こんにちは。
もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。
長時間労働者への医師による面接指導は、一定の長時間労働によって健康障害のリスクが高まった従業員について、医師が勤務状況や疲労の蓄積、心身の状態を確認する制度です。
特に実務で迷いやすいのが、「80時間を超えたら全員に面接が必要なのか」「100時間を超えれば本人の申出がなくても実施するのか」という点です。
一般の労働者と研究開発業務に従事する労働者、高度プロフェッショナル制度の対象者では、面接指導の要件が異なります。
この記事では、長時間労働者への医師による面接指導について、対象者の判断から本人への通知、医師への依頼、面接後の就業上の措置、50人未満の事業場での対応まで、会社側でそのまま運用を点検できるよう整理します。
- 月80時間・100時間と面接指導の対象基準
- 本人の申出が必要な場合と不要な場合
- 面接指導から医師の意見聴取までの実務手順
- 50人未満の会社を含む社内運用の整え方
労働時間面接指導の対象者と実施義務
まず確認したいのは、誰を医師による面接指導の対象として扱うのかという点です。
長時間労働者の面接指導では80時間と100時間という数字が出てくるため、この二つだけを覚えてしまうと判断を誤りやすくなります。
一般の労働者、研究開発業務に従事する労働者、高度プロフェッショナル制度の対象者では、基準となる時間や本人の申出の要否が異なります。
まず制度全体を切り分けて確認しましょう。
長時間労働者への面接指導とは
長時間労働者への医師による面接指導は、長時間にわたる労働によって疲労が蓄積し、脳・心臓疾患などの健康障害につながることを防ぐための制度です。
会社が単に「残業時間が多かった」と記録するだけではなく、一定の基準に該当した従業員について医師が勤務状況や疲労の蓄積、心身の状態を確認し、その結果を会社の就業上の配慮につなげることが目的です。
面接指導では、一般的に、現在の勤務状況、直近の労働時間、睡眠や休養の状況、疲労の程度、心身の自覚症状などが確認されます。
必要に応じて医師から本人への健康上の指導が行われ、さらに会社に対して就業上の措置について意見が示されます。
面接指導は、医師と従業員が面談して終わる制度ではありません。
会社側では、対象者の把握、必要な通知、面接指導の実施、医師からの意見聴取、必要な就業上の措置、記録の保存までを一連の流れとして管理する必要があります。
実際に中小企業の労務管理を確認すると、残業時間そのものは給与計算のために集計していても、健康管理の観点から「誰が面接指導の基準に近づいているか」までは確認していないことがあります。
給与計算上の残業管理と、安全衛生上の長時間労働者管理は関連していますが、目的は同じではありません。
勤怠データを健康管理にもつなげる仕組み を作っておくことが重要です。
月80時間超で対象になる条件
一般の労働者については、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた時間が1か月当たり80時間を超え、疲労の蓄積が認められる場合が面接指導の対象となります。
ただし、一般の労働者では、80時間を超えただけで自動的に法定の面接指導が実施されるわけではありません。
原則として、 80時間超、疲労の蓄積、本人からの申出 という要件を確認する必要があります。
| 確認項目 | 一般の労働者 |
|---|---|
| 労働時間 | 週40時間を超えた時間が月80時間超 |
| 健康状態 | 疲労の蓄積が認められる |
| 本人の申出 | 原則として必要 |
| 会社の対応 | 要件を満たして申出があれば医師による面接指導を実施 |
ここで注意したいのは、80時間という数字を「ここまでは健康上問題ない時間」と考えないことです。
80時間は制度上の重要な基準ですが、それより短い時間でも本人の健康状態や勤務状況によって配慮が必要になる場合があります。
たとえば、月45時間を超える時間外・休日労働が続いており、体調不良が見られる、睡眠不足が続いている、本人から健康上の相談が出ているといった場合には、80時間に達していないことだけを理由に対応を見送るのは適切ではありません。
