育児休業

育休男性の取得率50.9%|取得期間と制度のポイント

こんにちは。

もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。

男性の育児休業は、ここ数年で大きく状況が変わっています。

厚生労働省の令和7年度雇用均等基本調査では、男性の育児休業取得率は50.9%となり、初めて5割を超えました。

数年前までは男性が育休を取ること自体が珍しい職場も少なくありませんでしたが、現在は「男性も育休を取る」という選択がかなり現実的なものになっています。

一方で、取得率が上がったからといって、男性が女性と同じような期間の育休を取っているわけではありません。

男性は短期間の取得も多く、育休を取った人の割合と、実際に何日・何か月休んだのかは分けて見る必要があります。

男性育休の実態を知りたい場合、「取得率が何%なのか」だけを見てしまうと、実際の姿を読み違えることがあります。

また、制度面も大きく変わっています。

通常の育児休業だけでなく、出生直後に利用しやすい産後パパ育休が設けられ、会社には対象従業員への制度の個別周知や取得意向の確認などが義務付けられています。

さらに、2025年には仕事と育児の両立支援に関する法改正も段階的に施行されました。

この記事では、男性の育休取得率の推移や取得期間の実態を確認したうえで、通常の育児休業と産後パパ育休の違い、いわゆる男性育休の義務化、会社に求められる対応、休業中の給付まで実務目線で整理します。

  • 男性の育児休業取得率とこれまでの推移
  • 男性が実際に取得している育休期間の傾向
  • 育児休業と産後パパ育休の制度上の違い
  • 会社の義務と育休中に利用できる経済的支援

育休男性の取得率は50.9%|取得期間と制度を社労士解説

育休を取る男性の取得率と期間の実態

まず確認しておきたいのが、男性の育休が実際にどこまで広がっているのかです。

育児休業取得率は急速に上昇していますが、取得期間まで含めると男女ではまだ大きな違いがあります。

統計を見るときは、単に「男性の何%が取得したか」だけではなく、「どのくらいの期間取得しているか」までセットで確認することが重要です。

また、取得率と取得期間では調査対象となる時期や集計方法が異なる場合があるため、同じ年度名だからといって単純に一つの数字として扱わないことも大切です。

男性の育休取得率の最新動向

厚生労働省が2026年7月に公表した令和7年度雇用均等基本調査では、 男性の育児休業取得率は50.9% となりました。

前年度にあたる令和6年度調査では40.5%でしたので、1年間で10ポイント以上上昇しています。

男性の育児休業取得率が5割を超えたのは調査上初めてであり、男性育休が社会に広がっていることを数字からも確認できます。

女性の育児休業取得率は同じ令和7年度調査で88.3%です。

男女にはまだ大きな差がありますが、男性については、少なくとも「育児休業は女性が取るもの」という前提では制度を考えにくい状況になってきています。

令和7年度の育児休業取得率

  • 男性:50.9%
  • 女性:88.3%

ただし、50.9%という数字の意味は正しく理解しておきましょう。

雇用均等基本調査の育児休業取得率は、調査対象となる事業所について、一定期間に配偶者が出産した男性労働者のうち、育児休業等を開始した人などを一定の定義に基づいて集計したものです。

「日本で子どもが生まれた男性全員の50.9%が育休を取った」という単純な人口統計ではありません。

さらに重要なのが、取得率では休んだ日数の長短が区別されないことです。

たとえば数日間の育休を取得した男性も、1か月取得した男性も、半年取得した男性も、それぞれ育児休業を取得した人として取得率に反映されます。

そのため、 取得率50.9%という数字だけでは、男性がどの程度育児に専念する期間を確保できているのかまでは分かりません。

これは企業側が自社の男性育休を評価するときにも同じです。

「取得率100%」であっても全員が数日間だけ取得している会社と、取得率80%でも1か月、3か月と取得する従業員が多い会社では、実態はかなり違います。

私も会社の労務管理を見る際には、取得者数だけではなく、取得日数や職場復帰後の勤務状況まで分けて確認するほうが実態を把握しやすいと考えています。

なお、令和7年度雇用均等基本調査は全国の一定の企業・事業所を抽出して実施されている統計調査です。

調査対象や集計方法を確認したうえで数字を見ることが大切です。

(出典:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」)

育児休業取得率は、あなた自身が育休を取得するかどうかを決めるための「適正な取得日数」を示す数字ではありません。

取得期間は家庭の状況、配偶者の働き方、産後の支援体制、会社との業務調整などを踏まえて個別に考える必要があります。

男性の育休取得率の推移

男性の育休取得率の推移

男性の育児休業取得率は、長期的に見ると上昇してきましたが、特にここ数年の伸びは非常に大きくなっています。

令和3年度には13.97%だった男性の取得率が、令和4年度17.13%、令和5年度30.1%、令和6年度40.5%、令和7年度50.9%と上昇しました。

わずか数年で、取得する男性の割合が1割台から5割を超える水準まで増えたことになります。

調査年度 男性の育休取得率
令和3年度 13.97%
令和4年度 17.13%
令和5年度 30.1%
令和6年度 40.5%
令和7年度 50.9%

この変化の背景には、男性本人や家庭の意識だけでなく、法制度の変更があります。

2022年4月からは、本人または配偶者の妊娠・出産について申出を受けた事業主に対し、育児休業制度等を対象従業員へ個別に周知し、取得する意向を確認することなどが義務付けられました。

