育児休業

育休中の住宅ローン控除はどうなる?損を減らす対策

こんにちは。

もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。

育休中でも住宅ローン控除の制度そのものが使えなくなるわけではありません。

ただし、住宅ローン控除はその年の所得税などから差し引く仕組みなので、育休によって給与収入が減ると、控除できる金額も少なくなることがあります。

特に1年間の大部分を育休で過ごす場合や、夫婦でペアローンを組んでいる場合は、計算上の住宅ローン控除額があっても、実際には使い切れないケースがあります。

しかも、基本的に使えなかった分を翌年へ持ち越すことはできません。

そのため、「育休中は住宅ローン控除が全部なくなるのか」「復職した翌年に取り戻せるのか」「ペアローンなら夫婦のどちらかへ控除を寄せられるのか」といった疑問が出てきます。

実際、この問題は住宅ローンの残高だけを見ても答えが出ません。

その年の給与収入、所得税、翌年度の住民税、育休を取得する期間、住宅ローンの契約形態などを一緒に見る必要があります。

一方で、住宅ローン控除の取りこぼしだけを見て、育休を短くすることが必ず家計に有利とは限りません。

育児休業給付、社会保険料免除、復職後の給与、保育料、通勤費などまで含めると、住宅ローン控除以外の影響のほうが大きいこともあります。

この記事では、なぜ育休中に住宅ローン控除がもったいないと言われるのか、住民税への影響、ペアローンで注意したい点、復職や繰上返済を考える際のポイントまで順番に整理します。

  • 育休で住宅ローン控除が減る仕組み
  • 使い切れない控除額と住民税の関係
  • ペアローンや連帯債務での注意点
  • 控除の取りこぼしを抑えるための考え方

育休中の住宅ローン控除はどうなる?損を減らす対策

育休中の住宅ローン控除が減る仕組み

育休中の住宅ローン控除を考えるときは、まず「育休だから控除できない」と考えるのではなく、住宅ローン控除が何から差し引かれる制度なのかを理解することが大切です。

住宅ローンの残高だけを見ていると、なぜ控除額を使い切れないのかが分かりにくくなります。

住宅ローン控除には「計算上の控除可能額」と「実際に税金から差し引ける額」という二つの視点があります。

育休中に問題になりやすいのは、後者です。

年末の住宅ローン残高が十分に残っていても、その年の所得税が少なければ、計算された控除額をそのまま使えるとは限りません。

ここでは、所得税との関係、翌年への繰り越し、住民税、ペアローンまで、取りこぼしが生じる仕組みを順番に確認します。

住宅ローン控除は納めた税金から差し引く

住宅ローン控除は、正式には住宅借入金等特別控除といい、一定の要件を満たして住宅ローンを利用した場合に、住宅ローンの年末残高などをもとに計算した金額を所得税から差し引く制度です。

ここで重要なのは、 住宅ローン控除は現金で一定額が支給される制度ではなく、基本的には納めるべき所得税を減らす税額控除だという点 です。

仮に計算上の住宅ローン控除額が大きくても、その年に差し引くことのできる所得税が少なければ、所得税から全額を控除することはできません。

控除額と還付額は同じとは限らない

住宅ローン控除で特に誤解されやすいのが、「住宅ローン控除額=口座へ振り込まれる還付額」と考えてしまうことです。

たとえば、年末残高などから計算した住宅ローン控除可能額が一定額あったとしても、その年に納める所得税がそれより少なければ、所得税から差し引けるのは原則としてその税額までです。

給与所得者の場合、毎月の給与や賞与から所得税が源泉徴収されています。

その後、年末調整や確定申告で1年間の正しい所得税額を計算し、住宅ローン控除を反映します。

すでに源泉徴収されていた所得税が多ければ還付が発生することがありますが、そもそも源泉徴収税額や最終的な所得税額が少なければ、還付額も大きくはなりません。

住宅ローン控除を考えるときの基本

  • 住宅ローンの年末残高などから控除額を計算する
  • 計算した控除額をその年の所得税から差し引く
  • 所得税が少なければ控除額を使い切れない場合がある
  • 所得税から引ききれない場合は住民税の控除も確認する

年末残高だけでは判断できない

そのため、「住宅ローン残高がこれだけあるから、今年も同じくらい税金が戻るはず」と考えるのは適切ではありません。

住宅ローンの状況だけでなく、その年の給与や所得税額も一緒に見る必要があります。

たとえば前年は1年間通常勤務していて住宅ローン控除を十分に利用できたとしても、今年は半年以上育休を取っているのであれば、今年の課税給与は前年より大幅に少なくなる可能性があります。

