残業・労働時間

出勤簿テンプレートの作り方|記載事項と保存期間を実務で確認

こんにちは。

もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。

出勤簿テンプレートを探している場合、単に出勤・欠勤を記録できる表を用意するだけでは十分とはいえません。

始業・終業時刻や休憩、時間外労働など、給与計算や労働時間管理に必要な情報を確認できる形にしておくことが大切です。

実際に中小企業の労務管理を確認すると、タイムカードはあるものの残業時間を確認できない、本人が出勤日に印鑑を押しているだけ、勤務表と実際の労働時間が一致していない、といったケースがあります。

この記事では、出勤簿の基本的な位置づけから、テンプレートに入れておきたい項目、保存期間、タイムカードとの関係、手書き・電子化まで、実務でそのまま点検できるように整理します。

  • 出勤簿の役割と法定三帳簿との関係
  • 出勤簿に記録しておきたい具体的な項目
  • 保存期間とタイムカードとの関係
  • 手書き・Excel・勤怠システムの運用方法

出勤簿テンプレートの作り方|記載事項・保存期間を解説

出勤簿テンプレートの基本と記載事項

まず確認しておきたいのは、出勤簿は単なる出欠確認表ではないということです。

会社には従業員の労働時間を適正に把握し、賃金計算に反映するとともに、その記録を保存することが求められます。

そのため、出勤簿テンプレートを選ぶときも、見た目の使いやすさだけではなく、労働時間を後から確認できる内容になっているかという視点が重要です。

基本から順番に確認していきましょう。

出勤簿とは何か、法定三帳簿の基本

出勤簿とは、従業員がいつ出勤し、何時から何時まで働いたのかなど、勤務状況を記録するための帳簿です。

実務では、 労働者名簿・賃金台帳・出勤簿を合わせて法定三帳簿 と呼ぶことが一般的です。

従業員を雇い始めた会社では、就業規則や36協定とともに、この3つの帳簿が整っているかを確認することが重要になります。

法定三帳簿として整理される書類

  • 労働者名簿:従業員の氏名、住所、雇入年月日などを管理するもの
  • 賃金台帳:労働日数、労働時間数、賃金額などを記録するもの
  • 出勤簿:日々の出勤状況や始業・終業時刻などを確認するもの

ただし、法律上の根拠については少し整理が必要です。

労働基準法107条は労働者名簿、108条は賃金台帳について定めており、108条や労働基準法施行規則54条は厳密には 賃金台帳に記録する労働日数や労働時間数などを定めた規定 です。

一方、出勤簿やタイムカードなどの労働時間に関する記録は、労働基準法109条の「その他労働関係に関する重要な書類」として保存対象となります。

また、会社には始業・終業時刻を確認して記録し、それを賃金台帳や給与計算へ正しく反映することが求められます。

したがって、実務では 出勤簿だけを単独で考えるのではなく、勤怠記録から賃金台帳、給与計算までつながっているか を見ることが重要です。

たとえば出勤簿では8時間勤務になっているのに、実際のタイムカードには毎日30分程度の残業が記録されているのであれば、その差がなぜ生じているのか確認しなければなりません。

労働基準監督署の調査や未払い残業代をめぐるトラブルでは、会社が作成した集計表だけではなく、タイムカード、パソコンの利用記録、入退室記録などとの整合性が問題になることもあります。

