こんにちは。
もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。
休職願の書き方で大切なのは、きれいな文章を書くことよりも、会社が判断に必要とする情報を過不足なく整理することです。
休職は法律で一律に決まっている制度ではなく、会社の就業規則に基づいて運用される制度です。
そのため、休職願を作成する前に、休職できる条件、期間、診断書の要否、提出先を確認しておく必要があります。
この記事では、休職願に書く項目、休職届との違い、理由別の例文、診断書や提出タイミング、休職中の傷病手当金や社会保険料まで、従業員本人が実務で迷いやすい順番に整理します。
- 休職願と休職届の違い
- 休職願に書くべき項目
- 理由別に使える例文
- 提出後のお金と保険料の注意点

休職願の書き方と基本知識

休職制度の基本的な仕組みや手続きの全体像については、休職とは何か制度の基本と注意点で詳しく解説しています。
まずは、休職願がどのような書類なのか、休職届との違い、作成前に確認すべき点を整理します。
ここを飛ばして書き始めると、会社の様式と合わなかったり、診断書の提出が遅れたりして、手続きが止まることがあります。
休職願は、単に「しばらく休みます」と伝えるためのメモではありません。
会社の休職制度を使うために、本人の事情、休職を希望する期間、会社が確認すべき添付資料を整理して提出する書類です。
特に私傷病による休職では、欠勤、年次有給休暇、休職、復職、退職の境目があいまいになりやすいため、最初の書類の整え方がその後の手続きにも影響します。
休職願とは何を書く書類か

休職願とは、病気やけが、家庭の事情などにより一定期間働くことが難しくなったときに、会社へ休職を申し出るための書類です。
雇用関係を続けたまま、会社の制度に基づいて一定期間、勤務を休ませてもらうために提出します。
退職届のように雇用関係を終わらせる書類ではなく、あくまで会社に在籍したまま働けない期間を設けてもらうための書類です。
実務上、休職願には、休職したい理由、休職を希望する期間、診断書などの添付書類、休職中の連絡先などを記載するのが一般的です。
特に病気やけがによる休職では、会社が休職の必要性を確認するため、医師の診断書を求めるケースが多くあります。
うつ病や適応障害などのメンタル不調でも、会社としては本人の体調を医学的に判断できないため、診断書の有無が重要になります。
ここで大切なのは、休職願は本人の希望だけを書く書類ではなく、会社が休職制度を適用できるか確認するための書類でもあるという点です。
たとえば、就業規則に「業務外の傷病により一定期間勤務できないときは休職を命じることがある」といった規定がある場合、会社はその規定に該当するかを確認します。
本人がどれほどつらい状況であっても、会社側では制度に沿った処理が必要になります。
休職願は、単なる欠勤連絡ではありません。
会社の休職制度を利用するために、休職の理由と期間を正式に申し出る書類です。
中小企業では、休職願の専用様式がないこともあります。
その場合でも、必要な項目を押さえて作成すれば、会社側も判断しやすくなります。
反対に、理由や期間があいまいなままだと、人事や上司が対応に迷いやすくなります。
私の実務でも、「本人は休職のつもりだったが、会社側では欠勤扱いのままになっていた」という相談はあります。
こうなると、給与計算、社会保険料、傷病手当金の申請、復職時期の確認まで後から整理することになり、本人にも会社にも負担が大きくなります。
休職願を書くときは、文章を立派に見せることよりも、 会社に何を判断してほしいのかを明確にすること を意識してください。
いつから休職したいのか、どのくらいの期間が必要なのか、医師の診断があるのか、休職中にどこへ連絡すればよいのか。
このあたりが整理されていれば、休職願としての実務的な役割はかなり果たせます。
休職願と休職届の違い
休職願と休職届は、言葉のニュアンスとしては少し違います。
休職願は、会社に対して休職をお願いする意味合いが強く、文末も「お願い申し上げます」とすることが多いです。
一方、休職届は、会社へ休職する事実を届け出るような事務的な表現に近いといえます。
日本語の感覚としては、願は許可を求めるもの、届は事実を届け出るものという違いです。
ただし、実務では休職願と休職届を厳密に分けていない会社も多くあります。