住宅ローン残高が前年とそれほど変わっていなくても、控除できる所得税側が小さくなるため、実際の控除額は前年と同じにならないことがあります。

逆に、育休を取得していても年の前半に十分な給与や賞与を受け取っており、一定の所得税が発生している場合には、住宅ローン控除をある程度利用できる可能性があります。

つまり、「育休中かどうか」だけでゼロか満額かを判定するのではなく、 その年1年間の課税所得と最終的な税額を見ることが重要 です。

住宅ローン控除は入居した時期、住宅の性能、住宅の取得形態などによって適用される制度や控除期間、借入限度額が異なります。

過去に住宅を取得した人と、最近取得した人で同じ条件とは限りません。

住宅ローン控除の控除率や借入限度額、控除期間などは、住宅へ入居した年や住宅の種類などによって異なります。

この記事では育休との関係を中心に説明しますので、個別の適用要件や控除額については最新の制度を確認してください。

(出典:国税庁「住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」)

育休で所得税が減ると控除額も減る

育休で所得税が減ると控除額も減る

育休に入ると住宅ローン控除を使い切れなくなりやすい最大の理由は、給与収入が減るためです。

会社の育児休業期間中の給与については、法律上、会社に通常の給与を支払う義務があるわけではありません。

そのため、会社の制度にもよりますが、育休中は無給になるケースが多くあります。

一方、一定の要件を満たせば雇用保険から育児休業給付金を受けられます。

ただし、 育児休業給付金は非課税であり、給与と同じように所得税がかかる収入として扱われません。

その結果、育休期間が長い年ほど課税される給与所得が少なくなり、所得税額も低くなりやすくなります。

住宅ローン控除で差し引く対象となる所得税が小さくなるため、控除額を使い切れない可能性が高くなるわけです。

給付金を受け取っていても課税給与は増えない

ここは家計上の「収入」と税務上の「所得」を分けて考える必要があります。

育休中でも育児休業給付を受け取っていれば、家計には一定のお金が入ってきます。

そのため感覚的には「収入があるのだから、住宅ローン控除にも使えるのでは」と感じるかもしれません。

しかし、育児休業等給付は非課税所得です。

住宅ローン控除で差し引く所得税を増やす課税給与ではありません。

つまり、育児休業給付を受け取って家計の現金収入が確保されていても、それによって住宅ローン控除を受け止める所得税額が増えるわけではないということです。

(出典:厚生労働省「育児休業等給付に関するQ&A」)

働き方の例 給与所得の傾向 住宅ローン控除への影響
通常どおり年間勤務 通常どおり発生 所得税から控除しやすい
年の途中から育休 前年より減りやすい 控除しきれない可能性がある
ほぼ1年間育休 大幅に少なくなりやすい 控除できる所得税が少なくなりやすい