出勤簿は「毎月作って保管しておけばよい書類」ではなく、 実際の労働時間を説明できる記録 として整備することが大切です。

出勤簿の対象となる労働者

出勤簿の対象となる労働者

出勤簿などによる勤怠管理は、正社員だけを対象にすればよいわけではありません。

パートやアルバイトなどについても、雇用して働いてもらっているのであれば、その勤務状況を適切に把握する必要があります。

特に小規模な会社では、「アルバイトは勤務した日に印鑑を押しているだけ」「パートは毎日同じ時間だから記録していない」といった運用が見られます。

しかし、毎日の契約上の勤務時間が同じであっても、実際に毎日その時間どおりに働いたとは限りません。

早出、残業、遅刻、早退、休憩時間の変更などがあれば、実労働時間も変わります。

雇用形態ではなく実際の勤務を基準に管理します。

正社員、契約社員、パート、アルバイトなど、名称だけで勤怠管理の要否を判断しないことが重要です。

また、管理監督者についても注意が必要です。

労働基準法上の管理監督者には、労働時間・休憩・休日に関する一部の規定が適用されません。

しかし、だからといって 勤務時間を一切把握しなくてよいわけではありません。

健康管理の観点からは、労働安全衛生法に基づき労働時間の状況を把握することが求められます。

また、深夜労働については管理監督者であっても割増賃金の問題が生じます。

実務では、「部長だから打刻不要」「管理職になった日から勤怠システムの対象外」としてしまう会社がありますが、役職名だけで管理監督者に該当するわけでもありません。

従業員の区分によって管理方法を変更するときは、労働基準法上どのような扱いになるのかまで確認しておくことをおすすめします。

出勤簿に必要な記載事項

出勤簿テンプレートを作るときは、少なくとも日々の勤務実態を確認し、賃金台帳や給与計算へ正しく反映できる情報を残せるようにします。

実務上は、次のような項目を用意しておくと管理しやすくなります。

項目 記録する内容 確認する目的
氏名 対象となる従業員の氏名 誰の勤務記録かを特定する
日付 勤務日ごとの年月日 日単位で勤務状況を確認する
勤務区分 出勤・休日・有休・欠勤など 労働日数や休暇を把握する
始業時刻 実際に仕事を開始した時刻 労働時間を算定する
終業時刻 実際に仕事を終了した時刻 労働時間を算定する
休憩時間 実際に労働から離れた休憩時間 実労働時間を算定する
実労働時間 実際に働いた時間数 給与計算の基礎にする
時間外労働 時間外労働となる時間数 割増賃金を計算する
休日労働 法定休日に働いた時間数 休日割増を計算する
深夜労働 原則22時から翌5時までの労働時間 深夜割増を計算する
備考 遅刻・早退・修正理由など 通常と異なる勤務を確認する

このような項目を設定しておけば、一般的なExcelの出勤簿テンプレートとしても利用しやすくなります。

重要なのは、 月間の総労働時間だけではなく、日ごとの勤務状況を確認できること です。

たとえば「4月の労働時間160時間」とだけ記録されていても、どの日に何時から何時まで勤務したのかは分かりません。

それでは時間外労働や深夜労働が正しく計算されているかを検証することができません。

また、労働基準法108条および労働基準法施行規則54条では、賃金台帳について労働日数、労働時間数、時間外・休日・深夜労働時間数などを記載することが求められています。

出勤簿などで把握した情報が、最終的に賃金台帳や給与計算の数字と一致する仕組みにしておくことが大切です。

Excelで作成する場合は、始業・終業時刻を入力すると実労働時間が自動計算される設計にすると便利です。

ただし、数式だけに頼らず、休憩時間や法定休日、変形労働時間制など自社のルールに合った計算になっているか確認しましょう。

始業・終業時刻と残業時間の記録

始業・終業時刻と残業時間の記録

出勤簿を作成するときに特に重要なのが、始業時刻と終業時刻です。

会社には、原則として労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、記録することが求められます。

単に「8時間勤務」と記録するだけではなく、何時に仕事を始め、何時に仕事を終えたのかを把握します。

労働時間の把握方法としては、使用者が自ら確認する方法のほか、タイムカード、ICカード、パソコンの利用時間などの 客観的な記録を基礎にする方法が原則 とされています。

詳しい考え方については、 労働時間の適正な把握のためのガイドライン でも整理しています。

出勤時刻と始業時刻は必ずしも同じではありません。

会社に到着した時刻やタイムカードを打刻した時刻が、そのまますべて労働時間になるとは限らないためです。

たとえば、始業時刻が9時の会社で従業員が8時40分に出社したとしても、自由に朝食を取ったり私用を済ませたりしているだけであれば、通常その時間が直ちに労働時間になるわけではありません。

一方で、8時40分から会社の指示で朝礼の準備、清掃、制服への着替えなどを行っている場合には、その時間が労働時間に該当する可能性があります。

終業時も同じです。

17時にタイムカード上の所定終業時刻を迎えたとしても、その後17時30分まで会社の指示で片付けや業務を行っているのであれば、実際の労働時間を確認する必要があります。