さらに2022年10月には、子どもの出生後8週間以内に通算28日まで取得できる産後パパ育休が創設されました。

従来の育児休業より申出期限が短く設定され、通常の育児休業とは別に取得できるため、父親が出生直後の時期に休みやすくする仕組みが整備されています。

制度改正の意味は、単に新しい休暇の種類が増えたことだけではありません。

以前は、男性従業員自身が会社に「育休を取りたい」と言い出さなければ、制度の詳しい説明を受ける機会がない会社もありました。

現在は、妊娠や出産の申出を受けた会社側から制度を説明し、取得意向を確認する仕組みが法律上求められています。

実務では、この違いはかなり大きいです。

制度を知っていても「職場で初めての男性育休だから言い出しにくい」という従業員はいます。

会社側から正式に制度案内をすることで、本人が選択肢として検討しやすくなります。

また、男性育休の取得状況を公表する仕組みも拡大しています。

2023年4月から常時雇用する労働者が1,000人を超える企業に男性の育児休業取得状況等の公表が義務付けられ、2025年4月からは 300人を超える企業まで対象が拡大 されました。

政府目標も段階的に引き上げられており、男性の育児休業取得率について2025年に50%、2030年に85%という目標が示されています。

令和7年度調査の50.9%は、2025年の目標水準を超える結果となりました。

取得率が上昇しているからといって、すべての職場で同じように育休を取りやすいわけではありません。

人員配置が比較的容易な会社もあれば、少人数で業務を回している会社もあります。

業種、職種、企業規模、職場風土による差は依然としてあります。

だからこそ会社側には、「誰かが育休を申し出たら対応する」という受け身の管理ではなく、普段から業務を複数人で共有する、手続き担当を決める、申出から復職までの流れを整理するといった準備が必要です。

男性育休が珍しい制度ではなくなるほど、この事前準備の重要性は高まるかなと思います。

男性の育休取得期間はどれくらい?

男性育休について取得率と並んでよく気になるのが、「男性は実際に何日くらい育休を取っているのか」という点です。

ここでは、「平均○日」という数字だけを見るより、取得期間ごとの割合を見るほうが実態をつかみやすいです。

育児休業の取得期間に関する統計は、取得率と同じ項目が毎年度調査されているわけではなく、調査によって対象や集計方法も異なります。

厚生労働省が男性の育児休業取得期間の状況として示している令和5年度雇用均等基本調査のデータを見ると、男性では 1か月以上3か月未満が28.0%と最も高く なっています。

一方で、5日未満が15.7%、5日以上2週間未満が22.0%で、合わせると 2週間未満が37.7% です。

つまり、以前より長期間の取得が増えてきているものの、4割近くは2週間に満たない期間で復職していることになります。

男性の育休取得期間 令和5年度の割合
5日未満 15.7%
5日以上2週間未満 22.0%
2週間以上1か月未満 20.4%
1か月以上3か月未満 28.0%
3か月以上6か月未満 7.5%
6か月以上 少数ながら一定数存在

以前の調査と比べると、男性育休が数日程度に集中していた状況から、2週間、1か月、3か月といった期間へ徐々に長期化していることが分かります。

男性の育休期間を見るときのポイント

  • 1か月以上3か月未満が28.0%で最も多い
  • 2週間未満も37.7%と依然として多い
  • 男性の取得期間は以前より長期化している
  • 取得率だけでは実際の休業期間までは分からない

なお、男性の育休平均取得日数として「46.5日」という数字を見ることもあります。

これは厚生労働省が令和5年度に実施した男性の育児休業等取得率の公表状況調査で、育児休業平均取得日数を把握していた企業を集計した結果です。

当時、公表義務の中心だった従業員1,000人超の企業などを対象とする調査ですので、日本のすべての会社に勤める男性を無作為に集計した平均日数ではありません。

ここは検索すると数字だけが一人歩きしやすいところです。

「平均46.5日だから1か月半取るのが普通」「約4割が2週間未満だから2週間で十分」と考える必要はありません。

育休の取得期間は、平均値に合わせるのではなく、家庭で実際に育児や家事の支援が必要となる時期から逆算して考えることが大切です。

たとえば、出産直後の数週間を重点的に支える家庭もあれば、里帰りから戻るタイミングに合わせて父親が育休を取得する家庭もあります。

配偶者が職場復帰するときに合わせて数か月後に育休を取る方法も考えられます。

会社との調整では「何日取れるでしょうか」と漠然と相談するより、「出産予定日から2週間」「里帰り終了後から1か月」など希望する期間を具体的に整理しておくと話が進みやすいですよ。