また、時間外労働が80時間前後まで増えている場合、36協定の上限規制との関係も同時に確認した方がよいでしょう。
時間外労働の法的な上限については、 36協定の時間外労働の限度時間と特別条項の上限 で詳しく整理しています。
80時間は健康障害が発生するかどうかを分ける安全ラインではありません。
法定の面接指導の対象判定とは別に、本人の健康状態を見ながら早めに産業医等へ相談する運用も検討してください。
月100時間超で申出不要となる人
「残業が100時間を超えたら、本人の申出がなくても全員に面接指導をしなければならない」と理解されていることがありますが、これは正確ではありません。
一般の労働者については、100時間を超えたという理由だけで本人の申出要件がなくなるわけではありません。
一般の労働者と、研究開発業務に従事する労働者、高度プロフェッショナル制度の対象者を分けて考える必要があります。
研究開発業務に従事する労働者
新たな技術、商品、役務などの研究開発業務に従事する労働者については、一定の労働時間が1か月当たり100時間を超えた場合、本人からの申出がなくても医師による面接指導を実施する必要があります。
一般の労働者では本人の申出が重要な要件になりますが、研究開発業務の場合はこの点が大きく異なります。
そのため、「本人から何も言ってこなかったから対応しなかった」という運用では不十分です。
高度プロフェッショナル制度の対象者
高度プロフェッショナル制度の対象労働者についても、健康管理時間を基準として一定の時間を超えた場合には、本人の申出を待たずに面接指導を実施する仕組みになっています。
高度プロフェッショナル制度では通常の労働時間管理とは異なる考え方が使われるため、一般の労働者と同じ勤怠集計だけで管理しないことが重要です。
| 区分 | 主な時間基準 | 本人の申出 |
|---|---|---|
| 一般の労働者 | 週40時間を超えた時間が月80時間超 | 原則必要 |
| 研究開発業務従事者 | 一定の労働時間が月100時間超 | 不要 |
| 高度プロフェッショナル制度対象者 | 一定の健康管理時間が月100時間超 | 不要 |
実務では、まず「100時間を超えたか」だけを見るのではなく、 その従業員がどの制度上の区分に該当するのか を確認することが先です。
なお、研究開発業務や高度プロフェッショナル制度にはそれぞれ詳細な適用要件があります。
単に職種名に「研究」「開発」「専門職」と付いているだけで判断せず、実際の業務内容や制度の適用状況を確認してください。
面接指導で本人の申出が必要な場合
一般の労働者に対する長時間労働者の面接指導では、原則として本人からの申出が必要です。
そのため会社は、対象となる可能性がある従業員が実際に申出をできる仕組みを用意しておかなければなりません。
「本人が何も言わなかったから面接指導は必要ない」という結論だけを見ると簡単ですが、その前提として、会社が労働時間を適切に把握し、月80時間を超えた従業員に必要な情報を通知していることが重要です。
従業員自身が「自分は今月何時間の時間外・休日労働をしているのか」を知らなければ、そもそも面接指導を申し出る判断ができません。
実務では、時間数だけを通知するのではなく、面接指導の対象となる可能性があること、申出方法、申出先、面接指導の大まかな流れまで一緒に案内しておくと運用しやすくなります。
申出方法について法律上の手続きを複雑にし過ぎる必要はありません。
社内の申出書、電子申請フォーム、人事担当者へのメールなど、後から申出の事実と日付を確認できる方法を決めておくとよいでしょう。
また、従業員が「体調は大丈夫なので受けません」と言った場合でも、会社側がそれだけで健康上の問題がないと判断するのは避けた方がよいです。
特に、長時間労働が複数月にわたって続いている場合や、遅刻・欠勤の増加、仕事上のミス、極端な睡眠不足など健康状態を懸念する事情がある場合には、法定面接指導の対象となるかどうかだけではなく、産業医等への健康相談を含めた対応を検討します。
本人の申出がないことと、会社として何もしなくてよいことは同じではありません。
この切り分けは、実際の労務管理でも特に注意したいポイントです。
面接指導を怠った場合の罰則とリスク
