社会保険・年金

健康保険の高齢受給者証は廃止済み|70歳の負担割合を整理

こんにちは。

もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。

健康保険の高齢受給者証とは、これまで主に70歳以上75歳未満の方について、医療機関の窓口で支払う自己負担割合を確認するために使われていた書類です。

健康保険について基本から確認したい場合は、健康保険の給付金一覧について整理した記事も参考にしてください。

ただし、ここが現在もっとも重要なポイントです。

高齢受給者証は令和8年7月31日をもって廃止され、令和8年8月1日以降は協会けんぽ、健康保険組合、国民健康保険を問わず、新たな高齢受給者証は発行されない仕組みに変わっています。

高齢受給者証という書類はなくなりましたが、70歳以上の方の医療費が一律の負担割合になったわけではありません。

2割または3割といった自己負担割合を判定する考え方は残っており、現在は資格確認書や資格情報のお知らせ、マイナ保険証を通じて確認する仕組みになっています。

この記事では、高齢受給者証とは何だったのか、いつ廃止されたのか、70歳からの医療費の負担割合はどう決まるのか、廃止後は何を確認すればよいのかまで、現在の制度を前提に整理していきます。

  • 高齢受給者証が廃止された時期と現在の取扱い
  • 70歳以上75歳未満の医療費の自己負担割合
  • 2割負担と3割負担を分ける所得基準
  • 資格確認書やマイナ保険証での確認方法

健康保険の高齢受給者証は廃止済み|70歳の負担割合を解説

健康保険の高齢受給者証は廃止済み

まず、高齢受給者証について現在検索するうえで最初に押さえておきたいのが、すでに制度上の取扱いが変わっているという点です。

以前の仕組みを説明しているWebページや申請書が残っていることもあるため、現在の制度と過去の制度を分けて理解する必要があります。

高齢受給者証とは何だったのか

高齢受給者証とは、正式には健康保険高齢受給者証と呼ばれ、主に 70歳以上75歳未満で健康保険に加入している方の医療費の自己負担割合を証明するための書類 として使われていました。

75歳になると原則として後期高齢者医療制度へ移行します。

そのため、高齢受給者証の対象となっていたのは、後期高齢者医療制度へ移行する前の70歳から74歳までの方が中心でした。

健康保険では、一般的な現役世代であれば医療機関の窓口負担は原則3割ですが、70歳以上75歳未満になると所得状況などによって負担割合が変わります。

そこで、医療機関側がその方の負担割合を確認するために利用していたのが高齢受給者証です。

高齢受給者証の役割

  • 70歳以上75歳未満の健康保険加入者を対象とする
  • 医療費の一部負担割合を確認する
  • 2割または3割などの負担割合が記載される
  • 医療機関の窓口で資格情報とあわせて使用する

以前は、医療機関を受診するときに健康保険証などと高齢受給者証をあわせて提示し、その高齢受給者証に記載された割合に基づいて窓口負担額を計算する仕組みでした。

たとえば、同じ70歳の方でも、所得状況によって2割負担となる方と3割負担となる方がいます。

そのため、年齢だけを見れば自己負担割合が決まるわけではありません。

社労士として実務で説明するときも、「70歳になると医療費が必ず2割になる」と理解されているケースがあります。

しかし実際には、所得や標準報酬月額などによって判定されるため、ここは分けて考える必要があります。

なお、過去には昭和19年4月1日以前に生まれた方について1割負担となる経過措置も設けられていました。

このため、古い資料では高齢受給者証について「1割・2割・3割」と説明されている場合があります。

現在は高齢受給者証そのものが廃止されていますが、 高齢者の医療費の負担割合を所得等によって判定する仕組みまで廃止されたわけではありません。

書類の名称と確認方法が変わった、と理解すると分かりやすいでしょう。

高齢受給者証はいつ廃止された?

高齢受給者証はいつ廃止された?

健康保険の高齢受給者証は、 令和8年7月31日をもって廃止 されました。

令和8年8月1日以降は、協会けんぽ、健康保険組合、国民健康保険のいずれについても、新たな高齢受給者証を発行する仕組みではありません。

令和8年8月20日現在、高齢受給者証について調べる場合は、この制度変更を前提として情報を確認する必要があります。

古いWebページには注意してください。

インターネット上には、高齢受給者証の再交付申請書や基準収入額適用申請書、高齢受給者証の交付時期などを説明した過去のページが残っている場合があります。

こうしたページが検索結果に表示されても、それだけを見て「現在も高齢受給者証が新規発行されている」と判断しないことが重要です。

今回の変更は、単に高齢受給者証という名称のカードをなくしただけではなく、健康保険証からマイナ保険証や資格確認書を中心とする資格確認方法へ移行してきた一連の制度変更とあわせて考えると理解しやすくなります。