会社所定の様式に休職届と書かれていれば休職届を使えばよく、休職願と書かれていれば休職願を使えば問題ありません。
名称の違いだけで、休職の可否や効力が大きく変わるというよりも、会社の就業規則や社内手続きに沿って提出されているかの方が重要です。
名称よりも大事なのは、会社の就業規則や社内様式に従うことです。
呼び方だけにこだわりすぎる必要はありません。
たとえば、会社が「休職届」という様式を用意しているのに、自分で「休職願」という別の書式を作って提出すると、人事担当者が社内処理に迷うことがあります。
反対に、会社に様式がない場合は、休職の許可を求める趣旨で「休職願」として作成する方が自然です。
特に私傷病休職は会社の承認や判断を前提とすることが多いため、本人からのお願いという形にしておくと違和感が少ないです。
実際によくある相談として、「休職願と休職届のどちらを出せばよいですか」というものがあります。
結論としては、会社が指定している名称があるならそれに従い、指定がなければ、休職の許可を求める意味で休職願として作成するのが自然です。
大事なのは、表題の言葉そのものではなく、本文で「いつからいつまで、どのような理由で休職したいのか」が明確に書かれていることです。
| 名称 | 一般的なニュアンス | 実務上の考え方 |
|---|---|---|
| 休職願 | 会社に休職の許可をお願いする | 会社指定様式がない場合に使いやすい |
| 休職届 | 休職することを届け出る | 会社所定の様式名ならそのまま使う |
休職は法律で細かい書式が決まっているものではありません。
厚生労働省のモデル就業規則でも休職に関する条項例は示されていますが、実際の休職制度の内容は会社ごとの就業規則により異なります。
休職制度の位置づけを確認したい場合は、 厚生労働省「モデル就業規則について」 も参考になります。
休職願を書く前の確認事項
休職願を書く前に、まず就業規則を確認してください。
休職は労働基準法で会社に一律に義務付けられている制度ではなく、会社ごとの就業規則に基づいて運用されます。
そのため、休職制度があるか、どのような理由で休職できるか、休職期間の上限が何かを確認する必要があります。
会社によっては、勤続年数によって休職期間が変わることもありますし、試用期間中や入社直後は休職制度の対象外としている場合もあります。
特に確認したいのは、休職の対象となる理由、必要書類、提出先、休職中の給与、社会保険料の支払い方法、復職時の手続きです。
私傷病による休職であれば、診断書の提出が必要になることが多いため、医師に相談するタイミングも重要です。
会社によっては、診断書の内容について「休職を要する」「就労不可」「自宅療養を要する」などの文言を求めることがあります。
休職願を出せば必ず休職できるわけではありません。
会社の就業規則に定める条件を満たしているか、会社が休職を認めるかという確認が必要です。
従業員本人としては、体調が悪い中で就業規則まで確認するのは負担に感じるかもしれません。
その場合は、直属の上司や人事担当者に「休職を検討しており、必要な手続きと様式を確認したい」と伝えるところから始めるとよいです。
いきなり詳細な病状を説明する必要はありませんが、休職の可能性があること、医師の診断を受けていること、診断書の準備ができるかを伝えると会社も動きやすくなります。
会社に確認しておきたい項目
- 休職制度の有無
- 休職できる理由と条件
- 休職期間の上限
- 休職願や休職届の所定様式の有無
- 診断書に必要な記載内容
- 休職中の給与の有無
- 社会保険料や住民税の支払い方法
- 復職時に必要な診断書や面談の有無
実務では、休職願の書き方そのものよりも、事前確認不足でトラブルになることが多いです。
たとえば、本人は3か月休むつもりだったが、就業規則上は勤続年数の関係で1か月しか休職できない、あるいは診断書の提出が遅れて欠勤扱いが長引くといったケースです。
休職願は書面ですが、その前提には会社の制度確認があります。
ここを押さえておくと、後のやり取りがかなりスムーズになります。
休職願に必要な記載項目

休職願に記載する項目は、会社所定の様式があればその様式を優先します。
様式がない場合は、一般的に次の内容を入れて作成します。
休職願は、文章量が多ければよいというものではありません。