残業時間を管理するときは、「残業申請を出した時間」だけを機械的に記録するのも注意が必要です。

残業申請が17時から18時までだったとしても、実際には18時30分まで業務を行っていたのであれば、その30分をなかったことにはできません。

申請時間と客観的記録に大きな差がある場合には、その理由を確認する運用が必要です。

出勤簿、残業申請、タイムカード、給与計算の数字が一本につながっている状態 を目指すと、勤怠管理上のトラブルをかなり減らせます。

出勤簿の保存期間と起算日

出勤簿やタイムカードなどの労働時間に関する記録は、労働基準法109条の「その他労働関係に関する重要な書類」に該当し、保存が必要です。

現在の労働基準法では保存期間は 原則5年間 とされています。

ただし、経過措置によって 当分の間は3年間 とされています。

保存期間の考え方

  • 法律上の原則は5年間
  • 経過措置により当分の間は3年間
  • 実務上は可能であれば5年間保存しておくと管理しやすい

ここは古い解説記事などを見ると「出勤簿は3年間保存」とだけ書かれていることがあるため注意が必要です。

2020年4月施行の改正によって、労働基準法109条の保存期間そのものは5年間へ延長されています。

もっとも、現時点では経過措置がありますので、直ちにすべての会社について5年間保存しなければ違反になるという整理ではありません。

保存期間の起算日についても確認しておきましょう。

労働時間の記録については、基本的にはその書類の最後の記録がされた日が基準になります。

ただし、タイムカードなど賃金計算に関係する記録について、対応する賃金の支払期日が記録の完結日より後になる場合には、その賃金支払期日が起算日となる場合があります。

たとえば4月1日から4月30日までのタイムカードを4月30日に締め、その勤務に対する給与を5月15日に支給するケースでは、賃金計算に関係する記録について5月15日から保存期間を考える必要があります。

保存期限を従業員ごと、書類ごとに細かく管理すると複雑になります。

電子保存であれば保管コストも比較的小さいため、私は実務では保存できる体制がある会社には5年間を一つの管理基準として検討することをおすすめしています。

法改正や経過措置の取扱いは今後変更される可能性があります。

正確な情報は公式サイトをご確認ください。

出勤簿テンプレートの作成と運用方法

必要な項目と保存期間が分かったら、次は実際の運用です。

出勤簿は必ず特定の書式で作らなければならないものではありません。

紙、Excel、タイムカード、勤怠管理システムなど、自社に合った方法を選べます。

ただし、どの方法を選んでも、実際の勤務状況を正しく確認できることが前提です。

ここからは、会社で迷いやすい運用上のポイントを確認します。

タイムカードは出勤簿を兼ねられる

「タイムカードがある会社でも、別に出勤簿を作らなければならないのでしょうか」という質問は実務でもよくあります。

結論として、 必要な勤務状況を確認できるタイムカードや勤怠管理システムがあるのであれば、同じ情報を別の紙の出勤簿へ転記する必要はありません。

重要なのは書類の名称ではなく、必要な労働時間の記録が残っていることです。

厚生労働省の手続案内でも、確認書類として「出勤簿(タイムカード)」という形で扱われています。

そのため、タイムカードを適切に保存し、必要な集計ができるのであれば、それを勤怠記録として利用できます。

タイムカードと出勤簿を二重に作ることが目的ではありません。

客観的な打刻記録から実際の労働時間を確認し、残業時間等を集計して給与計算へ反映できる仕組みを作ることが重要です。

ただし、タイムカードが存在すれば何でもよいわけではありません。

たとえばタイムカードには出勤・退勤時刻しか記録されておらず、休憩時間や残業時間、休日労働、深夜労働を別途確認できない場合には、給与計算に必要な情報を別の方法で補う必要があります。

また、タイムカードの打刻時刻と実労働時間が異なる場合には、その差を確認する仕組みも必要です。

打刻のタイミングや打刻忘れ、代理打刻などの管理については、 タイムカードの打刻ルール もあわせて確認してみてください。

たとえば従業員が打刻を忘れた場合、管理者が何の記録も残さず時刻を修正してしまうと、後から「誰が、なぜ、この時刻に変更したのか」が分からなくなります。

修正申請、上司の承認、変更履歴などを残せる仕組みにすると、勤怠記録の信頼性を高められます。

手書きや押印で管理する際の注意点

手書きや押印で管理する際の注意点

出勤簿は、必ず勤怠管理システムで作らなければならないわけではありません。

少人数の会社であれば、紙の出勤簿やExcelを印刷した様式を使う方法もあります。

また、出勤簿に従業員本人の印鑑を押す形式もありますが、 出勤簿への押印自体が法律上必須というわけではありません。

ここで注意したいのが、「印鑑が押してあるから勤怠管理ができている」と考えてしまうことです。

出勤した日に印鑑を一つ押すだけでは、その日に何時から何時まで働いたのか、休憩を何時間取得したのか、残業をしたのかまでは分かりません。

たとえば次のような出勤簿です。

日付 出勤印
4月1日
4月2日
4月3日

これだけでは「勤務した」という事実はある程度確認できても、実際の労働時間は確認できません。

手書きで管理する場合でも、始業時刻、終業時刻、休憩時間、時間外労働などを書き込める様式にしておく必要があります。

さらに、本人が毎日自分で勤務時刻を書き込む方式は自己申告による管理となります。

自己申告制そのものが認められないわけではありませんが、会社側は正しい申告方法を説明し、申告された時間と入退室記録やパソコンの利用時間などに大きな乖離がないかを確認するなど、適正な運用を行う必要があります。

