雇用形態・試用期間

試用期間の最低賃金は下げられる?減額特例の条件を実務で確認

こんにちは。

もりおか社会保険労務士事務所、社会保険労務士の川熊です。

試用期間中であっても、原則として最低賃金を下回る賃金を支払うことはできません。

試用期間だから、研修中だからという理由だけで最低賃金より低い時給にすることはできないのが基本です。

ただし、最低賃金法には減額の特例があり、試の使用期間中の労働者について都道府県労働局長の許可を受けた場合には、一定の範囲で最低賃金を減額できることがあります。

ここで重要なのは、会社が独自に判断して減額できる制度ではないという点です。

この記事では、試用期間と最低賃金の基本的な関係、本採用時より低い時給を設定できるケース、最低賃金の減額特例、許可申請の流れ、すでに最低賃金を下回っていた場合の対応まで、会社側と労働者側の双方から実務的に整理します。

  • 試用期間中にも最低賃金が適用される理由
  • 最低賃金と比較するときに含める賃金の範囲
  • 試用期間中の最低賃金を減額できる特例の条件
  • 最低賃金を下回った場合の差額支払いと対応

試用期間の最低賃金は下げられる?減額特例を社労士解説

試用期間の最低賃金は原則下回れない

最初に押さえておきたいのは、試用期間は最低賃金の適用を外すための期間ではないということです。

試用期間中であっても会社との労働契約はすでに成立しているため、原則として通常の労働者と同じように最低賃金法の適用を受けます。

まずは、どの賃金額と最低賃金を比較するのかを順番に整理していきます。

試用期間中も最低賃金は適用される

最低賃金法では、使用者は最低賃金の適用を受ける労働者に対して、最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとされています。