たとえば1月から12月までほぼ育休で、会社から課税される給与や賞与がほとんどない場合、所得税もほとんど発生しないことがあります。

計算上の住宅ローン控除額が残っていても、差し引く税金がなければ十分に利用できません。

年の途中から育休なら勤務月数だけで判断しない

一方で、4月から育休に入った人と10月から育休に入った人では、その年に受け取っている給与額が大きく異なる可能性があります。

さらに賞与の有無、扶養親族、生命保険料控除、医療費控除などによっても最終的な所得税額は変わります。

そのため「育休を6か月取ったから住宅ローン控除は半分になる」といった単純な比例計算はできません。

住宅ローン控除の計算上の枠と、実際の税額との関係によって決まるからです。

また、産前産後休業から続けて育児休業へ入る場合は、給与が減る期間がさらに長くなるケースがあります。

出産した年と翌年で給与の発生状況が大きく変わることもあるので、住宅ローン控除の影響は年ごとに確認する必要があります。

自分の状況を確認するときは、次の資料が役立ちます。

  • その年の給与明細
  • 賞与明細
  • 源泉徴収票
  • 住宅ローンの年末残高証明書
  • 前年の年末調整や確定申告の内容

ただし、年の途中まで働いていた場合や賞与などの課税所得がある場合、住宅ローン控除を一定額使えることがあります。

育休を何か月取得したかだけでは判断できない点に注意してください。

育休中の給与、育児休業給付金、所得税、社会保険料の全体像については、 育休中の給料と給付金・税金・保険料の扱い でも詳しく整理しています。

使えない控除額は翌年へ繰り越せない

育休中の住宅ローン控除について、実際によく確認したくなるのが「今年使えなかった分を、復職した翌年にまとめて使えないのか」という点です。

住宅ローン控除は、基本的に その年ごとに計算して、その年の所得税などから控除する制度 です。

育休によって所得税が少なく、住宅ローン控除を十分に使えなかったとしても、使えなかった金額を翌年の住宅ローン控除へ上乗せする仕組みではありません。

使えなかった控除額を翌年へ貯めておくことはできません。

翌年に復職して所得税が増えたとしても、前年に使い切れなかった住宅ローン控除額まで追加して控除できるわけではありません。

ここが、育休中の住宅ローン控除がもったいないと言われる大きな理由です。

復職した翌年は翌年分の控除を受ける

たとえば育休によってある年の所得税がほとんど発生せず、住宅ローン控除を十分に利用できなかったとします。

翌年に通常勤務へ復帰して所得税が増えれば、翌年について計算される住宅ローン控除は利用しやすくなります。

しかし、それはあくまで 翌年分として計算された住宅ローン控除 です。

前年に余った控除枠と翌年分を合算して使えるわけではありません。

この点を理解していないと、「復職すれば最終的に全部回収できる」と考えてしまいます。

実際には、住宅ローン控除は各年ごとに判定されるため、育休と重なった年について十分に利用できなかった部分は、そのまま結果として残ることがあります。

控除期間そのものも進んでいく

また、育休を取得したからといって住宅ローン控除の適用期間そのものが停止するわけではありません。

対象となる年について所得税が少なかったとしても、通常どおり年数は経過していきます。

これは育児休業を取得した人だけに特別な不利益を与える仕組みというより、住宅ローン控除自体が各年の税額から控除する制度であることによるものです。

「今年は税額が少ないので、その分だけ住宅ローン控除の年数を1年延長する」といった扱いにはなりません。

働き方 考え方
1年目 通常勤務 その年分の控除を税額の範囲で利用
2年目 長期間育休 税額が少なければ控除を使い切れない場合がある
3年目 復職 3年目として計算した控除を利用

そのため、長期間の育休と住宅ローン控除の期間が重なる家庭では、結果として数年分の控除を十分に利用できない可能性があります。

特に第1子の育休から復職した後、比較的短期間で第2子の産休・育休へ入る場合などは、複数年にわたって課税給与が通常勤務時より低くなることもあります。

ペアローンの場合には、その影響が育休を取る側へ集中しやすくなります。

「いくら取りこぼすか」を確認したい場合は、住宅ローンの控除可能額だけでなく、その年ごとの所得税額と住民税側で控除できる額を並べて確認する必要があります。

ただし、住宅ローン控除の適用期間や借入限度額などは、入居年や住宅の区分によって異なります。

「必ず○年間損をする」と単純に判断するのではなく、自分が適用を受けている住宅ローン控除の条件を確認することが大切です。

住民税から控除できる額にも上限がある

住民税から控除できる額にも上限がある

所得税から住宅ローン控除を引ききれなかった場合でも、一定の範囲について翌年度の住民税から控除できる仕組みがあります。

そのため、「所得税から引けなかった時点ですべて消える」というわけではありません。

一方で、 所得税から引ききれなかった金額が、そのまま全額住民税から控除されるわけでもありません。

住民税から控除できる住宅ローン控除額には制度上の上限があります。

さらに、その上限の計算には課税所得などが関係するため、育休によって所得が大きく下がる年は、住民税側でも十分に控除できないことがあります。

所得税と住民税には年度のずれがある

ここは少し分かりにくいところです。

給与所得者の住民税は、基本的に前年の所得をもとに翌年度の税額が決まります。

たとえば、ある年に育休を長く取得してその年の給与所得が下がれば、その所得をもとに計算される翌年度の住民税も通常勤務時より下がる可能性があります。

住宅ローン控除について所得税から引ききれなかった額がある場合、一定の要件のもとで翌年度の住民税から控除されます。

しかし、住民税側にも控除できる限度があります。

そのため、育休によってその年の所得税が小さくなると、「所得税から引ききれない住宅ローン控除が増える」という現象が起きる一方で、その年の所得をもとに計算される住民税自体も小さくなりやすく、住民税側でもすべてを受け止められないケースが出てきます。

育休中は次の順番で考えると分かりやすくなります。

  • まず住宅ローン控除を所得税から差し引く
  • 所得税から引ききれない部分が生じる
  • 一定の範囲を翌年度の住民税から控除する
  • 住民税にも上限があるため、さらに使い切れない部分が生じる場合がある

住民税から全部戻るとは考えない

特に、ほぼ1年間育休を取得して給与所得が大きく減ったケースでは、所得税だけを見て「住民税から全部戻るだろう」と考えないようにしたいところです。

実務上は、「住宅ローン控除額」「所得税から実際に控除できた額」「翌年度の住民税から控除される額」を分けて確認したほうが分かりやすいです。

確認項目 確認する意味
住宅ローン控除可能額 制度上どの程度の控除枠があるかを見る
その年の所得税額 所得税からどこまで控除できるかを見る
翌年度の住民税 所得税で引ききれない部分の控除状況を見る
実際に使えなかった額 世帯全体の影響を確認する