男性の育休取得期間が短い背景

男性の育休取得期間が短い背景

男性の育休取得期間が女性より短い背景には、単一の原因があるわけではありません。

収入面への不安、本人しか担当できない業務、職場の人員不足、上司や同僚への遠慮、キャリアへの影響に対する心配、本人や家庭の育児分担に対する考え方など、複数の要素が重なっています。

実際の労務相談でも、「育休そのものは取りたいけれど1か月は難しい」「繁忙期なので2週間くらいにしたい」「自分しか分からない取引先がある」といった話は珍しくありません。

収入が減ることへの不安

男性が長めの育休をためらう理由として、まず考えられるのが収入です。

育児休業期間について会社が通常どおり給与を支給しなければならないという法律上のルールはありません。

そのため、会社の給与規程によっては育休中の給与が無給となります。

一定の要件を満たせば雇用保険から育児休業給付金や出生時育児休業給付金などを受給できますが、通常の給与がそのまま満額支給される制度ではありません。

そのため、住宅ローンや家賃、自動車ローン、教育費など固定支出が多い家庭では、「1か月休んだら家計がどうなるのか」が取得期間を決める大きな要素になります。

ただし、2025年4月から出生後休業支援給付金が創設され、一定の条件を満たす出生直後の育児休業について経済的な支援が強化されています。

また、一定の要件を満たした育児休業期間は健康保険料や厚生年金保険料が免除され、育児休業給付自体は非課税です。

そのため、単純に「給与が67%になるから手取りも33%減る」と計算するのは正確ではありません。

一方で、前年所得をもとに課税される住民税などは別に考える必要があります。

育休に入る前に、会社から給与が出るか、給付金はいくらくらいになるか、社会保険料がどの月に免除されるか、住民税をどう支払うかまで整理すると安心です。

職場の人員と業務の引継ぎ

次に大きいのが、職場の業務体制です。

特に中小企業では、一人の従業員が営業、顧客対応、見積作成、社内管理など複数の仕事を担当し、事実上その人しか分からない業務が存在していることがあります。

そうすると本人も「自分が1か月いなくなったら会社が回らないのではないか」と考え、必要以上に取得期間を短くしてしまうことがあります。

ただし、育休期間中の代替体制を整えることまで従業員本人だけの責任にしてしまうのは適切ではありません。

会社側にも、業務の見える化、引継ぎ、担当者の複数化、権限移譲などを進めることが求められます。

これは育休だけの問題でもありません。

特定の従業員が病気や事故で突然休む可能性もありますし、退職する可能性もあります。

男性育休への対応をきっかけに属人化を解消すると、会社全体の事業継続にもプラスになります。

私が中小企業の実務を見るうえでも、育休取得者が出たから急に引継ぎを始める会社より、普段から業務内容を共有している会社のほうが圧倒的に対応しやすいです。

短期間だけ取ればよいという認識

男性育休の取得率が注目されるようになると、「会社として取得実績を作りたい」「とりあえず数日取れば育休取得者になる」といった考え方が出ることがあります。

もちろん、数日間の育休が無意味ということではありません。

家庭の事情によっては数日間の取得でも大きな助けになります。

ただ、育休の本来の目的は取得率の数字を作ることではなく、子を養育するために仕事から離れる時間を確保することです。

出産直後は、配偶者自身の身体の回復が必要な時期です。

そこに授乳やミルク、おむつ交換、沐浴、洗濯、食事、買い物、夜間対応などが重なります。

上の子がいる家庭なら、保育園や学校への送り迎え、食事、入浴、寝かしつけなどもあります。

そのため、「会社で他の男性が1週間だったから自分も1週間」と決めるより、家庭内で何を担当するのかを具体的に考えたほうが取得期間を決めやすくなります。

育休期間を考える前に家庭で確認したいこと

  • 出産直後に誰が家事を担当するのか
  • 夜間の育児をどのように分担するのか
  • 里帰り出産をするのか
  • 上の子の送迎や生活支援を誰が行うのか
  • 配偶者がいつ職場復帰する予定なのか
  • 育休中の家計がどの程度変化するのか

男性育休は「何日取れば正解」という制度ではありません。

取得率や平均期間は参考情報として見ながら、家庭の実情に合う期間を決めることが一番大切です。

女性との取得率・期間の違い

男性と女性の育児休業を比較すると、取得率だけではなく取得期間にも大きな差があります。

令和7年度雇用均等基本調査では、育児休業取得率は男性50.9%、女性88.3%です。

男性の取得率は大きく上昇しましたが、女性との差はまだあります。

さらに取得期間を見ると差は大きくなります。

厚生労働省が示す令和5年度の取得期間では、男性は2週間未満が37.7%である一方、女性は9割以上が6か月以上の育児休業を取得しています。

比較項目 男性 女性
令和7年度の取得率 50.9% 88.3%
取得期間の傾向 短期間の取得も多い 6か月以上が大半
出産直後の制度 産後パパ育休を利用可能 出産した本人は原則として産後休業