長時間労働者への面接指導を実施しなかった場合のリスクは、対象となる労働者の区分によって異なります。
研究開発業務に従事する労働者や高度プロフェッショナル制度の対象者について、法律上義務づけられた面接指導を実施しなかった場合には、 50万円以下の罰金 の対象となることがあります。
一方、一般の労働者については、研究開発業務などと同じ形の直接的な罰則だけを見て判断するのではなく、会社の安全配慮の問題まで含めて考える必要があります。
たとえば、著しい長時間労働が続き、会社がその事実を把握していたにもかかわらず、本人への通知や健康状態の確認、医師への面接指導につなげる対応を行わず、その後に健康障害が発生した場合には、会社の対応が問題になる可能性があります。
「罰金があるかどうか」だけで対応の要否を判断しないことが重要です。
長時間労働を把握していた会社がどのような健康確保措置を講じたのかは、労災や民事上の安全配慮義務が問題となった場合にも重要な確認事項になります。
特に注意したいのは、会社が勤怠システムによって長時間労働を把握できる状態だったにもかかわらず、誰もデータを確認していなかったケースです。
システム上は90時間、100時間と表示されていても、人事担当者や管理職にアラートが届かず、本人への連絡も行われない状態では、長時間労働者管理として十分とはいえません。
社内運用では、「何時間を超えたら誰へ通知するか」「誰が本人へ連絡するか」「誰が面接指導の実施状況を確認するか」まで決めておく必要があります。
労働時間面接指導の流れと実務対応
ここからは、実際に長時間労働者が発生した場合に、会社がどのような順番で対応するのかを確認します。
面接指導の制度は対象者の判定だけでは完結しません。
勤怠の集計、本人への通知、医師への情報提供、面接後の意見聴取、就業上の措置、記録保存までを社内フローとしてつなげることが重要です。
労働時間を把握して本人へ通知する
面接指導の入口になるのが、従業員の労働時間の状況を正確に把握することです。
勤怠を把握できなければ、そもそも誰が80時間や100時間の基準に該当しているのか判断できません。
労働時間の把握では、タイムカード、ICカード、パソコンのログなど、客観的な記録を基礎とした管理が重要です。
自己申告の残業時間だけを集計している会社では、実際の始業・終業時刻と申告された時間が大きくずれていないかも確認する必要があります。
労働時間管理の基本については、 労働時間の適正な把握のためのガイドライン でも詳しく解説しています。
一般の労働者について、時間外・休日労働時間が1か月当たり80時間を超えた場合には、会社はその労働者に対して、超えた時間に関する情報を速やかに通知します。
実務上は、算定後おおむね2週間以内を目安として、書面やメールなど本人が確認できる方法で通知する運用を整えておくとよいでしょう。
通知には、少なくとも本人の時間外・休日労働時間を分かるようにします。
加えて、 面接指導を申し出られること、申出先、申出方法、実施時期 まで案内しておくと、その後の手続きがスムーズです。
たとえば毎月末締めの会社であれば、勤怠確定後に80時間超の従業員を自動抽出し、人事担当者へアラートを出す方法があります。
給与計算担当者だけが残業時間を確認して終わるのではなく、安全衛生を担当する人にも情報がつながる運用にしておくことがポイントです。
なお、出勤簿や勤怠記録そのものを整備したい場合は、 出勤簿テンプレートの作り方と記載事項 も確認してみてください。
産業医など医師へ面接指導を依頼する
対象者から申出があった場合、または研究開発業務など申出を待たずに面接指導を実施する必要がある場合には、医師へ面接指導を依頼します。
面接指導を担当する医師は、必ずしもその会社の産業医だけに限定されるわけではありません。
産業医を選任している事業場であれば産業医が対応するケースが一般的ですが、要件を満たす医師へ外部委託する方法もあります。
会社から医師へ依頼する際には、単に「面接をしてください」と伝えるのではなく、医師が勤務状況を把握できるよう必要な情報を整理して提供します。
医師へ準備したい情報
- 直近の時間外・休日労働時間
- 勤務日数や深夜勤務の状況
- 業務内容や役職