会社が確認したい情報が整理されているかが重要です。
読みやすさの面では、本文で休職の意思を述べ、その下に休職期間や理由などを箇条書きで整理すると分かりやすいです。
| 項目 | 記載内容 | 実務上の注意点 |
|---|---|---|
| 表題 | 休職願または休職届 | 会社の所定様式名を優先する |
| 提出日 | 会社へ提出する年月日 | 休職開始日と混同しない |
| 宛先 | 代表取締役、所属長、人事部長など会社の慣例に従う | 不明な場合は人事に確認する |
| 所属・氏名 | 部署名、氏名、必要に応じて押印 | 社員番号があれば入れると管理しやすい |
| 休職期間 | 休職開始日から終了予定日まで | 診断書の療養期間と整合させる |
| 休職理由 | 病気、けが、家庭事情などを簡潔に記載 | メンタル不調では詳細を書きすぎない |
| 添付書類 | 診断書などの提出書類 | 添付できない場合は提出予定日を伝える |
| 連絡先 | 休職中に連絡が取れる住所、電話番号、メールアドレス | 会社からの連絡方法を事前に決める |
本文では、「下記のとおり休職させていただきたく、お願い申し上げます」といった形で、休職の意思を明確に伝えます。
昔ながらの書式では「私儀」または「私事」と書き出すこともありますが、会社の様式に指定がなければ、無理に形式ばった表現にこだわる必要はありません。
むしろ、内容が分かりやすいことの方が大事です。
休職理由については、病気やけがであれば傷病名や医師の指示を簡潔に記載します。
ただし、メンタル不調の場合に、症状の詳細を細かく書きすぎる必要はありません。
会社が確認したいのは、休職が必要な状態かどうか、どの程度の期間が見込まれるかです。
たとえば「適応障害により療養が必要との診断を受けたため」と書けば、休職理由としてはかなり整理されています。
休職期間は、できる限り具体的な日付で書きます。
「しばらくの間」「体調が戻るまで」といった表現だけでは、会社が人員配置や給与処理を判断しにくくなります。
診断書に「1か月の自宅療養を要する」と書かれているなら、休職期間もそれに合わせて開始日と終了予定日を記載します。
復職時期が未定の場合でも、「主治医の判断により延長の可能性があります」と補足しておくと現実的です。
休職願に必要なのは、きれいな言い回しではなく、休職理由、休職期間、添付書類、連絡先の4点を会社が確認できることです。
診断書が必要になるケース
私傷病による休職では、診断書が必要になるケースが多いです。
たとえば、うつ病、適応障害、骨折、手術後の療養など、健康上の理由で働けない場合、会社は本人の申告だけでは休職の必要性や期間を判断しにくいためです。
会社の担当者は医師ではありませんから、医学的に就労できるかどうかを会社だけで判断するのは難しいですよね。
そのため、診断書が実務上の重要な資料になります。
診断書には、傷病名、療養が必要であること、休職が必要な期間の目安などが記載されるのが一般的です。
会社によっては、「就業が困難であること」「自宅療養を要すること」などの記載を求めることもあります。
特にメンタル不調では、「業務軽減で対応できるのか」「完全に休職が必要なのか」「どのくらいの期間の療養が必要なのか」が会社側の確認ポイントになりやすいです。
診断書の内容が会社の確認事項と合っていないと、再提出を求められることがあります。
診断書を依頼する前に、人事へ必要な記載内容を確認しておくとスムーズです。
メンタル不調の場合、休職願に詳しい症状を長く書くよりも、診断書で医学的な判断を示し、休職願では「医師の指示により療養が必要」と簡潔に書く方が実務上は整理しやすいです。
本人の心理的負担を減らす意味でも、この書き方が現実的です。
私も労務相談の中で、本人が休職願に症状を細かく書きすぎてしまい、かえって社内での共有範囲に悩むケースを見ます。
必要以上に詳しく書かないことも、実務上の配慮です。
診断書を依頼するときの伝え方
医師に診断書を依頼するときは、「会社へ休職願を提出するため、休職が必要な期間の目安が分かる診断書が必要です」と伝えるとよいです。
会社から指定された文言がある場合は、その内容も医師へ伝えてください。
ただし、医師が医学的に適切でない内容を書くことはできませんので、会社の希望どおりの診断書になるとは限りません。