試用期間中の労働者も、この原則から外れるわけではありません。

会社によっては、入社後3か月を試用期間としたり、最初の1か月を研修期間としたりすることがあります。

しかし、雇用契約が成立し、会社の指揮命令を受けて働いているのであれば、試用期間や研修期間という名称だけを理由に最低賃金を下回ることはできません。

たとえば、本採用後の時給を1,300円、試用期間中の時給を1,100円と定めること自体が直ちに違法になるわけではありません。

その勤務地に適用される最低賃金が1,100円以下であり、労働条件として適切に明示されていれば、最低賃金法との関係では問題にならない可能性があります。

試用期間だから賃金を低く設定できることと、最低賃金を下回ってよいことは別の話です。

本採用時との賃金差を設ける場合でも、原則として試用期間中の賃金は最低賃金以上に設定します。

パート、アルバイト、学生アルバイトなどについても基本的な考え方は同じです。

雇用形態や勤務時間が短いことだけを理由として最低賃金を下回ることはできません。

また、地域別最低賃金のほかに、その業種について特定最低賃金が設定されている場合があります。

適用関係によって確認すべき最低賃金が変わるため、会社側では勤務地だけでなく業種も確認しておく必要があります。

東京都で働いているから東京都の最低賃金、岩手県で働いているから岩手県の最低賃金というように、基本的には勤務する事業場の所在地を基準に確認します。

派遣労働者など一部異なる考え方もありますので、個別の雇用形態にも注意してください。

地域別最低賃金は定期的に改定され、発効日も確認する必要があります。

昨年採用したときには問題がなかった時給が、最低賃金の改定によって現在は下回っているというケースもあります。

採用時だけではなく、改定時にも賃金設定を確認することが大切です。

なお、試用期間そのものの位置づけや契約社員との違いについては、 試用期間に契約社員なのはなぜ?社労士が実務解説 でも詳しく整理しています。

本採用より低い時給でも適法な場合

本採用より低い時給でも適法な場合

試用期間中の給与を本採用後より低く設定すること自体は禁止されていません。

実務でも、入社直後は教育やOJTの期間であることなどを理由として、本採用後とは異なる賃金額を設定している会社があります。

重要なのは、 試用期間中の賃金そのものが適用される最低賃金以上になっているか という点です。

たとえば、会社の給与体系として「試用期間3か月は時給制、本採用後は月給制」とすることも考えられます。

また、「試用期間中は時給1,150円、本採用後は時給1,250円」のように差を設けることもあります。

このような設定をする場合には、最低賃金だけを確認すればよいわけではありません。

会社側では、求人票、労働条件通知書、雇用契約書、就業規則、賃金規程の内容が食い違わないようにしておく必要があります。

求人票には本採用後の賃金しか記載されておらず、入社してから初めて「試用期間中は給料が下がります」と伝える運用は、労使トラブルにつながりやすいため注意が必要です。

採用時には、試用期間の有無と期間だけではなく、 試用期間中に賃金やその他の労働条件が異なるのであれば、その内容も明確にしておく ことが重要です。

反対に、労働者側で求人票と実際の給与が違うと感じた場合には、まず求人票だけを見るのではなく、交付された労働条件通知書や雇用契約書も確認してください。

どの賃金額で合意していたのかを整理することが第一歩になります。

採用時の書面については、 労働条件通知書とは?2024年4月改正の明示事項を実務で確認 で、会社が確認しておきたい事項を詳しく解説しています。

なお、「試用期間が終わったら賃金を上げる」と契約上定めていたにもかかわらず、その後も試用期間中の低い賃金を払い続ける場合は、最低賃金とは別に労働契約上の賃金未払いの問題が生じる可能性があります。

逆に、試用期間が終了した後に会社が一方的に給与を減額する場合も、最低賃金以上であれば何でも自由にできるわけではありません。

労働契約や就業規則、不利益変更の問題を別途検討する必要があります。

最低賃金と比較する賃金の範囲

最低賃金を確認するときに意外と間違いやすいのが、「給与明細の総支給額をそのまま最低賃金と比較するわけではない」という点です。

最低賃金の対象となるのは、基本的には通常の労働時間や労働日に対して毎月支払われる基本的な賃金です。

給与明細に複数の手当がある場合には、最低賃金の計算に含められるものと含められないものを分ける必要があります。

賃金の種類 最低賃金との比較
基本給 原則として含める
職務手当など通常の賃金 内容に応じて含める
精皆勤手当 除外する
通勤手当 除外する
家族手当 除外する
時間外・休日・深夜の割増賃金 割増部分などを除外する
賞与 除外する
結婚手当など臨時の賃金 除外する

たとえば、基本給だけを見ると最低賃金を下回っていても、毎月固定的に支払われる職務手当など、最低賃金の計算に算入できる賃金を加えることで最低賃金以上になる場合があります。