- 長時間労働が発生した背景
- 会社が把握している健康上の配慮事項
面接指導では、医師が勤務状況、疲労の蓄積、睡眠や生活状況、心身の状態などを確認します。
そのため会社側で勤務情報を適切に準備しておくことが、実効性のある面接につながります。
本人が医師に話した内容を、会社がすべて知る必要はありません。
会社が取得する健康情報は、就業上の措置を検討するために必要な範囲で適切に取り扱うことが重要です。
また、面接指導の日程を組む際には、対象となった従業員が業務多忙を理由に先延ばしし続けないように注意します。
長時間労働が原因で面接指導の対象になっているにもかかわらず、「仕事が忙しくて面接を受ける時間がない」という状態では制度の目的に反します。
勤務時間内に受けられるよう調整するなど、実際に利用できる環境を整えましょう。
面接後の就業措置と記録保存
長時間労働者への面接指導は、医師との面接が終了すれば会社の対応も終了するわけではありません。
ここからが会社側の重要な実務です。
事業者は面接指導の結果を踏まえて医師から意見を聴き、その意見を勘案して必要な就業上の措置を検討します。
医師の意見聴取は、面接指導後に遅滞なく行うことが重要です。
面接から長期間経過してしまうと、その間も同じ長時間労働が続き、健康上のリスクが高まる可能性があります。
検討される就業上の措置
- 時間外労働の削減
- 深夜業の回数の減少
- 業務量や担当業務の見直し
- 作業や配置の変更
- 休暇や休養機会の確保
どの措置が適切なのかは、本人の健康状態、医師の意見、担当している業務などによって異なります。
たとえば「残業を減らす必要がある」という医師の意見が出た場合、本人に「早く帰ってください」と伝えるだけでは十分ではありません。
担当業務の量、締切、会議、顧客対応、他の社員への分担などを見直し、実際に労働時間を減らせる状態を作る必要があります。
医師の意見書を受け取ってファイルに保存しただけでは、健康確保措置を実施したことにはなりません。
どの意見を踏まえ、会社として何を検討し、どのような措置を講じたのかを記録しておくことが重要です。
面接指導の結果については、必要事項を記録し、原則として5年間保存します。
実施年月日、対象者、面接指導を行った医師、疲労の蓄積や心身の状況、医師の意見などを確認できる状態にしておきます。
一方で、健康情報は通常の人事情報以上に慎重な管理が必要です。
閲覧できる担当者を必要最小限にし、一般の勤怠資料や評価資料と同じ共有フォルダへ無制限に保存するといった管理は避けた方がよいでしょう。
50人未満は地域産業保健センターを活用
常時使用する労働者が50人未満の事業場では、一般的に産業医の選任義務がありません。
そのため、「うちは産業医がいないので面接指導はできない」と考えてしまう会社があります。
しかし、 産業医の選任義務がないことと、長時間労働者への健康確保対応が不要であることは別の話です。
50人未満の小規模事業場でも、面接指導の対象者が発生する可能性があります。
社内に産業医がいない場合には、外部の医師へ依頼する方法のほか、地域産業保健センターの活用を検討できます。
地域産業保健センターでは、一定の要件を満たす50人未満の小規模事業場を対象として、長時間労働者への医師による面接指導などの産業保健サービスが提供されています。
小規模事業場では、長時間労働者が出てから医師を探し始めるのではなく、 対象者が出た場合にどこへ依頼するかを事前に決めておく ことをおすすめします。
実際によくあるのが、「80時間を超えた従業員が出たが、産業医がいないので誰に相談すればよいか分からない」というケースです。
その時点で医療機関を探し、制度を説明し、面接指導に対応できるか確認していると、実施まで時間がかかります。
地域産業保健センターを利用する場合にも、地域や利用条件、申込み方法などをあらかじめ確認しておく方がスムーズです。
なお、地域産業保健センターのサービス内容や利用条件は地域や時期によって確認が必要です。
利用を予定する場合は、管轄の地域産業保健センターなどの公式案内を確認してください。
高ストレス者の面接指導との違い
長時間労働者への医師による面接指導と混同されやすい制度が、ストレスチェックで高ストレスと判定された労働者に対する医師の面接指導です。