ただし、この数字だけを見て「男性も女性と同じくらい長く育休を取るべき」と単純に考えるのも適切ではありません。

出産した女性には、育児休業とは別に労働基準法上の産後休業があります。

原則として出産日の翌日から8週間は就業させることができず、一定の場合を除いて働くことができません。

その後、育児休業へ移行するケースが一般的です。

一方、父親にはこの産後休業はありません。

出生直後から産後パパ育休や通常の育児休業を利用して育児に関わることになります。

つまり、男女の取得期間の違いには、家庭内の役割分担や職場環境だけでなく、出産した本人に産後休業があるという制度上の違いも影響しています。

また、女性の長期育休が一般的であることが、逆に「父親は短期間でよい」という固定的な役割分担につながることもあります。

母親が1年程度休む前提で父親は数日だけ、という形です。

しかし、産後の育児や家事を誰が担うのかは家庭によって違います。

配偶者が長く育休を取るからといって、父親の育休が不要になるわけではありません。

特に出生直後の数週間は、出産した本人の体調が十分に回復していないこともあります。

また、配偶者の復職時には保育園への送迎や子どもの体調不良への対応など、新しい生活リズムを作る必要があります。

父親の育休は、母親の育休期間と完全に重ねる必要もありません。

出生直後は産後パパ育休を利用し、配偶者の職場復帰時に通常の育児休業を取得するなど、時期を分けて家庭内の支援期間を長くする考え方もあります。

大切なのは男女の取得日数を同じにすることではなく、家庭ごとに必要な育児・家事の分担を考え、それに合った取得時期と期間を選択できることです。

男性の取得率が50%を超えた現在は、次の段階として「取得したかどうか」だけでなく、「必要な期間を取れたか」「復職後も仕事と育児を両立できたか」という点まで考えていくことが重要になっていると私は考えています。

育休を取る男性が知る制度と企業対応

男性が育休を検討するときは、「会社が認めてくれるか」という感覚ではなく、まず法律上どのような制度があるのかを整理すると分かりやすくなります。

通常の育児休業に加えて産後パパ育休があり、会社にも制度の周知や取得意向確認など一定の対応が求められています。

特に2022年以降は男性育休に関連する制度改正が続き、2025年にも仕事と育児の両立支援策が拡充されています。

従業員側も企業側も、昔の育休制度のイメージだけで判断しないことが大切です。

男性が利用できる育児休業制度

育児休業は女性だけを対象にした制度ではありません。

育児・介護休業法に定められた要件を満たす労働者であれば、 男性も原則として子どもが1歳になるまで育児休業を取得できます。

会社の就業規則に「男性育休」という名称の制度が書かれていなくても、それだけで男性が育児休業を取得できないわけではありません。

法律上の育児休業制度は男女に適用される制度であり、対象となる従業員から適法な申出があった場合に、単に「うちの会社では男性は取ったことがない」「忙しいから難しい」といった理由だけで一律に拒否するものではありません。

通常の育児休業は、原則として子どもが1歳になるまで取得できます。

保育所等に入所できないなど法令上の要件を満たす場合には、1歳6か月、さらに2歳まで延長できることがあります。

ただし、延長には条件と手続きがあり、希望すれば自動的に2歳まで取得できるわけではありません。

また、現在の育児休業は原則として子ども1人につき2回まで分割できます。

たとえば、子どもの出生後に通常の育児休業を取得し、その後いったん復職してから、配偶者の職場復帰時にもう一度取得するといった使い方が可能です。

さらに出生後8週間以内には、通常の育児休業とは別枠で産後パパ育休を利用できるため、組み合わせによって柔軟に休業期間を設計できます。

通常の育児休業の基本

  • 男女とも利用できる
  • 原則として子が1歳になるまで
  • 原則2回まで分割取得できる
  • 一定の場合は1歳6か月、2歳まで延長できる
  • 産後パパ育休とは別に取得できる

通常の育児休業の申出期限は、原則として休業開始予定日の1か月前です。

子どもが生まれてから初めて「明日から育休を取りたい」と相談しても、法律上の通常の申出期限との関係で希望どおりの日から開始できない可能性があります。

出産予定日は前後することがありますが、取得したい時期がある程度決まっているなら早めに会社へ相談しておくことをおすすめします。

有期契約の従業員も一律に対象外ではありません。

現在は、契約期間だけを理由に「契約社員だから育休は取れない」と判断することはできません。

一方で、子が1歳6か月に達する日までに労働契約が満了し、更新されないことが明らかな場合などは対象にならないことがあります。

また、労使協定を締結している会社では、継続雇用期間が1年未満の労働者や、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者など、法令上認められた一定の範囲について申出を拒むことができる場合があります。