診断書の発行には数日かかる場合があります。
受診した当日に必ず受け取れるとは限らないため、休職願の提出期限がある場合は早めに相談しましょう。
診断書がまだ手元にない場合は、会社へ「診断書は○日に取得予定です」と伝え、休職願を先に提出できるか確認するのも一つの方法です。
診断書は、休職願の説得力を高めるための資料というより、会社が休職制度を適用するための判断資料です。
本人のためにも、会社のためにも、早めの準備が大切です。
休職願を出すタイミング
休職願は、可能であれば休職開始前に提出します。
もっとも、病気やメンタル不調では、急に出社できなくなることもあります。
その場合は、まず電話やメールで上司または人事へ一報を入れ、診断書や休職願は後日提出する流れになることもあります。
大切なのは、会社に連絡しないまま欠勤が続く状態を避けることです。
無断欠勤のように見えてしまうと、本人の意図とは違う形で問題が大きくなる可能性があります。
実務上は、いきなり休職願だけを送るよりも、事前に直属の上司へ相談し、その後に人事や総務と提出書類を確認する流れが多いです。
会社としても、業務の引き継ぎ、給与処理、社会保険料の案内、傷病手当金の説明などを準備する必要があります。
休職は本人だけの問題ではなく、部署内の業務分担や会社の手続きにも関わるため、早めの共有が望ましいです。
提出の目安は、医師から休職の指示を受けた後、できるだけ早い段階です。
診断書の取得と休職願の作成は、同時並行で進めると手続きが滞りにくくなります。
体調が悪く、書類の準備がすぐにできない場合は、無理に完璧な書類を作ろうとせず、まず会社へ状況を伝えてください。
そのうえで、会社の指示に従って休職願や診断書を提出するのが安全です。
たとえば、「本日受診したところ、医師から療養が必要と言われました。
診断書の発行予定を確認し、休職手続きについて改めてご相談します」といった連絡でも、何も伝えないよりはずっとよいです。
提出前後の流れ
| 段階 | 本人が行うこと | 注意点 |
|---|---|---|
| 受診前後 | 体調不良や勤務困難について医師に相談する | 勤務状況も伝えると診断書の内容が整理されやすい |
| 会社への初回連絡 | 上司または人事へ休職の可能性を伝える | 無断欠勤にならないよう早めに連絡する |
| 書類準備 | 休職願と診断書を準備する | 会社様式や提出先を確認する |
| 提出後 | 会社の指示に従い引き継ぎや連絡方法を決める | 傷病手当金や保険料も確認する |
休職の相談は、本人にとって心理的なハードルが高いものです。
ただ、会社としても早めに状況が分かれば対応しやすくなります。
休職願は、休職開始の直前に慌てて作るよりも、医師の診断を受けた段階で会社の手続きと並行して整えるのが実務上は一番スムーズです。
休職願の書き方と例文

ここからは、実際に休職願を作成するときの形、理由別の例文、メールで伝える場合の注意点、休職後のお金と社会保険料について説明します。
書面を整えるだけでなく、休職中の生活面まで見通しておくことが大切です。
休職願は、テンプレートをそのまま写せば終わりというものではありません。
理由や状況によって、書き方を少し変える必要があります。
特にメンタル不調の場合、どこまで詳しく書くかで迷いやすいところです。
ここでは、実務で使いやすい表現を中心に整理していきます。
休職願テンプレートの形

会社所定のテンプレートがない場合は、次のような形で作成すると、必要事項を整理しやすくなります。
実際に提出する際は、会社の様式や指示に合わせて調整してください。
テンプレートはあくまで土台です。
あなたの状況に合わせて、休職理由や期間、添付書類の部分を変更して使うことが大切です。
休職願の基本形は、表題、宛先、提出日、所属氏名、本文、休職期間、理由、添付書類、連絡先の順でまとめると見やすくなります。
|
休職願 令和○年○月○日 株式会社○○ ○○部○○課 私儀、このたび下記の理由により、下記期間について休職させていただきたく、お願い申し上げます。 休職期間:令和○年○月○日から令和○年○月○日まで 休職理由:医師の診断により療養が必要なため 添付書類:診断書1通 休職中の連絡先:電話番号、メールアドレス、住所 以上 |
このテンプレートはあくまで一般的な例です。