一方で、「通勤手当を入れれば最低賃金を超えるから問題ない」という考え方はできません。

通勤手当は最低賃金との比較から除外します。

時間外手当についても同様です。

残業が多かった月だけ総支給額が高くなっていたとしても、残業代を含めた総支給額だけを見て最低賃金以上かどうかを判断することはできません。

給与計算の実務では、最低賃金の確認用の賃金と、割増賃金の計算基礎となる賃金を混同しないことが大切です。

除外する手当の範囲が同じとは限りません。

固定残業代を導入している会社でも注意が必要です。

固定残業代を含めて最低賃金を超えているように見えても、通常の労働時間に対して支払われる賃金部分を取り出して確認すると、最低賃金を下回っていることがあります。

固定残業代を利用している場合の最低賃金との関係については、 固定残業代の適法要件と導入方法|就業規則の書き方を実務で確認 もあわせて確認してください。

月給制の最低賃金を確認する方法

月給制の最低賃金を確認する方法

時給制であれば、時給と最低賃金の時間額をそのまま比較できるため比較的分かりやすいです。

一方、正社員など月給制の場合は、月給額だけを見ても最低賃金を満たしているか判断できません。

月給制では、最低賃金の対象となる月給を1か月平均所定労働時間で割り、1時間当たりの金額に換算して比較するのが基本です。

月給制の基本的な確認方法

最低賃金の対象となる月給額 ÷ 1か月平均所定労働時間 = 1時間当たりの賃金額

ここでいう月給額からは、通勤手当、家族手当、精皆勤手当、割増賃金など、最低賃金の計算に算入しない賃金を除いて考えます。

また、1か月平均所定労働時間についても、単純にその月の実労働時間で割るわけではありません。

年間の所定労働日数や1日の所定労働時間などから計算する方法が一般的です。

たとえば、最低賃金の対象となる月給が190,000円、1か月平均所定労働時間が170時間という仮の条件であれば、1時間当たりの賃金は約1,118円となります。

これはあくまで計算方法を説明するための一般的な目安となる例です。

実際には、その会社の年間休日、所定労働時間、賃金項目などによって計算結果が変わります。

特に試用期間中だけ月給を低くしている会社では、本採用後の月給では問題がなくても、試用期間中の月給を時間額に換算すると最低賃金を下回ることがあります。

「月給だから最低賃金は関係ない」ということはありません。

月給制、日給制、出来高払制などであっても、原則として時間額に換算して最低賃金との比較を行います。

最低賃金の改定時には、時給制の従業員だけでなく、月給制の従業員についても確認することをおすすめします。

特に基本給が最低賃金に近い会社では、毎年の最低賃金改定によって意図せず最低賃金割れが発生することがあります。

最低賃金以下で働かせるとどうなる

会社と労働者が「試用期間中は最低賃金より低い賃金で働く」と合意していたとしても、その合意だけで最低賃金を下回ることはできません。

最低賃金法では、最低賃金額に達しない賃金を定めた部分は無効となり、最低賃金額と同じ定めをしたものとして扱われます。

そのため、許可された減額特例がないにもかかわらず最低賃金を下回る賃金しか支払っていなかった場合には、 最低賃金額と実際に支払った賃金との差額を支払う必要があります。

たとえば、会社側が「本人も試用期間中の時給に同意していた」「求人票にも記載していた」と説明しても、それだけで最低賃金法上の問題が解消されるわけではありません。

地域別最低賃金額以上の賃金を支払わなかった場合には、最低賃金法上、50万円以下の罰金が定められています。

特定最低賃金については罰則の根拠が異なる場合がありますので、適用される最低賃金の種類も確認が必要です。

最低賃金を下回る賃金を支払っていたことが分かった場合は、次回から賃金を上げるだけではなく、過去の不足額についても確認してください。

会社側で最低賃金割れに気づいた場合には、対象者、対象期間、最低賃金の発効日、賃金項目、所定労働時間を整理し、不足額を計算する必要があります。

複数回の最低賃金改定をまたいでいる場合には、期間ごとに適用額が異なる可能性があるため注意が必要です。

労働者側で「試用期間の時給が低すぎるのではないか」と感じた場合には、まず勤務地に適用される最低賃金、給与明細、労働条件通知書、雇用契約書を確認してください。

そのうえで、会社が最低賃金の減額の特例許可を受けているかを確認します。

会社との確認だけでは判断できない場合には、都道府県労働局や労働基準監督署に相談する方法もあります。

感情的に会社と対立する前に、まず適用される最低賃金と契約内容を整理することが大切です。

試用期間の最低賃金を減額する特例

試用期間中の最低賃金には例外として減額の特例があります。

ただし、これは会社が自由に利用できる制度ではありません。

都道府県労働局長の許可を受けることが前提であり、減額率や対象期間にも制限があります。

ここからは、会社が最低賃金未満の賃金設定を検討する場合に特に重要なポイントを整理します。

最低賃金の減額特例とは

最低賃金法第7条では、一定の労働者について、使用者が都道府県労働局長の許可を受けた場合に、最低賃金額から一定額を減額した金額を、その労働者に適用される最低賃金額とする制度が設けられています。

これが最低賃金の減額の特例です。

対象となるのは試用期間中の労働者だけではありません。

法律上、一定の要件を満たす次のような労働者について制度が設けられています。

  • 精神または身体の障害により著しく労働能力の低い人
  • 試の使用期間中の人
  • 一定の認定職業訓練を受ける人
  • 軽易な業務に従事する人
  • 断続的労働に従事する人

この記事で扱っているのは、このうち 試の使用期間中の者に関する減額特例 です。

制度を理解するときに最も重要なのは、会社が「新人なので仕事が遅い」「研修中なので通常の社員より生産性が低い」と判断しただけで最低賃金を引き下げることはできないということです。