「正社員だから必ず取得できる」「パートだから取得できない」という雇用形態だけの判断は避けましょう。

育児・介護休業法上の対象要件、雇用契約の終了予定、会社の労使協定などを確認する必要があります。

さらに、育児休業を申し出たことや取得したことを理由とする解雇などの不利益な取扱いは禁止されています。

取得を希望しているのに上司から「昇進できなくなる」「戻る場所はない」と言われるような場合には、通常の制度利用とは別の問題になります。

従業員側であれば、まず会社の育児・介護休業規程を確認し、希望する開始日と終了日を整理したうえで担当部署へ相談してください。

会社側は、申出を受けた時点で対象要件だけでなく、社会保険料免除や雇用保険給付など周辺手続きも同時に確認しておくと実務がスムーズです。

産後パパ育休と男性育休の違い

産後パパ育休と男性育休の違い

「男性育休」と「産後パパ育休」が同じものだと思っている方もいますが、厳密には同じ意味ではありません。

そもそも 男性育休という名称の独立した法律上の休業制度があるわけではありません。

一般的には、男性が取得する通常の育児休業や産後パパ育休をまとめて「男性育休」と呼んでいます。

一方、産後パパ育休は法律上の制度で、正式名称を 出生時育児休業 といいます。

2022年10月に施行された制度です。

産後パパ育休は、子どもの出生直後に父親等が育児へ参加しやすくすることを主な目的としており、原則として子どもの出生後8週間以内に通算28日まで取得できます。

さらに、28日間をまとめて取得する必要はなく、2回に分割することも可能です。

ただし、2回に分ける場合は原則として最初にまとめて申し出る必要があります。

項目 産後パパ育休 通常の育児休業
取得できる時期 出生後8週間以内 原則として子が1歳になるまで
取得できる期間 通算28日まで 原則として子が1歳になるまでの期間
分割 2回まで 2回まで
申出期限 原則2週間前 原則1か月前
休業中の就業 労使協定等の要件を満たせば一定範囲で可能 原則として休業する制度

この2つの制度は別枠です。

たとえば、子どもが生まれた直後に産後パパ育休を2週間取得し、一度職場復帰したあと、配偶者の里帰り終了時に残りの産後パパ育休を取得する方法が考えられます。

さらにその後、配偶者が職場復帰する時期に通常の育児休業を取得することも可能です。

通常の育児休業も原則2回に分割できるため、以前の制度より家庭の事情に合わせた休み方を設計しやすくなっています。

産後パパ育休のもう一つの特徴が、一定の条件を満たした場合に休業期間中の就業が可能なことです。

ただし、これは「育休を取りながら普通に仕事ができる」という制度ではありません。

会社に労使協定があり、労働者本人が就業可能な日や時間帯を申し出、会社がその範囲内で就業候補日を提示し、最終的に本人が同意するなど所定の手続きが必要です。

就業できる日数や時間にも上限があります。

会社が一方的に「産後パパ育休中でも会議だけ出てください」「休業中だけれど在宅で仕事してください」と命令できる仕組みではありません。

休業中の就業には法令上の条件と本人の同意が必要です。

実務では、産後パパ育休中に就業する仕組みを利用するかどうかは慎重に考えたほうがよいでしょう。

出生直後は生活リズムが読みにくく、「予定していた2時間だけ仕事をする」こと自体が負担になるケースもあります。

業務上本当に必要なのか、完全に休業したほうが家庭にとってよいのかを事前に考えることが大切です。

また、産後パパ育休と通常の育児休業では、申出期限や利用できる時期、給付の名称も異なります。

会社の担当者も単に「男性の育休」と一括りにせず、どちらの制度を利用するのかを申出段階で確認してください。

(出典:厚生労働省「育児休業制度特設サイト」)

男性育休は義務化されたのか

「男性育休が義務化された」という表現をニュースやインターネットで見ることがあります。

ただし、法律上の内容を正確にいうと、 男性従業員本人に育児休業の取得が義務付けられたわけではありません。

子どもが生まれた男性が必ず1週間、2週間、1か月など一定期間休まなければならないルールではありません。

育児休業を取得するかどうかは、制度の内容を踏まえて本人が判断します。

また、すべての会社に「男性従業員の○%以上を必ず休ませなければならない」という取得率そのものの義務があるわけでもありません。

それでは何が義務化されたのかというと、大きいのは 会社側の育休を取得しやすくするための対応 です。

「男性育休の義務化」の正しい整理

  • 男性本人に育休取得義務があるわけではない
  • 会社には取得しやすい雇用環境を整備する義務がある
  • 妊娠・出産の申出があれば制度の個別周知と意向確認が必要
  • 一定規模以上の企業には男性育休取得率等の公表義務がある

2022年4月以降、会社は本人または配偶者の妊娠・出産について申出を受けた場合、その従業員に対して育児休業制度や産後パパ育休などを個別に周知し、制度を取得する意向があるか確認しなければなりません。