会社によっては、宛先が代表取締役ではなく所属長や人事部長になることもあります。
また、押印欄、上司確認欄、診断書添付欄などが用意されている会社もあります。
所定様式がある会社では、独自に作った休職願ではなく、その様式を使用するのが原則です。
文面は難しく考えすぎなくて大丈夫です。
大事なのは、 誰が、いつからいつまで、どのような理由で休職を希望するのか が会社に伝わることです。
たとえば、休職期間を「当面の間」とだけ書くと、会社は給与計算や人員配置の判断がしにくくなります。
医師の診断書に期間の目安がある場合は、その内容に合わせて日付を入れましょう。
テンプレートを使うときの調整ポイント
- 会社名と宛先は社内ルールに合わせる
- 休職開始日は実際に勤務できなくなる日と整合させる
- 終了予定日は診断書の療養期間に合わせる
- 診断書が後日提出になる場合はその旨を添える
- 休職中に連絡が取れる方法を明記する
テンプレートを使う場合でも、休職期間や理由を空欄のまま提出するのは避けましょう。
会社が確認できない情報が多いと、手続きが止まりやすくなります。
休職願は、提出して終わりではありません。
会社が内容を確認し、必要に応じて休職開始日や休職期間、社会保険料の支払い方法、傷病手当金の申請方法などを案内します。
そのため、休職願には会社が本人へ連絡できる情報も必ず入れてください。
体調不良で電話対応が難しい場合は、メール中心にしてほしいなど、希望する連絡方法をあらかじめ伝えるのも実務的です。
休職願の理由別例文
休職理由は、必要以上に長く書く必要はありません。
ただし、会社が休職の必要性を判断できる程度には具体的に書く必要があります。
家庭事情、病気、けがなど、理由に応じて表現を変えましょう。
休職理由の書き方で迷う方は多いですが、基本は「何が起きているか」「なぜ勤務が難しいか」「どのくらい休職が必要か」を簡潔に示すことです。
病気やけがの場合は、次のような書き方が考えられます。
○月○日に○○の手術を受け、術後の療養に○か月を要するとの診断を受けました。
つきましては、下記期間について休職をお願い申し上げます。
この例文では、手術を受けたこと、療養期間の目安があること、休職を希望していることが分かります。
病名やけがの内容をどこまで書くかは状況によりますが、診断書を添付する場合は、休職願の本文では簡潔にしても問題ないことが多いです。
会社が必要とする医学的な情報は、診断書で確認するのが基本になります。
家庭の事情の場合は、次のように簡潔に事情を説明します。
実父の手術およびその後のリハビリの付き添いが必要となったため、下記期間について休職をお願い申し上げます。
家庭の事情による休職は、会社の就業規則でどこまで認められているかによって扱いが変わります。
介護休業など法律上の制度に該当する可能性がある場合もありますし、会社独自の休職制度で対応する場合もあります。
そのため、家庭事情を理由にする場合は、休職願を書く前に、人事へどの制度が使えるのか確認した方がよいです。
理由別の表現例
| 理由 | 書き方の例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 病気 | 医師の診断により療養が必要なため | 診断書を添付すると手続きしやすい |
| けが | 負傷により一定期間の通院および療養が必要なため | 業務上災害か私傷病かを整理する |
| メンタル不調 | 医師より就労困難で療養が必要との診断を受けたため | 詳細な症状を書きすぎない |
| 家庭事情 | 家族の療養支援が必要となったため | 休職制度の対象か会社に確認する |
ポイントは、感情的な説明ではなく、休職が必要な事情を事実ベースで書くことです。
会社は本人の事情に配慮しつつも、社内制度に沿って判断する必要があります。
そのため、休職理由、期間、証明書類の有無が整理されていると、手続きが進めやすくなります。
逆に、理由が抽象的すぎると「休職制度の対象になるのか」「有給休暇や欠勤で処理するのか」という判断が難しくなります。
また、休職理由を書くときは、会社にどこまで知らせる必要があるかという視点も大事です。
必要な事実は伝えるべきですが、プライベートな事情を必要以上に細かく書く必要はありません。
特に家族の病状や家庭内の事情は、休職の必要性が伝わる範囲で簡潔にまとめるのがよいです。
うつ病や適応障害の例文