どちらも医師が面接を行うため似ていますが、制度の入口が異なります。
長時間労働者への面接指導は、長時間労働による健康障害を防ぐことが主な目的であり、労働時間の状況を基礎として対象者を把握します。
一方、高ストレス者への面接指導は、ストレスチェックの結果、高ストレス者として一定の要件に該当した労働者が申し出ることによって行われる制度です。
| 比較項目 | 長時間労働者 | 高ストレス者 |
|---|---|---|
| 主な入口 | 長時間労働 | ストレスチェック結果 |
| 主な目的 | 過重労働による健康障害の防止 | メンタルヘルス不調の未然防止 |
| 本人の申出 | 一般労働者は原則必要 | 原則必要 |
| 会社の管理 | 労働時間管理と連携 | ストレスチェック実施体制と連携 |
一人の従業員が、長時間労働者の面接指導と高ストレス者の面接指導の両方の対象になることもあります。
たとえば長時間労働が続き、同時にストレスチェックでも高ストレスと判定されるケースです。
この場合、「面接は一度やったから全部終わり」と単純に処理するのではなく、それぞれの制度上必要な手続きと記録を確認する必要があります。
両制度では扱う情報や手続きが異なるため、社内では長時間労働者の面接指導とストレスチェック関係の記録を区分して管理しておくと整理しやすくなります。
労働時間面接指導を社内運用に落とす
労働時間面接指導を確実に行うには、担当者が制度を知っているだけでは足りません。
毎月の勤怠処理の中に、対象者の抽出から面接後の措置までを組み込む必要があります。
私が実務で特に重要だと考えているのは、 80時間を超えた従業員を誰かが手作業で偶然見つける運用にしないこと です。
担当者が変わった、繁忙期で確認を忘れた、給与計算を外部へ委託していた、といった事情があっても止まらない仕組みにしておく必要があります。
毎月の基本フロー
- 勤怠を確定し時間外・休日労働時間を集計する
- 月80時間超など基準に該当する従業員を抽出する
- 本人へ労働時間と面接指導の案内を通知する
- 一般労働者は申出の有無を確認する
- 必要な場合は医師へ面接指導を依頼する
- 医師から就業上の意見を聴取する
- 必要な勤務軽減などを決定し実施する
- 面接指導結果と会社の対応を記録する
この流れに加えて、社内では通知書、面接指導申出書、医師への依頼書、医師の意見書、就業上の措置を決定する社内様式などを準備しておくと運用しやすくなります。
勤怠システムを利用している場合は、月45時間、80時間、100時間など複数の段階でアラートを設定しておく方法があります。
80時間を超えてから初めて気付くのではなく、 その前の段階で長時間労働を減らすこと が本来の目的です。
また、面接指導を受けた本人だけに残業削減を求めても、担当業務そのものが減らなければ改善できません。
上司や人事部門も含めて、業務量、人員配置、納期、会議、顧客対応など長時間労働が発生している原因を確認する必要があります。
長時間労働者への医師による面接指導では、「80時間を超えたらどうするか」という制度対応に目が向きがちですが、最も重要なのは80時間や100時間まで長時間労働を継続させない職場運営です。
この記事で示した80時間、100時間、保存期間などは、制度を理解するための基本的な基準です。
実際の適用については、従業員の業務内容、労働時間制度、研究開発業務や高度プロフェッショナル制度の該当状況などによって確認事項が異なります。
正確な情報は公式サイトをご確認ください。
法令改正や個別の事情によって判断が変わる場合があるため、 最終的な判断は専門家にご相談ください。
労働時間面接指導は、対象者を見つけて医師へつなぐだけの制度ではありません。
労働時間を把握し、本人へ必要な情報を伝え、医師の意見を会社の働かせ方に反映し、再び同じ長時間労働を発生させないところまでが実務上の対応です。
毎月の勤怠管理の中にこの流れを組み込んでおけば、対象者が発生したときにも慌てず対応できます。
まずは自社で「80時間を超えた従業員を誰が把握し、誰が本人へ通知するのか」が決まっているかから確認してみてください。
80時間と100時間の違いを冒頭で図解する