特に避けたいのは、「残業は月10時間までしか書かないでください」といった運用です。

実際には20時間働いているのに10時間しか記録させないのであれば、出勤簿を作成していても適正な勤怠管理とはいえません。

手書きかデジタルかではなく、実際の労働時間が正しく記録されているか を基準に考えましょう。

出勤簿を電子化するときの注意点

出勤簿はExcelや勤怠管理システムなどを使って電子的に管理することもできます。

従業員数が増えてくると、紙の出勤簿から毎月残業時間を計算し、さらに給与計算ソフトへ転記する方法はかなり手間がかかります。

入力ミスや集計ミスも起きやすいため、電子化には大きなメリットがあります。

一方で、電子化すれば自動的に適正な勤怠管理になるわけではありません。

電子化するときに確認したいポイント

  • 誰が入力・修正したか確認できるか
  • 過去のデータが簡単に上書きされないか
  • 必要な期間のデータを保存できるか
  • 必要なときに画面表示や出力ができるか
  • データのバックアップを取っているか
  • 退職者の勤怠データを削除してしまわないか

Excelで管理する場合には、特に変更履歴の管理が問題になりやすいところです。

共有フォルダにExcelファイルを置き、誰でも過去の勤務時間を書き換えられる状態では、後から記録の信頼性を説明しにくくなります。

少人数の会社でExcelを使うのであれば、入力担当者と確認担当者を決める、確定後のファイルを編集できない場所へ保存する、月ごとにPDF化して保存する、バックアップを取るなどの運用も考えられます。

勤怠管理システムの場合も同様です。

契約を終了した途端に過去データへアクセスできなくなるサービスもあるため、サービスを変更するときには保存義務が残っているデータを必ず移行・出力しておきましょう。

「クラウドに入っているから会社側では保存しなくてもよい」とは限りません。

契約終了後のデータ保持期間や出力方法まで確認しておくことが大切です。

また、勤怠システムと給与計算システムを連携させる場合には、連携前の勤怠データが正しいことが前提になります。

間違った労働時間を自動連携すれば、給与計算も自動的に間違います。

自動化するほど、最初の勤怠ルールとシステム設定を正しく設計することが重要になります。

勤務形態に合わせた様式の選び方

インターネットで無料の出勤簿テンプレートを見つけても、そのまま自社で使用できるとは限りません。

会社によって勤務形態が違うためです。

たとえば毎週月曜日から金曜日まで9時から18時という固定勤務であれば、一般的な出勤簿でも比較的管理しやすいでしょう。

一方、シフト勤務、1か月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制、フレックスタイム制などを導入している会社では、単純な「8時間を超えたら残業」という計算では正しく処理できない場合があります。

勤務形態 出勤簿で特に確認したい項目
固定時間制 始業・終業・休憩・時間外労働
シフト勤務 予定シフト・実際の始業終業・休日区分
変形労働時間制 事前に定めた労働時間・実労働時間・時間外労働
フレックスタイム制 日々の実労働時間・清算期間の総労働時間
深夜勤務 22時から翌5時までの労働時間

特に変形労働時間制では、 所定労働時間と実際の労働時間を区別して確認できる設計 にしておくことをおすすめします。

たとえば1か月単位の変形労働時間制で、ある日の所定労働時間をあらかじめ10時間として適法に設定している場合、その日に8時間を超えたからといって直ちに通常の時間外労働となるわけではありません。

反対に、月の総労働時間が一定時間以内だから残業が発生しない、と単純に判断することもできません。

変形労働時間制では、制度ごとのルールに従って時間外労働を判定する必要があります。

制度を導入している会社は、 変形労働時間制の種類・導入・残業代の考え方 も確認しておくとよいでしょう。

テンプレートを選ぶときには、「列がたくさんあるほどよい」と考える必要もありません。

使わない項目が多すぎると、かえって入力漏れや運用の形骸化につながります。

私が実務で確認するときは、「この会社の給与計算に必要な情報を、この出勤簿からすべて拾えるか」という視点で見ます。

勤怠表から給与計算担当者が毎月別の資料を探さなければならないのであれば、様式を見直す余地があります。

自社の勤務制度、就業規則、給与計算方法を確認したうえで、必要な項目だけを過不足なく設けるのが使いやすい出勤簿です。

出勤簿を作らない場合の罰則とリスク

出勤簿を作らない場合の罰則とリスク

「出勤簿を作っていないと30万円の罰金になる」と説明されることがありますが、ここも正確に整理しておきましょう。

労働基準法では、労働者名簿や賃金台帳、その他労働関係に関する重要な書類について作成・記録・保存に関する義務が定められており、107条から109条までの規定に違反した場合には、労働基準法120条により 30万円以下の罰金 の対象となることがあります。