会社員であれば、翌年の5月から6月ごろに会社を通じて住民税決定通知書を受け取ることが多いので、住宅ローン控除に関する記載も確認してみてください。

自治体によって通知書の様式は異なりますが、税額控除の欄などから住宅ローン控除の反映状況を確認できる場合があります。

なお、住民税の住宅ローン控除の限度額は、入居時期や適用される制度などによって扱いが異なる可能性があります。

具体的な金額を確認するときは、勤務先の給与明細だけではなく、住民税決定通知書なども確認してください。

住宅ローン控除に関する住民税の上限額を記事やシミュレーターだけで断定するのは避けたほうが安全です。

取得時期や適用制度によって異なるため、具体的な税額は自治体や税務の専門家へ確認してください。

ペアローンは控除の取りこぼしに注意

育休中の住宅ローン控除で特に注意したいのが、夫婦でペアローンを利用している家庭です。

ペアローンでは、夫婦がそれぞれ住宅ローンを契約し、それぞれの借入れや持分などに応じて住宅ローン控除を受けるのが一般的です。

この場合、夫婦の一方が育休に入り所得税が大きく減ると、 育休に入った側の住宅ローン控除を十分に利用できない可能性があります。

たとえば、夫婦ともに通常勤務を続けることを前提として住宅ローンを半分ずつ借りたとしても、その後、一方が1年以上育休を取得すれば、その期間にかかる住宅ローン控除の利用状況には差が生じます。

一方の所得税が十分にあるからといって、もう一方が使えなかった住宅ローン控除を自由に移して利用できるわけではありません。

住宅ローン控除は世帯ではなく本人ごとに考える

たとえば夫婦それぞれが住宅ローン控除の対象となっている場合、妻の所得税が少ないからといって、妻側で余った住宅ローン控除を夫の所得税から差し引くことはできません。

家計としては同じ財布で住宅ローンを返済していても、所得税は個人ごとに計算されるためです。

ここはペアローンの特徴でもあります。

共働きで双方に安定した所得がある期間は、夫婦それぞれが住宅ローン控除を利用できるためメリットを感じやすい一方、一方の所得が大きく下がると、その人に割り当てられた控除枠を使い切れない可能性があります。

世帯全体の収入が十分にあっても安心とは限りません。

住宅ローン控除は基本的に個人単位で適用を確認するため、「夫婦を合算すれば税金を十分払っている」という考え方だけでは判断できません。

連帯債務はペアローンと同じではない

連帯債務の場合も、持分や実際の債務負担などによって住宅ローン控除の計算が関係してきます。

ペアローンと連帯債務は仕組みが同じではありませんので、契約内容や登記内容を確認したうえで判断する必要があります。

特に注意したいのは、「実際に誰が返済しているか」と「契約上どのような債務を負っているか」「住宅の持分がどうなっているか」が一致しているかどうかです。

住宅ローン控除だけを増やそうとして返済割合や持分を後から安易に動かすと、贈与など別の税務問題につながる可能性があります。

確認したい事項 理由
夫婦それぞれの借入額 どちらにどの程度の住宅ローン控除が生じるか確認するため
住宅の持分 借入れと所有割合の整合性を確認するため
今後の育休予定 将来の所得減少を想定するため
復職後の働き方 短時間勤務などによる所得変化を考えるため