現在は、マイナ保険証を利用できる医療機関ではオンライン資格確認によって加入資格や負担割合を確認できます。

また、マイナ保険証を利用しない方などについては、資格確認書によって必要な資格情報を確認する仕組みになっています。

つまり、 高齢受給者証がなくなったからといって、70歳以上の方が自分で3割全額を支払うようになったわけではありません。

医療費の自己負担割合を確認する手段が別の仕組みに移ったということです。

一方で、制度変更の直後は、本人だけでなく家族や企業の人事担当者も混乱しやすいところです。

特に70歳になる従業員がいる会社では、「これまで高齢受給者証が届いていたのに、今回は届かない」という問い合わせが発生する可能性があります。

会社側でも、令和8年8月以降については高齢受給者証が交付されることを前提に案内するのではなく、資格確認書や資格情報のお知らせ、マイナ保険証による確認方法を案内する必要があります。

高齢受給者証の有効期間と交付時期

高齢受給者証の有効期間や交付時期について検索している方も多いですが、ここで説明するのは 令和8年7月31日までの過去の運用 です。

現在、新しい高齢受給者証がこのスケジュールで交付されるわけではありません。

廃止前の仕組みでは、新たに70歳になる方について、原則として70歳の誕生月の翌月1日から高齢受給者としての取扱いが始まっていました。

ただし、誕生日が月の1日の方については、誕生月の当月1日から対象となる取扱いでした。

ケース 廃止前の取扱い
70歳の誕生日が2日以降 原則として誕生月の翌月1日から適用
70歳の誕生日が1日 誕生月の1日から適用
75歳になる場合 原則として75歳の誕生日前日まで

また、すでに対象となっている方については、毎年8月1日から翌年7月31日までを一つの期間として更新される運用が行われていました。

所得状況などによって自己負担割合が変わる可能性があるため、年度ごとに負担割合を確認する必要があったためです。

廃止前には、70歳になる方に対して誕生月の時期にあわせて高齢受給者証が送付されたり、既存の対象者について7月頃に更新後の高齢受給者証が送付されたりしていました。

しかし、 令和8年8月1日以降は、この高齢受給者証の新規交付・更新を待つ必要はありません。

負担割合は資格確認書などに表示され、マイナ保険証を利用する場合には医療機関側でオンライン資格確認を行う仕組みに移行しています。

手元に古い高齢受給者証が残っている場合でも、券面だけを見て現在も使用できると判断しないようにしてください。

制度変更後の書類の取扱いや有効性については、加入している協会けんぽ、健康保険組合、市区町村などの案内を確認するのが確実です。

特に会社員の方の場合、転職や扶養異動などで加入する健康保険そのものが変わっていることもあります。

「以前届いた書類があるから大丈夫」と判断するのではなく、現在加入している健康保険の資格情報を確認してください。

70歳からの医療費負担割合

70歳からの医療費負担割合

高齢受給者証が廃止された後も、70歳以上75歳未満の方については、所得状況などに応じて医療機関の窓口で支払う自己負担割合が決まります。

一般的には、70歳以上75歳未満の方は 2割負担 となりますが、一定以上の所得がある現役並み所得者については 3割負担 となります。

区分 一般的な窓口負担
一般の70歳以上75歳未満 2割
現役並み所得者 3割

ここで重要なのは、70歳になったという年齢だけで負担割合が確定するわけではないことです。

会社員など健康保険の被保険者の場合には、標準報酬月額などを基準として現役並み所得者に該当するかどうかを確認します。

また、標準報酬月額だけを見ると3割負担の対象となる場合でも、年間収入が一定額に満たない場合には2割負担となる仕組みがあります。

そのため、「70歳になったから2割」「年金生活だから2割」と単純に判断することはできません。

扶養に入っている家族についても同様です。

被扶養者本人に給与収入がほとんどないからといって、必ずその方だけ2割になるとは限りません。

被保険者本人の年齢や所得区分などとの関係で負担割合が判定されます。

70歳以降の医療費で確認したいポイント

  • 本人が70歳以上75歳未満か
  • 標準報酬月額はいくらか
  • 現役並み所得者に該当するか
  • 年間収入による判定の対象になるか
  • 現在の資格情報に何割と表示されているか