したがって、単に「出勤簿という名前の紙が存在しない」という形式だけを見るのではなく、 必要な労働時間を記録していない、賃金台帳へ適正に記載していない、必要な記録を保存していない といった状態が問題になります。

そして実務では、罰則だけを見て勤怠管理を考えるべきではありません。

むしろ会社への影響が大きくなりやすいのは、次のような場面です。

  • 労働基準監督署の調査で勤怠記録を確認できない
  • 未払い残業代を請求されたときに会社側の記録がない
  • タイムカードと給与計算上の残業時間が一致しない
  • 雇用保険などの手続きで勤務実績を確認できない
  • 雇用関係助成金の申請時に必要な勤怠資料を提出できない

特に未払い残業代をめぐる問題では、会社に適切な勤怠記録がないことが大きなリスクになります。

会社が「残業はしていない」と説明しても、それを裏付ける記録がなければ、パソコンのログ、メールの送信履歴、入退室記録、業務システムの利用履歴など、別の資料から労働時間が検討される可能性があります。

タイムカードを保存しているだけでも十分とは限りません。

打刻記録と実際の労働時間に差があることを会社が把握していたのに、そのまま給与計算をしていた場合には、未払い残業代の問題につながる可能性があります。

助成金申請でも出勤簿や賃金台帳を確認することがあります。

助成金の対象期間に入ってから慌てて過去の出勤簿を作り直そうとしても、正確な勤務状況を復元できないことがあります。

新しく従業員を雇った段階で、労働者名簿、賃金台帳、出勤簿などの基本的な労務資料を整えておくのが安全です。

なお、罰則の適用や個別の労働時間の判断は、具体的な事実関係によって異なります。

最終的な判断は専門家にご相談ください。

出勤簿テンプレートで正しく管理する

出勤簿テンプレートを用意するときに最も重要なのは、立派な書式を作ることではありません。

実際に働いた時間を正確に把握し、その情報が給与計算まで正しくつながる仕組みを作ること が目的です。

一般的な会社であれば、氏名、日付、勤務区分、始業時刻、終業時刻、休憩時間、実労働時間、時間外労働、休日労働、深夜労働などを確認できるテンプレートを基本にするとよいでしょう。

そのうえで、固定勤務なのか、シフト制なのか、変形労働時間制なのか、フレックスタイム制なのかによって必要な項目を調整します。

出勤簿テンプレートを導入するときの最終チェック

  • 日ごとの始業・終業時刻を確認できる
  • 休憩時間を記録できる
  • 時間外・休日・深夜労働を確認できる
  • タイムカードなど客観的記録と整合している
  • 賃金台帳や給与計算へ正しく反映できる
  • 自社の勤務制度に対応している
  • 必要な期間データを保存できる

少人数の会社であれば、最初はExcelの出勤簿でも十分に運用できる場合があります。

一方、従業員が増え、シフトや残業申請、休暇管理が複雑になってきたら、勤怠管理システムを利用したほうが正確かつ効率的になることもあります。

大切なのは、無料テンプレートをダウンロードしただけで安心しないことです。

実際によくあるのが、テンプレートそのものには問題がなくても、自社の勤務制度と合っていないケースです。

特に変形労働時間制や複雑なシフト勤務を採用している会社では、様式と給与計算の仕組みをセットで確認する必要があります。

出勤簿は毎月使い続ける基本的な労務資料です。

最初にきちんと設計しておけば、給与計算だけでなく、労働基準監督署への対応、雇用保険の手続き、助成金申請、労使トラブルが生じた場合の事実確認にも役立ちます。

出勤簿テンプレートを選ぶときは、「書けるか」ではなく「後から勤務実態を説明できるか」という視点で確認してみてください。

なお、労働基準法の保存期間や労働時間管理に関する制度は法改正によって変わることがあります。

正確な情報は公式サイトをご確認ください。

また、自社の勤務制度に合わせた様式や残業時間の計算方法に迷う場合には、最終的な判断は専門家にご相談ください。

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