うつ病や適応障害などのメンタル不調で休職する場合、休職願に症状の詳細をすべて書く必要はありません。
実務では、「医師の診断により療養が必要であること」を中心に、簡潔に記載することが多いです。
本人としては、どこまで書けば会社に理解してもらえるのか不安になるかもしれませんが、休職願は病状説明書ではありません。
会社が休職手続きを進めるための書類です。
たとえば、次のような文面です。
心療内科を受診したところ、適応障害と診断されました。
医師より○月○日から療養が必要との指示を受けましたため、下記のとおり休職をお願い申し上げます。
この書き方であれば、診断名、医師の指示、休職希望の趣旨が伝わります。
診断書を添付する場合は、休職願の本文で症状の経緯を長く説明する必要はあまりありません。
むしろ、職場での人間関係や業務上の不満を詳細に書きすぎると、休職願というよりも苦情申立てのような文面になってしまうことがあります。
休職願では、休職手続きに必要な情報に絞るのが実務上は安全です。
もう少し症状をぼかして書きたい場合は、次のような表現も考えられます。
業務の継続が困難な状態であるとの診断を受け、治療と休養の指示を受けております。
復職の時期につきましては、主治医の判断に従いたく存じます。
中小企業では、メンタル不調による休職の対応に慣れていないケースもあります。
そのため、本人の側でも、診断書を添付し、休職期間の見込みをできる範囲で示すことが重要です。
一方で、会社側も必要以上に私生活や症状の詳細を聞きすぎない配慮が求められます。
実務上は、本人の体調確認、休職期間、連絡頻度、復職時の診断書や面談の要否を整理することが中心になります。
メンタル不調で避けたい書き方
休職願に、上司や同僚への不満、職場への怒り、詳細な症状の経過を長く書くことはおすすめしません。
必要な場合は別途相談すべき内容であり、休職願では療養が必要である事実を中心に整理しましょう。
もちろん、職場環境に原因があると感じている場合に、何も言ってはいけないという意味ではありません。
ただ、休職願の目的は、まず休職制度を適用してもらうことです。
ハラスメントや労災の可能性がある場合は、休職願とは別に人事、相談窓口、専門家へ相談する形で整理した方がよいです。
休職願の中にすべてを詰め込むと、かえって論点がぼやけます。
適応障害で休職するか退職するか迷っている場合は、休職中の給付や復職可能性を含めて確認する必要があります。
関連する考え方は、 適応障害は休職か退職かを判断するポイント でも詳しく整理しています。
メールで休職を伝える方法

本来、休職願は書面や会社所定の様式で提出するのが基本です。
ただし、急な体調不良やメンタル不調で出社が難しい場合、まずメールで休職の意向を伝えることもあります。
その場合でも、メールだけで完結すると考えず、後日、正式な休職願や診断書を提出する前提で連絡しましょう。
メールはあくまで初動連絡。
正式な手続きは会社の指示に従うのが基本です。
メールでは、長文にしすぎず、現在の状況、医師の指示、休職を希望すること、診断書や休職願の提出予定を伝えます。
たとえば、次のような内容です。
体調不良により医療機関を受診したところ、医師から一定期間の療養が必要との指示を受けました。
つきましては、休職の手続きについてご相談させていただきたく存じます。
診断書および休職願については、準備が整い次第、会社の指定方法に従って提出いたします。
メールで連絡する場合でも、無断欠勤のように見えないよう、できるだけ早く会社へ連絡することが大切です。
特に休職開始日が給与計算や傷病手当金の待期期間に関係することがあるため、連絡日、欠勤日、休職開始日の整理は実務上とても重要です。
傷病手当金では、連続する3日間の待期期間なども関係するため、「いつから働けない状態だったか」は後から確認されることがあります。
メールに入れるとよい内容
- 現在、勤務が難しい状態であること
- 医療機関を受診したこと
- 医師から療養の指示を受けたこと
- 休職手続きについて相談したいこと
- 診断書や休職願の提出予定
- 当面の連絡方法
一方で、メールに入れなくてもよい内容もあります。
たとえば、症状の細かい経過、家庭内の細かな事情、職場への感情的な不満などです。
必要な範囲で事情を伝えることは大切ですが、メールは社内で転送や共有される可能性もあります。