住宅購入後になって「育休を取る側の借入れを減らせばよかった」と気づいても、住宅ローンの債務や住宅の持分を簡単に変更できるものではありません。

将来子どもを希望している家庭では、購入前から働き方の変化も含めて考えておくことが重要です。

私自身、住宅ローンや家計の相談を考えるときには、現在の年収だけでなく、数年後の働き方まで見ることが重要だと感じます。

育休だけでなく、短時間勤務、転職、退職、2人目以降の育休などもあります。

住宅は長期間返済するものだからこそ、「現在の年収だけで最大限借りられるか」ではなく、「将来の収入変動があっても無理がないか」という視点が大切です。

育休中の住宅ローン控除で損しない対策

育休で所得が減る以上、住宅ローン控除の取りこぼしを完全になくせないケースもあります。

そこで大切なのは、住宅ローン控除だけを最大化しようとするのではなく、家計全体で不利にならない選択をすることです。

税金だけを見ると「12月に復職したほうがよい」「繰上返済しないほうがよい」と見えることがあります。

しかし、実際の家計では育児休業給付、給与、社会保険料、保育料、住宅ローン金利、手元資金などが同時に動きます。

ここからは、復職時期、繰上返済、夫婦の借入割合、ふるさと納税、年末調整・確定申告について、育休前後に確認しておきたい実務的なポイントを整理します。

年内の復職で控除できる余地が生まれる

育休中に住宅ローン控除を使える金額は、その年に課税される所得や所得税額によって変わります。

そのため、年の途中で復職して給与が支給されれば、年間を通じて無給だった場合より所得税が発生し、住宅ローン控除を利用できる余地が生まれることがあります。

たとえば翌年1月に復職する予定だった人が、保育所への入所状況や家庭の事情などを踏まえて12月に復職すれば、その年に給与が発生する可能性があります。

ただし、 1か月給与を受け取ったからといって、必ず住宅ローン控除を大きく利用できるわけではありません。

給与額や所得控除などによっては、最終的な所得税額が少ない場合もあります。

復職月ではなく実際の課税給与を見る

年内復職を考えるときに確認したいのは、「12月1日に復職したかどうか」だけではありません。

給与の締日と支給日によっては、12月に復職してもその年中に給与が支給されず、翌年1月支給となる場合があります。

所得税は基本的に実際に支給を受ける給与の時期も関係します。

そのため、年内に給与所得を発生させることを目的に復職時期を考えるのであれば、自社の給与締日・支給日を確認しておく必要があります。

たとえば「末締め翌月25日払い」の会社で12月に復職した場合、復職後の給与が翌年1月支給になるケースがあります。

反対に当月払いの会社であれば年内に給与が支給されることもあります。

会社ごとの給与規程や実際の支給日まで確認することが必要です。

住宅ローン控除だけを理由に、無理に育休を短縮する必要はありません。

保育所への入所時期、子どもの状況、本人の体調、仕事との両立などを優先したうえで、復職時期を選択肢の一つとして検討するのが現実的です。

数万円の税額だけで復職時期を決めない

私が家計全体を考える際にも、税金だけを単独で比較するのではなく、「復職によって増える給与」「育児休業給付金への影響」「保育料や通勤費など新たに発生する支出」まで含めて考えることが重要だと考えています。

復職すれば給与が増える一方、育児休業給付の支給期間は変わります。

また、保育園への入園に伴って保育料が発生する場合もありますし、通勤費、昼食代、仕事用の衣服、家事負担を軽減するためのサービスなど、育休中には発生しなかった支出が増えることもあります。

比較項目 年内復職で考えられる変化
給与 増える可能性がある
所得税 増え、住宅ローン控除を使える余地が広がる場合がある
育児休業給付 復職時期によって支給期間が変わる
保育料等 新たに発生する場合がある
生活負担 送迎や仕事との両立負担が増える場合がある

住宅ローン控除を数万円多く利用するために、家計全体ではそれ以上の負担が増えるのであれば、本来の目的から外れてしまいます。

住宅ローン控除を使うために復職するのではなく、もともとの復職予定の中で税金への影響も確認する くらいの考え方が現実的です。

年内復職が家庭にとって無理のない選択で、その結果として住宅ローン控除も一部利用できるのであればメリットになります。

控除期間中は繰上返済の時期も検討する

控除期間中は繰上返済の時期も検討する

住宅ローン控除の計算では、住宅ローンの年末残高が重要になります。

そのため、住宅ローン控除の適用期間中にまとまった繰上返済をすると、年末残高が小さくなり、計算上の住宅ローン控除額も小さくなる可能性があります。

育休中は所得税が少なくなりやすいため、「どうせ今年は住宅ローン控除を使い切れないのだから、繰上返済してしまおう」と考える方もいるかもしれません。

ただ、繰上返済をするかどうかは、住宅ローン控除だけでは判断できません。

繰上返済を考えるときは、少なくとも次の点を一緒に確認しましょう。

  • 現在の住宅ローン残高
  • 住宅ローンの金利
  • 住宅ローン控除を利用できる残りの期間
  • 育休後の所得見込み
  • 手元に残しておきたい生活資金