なお、ここで説明しているのは健康保険が適用される医療費の窓口負担割合です。

高額療養費制度の自己負担限度額や入院時の食事代などは別のルールで計算されます。

医療費が高額になる場合には、「何割負担か」だけでなく、高額療養費制度や限度額適用の仕組みまで確認することが大切です。

負担割合や所得区分は制度改正によって変更される可能性があります。

数値は一般的な基準として確認し、実際に受診する際の負担割合については現在の資格情報や加入している保険者の案内をご確認ください。

高齢受給者証の2割・3割の基準

健康保険に加入している70歳以上75歳未満の方について、2割負担になるか3割負担になるかを考える際、会社員の健康保険では 標準報酬月額28万円 が一つの重要な基準になります。

一般的には、70歳以上の被保険者本人の標準報酬月額が28万円未満であれば2割負担、28万円以上であれば現役並み所得者として原則3割負担と判定されます。

標準報酬月額 一般的な判定 窓口負担
28万円未満 一般 2割
28万円以上 原則として現役並み所得者 3割

標準報酬月額とは、毎月の給与そのものではなく、社会保険料を計算するために給与額を一定の等級に区分した金額です。

そのため、「今月の給与が28万円を超えたから来月から3割になる」という単純なものではありません。

資格取得時決定、定時決定、随時改定などによって決められた標準報酬月額をもとに判定されます。

ここは企業の給与担当者であれば比較的なじみのある数字ですが、本人から見ると少し分かりにくいところです。

給与明細に書かれた総支給額と標準報酬月額は必ずしも一致しません。

さらに重要なのが、 標準報酬月額が28万円以上であっても、必ず最終的に3割負担になるわけではない という点です。

一定の年間収入基準を下回る場合には、収入額による判定によって2割負担となる可能性があります。

28万円という金額だけを見て、自分は必ず3割負担だと判断しないでください。

標準報酬月額による判定の後に、年間収入額による判定が関係する場合があります。

また、被扶養者の負担割合は、その被扶養者本人の収入だけではなく、被保険者の所得区分などによって決まります。

実際の判定結果については、資格確認書に記載された負担割合やマイナ保険証によるオンライン資格確認の情報を見るのが確実です。

健康保険の高齢受給者証と現在の確認方法

ここからは、高齢受給者証が廃止された現在、2割・3割の負担割合をどのように確認するのかを整理します。

特に現役並み所得者の考え方、収入基準による判定、資格確認書、マイナ保険証の使い方を押さえておきましょう。

現役並み所得者は3割負担

70歳以上75歳未満であっても、一定以上の所得がある方は現役並み所得者として扱われ、医療機関での窓口負担は原則3割となります。

会社員など健康保険に加入している方の場合、まず基準となるのが被保険者本人の標準報酬月額です。

標準報酬月額が28万円以上の場合には、原則として現役並み所得者として3割負担の判定対象になります。

ここでよくある誤解が、「70歳を超えれば誰でも負担が軽くなる」というものです。

70歳になることで一般的な負担割合は2割になりますが、現役世代と同程度の所得がある方については、引き続き3割負担となる仕組みです。

現役並み所得者を考えるときの基本

年齢だけではなく、被保険者本人の標準報酬月額や世帯の収入状況などを確認して判定します。

また、高額療養費制度では、現役並み所得者の中でも所得水準に応じて現役並み所得者Ⅰ・Ⅱ・Ⅲなどの区分が設けられています。

この所得区分は、窓口で何割支払うかという一部負担割合だけでなく、高額な医療費が発生した場合の自己負担限度額にも関係します。

高齢受給者証が使われていた時代には、書類を見ることで一部負担割合を確認していましたが、現在は資格確認書などに負担割合が記載される仕組みに変わっています。

一方で、廃止後の書類には、従来のように現役並みⅠ・Ⅱ・Ⅲや一般といった所得区分そのものが記載されない場合があります。

そのため、資格確認書に3割と書かれているからといって、その書類だけから高額療養費における詳細な所得区分まで判断できるとは限りません。

高額な入院や治療が予定されている場合には、一部負担割合だけを見るのではなく、限度額適用の取扱いまで確認しておくことをおすすめします。

特に現役並み所得者Ⅰ・Ⅱなどに該当する場合には、限度額適用認定証等の取扱いが関係することがあります。

マイナ保険証の利用状況によって手続きが異なることもあるため、事前に保険者や医療機関へ確認すると安心です。

基準収入額による2割への変更

基準収入額による2割への変更

標準報酬月額が28万円以上の場合には原則3割負担となりますが、一定の収入基準を満たす場合には2割負担となる仕組みがあります。

これが、従来、高齢受給者基準収入額適用申請書と深く関係していた部分です。

一般的な基準として、70歳以上の被保険者について、年間収入が次の金額未満である場合には、一定の要件のもとで2割負担となる可能性があります。

世帯の状況 一般的な収入基準
70歳以上の被扶養者等がいない場合 年収383万円未満
70歳以上の被扶養者等がいる場合 合計年収520万円未満

たとえば、標準報酬月額が28万円以上であるため一度は3割負担の判定対象となっていても、実際の年間収入が基準額を下回っている場合には、最終的な負担割合が2割となるケースがあります。