読む相手が上司だけとは限らないため、必要以上に個人的な情報を書きすぎない方が安心です。
休職の初回メールでは、詳細な事情説明よりも、会社に何をしてほしいのかを明確にしましょう。
休職手続きの確認、診断書の提出予定、連絡方法を整理することが大切です。
件名は、「休職手続きのご相談」「体調不良に伴う休職手続きについて」など、内容が分かるものにします。
宛先は直属の上司だけでよいのか、人事を含めるべきか、会社の運用により異なります。
不安な場合は、まず直属の上司へ送り、その後の提出先を確認する形でもよいでしょう。
休職中の傷病手当金
私傷病による休職で給与が支払われない場合、健康保険の傷病手当金を受けられる可能性があります。
傷病手当金は、業務外の病気やけがで働けず、給与を受けられないときの生活保障として設けられている制度です。
休職願の書き方を調べている方の多くは、同時に「休職中の生活費はどうなるのか」という不安も抱えています。
ここは非常に大事なポイントです。
主な要件は、業務外の病気やけがで療養中であること、仕事に就けない状態であること、連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと、給与の支払いがないことです。
給与が一部支払われる場合でも、傷病手当金より少ないときは差額が支給される可能性があります。
なお、業務上の病気やけがの場合は、健康保険の傷病手当金ではなく労災保険の対象になる可能性があります。
傷病手当金の支給期間は、支給開始日から通算して1年6か月とされています。
支給額は、一般的には支給開始日前の標準報酬月額をもとに計算されます。
ただし、実際の支給額は、加入している健康保険、標準報酬月額、給与の有無、申請期間などによって変わります。
金額の計算は手取りの3分の2ではなく、健康保険上の標準報酬月額を基礎にする点に注意が必要です。
手取り額を基準に考えてしまうと、実際の支給見込みとずれることがあります。
申請は、健康保険傷病手当金支給申請書を協会けんぽまたは加入している健康保険組合へ提出して行います。
正確な情報は公式サイトをご確認ください。
協会けんぽに加入している方は、 全国健康保険協会「傷病手当金」 を確認するとよいでしょう。
傷病手当金で確認したいこと
| 確認項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 対象となる病気やけが | 業務外の私傷病 | 業務上災害は労災の可能性がある |
| 待期期間 | 連続する3日間を含み4日以上働けないこと | 有給休暇や土日祝日も待期に含まれる場合がある |
| 給与の有無 | 給与がない、または少ないこと | 給与支給があると調整されることがある |
| 申請単位 | 一般的には給与締日ごとに1か月単位 | 会社証明と医師の証明が必要になる |
傷病手当金の申請では、本人記入欄、医師の意見欄、事業主の証明欄が関係します。
そのため、本人が申請書を書けばすぐに振り込まれるわけではありません。
会社の給与証明や医師の証明が必要になるため、初回申請では時間がかかることがあります。
生活費の見通しを立てるうえでは、初回振込まで一定の期間がかかる前提で考えた方が現実的です。
申請方法や支給額の考え方を詳しく確認したい方は、 傷病手当金の申請方法を初めての方向けに解説した記事 も参考にしてください。
休職中の社会保険料
休職中に給与が出ない場合でも、健康保険料や厚生年金保険料の本人負担分は原則として発生します。
ここは実際によくある相談です。
給与が止まると、社会保険料も止まると思われがちですが、通常の私傷病休職では、社会保険料が自動的に免除されるわけではありません。
会社に在籍し、社会保険の被保険者資格が続いている限り、保険料負担も続くのが基本です。
また、住民税についても支払いが残ることがあります。
傷病手当金自体は非課税ですが、社会保険料や住民税の支払いがなくなるという意味ではありません。
そのため、休職前に、会社へ支払い方法を確認しておくことが大切です。
特に無給の休職になると、給与から天引きできないため、会社から本人へ振込を依頼する、復職後にまとめて控除する、毎月請求するなどの対応が必要になります。
休職中の社会保険料の徴収方法は会社によって異なります。