控除額より金利負担が重要な場合もある

住宅ローン控除があるからといって、控除期間中は絶対に繰上返済をしないほうがよいということではありません。

住宅ローンの金利、住宅ローン控除を実際にどの程度使えているか、繰上返済によって減る利息などを比較する必要があります。

特に育休中に住宅ローン控除をほとんど利用できていない人の場合、「控除額を減らさないために残高を維持する」というメリット自体が小さい可能性があります。

一方、翌年以降に復職して再び住宅ローン控除を十分利用できる見込みがあるなら、その後の控除への影響も考えなければなりません。

また、繰上返済によって返済期間そのものが短くなった結果、住宅ローン控除の適用要件へ影響する可能性があるケースにも注意が必要です。

繰上返済額が大きい場合は、金融機関へ返済後の返済期間を確認しておくと安心です。

育休中は現金を残す価値も高い

特に育休中は、通常勤務している時期より手元資金を確保しておく意味が大きくなります。

子どもの成長に伴う支出も増えやすいため、住宅ローンの元本を減らすことだけを優先しないほうがよいケースもあります。

育児休業給付は給与と同じタイミングで毎月必ず振り込まれるとは限らず、申請や審査のタイミングによっては実際の入金まで間が空くこともあります。

さらに、家電の故障、車の買替え、医療費、保育用品など、予定外の支出が重なることもあります。

育休中の繰上返済は「残高を減らせるか」より「減らしても困らないか」を先に確認しましょう。

生活防衛資金を十分に残したうえで、金利負担と住宅ローン控除の双方を比較することが大切です。

住宅ローン控除による税負担の軽減と、繰上返済によって減らせる利息のどちらが家計に有利か を比較したうえで判断することが大切です。

住宅ローンの契約条件や住宅ローン控除の適用要件にも関係するため、大きな繰上返済を予定している場合は、金融機関や税務の専門家にも確認してから進めると安心です。

夫婦の借入割合は購入前に検討する

これから住宅を購入する夫婦で、将来的に育休を取得する可能性がある場合は、ペアローンや連帯債務の借入割合を決める段階から働き方の変化を考えておくことが重要です。

住宅ローンを組む時点では共働きで同程度の収入があっても、出産後はどちらかが長期間育休を取得したり、復職後に短時間勤務へ変更したりすることがあります。

借入時点の年収だけを見て機械的に半分ずつ負担すると、将来、一方の所得が大きく減ったときに、その人の住宅ローン控除を十分に利用できないことがあります。

だからといって、住宅ローン控除だけを理由に収入の高い側へすべての借入れを集中させればよいわけでもありません。

借入可能額、団体信用生命保険、返済負担、住宅の持分など、複数の要素が関係します。

住宅購入前に夫婦で確認したいこと

  • どちらが育休を取得する予定か
  • 育休をどの程度取得する予定か
  • 復職後に短時間勤務を利用する可能性があるか
  • 将来の収入差がどの程度になりそうか
  • 住宅ローンの借入割合と住宅の持分が適切か

現在の年収だけで借入割合を決めない

住宅購入時には、夫婦それぞれの現在の年収をもとに借入可能額を算出することが多いと思います。

しかし住宅ローンの返済は長期間続きます。

住宅購入時点で夫婦ともフルタイムだったとしても、その状態が10年、20年続くとは限りません。

出産後に長期の育休を取る、復職後に短時間勤務を利用する、子どもが増えて再び育休を取る、転職するなど、家計の前提は変わります。

そのため「現在は年収が同じだから借入額も半分ずつ」とだけ考えると、将来の税負担や返済能力との間にズレが生じる可能性があります。

住宅購入時に見る要素 将来まで考える理由
現在の年収 借入可能額の基礎になるが将来変動する
育休予定 所得税と住宅ローン控除に影響する可能性がある
時短勤務予定 復職後も給与が以前と同じとは限らない
住宅の持分 後から簡単に変更できない
団体信用生命保険 家計の保障設計にも影響する

購入後の変更は税務問題に注意する

購入後に夫婦間で返済負担や持分を変更すると、税務上別の問題が生じる可能性もあります。

そのため、「育休に入ったから今年から夫が妻のローンを全部払えばよい」といった自己判断は避けたほうがよいでしょう。

夫婦間で資金を負担し合うこと自体は家庭では珍しくありませんが、住宅ローンの債務や住宅の持分という大きな財産が関係すると、単純な生活費の負担とは話が異なります。

住宅ローン控除を増やすために名義や負担割合を変更しようとすると、贈与税などの論点が生じる可能性があります。

また、住宅ローンの借換えや債務者の変更についても金融機関の審査や契約上の制約があります。

「住宅ローン控除を取りこぼしているから名義を変更する」というほど簡単なものではありません。

住宅ローン控除だけを最大化しようとして、持分や返済負担を後から動かすことはおすすめできません。

住宅ローン、登記、贈与税など複数の制度が関係するためです。

住宅ローン契約や登記、贈与税など複数の論点が関係する場合があります。

購入前の段階で金融機関や税理士などへ相談し、夫婦の将来の働き方まで伝えたうえで設計することをおすすめします。

育休中はふるさと納税の上限も下がる

住宅ローン控除とあわせて注意したいのが、ふるさと納税です。

育休前と同じ年収を前提にふるさと納税をしてしまうと、想定していた控除上限額を超えてしまうことがあります。

育児休業給付金は家計に入ってくるお金ではありますが、非課税です。

そのため、 育児休業給付金を通常の給与収入と同じように加えて、ふるさと納税の上限額を考えることはできません。

さらに住宅ローン控除も住民税に影響する可能性があるため、育休を取得する年は通常勤務の年より税金の計算が複雑になります。

前年の寄附額をそのまま使わない

育休前に毎年ふるさと納税をしていた人ほど注意したいところです。

前年まで年収がほぼ一定であれば、「毎年これくらい寄附しているから今年も同じでよい」と考えやすいですが、育休を取得した年は前提となる給与収入が変わります。

たとえば前年は1月から12月まで通常勤務していたものの、今年は年の前半から産休・育休へ入った場合、その年の課税給与は前年より大きく減ることがあります。

育児休業給付を受け取っていても非課税なので、ふるさと納税の上限を考える際に給与と同じように扱うことはできません。

前年のふるさと納税額をそのまま今年の目安にしないことが大切です。

特に年の途中から産休・育休へ入る場合は、その年に実際に受け取る課税対象の給与を確認してから上限額を試算しましょう。

住宅ローン控除との併用では税額全体を見る

さらに住宅ローン控除を利用している場合には、所得税や住民税に複数の控除が関係します。

そのため、年収だけを入力する簡易的なシミュレーターの結果と、最終的な控除状況が一致しないことも考えられます。

特に育休中は、給与収入の減少、配偶者控除等の適用関係、住宅ローン控除などが同時に動く可能性があります。

住宅ローン控除とふるさと納税は全く同じ制度ではありませんが、どちらも所得税・住民税と関係する以上、税額自体が小さくなる年には注意が必要です。

育休に入った年のふるさと納税は次の順で確認すると分かりやすいです。

  • その年に実際に受け取る給与と賞与を見込む
  • 育児休業給付を課税給与へ加えない
  • 所得控除の状況を確認する
  • 住宅ローン控除も含めて税額への影響を見る
  • 年末に近い時点で改めて上限額を確認する