ここでいう収入は、単純に給与の手取り額を合計する考え方ではありません。

給与収入、公的年金、その他の収入などを確認して判定するため、「自分の感覚では年収が少ないから2割になるはず」と自己判断しないことが大切です。

高齢受給者証が廃止されたことと、収入額によって負担割合を判定する考え方は別の話です。

書類の名称や確認方法は変わっても、負担割合を決めるための所得・収入の確認は引き続き重要です。

従来は、基準収入額による判定を受けるために健康保険高齢受給者基準収入額適用申請書を提出する場面がありました。

ただし、現在は高齢受給者証自体が廃止され、資格確認方法も変更されています。

過去の申請書ページが検索結果に表示される場合がありますが、現在の具体的な手続きについては加入している保険者の最新案内を確認してください。

特に制度変更直後は、Web上に旧制度の申請書や説明ページが残っていることがあります。

ページが存在するという理由だけで現在も同じ申請方法が必要だと判断するのは避けたほうがよいでしょう。

標準報酬月額28万円以上だから3割、とそこで判断を止めず、収入基準による判定まで確認することがポイントです。

収入額の計算対象や判定方法は個別事情によって異なる場合があります。

正確な情報は公式サイトをご確認ください。

資格確認書で負担割合を確認

高齢受給者証が廃止された現在、マイナ保険証を使用しない方などに交付される資格確認書では、70歳以上75歳未満の方について 医療費の負担割合を確認できるようになっています。

従来、高齢受給者証に記載されていた2割・3割といった情報が、資格確認書などの資格確認に使用する書類へ統合されたと考えると分かりやすいでしょう。

資格確認書は、マイナ保険証を利用できない方などが医療機関で健康保険の資格を確認してもらうために使用する書類です。

医療機関を受診するときは資格確認書を窓口に提示することで、健康保険の資格と負担割合を確認してもらいます。

高齢受給者証廃止後のイメージ

  • 高齢受給者証は新たに発行されない
  • 資格確認書に負担割合が表示される
  • 資格情報のお知らせでも資格情報を確認できる
  • マイナ保険証なら医療機関側でオンライン確認できる

資格確認書と資格情報のお知らせは名称が似ていますが、役割は同じではありません。

資格確認書は、マイナ保険証を利用できない場合などに、医療機関で保険診療を受けるための資格確認に使用できる書類です。

一方、資格情報のお知らせは、自分が加入している健康保険の記号・番号などの資格情報を確認するための書類として交付されます。

資格情報のお知らせだけで、資格確認書とまったく同じ方法で医療機関を受診できるとは限りません。

自分が持っている書類がどちらなのか分からない場合は、書類の名称を確認してください。

資格確認書や資格情報のお知らせに記載されている健康保険の名称の見方については、 健康保険証・資格確認書の保険者名称を確認する方法 でも詳しく解説しています。

会社の人事担当者としては、70歳以上の従業員から「高齢受給者証が届かない」と相談された場合に、従来の高齢受給者証の再交付を前提として案内しないことが重要です。

まず、マイナ保険証を利用しているのか、それとも資格確認書が交付されているのかを確認すると話が整理しやすくなります。

また、被扶養者に70歳以上75歳未満の家族がいる場合も同様です。

従業員本人だけを見るのではなく、対象となる被扶養者についても現在の資格確認方法を確認しておくとよいでしょう。

マイナ保険証なら提示は原則不要

マイナ保険証なら提示は原則不要

マイナ保険証を利用して医療機関を受診する場合には、オンライン資格確認によって医療機関側が健康保険の資格情報や負担割合を確認できます。

そのため、 従来の高齢受給者証のように、負担割合を証明するための別の書類を毎回あわせて提示する必要は原則ありません。

医療機関の受付に設置されているカードリーダーでマイナンバーカードを読み取り、本人確認を行うことで、現在加入している健康保険の資格情報が確認されます。

70歳以上75歳未満の方についても、その資格情報の中で医療機関側が適用される負担割合を確認する仕組みです。

受診方法 負担割合の確認
マイナ保険証 オンライン資格確認で医療機関側が確認
資格確認書 資格確認書に記載された情報で確認
旧高齢受給者証 令和8年7月31日で制度上の取扱い終了