会社指定口座への振込、復職後の給与からの控除、毎月の請求など、運用が分かれます。
中小企業では、休職中の社会保険料の案内が書面で整っていないこともあります。
その場合、後から「こんなに支払うとは思わなかった」というトラブルになりやすいです。
休職願を提出するタイミングで、給与、社会保険料、住民税、傷病手当金の申請時期をまとめて確認しておくと安心です。
社労士の実務でも、休職中の社会保険料の説明不足はトラブルになりやすいところです。
休職前に確認したいお金の項目
| 項目 | 確認内容 | 本人側の注意点 |
|---|---|---|
| 給与 | 休職中に賃金が出るか | 無給の場合は生活費の見通しを立てる |
| 健康保険料 | 本人負担分の支払い方法 | 給与天引きできない月の扱いを確認する |
| 厚生年金保険料 | 本人負担分の支払い方法 | 健康保険料と合わせて請求されることが多い |
| 住民税 | 特別徴収を続けるか普通徴収に変わるか | 自治体から納付書が届く場合もある |
| 傷病手当金 | 申請時期と会社証明の流れ | 初回振込まで時間がかかる前提で考える |
社会保険料の金額は、毎月の給与額そのものではなく標準報酬月額をもとに決まります。
そのため、休職して給与がゼロになったからといって、その月からすぐに保険料がゼロになるわけではありません。
休職が長期化する場合でも、随時改定の対象になるかどうかは個別事情によります。
ここは自己判断せず、会社の人事や専門家に確認した方がよいです。
休職願を提出するタイミングは、休職中のお金を確認するタイミングでもあります。
社会保険料、住民税、傷病手当金の3点は必ず確認しておきましょう。
休職中の給料や手当、社会保険料の全体像は、 休職中の給料と無給時の手当の考え方 でも詳しく解説しています。
休職願の書き方の要点

休職願の書き方で最も大切なのは、会社が休職の可否や手続きを判断できる情報を、簡潔に整理して書くことです。
表題、提出日、宛先、所属氏名、休職期間、休職理由、添付書類、休職中の連絡先を入れておけば、基本的な形は整います。
反対に、どれかが抜けていると、会社から確認が入り、手続きが遅れることがあります。
休職願と休職届の名称は、実務上そこまで神経質になる必要はありません。
会社の様式があるなら、その名称に従えば十分です。
様式がない場合は、休職をお願いする書類として休職願の形で作成すると自然です。
名称よりも、会社の就業規則に沿っているか、休職理由と期間が明確か、診断書などの添付書類がそろっているかを重視しましょう。
病気やけが、うつ病、適応障害などの私傷病による休職では、診断書の準備が重要になります。
休職願には必要以上に細かい症状を書きすぎず、医師の診断により療養が必要であること、休職希望期間、診断書を添付することを整理して記載しましょう。
特にメンタル不調では、症状や職場への思いをすべて書こうとせず、休職手続きに必要な情報に絞ることが大切です。
休職願は、文章のうまさよりも、就業規則に沿って必要事項をそろえることが重要です。
最後に確認したいチェックリスト
- 会社の休職制度と就業規則を確認したか
- 会社所定の休職願や休職届の様式を確認したか
- 休職開始日と終了予定日を具体的に書いたか
- 休職理由を簡潔に書いたか
- 診断書の要否と記載内容を確認したか
- 休職中の連絡先を記載したか
- 傷病手当金の申請方法を確認したか
- 社会保険料や住民税の支払い方法を確認したか
最後に、休職中は傷病手当金、社会保険料、住民税、復職時期など、お金と手続きの確認も欠かせません。
制度や金額、申請期限は個別事情や加入先によって異なるため、正確な情報は公式サイトをご確認ください。
休職するか、どのような書き方で提出するか、給付や保険料をどう考えるかについて不安がある場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。
休職は、本人にとっても会社にとっても慎重な対応が必要な場面です。
休職の開始日については休職はいつから始まる?で、引き継ぎの範囲については休職の引き継ぎは義務?で解説しています。
ただ、必要な情報を整理して休職願を提出すれば、手続きの見通しはかなり立てやすくなります。
まずは会社のルールを確認し、診断書などの必要書類を準備し、無理のない形で休職手続きを進めてください。