同時に、育児休業の申出をしやすくするための雇用環境整備も事業主の義務となっています。

そのため会社が「男性は育休を取らない会社だから、制度の説明もしません」という対応をすることはできません。

また、男性育休取得率等の公表義務も拡大されています。

2023年4月から従業員1,000人超の企業が対象となり、2025年4月からは 常時雇用する労働者が300人を超える企業 にまで対象が広がりました。

対象企業は、男性の育児休業等の取得割合または育児休業等と育児目的休暇の取得割合について、原則として年1回公表します。

こうした会社側の義務をひとまとめにして「男性育休が義務化」と表現されることがありますが、本人の取得義務とは分けて理解する必要があります。

もう一つ重要なのが、会社が男性従業員へ育休を強制することも本来の制度趣旨とは異なるという点です。

会社の役割は、本人が制度の内容を知ったうえで取得するかどうかを選択できる環境を整えることです。

たとえば「当社は男性育休100%を目標にしているので、あなたも必ず取ってください」と一方的に決めるのではなく、制度を説明し、本人の希望を確認し、必要な業務調整を行うことが基本です。

反対に「繁忙期だから取らないでほしい」「男性で長期育休を取った人はいない」と取得を断念させるような説明も適切ではありません。

男性育休の取得促進と、育休取得の強制は別の話です。

会社は取得しやすい環境を整備し、対象者へ必要な情報を提供したうえで、本人の意向を尊重することが重要です。

企業担当者は「取得率を上げること」だけを目的にするより、対象者が必要な期間を取得し、残った従業員にも過度な負担が集中しない業務体制まで含めて整えることが、長期的には重要かなと思います。

会社に求められる周知と意向確認

本人または配偶者の妊娠・出産について従業員から申出があった場合、会社には育児休業制度等について個別に周知し、取得する意思があるかを確認する義務があります。

男性従業員から「妻が妊娠しました」「来月子どもが生まれます」と伝えられた場合も対象です。

実務で重要なのは、会社がその情報を「単なる雑談」として処理しないことです。

上司が聞いたものの人事担当者へ伝わらず、出産直前になって初めて育休の手続きを始めるケースは避けたいところです。

会社が個別に周知する内容

妊娠・出産の申出を受けた会社が個別に周知する主な事項は、次のとおりです。

  • 育児休業・産後パパ育休に関する制度
  • 育児休業・産後パパ育休の申出先
  • 育児休業給付や出生後休業支援給付に関する事項
  • 育児休業期間中の社会保険料の取扱い

つまり、「育児休業については就業規則を見てください」とだけ伝えて終わりにする制度ではありません。

対象者ごとに制度を周知し、そのうえで育児休業や産後パパ育休を取得する意向があるかを確認します。

周知・意向確認の方法には、面談、書面交付など所定の方法があります。

電子メール等については法令上の条件に沿って行う必要があります。

また、意向確認をするときに「忙しい時期だから取らないですよね」「短くしてもらえるよね」といった聞き方をすれば、形式上は確認していても取得を控えさせる方向へ誘導することになります。

会社としては、「制度としてこのような選択肢があります。

取得を希望しますか」という中立的な形で確認する必要があります。

育休を取りやすい雇用環境の整備

会社には、育児休業や産後パパ育休の申出が円滑に行われるよう、雇用環境を整備する義務もあります。

法律上示されている措置としては、育児休業等に関する研修の実施、相談窓口の設置、自社の育児休業取得事例の収集・提供、育児休業制度や取得促進に関する会社方針の周知などがあります。

「育休研修を必ず実施しなければ違法」という意味ではありません。

研修は雇用環境整備として定められている措置の一つであり、法令上必要とされる範囲で会社が対応方法を選びます。

さらに現在は、従来の育休取得意向確認だけでなく、仕事と育児をどのように両立したいかという本人の意向を確認する重要性も高まっています。

2025年10月からは、本人または配偶者の妊娠・出産の申出を受けた際などに、勤務時間帯、勤務地、両立支援制度等の利用期間、業務量など仕事と育児の両立に関する本人の意向を個別に聴取し、その意向について配慮することが事業主に求められています。

ここは従来の「育休を取りますか、取りませんか」という確認とは別に考えたほうが分かりやすいです。

たとえば本人が「育休から復帰した後は保育園の迎えがあるので18時までには退社したい」「一定期間は勤務地を変更したくない」と希望している場合、その事情を聴取し、会社として可能な配慮を検討します。

もちろん、本人が希望した内容を会社が必ずそのまま実現しなければならないという意味ではありません。

業務の性質や会社の体制なども踏まえて検討することになりますが、少なくとも本人の意向を聞かずに一方的に決める運用ではなくなっています。

中小企業では、育児・介護休業規程そのものは整備されていても、実際の申出フローが決まっていないことがあります。

会社側で事前に決めておきたい実務フロー

  • 妊娠・出産の申出を誰が受け付けるか
  • 上司から人事担当者へどう情報共有するか
  • 個別周知・意向確認を誰が行うか
  • 育児休業申出書をどこへ提出するか
  • 業務の引継ぎをいつ始めるか
  • 社会保険・雇用保険の手続きを誰が行うか
  • 給与担当者へ休業期間をどう連携するか
  • 復職前の勤務条件をいつ確認するか