この仕組みのメリットは、本人が高齢受給者証と健康保険証など複数の書類を持ち歩かなくてもよくなることです。

一方で、医療機関側の通信障害やカードリーダーの不具合などにより、オンライン資格確認ができない場面がまったくないわけではありません。

そのため、資格情報のお知らせなど、自分の加入資格を確認できる情報については保管しておくと安心です。

また、高額療養費制度についても、マイナ保険証によるオンライン資格確認を利用できる場合には、窓口で所得区分などを確認できるケースがあります。

ただし、現役並み所得者Ⅰ・Ⅱや低所得者Ⅰ・Ⅱなど、限度額適用認定証等が関係するケースでは、個別の状況によって確認や手続きが必要になることがあります。

高額な治療や入院が予定されている場合には、受診当日に判断するのではなく、事前に加入している健康保険へ確認することをおすすめします。

協会けんぽに加入している方は、 協会けんぽのマイナ保険証等での受診案内 で最新の利用方法を確認できます。

高額療養費や限度額適用の取扱いについては、 協会けんぽの限度額適用認定証の案内 も確認しておくとよいでしょう。

マイナ保険証を利用している場合でも、すべての医療機関・すべての状況で追加確認が一切不要になるとは限りません。

受診先のオンライン資格確認の対応状況などによって取扱いが異なる場合があります。

健康保険の高齢受給者証を総まとめ

健康保険の高齢受給者証について現在もっとも重要なのは、 令和8年7月31日をもって高齢受給者証そのものは廃止されている という点です。

これは国民健康保険だけの変更ではありません。

協会けんぽ、健康保険組合を含め、令和8年8月1日以降は高齢受給者証を新たに発行する仕組みではなくなっています。

一方で、高齢受給者証が廃止されたからといって、70歳以上75歳未満の方の医療費が一律になったわけではありません。

一般的には2割負担となりますが、一定以上の所得がある現役並み所得者については3割負担となります。

健康保険の被保険者本人については、標準報酬月額28万円が一つの基準となり、28万円以上であれば原則として現役並み所得者として3割負担の判定対象になります。

ただし、70歳以上の方の年間収入が一定額未満の場合には、収入基準による判定によって2割負担となる可能性があります。

確認項目 現在の考え方
高齢受給者証 令和8年7月31日で廃止
70歳以上75歳未満の一般的な負担 2割
現役並み所得者 原則3割
標準報酬月額の目安 28万円
70歳以上の対象者が1人の場合の収入基準 一般的に383万円未満
70歳以上の対象者が複数いる場合の収入基準 一般的に合計520万円未満
現在の負担割合確認 資格確認書やマイナ保険証等

マイナ保険証を利用できる場合には、医療機関側がオンライン資格確認によって負担割合を確認できます。

マイナ保険証を利用しない場合などには、資格確認書に記載された負担割合を確認することになります。

企業の人事・総務担当者としても、70歳以上の従業員や被扶養者について、「高齢受給者証が届くはず」と案内するのではなく、現在どの方法で資格確認を行っているのかを確認することが大切です。

特に制度変更直後は、古い申請書や以前の説明ページがインターネット上に残っていることがあります。

検索結果だけで判断せず、現在加入している保険者が案内している最新の情報を確認してください。

この記事の要点

  • 高齢受給者証は令和8年7月31日で廃止済み
  • 令和8年8月以降は新しい高齢受給者証は発行されない
  • 70歳以上75歳未満は一般的に2割、現役並み所得者は3割
  • 標準報酬月額28万円以上でも収入基準により2割となる場合がある
  • 現在は資格確認書やマイナ保険証などで負担割合を確認する

健康保険制度は、マイナ保険証への移行や資格確認書の導入などによって短期間に大きく変化しています。

特に高齢受給者証については、過去の制度説明と現在の制度が検索結果の中で混在しやすい状況です。

現在の負担割合を確認したい場合は、手元の古い高齢受給者証ではなく、現在の資格情報を基準に確認することが重要です。

この記事で示した金額や所得基準は、制度を理解するための一般的な目安です。

加入している健康保険、本人や家族の所得状況、制度改正などによって実際の取扱いが異なる場合があります。

正確な情報は公式サイトをご確認ください。

個別の収入状況や社会保険上の取扱いを踏まえて判断する必要がある場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。

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