育休中のふるさと納税については、 ふるさと納税を育休中に行う場合の上限額と注意点 で詳しく解説しています。

住宅ローン控除とふるさと納税の両方を利用している場合は、単純な年収だけで自己判断せず、その年の所得や各種所得控除まで含めて確認することをおすすめします。

特に寄附額が大きい場合や住宅ローン控除を所得税から引ききれない可能性がある場合は、正確な金額を税理士などへ確認したうえで判断したほうが安全です。

年末調整と確定申告の扱いを確認する

年末調整と確定申告の扱いを確認する

育休中だからといって、住宅ローン控除の手続きそのものが特別な制度へ変わるわけではありません。

ただし、育休に入った時期やその年の給与支給状況によって、年末調整の状況が通常勤務時とは異なる場合があります。

住宅ローン控除については、一般に初めて適用を受ける年は確定申告が必要となり、給与所得者で一定の条件を満たす場合は2年目以降、勤務先の年末調整で適用を受けることができます。

育休中でも、その年に勤務先から給与や賞与が支給されていて年末調整が行われる場合は、必要書類を提出して住宅ローン控除の処理を行うケースがあります。

一方、年間を通じて会社から給与の支給がない場合などは、通常勤務していた年と同じように年末調整されるとは限りません。

確認する順番

  • その年に会社から給与や賞与を受け取ったか
  • 住宅ローン控除の初年度か2年目以降か
  • 勤務先で年末調整が行われるか
  • 確定申告が必要となる状況ではないか

初年度と2年目以降で手続きが違う

住宅ローン控除を初めて受ける年は、給与所得者であっても原則として確定申告を行います。

その後、2年目以降は一定の要件を満たす給与所得者であれば、勤務先の年末調整で住宅ローン控除を受けられる仕組みです。

そのため、育休中かどうかだけではなく、「住宅ローン控除を受け始めて何年目なのか」を最初に確認してください。

住宅購入直後に育休へ入った場合と、すでに数年間住宅ローン控除を受けてから育休へ入った場合では手続きが異なります。

また、育休中で会社へ出勤していなくても、雇用関係そのものがなくなっているわけではありません。

年末調整の具体的な処理は、その年の給与支給状況や勤務先の処理状況によって確認が必要です。

育児休業給付は年末調整の給与に含めない

また、育児休業給付金は非課税なので、給与収入として年末調整へ加えるものではありません。

会社から支給される給与や賞与と、ハローワークから受け取る育児休業給付は性質が異なります。

年末調整の際に「今年家計に入ったお金」をすべて給与として合計するわけではありません。

育休中の年末調整そのものについて迷っている場合は、 育休中の年末調整と育児休業給付金・必要書類の扱い も確認してみてください。

源泉徴収税額が少なければ還付額も限られる

給与からすでに所得税が源泉徴収されている場合は、年末調整や確定申告によって所得税が還付されることがあります。

ただし、そもそも源泉徴収された所得税が少なければ、住宅ローン控除が大きくても還付される税額には限りがあります。

ここでも「住宅ローン控除可能額」と「実際に還付される金額」を分けて考える必要があります。

源泉徴収票が交付されたら、源泉徴収税額や住宅借入金等特別控除に関する欄を確認すると、自分の状況を整理しやすくなります。

源泉徴収票を見ても住宅ローン控除の処理状況が分からない場合は、勤務先の給与担当者へ確認してください。

確定申告が必要かどうか、個別の税額をどう計算するかについては税務署や税理士への確認が適切です。

配偶者控除等も世帯全体で確認する

また、育休によって本人の所得が大きく下がった場合、配偶者側で配偶者控除や配偶者特別控除の対象となる可能性もあります。

住宅ローン控除だけを見るのではなく、夫婦全体の所得税・住民税を確認することが大切です。

たとえば妻が育休に入り給与所得が大きく下がった場合、夫側の所得など一定の要件を満たせば、夫の年末調整で妻を配偶者控除等の対象として申告できる場合があります。

これは住宅ローン控除とは別の制度ですが、世帯全体の税負担を考えるうえでは無視できません。

住宅ローン控除を数万円使えなかったとしても、配偶者控除等によって世帯全体の税負担が別の形で下がる可能性があります。

だからこそ、一つの控除だけを見て「損した」と結論づけず、年末調整や確定申告を含めて家計全体で確認することが大切です。

育休中の住宅ローン控除は家計全体で考える

育休中の住宅ローン控除について最も大切なのは、 育休を取得したから住宅ローン控除が使えなくなるのではなく、育休によって課税所得や所得税が減る結果として、控除を使い切れなくなる場合がある と理解することです。