私が実務で見る限り、育休手続きで混乱する会社は、制度そのものより「誰が何をするか」が決まっていないケースが多いです。

対象者が出てから書類を探すのではなく、申出から復職まで一つの社内フローにしておけば、男性育休が初めての会社でもかなり対応しやすくなります。

育休中に受けられる給付と支援

育休中に受けられる給付と支援

男性が育休を検討するとき、取得期間と並んで最も気になるのが収入ではないでしょうか。

育児休業中は、会社が給与を支払うかどうかは会社の給与規程等によって異なります。

無給となる会社も多いため、雇用保険の育児休業等給付が家計を支える重要な制度になります。

ここでは、通常の育児休業給付、産後パパ育休に対応する給付、2025年に創設された出生後休業支援給付、社会保険料免除を分けて整理します。

通常の育児休業給付

雇用保険の被保険者が育児休業を取得し、所定の要件を満たした場合には、育児休業給付金を受けられる可能性があります。

基本的な給付率は、育児休業開始から180日目までは休業開始時賃金日額を基礎として 67%相当 、181日目以降は 50%相当 です。

ただし、給与明細の手取り額へ単純に67%を掛ける制度ではありません。

原則として休業開始前の一定期間の賃金をもとに休業開始時賃金日額を算定し、それを基礎に給付額を計算します。

また、支給額には上限額があり、育児休業中に会社から一定額の賃金が支払われている場合は給付が減額されたり、支給されなくなったりすることがあります。

育児休業中に働いた場合も注意が必要です。

支給単位期間中の就業日数や就業時間が一定の基準を超えると、その期間について給付を受けられない可能性があります。

そのため「育休中だけれど、自宅で少しメール対応した」「会社から頼まれて何日か出勤した」という場合も、勤務記録を残しておくことが大切です。

受給条件や計算方法、申請の流れについては、 雇用保険育児休業給付金の条件と申請方法 で詳しく整理しています。

産後パパ育休中の給付

産後パパ育休を取得した場合、一定の要件を満たせば出生時育児休業給付金の対象になります。

基本的な給付率は67%相当で、通常の育児休業給付と同じく、休業開始前の賃金を基礎として計算されます。

さらに、2025年4月から 出生後休業支援給付金 が創設されています。

これは、子どもの出生直後の一定期間について、本人が14日以上の育児休業を取得し、原則として配偶者も14日以上の育児休業を取得するなど所定の要件を満たした場合に、既存の育児休業給付等へ13%相当を上乗せする制度です。

支給対象期間は最大28日間です。

出生時育児休業給付金または育児休業給付金の67%相当に、出生後休業支援給付金の13%相当が加わることで合計80%相当となります。

さらに育児休業等給付が非課税であり、一定の要件を満たす育児休業期間には社会保険料の免除もあるため、厚生労働省では「手取り10割相当」と説明しています。

制度 主な給付率の目安 主な対象
育児休業給付金 180日まで67%、以降50% 通常の育児休業
出生時育児休業給付金 67% 産後パパ育休
出生後休業支援給付金 13%上乗せ 一定の出生直後の育休

ただし、「手取り10割相当」は、すべての家庭で休業前の銀行振込額と同額になるという意味ではありません。

給付には上限額がありますし、住民税は原則として前年の所得に基づいて課税されるため、育休中でも支払いが続きます。

会社独自の手当がある場合や、休業中に給与が支払われる場合には給付額の調整が生じることもあります。

また、出生後休業支援給付金は「必ず夫婦両方が会社員として14日以上育休を取らなければ対象外」と単純に判断する制度でもありません。

配偶者が育児休業を取得できない一定の事情がある場合には、配偶者の取得を要件としないケースがあります。

配偶者が自営業者である、就労していないなど、配偶者自身が雇用保険上の育児休業を取得できない場合でも、本人が出生後休業支援給付金の対象となる可能性があります。

個別の要件を確認してください。

社会保険料が免除される場合もある

育児休業中の家計を考えるときは、給付金だけでなく社会保険料の免除も重要です。

健康保険・厚生年金保険の被保険者が育児休業等を取得し、会社が所定の手続きを行った場合には、一定の期間について 健康保険料と厚生年金保険料の本人負担分・会社負担分の双方が免除 されます。

ただし、育休を1日取得すれば必ずその月の社会保険料がすべて免除されるわけではありません。

基本的には育休開始月から、育休終了日の翌日が属する月の前月までが免除対象となります。

実務では「月末時点で育児休業中かどうか」を確認すると理解しやすいです。

さらに、2022年10月以降は同じ月の中で育休を開始し、月末より前に終了する短期育休についても、開始月に14日以上の育児休業等を取得していれば、その月の月額保険料が免除される仕組みがあります。

