する労災保険給付は何か
  • 独立した診断書が本当に必要か
  • 業務災害か通勤災害か
  • 使用する様式は最新のものか
  • 診断書料が労災保険の対象になるか
  • 会社提出用と労災申請用を混同していないか
  • 請求権の時効が迫っていないか

また、医師から「まだ診断書は書けない」「後遺障害診断書は作成できない」と言われるケースもあります。

特に後遺障害診断書では、まだ治療による改善が見込まれており、医師が症状固定と判断していないため作成できないことがあります。

この場合、無理に症状固定としてもらうのではなく、なぜ現時点では作成できないのかを確認しましょう。

例えば、今後予定されている治療や検査があるのか、どの程度経過を見る予定なのか、症状固定を判断する目安は何かを聞いておくと状況を整理できます。

一方、すでに症状固定となっているにもかかわらず診断書の作成について話が進まない場合には、労災保険の給付請求に使用する診断書であることを改めて説明し、現在の医学的状態を記載してもらえるか相談します。

医師が診断書を書いてくれないケースについては、 労災の診断書を書いてくれない理由と対処法 でも詳しく解説しています。

重要なのは、「診断書を書いてもらうこと」自体を目的にしないことです。

労災保険では、治療中なのか、症状固定したのか、どのような障害が残ったのかによって次に検討する給付が変わります。

まず現在の状態を整理し、その給付に必要な書類を準備する。

この順番で考えると手続きが分かりやすくなります。

労災の診断書は、すべての申請で必要な書類ではありません。

療養給付と休業補償では別紙の診断書は原則不要で、障害給付、傷病年金、介護給付など医学的な状態を詳しく確認する給付では診断書が重要になります。

また、2026年6月1日から障害(補償)等給付用診断書の様式と文書料が変更されています。

古い資料だけで判断せず、正確な情報は公式サイトをご確認ください。

会社から診断書を求められている場合も、それが労災保険の請求書類なのか、会社独自の勤怠・復職管理のためなのかを確認してください。

個別の事故では、傷病の内容、療養期間、症状固定の時期、会社の就業規則、請求する給付によって必要な対応が異なります。

判断に迷う場合には労働基準監督署へ必要書類を確認し、個別事情を踏まえた最終的な判断は専門家にご相談ください。

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