所得税から引ききれない部分について住民税から控除できる場合はありますが、住民税にも上限があります。

そして、その年に使えなかった住宅ローン控除を翌年へ自由に繰り越すことはできません。

特にペアローンや連帯債務を利用している家庭では、夫婦の一方が長期間育休を取ることで、世帯全体として住宅ローン控除を十分に利用できなくなる可能性があります。

育休中の住宅ローン控除で押さえておきたいポイント

  • 住宅ローン控除は所得税などから差し引く制度
  • 育児休業給付金は非課税なので所得税は増えない
  • 使い切れない住宅ローン控除は翌年へ繰り越せない
  • 所得税から引ききれなくても住民税から一定額控除される場合がある
  • ペアローンでは育休を取る側の控除を使い切れない場合がある
  • 復職や繰上返済は住宅ローン控除だけで決めない

住宅ローン控除だけを最適化しない

一方で、住宅ローン控除を使い切れないことだけを見て、「育休を取るともったいない」「育休を短くしたほうが得だ」と結論づける必要はありません。

住宅ローン控除は確かに家計にとって大きな制度ですが、育休中の家計にはそれ以外にも多くの制度が関係します。

育休中には、一定の要件を満たせば育児休業給付金を受けられるほか、健康保険料・厚生年金保険料の免除など、家計を支える制度があります。

出生直後の一定期間については、出生後休業支援給付金の対象となる場合もあります。

たとえば住宅ローン控除を数万円多く使うために育休を1か月早く切り上げたとしても、育児休業給付の支給期間、給与、保育料、通勤費などを含めると、家計全体で必ずプラスになるとは限りません。

家計で確認したい項目 育休中の主な影響
住宅ローン控除 所得税減少により使い切れない場合がある
育児休業給付 一定の要件を満たせば受給できる
社会保険料 育児休業中は一定の要件で免除される
給与 会社の制度や復職時期によって変わる
保育料・通勤費 復職すると新たな支出が生じる場合がある
ふるさと納税 所得低下に伴い上限が下がる可能性がある

住宅ローン控除の取りこぼしは家計を考える材料の一つであって、育休の取得そのものを判断する唯一の基準ではありません。

自分のケースは年単位で整理する

育休中の住宅ローン控除を具体的に確認したい場合は、「育休期間」だけを見るのではなく、1月から12月までの課税給与を年単位で整理してみると分かりやすくなります。

確認する順番の一例

  • 今年1年間に受け取る給与・賞与を確認する
  • 育児休業給付は課税給与と分けて考える
  • 源泉徴収票や年末調整で所得税を確認する
  • 住宅ローン控除可能額と実際に使えた額を確認する
  • 翌年度の住民税への反映も確認する
  • 夫婦それぞれについて同じ確認を行う

ペアローンの場合は特に、夫婦を一つの家計として合算する前に、夫と妻それぞれについて所得税と住宅ローン控除を確認することがポイントです。

そのうえで世帯全体としてどの程度の税負担になったのかを見ます。

また、今年だけでなく翌年の復職後も含めて確認すると、育休期間中だけ一時的に控除を使い切れないのか、短時間勤務などによって数年間影響が続きそうなのかも見えてきます。

住宅購入前なら将来の育休も想定する

これから住宅を購入する段階であれば、住宅ローン控除だけではなく、将来の働き方まで含めて借入れを設計しておくことが理想です。

特にペアローンを検討している夫婦は、「現在の年収ならどちらも十分に住宅ローン控除を使える」という前提だけでなく、出産後にどちらが育休を取得するか、何年程度所得が下がりそうか、復職後に短時間勤務を利用する可能性があるかまで考えておくと、後から想定外だったと感じる場面を減らせます。

もちろん、将来の働き方を正確に予測することはできません。

子どもがいつ生まれるか、育休をどの程度取るか、復職後の勤務形態がどうなるかは変わるものです。

それでも、「夫婦とも現在の年収がずっと続く」という前提だけで住宅ローンを組まないことには意味があります。

私としては、住宅ローン控除だけで数万円得をするかどうかではなく、育児休業給付金、社会保険料、給与、保育料、今後の働き方まで含めて世帯全体で考えることをおすすめします。

住宅ローン控除の控除率、借入限度額、控除期間、住民税から控除できる上限額などは、入居年や住宅の種類、税制改正などによって異なります。

正確な情報は公式サイトをご確認ください。

また、個別の住宅ローン控除額、確定申告、夫婦間の持分や税務上の取扱いについては、 最終的な判断は専門家にご相談ください。

最後に確認しておきたいこと

社労士としては、育児休業給付や社会保険料免除、復職時期など労務・社会保険の面から家計への影響を整理できます。

一方、住宅ローン控除の具体的な税額計算、夫婦間の持分、贈与税、確定申告の個別判断などは税務の専門領域です。

住宅ローン控除の金額まで正確に判断したい場合は、税務署または税理士へ確認してください。

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