この14日ルールは男性の短期育休や産後パパ育休で特に重要です。

「14日取らなければ社会保険料は絶対に免除されない」という意味ではありません。

月末まで育児休業が続いている場合には、従来からある月末を基準とした免除ルールがあります。

同月内で完結する短期育休なのか、月末を含む育休なのかを分けて確認してください。

また、賞与にかかる社会保険料は月額保険料とは免除条件が異なります。

育休期間が賞与支給月に重なっているだけで自動的に賞与保険料が免除されるわけではありません。

短期間の産後パパ育休では、取得開始日と終了日が少し変わるだけで社会保険料の扱いが変わることがあります。

そのため、会社の給与担当者は育休申出書の期間だけでなく、実際の復職日まで確認することが重要です。

詳しくは、 育休の社会保険料免除の条件と期間 で解説しています。

給付額や社会保険料免除の可否は、育休開始日、休業期間、休業中の就業状況、賃金の支払い、雇用保険の加入実績などによって変わります。

また、住民税は育休中でも原則として別途負担が続きます。

給付率やインターネット上の試算額はあくまで一般的な目安とし、実際の支給可否や金額は個別に確認してください。

雇用保険給付の上限額や制度内容は改定されることがありますので、 正確な情報は公式サイトをご確認ください

育休を取る男性が押さえたいポイント

男性の育児休業を取り巻く状況は、ここ数年で大きく変わりました。

令和7年度雇用均等基本調査では、男性の育児休業取得率が50.9%となり、初めて5割を超えています。

数年前には1割台だったことを考えると、男性が育休を取得すること自体は急速に一般化しているといえるでしょう。

一方で、取得率だけで男性育休の実態を判断することはできません。

取得期間を見ると、令和5年度のデータでは男性の37.7%が2週間未満です。

1か月以上3か月未満の取得も28.0%まで増えていますが、女性では9割以上が6か月以上取得していることと比較すると、男性は依然として短期間の取得が多い状況です。

育休を取る男性が押さえておきたい要点

  • 男性の育休取得率は50.9%まで上昇している
  • 男性の育休期間は長期化しているが短期取得も多い
  • 通常の育児休業とは別に産後パパ育休を利用できる
  • 男性本人に育休取得が義務化されたわけではない
  • 会社には個別周知・意向確認や雇用環境整備の義務がある
  • 一定の要件を満たせば育児休業給付などを受けられる

これから育休を検討する男性の方は、「一般的に何日取っているのか」を最初の参考にするのはよいと思います。

ただし、最終的な期間を平均値だけで決める必要はありません。

まず夫婦で、出産後の生活を具体的に想像してみてください。

出産後に配偶者がどの程度の支援を必要とするのか、里帰り出産をするのか、上の子がいるのか、夜間の育児をどう分担するのか、保育園をいつから利用するのか、配偶者がいつ仕事へ戻るのか。

このあたりを整理すると、本当に父親のサポートが必要な時期が見えてきます。

たとえば、出産直後は実家の支援を受けられるため育休を短くし、里帰りが終わった後に通常の育児休業を取得する家庭もあるでしょう。

反対に、出産直後から夫婦だけで生活するのであれば、産後パパ育休をある程度まとまった期間取得するほうが家庭の負担を抑えられることもあります。

収入面についても、育児休業給付、出生後休業支援給付、社会保険料免除を含めて計算してから判断すると、「思っていたより休める」というケースがあります。

そして希望する期間が決まったら、なるべく早く会社へ相談してください。

男性育休の申出が会社にとって初めてであっても、早く分かれば業務の引継ぎや人員配置を考える時間を確保できます。

直前になって相談するより、本人にとっても会社にとっても調整しやすくなります。

会社への相談では、「育休を取りたいです」だけではなく、「出産予定日は○月○日で、産後パパ育休を○月○日から○日間、その後の通常の育児休業をこの時期に検討しています」という形まで整理できると、実務上かなり話が進めやすくなります。

会社側も、男性従業員から育休相談を受けてから制度を調べ始めるのではなく、規程、申出書、個別周知、意向確認、仕事と育児の両立に関する意向聴取、社会保険、雇用保険、給与計算、復職時の対応まで一連の流れをあらかじめ決めておくことが大切です。

男性育休が増えると、休業する本人以外の従業員への業務負担も課題になります。

そのため、取得者に遠慮させるのではなく、業務を標準化する、複数担当制にする、優先順位の低い仕事を止めるなど、組織全体で休業に対応できる仕組みを作ることが必要です。

育休は「男性が取るか、取らないか」だけの問題ではありません。

家庭に必要な育児時間を確保しながら、本人が安心して休業でき、会社も無理なく事業を継続できる形を作ることが男性育休を定着させるポイントです。

取得率50.9%という数字は、男性育休が特別な制度ではなくなりつつあることを示しています。

これからは取得率そのものだけではなく、必要な期間を取得できること、休業中の生活を維持できること、復職後も仕事と育児を継続できることまで考えていく段階に入っているかなと思います。

育児休業の取得可否や給付金、社会保険料免除の取扱いは、雇用形態、契約期間、取得日程、休業中の賃金・就業状況などによって結論が変わります。

個別のケースで判断に迷う場合は、 最終的な判断は専門家にご相談ください

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