減額特例は、会社が給与を減額する権利を与える制度ではありません。

都道府県労働局長の許可によって、その労働者に適用される最低賃金額自体を一定の範囲で減額する制度 です。

したがって、就業規則に「試用期間中は最低賃金の80%とする」と記載しただけでは足りません。

労働者本人が同意していても同じです。

中小企業の賃金設計では、最低賃金ぎりぎりまで試用期間の時給を下げる必要があるかは慎重に検討した方がよいと私は考えています。

通常は、最低賃金以上の範囲で本採用時より低い賃金を設定することで対応できるケースが多いためです。

試用期間は最大20%まで減額可能

試用期間は最大20%まで減額可能

試の使用期間中の労働者について減額特例の許可を受ける場合、法令上の減額率の上限は20%です。

ただし、ここで誤解しやすいのが、 試用期間であれば最低賃金を自動的に20%下げられるわけではない という点です。

20%はあくまで減額率の上限です。

実際にどの程度の減額が認められるかは、労働者の職務内容、職務の成果、労働能力、経験などを踏まえて審査されます。

たとえば、最低賃金を仮に1,000円として計算すると、20%減額した場合は800円になります。

しかし、これは制度を説明するための計算例にすぎません。

実際に20%の減額が当然に許可されるという意味ではありません。

会社側から見ると、「上限20%だから20%で申請しよう」と考えるのではなく、なぜその労働者についてその減額率が必要なのかを説明できるようにすることが重要です。

単に本採用後の給与との差額を作りたいだけであれば、最低賃金以上の範囲で試用期間中の賃金を設定する方法があります。

その場合、最低賃金の減額特例を利用する必要はありません。

採用時によく確認するのですが、試用期間の賃金を低くしたいという会社でも、実際に計算してみると最低賃金を下回る必要まではないケースが少なくありません。

実務上は、まず最低賃金以上の範囲で賃金設計ができないかを検討し、それでも最低賃金未満とする必要がある場合に減額特例を検討する という順番が分かりやすいでしょう。

減額特例が認められる期間と条件

最低賃金法上の減額特例でいう試の使用期間は、本採用するかどうかを判断するための試験的な使用期間であり、労働協約、就業規則、労働契約などで定められているものをいいます。

会社が単に「最初の半年間は研修期間です」と呼んでいるだけで当然に対象になるわけではありません。

名称ではなく、実際に本採用を判断するための期間であるかどうかが重要になります。

また、減額の特例が認められる期間は、業種や職種等の実情に照らして必要と認められる期間に限られ、 試の使用期間中の者については最長6か月が上限とされています。

たとえば、就業規則で試用期間を1年間と定めていたとしても、その1年間すべてについて最低賃金を減額できるという意味ではありません。

試用期間を長く設定していることと、最低賃金の減額特例を同じ期間利用できることは別です。

減額特例については必要な期間が個別に審査されます。

さらに、単に試用期間であるだけで許可されるものではありません。

たとえば、その地域の同じ業種・職種における本採用労働者の賃金水準が最低賃金額と同程度であることや、試用期間中の労働者の賃金を最低賃金未満とすることについて合理性が認められる事情などが審査の対象になります。

これは、最低賃金の減額が労働者の生活に直接影響するためです。

会社側の人件費を下げたいという事情だけで利用する制度ではありません。

また、試用期間中の仕事内容が本採用後とほとんど同じで、業務遂行能力にも実質的な差がないような場合には、「なぜ最低賃金を下回る必要があるのか」という点について慎重な説明が必要になります。

会社としては、試用期間の長さだけではなく、その期間に何を習得してもらうのか、どのような業務を担当するのか、本採用後とどの程度違うのかまで整理しておくことが重要です。

減額特例の許可申請と必要事項

減額特例の許可申請と必要事項

試用期間中の労働者について最低賃金を減額したい場合は、事業場を管轄する労働基準監督署を経由して、都道府県労働局長に最低賃金の減額の特例許可申請を行います。

使用するのは、所定の「最低賃金の減額の特例許可申請書」です。

申請書は所定の部数を作成して提出する必要があるため、提出前に管轄の労働基準監督署で最新の様式や必要部数を確認することをおすすめします。

申請にあたっては、一般に次のような内容を整理します。

  • 減額対象となる労働者
  • 対象労働者の業務内容
  • 所定労働時間
  • 現在または予定している賃金額
  • 減額しようとする率と金額
  • 試用期間の開始日と終了日
  • 本採用後の賃金や労働条件
  • 就業規則や雇用契約上の試用期間の定め

審査の過程では、申請書だけではなく、就業規則、賃金規程、労働条件通知書、雇用契約書、賃金台帳、業務内容が分かる資料などについて確認を求められることも考えられます。

減額特例を利用するのであれば、採用して低い賃金を支払い始めてから申請するのではなく、事前に手続きを進めることが重要です。

特に注意したいのが許可の効力です。

申請書を提出しただけで、直ちに最低賃金を下回る賃金を支払えるわけではありません。

許可が決定され、その効力が生じる前に最低賃金を下回って支払えば、その期間について最低賃金法上の問題が生じる可能性があります。

そのため、実際の採用日、試用期間の開始日、給与締切日などから逆算して申請スケジュールを考える必要があります。

許可された場合には、許可された減額率と期間の範囲内で運用します。

会社が申請した率より大きく減額したり、許可期間が終了した後も低い賃金を払い続けたりすることはできません。

また、試用期間や職務内容、賃金額などの前提条件が変わる場合には、自己判断で運用を変更せず、管轄の労働基準監督署や都道府県労働局に確認してください。

減額特例は、申請すれば必ず許可される制度ではありません。

採用計画そのものを最低賃金未満の賃金を前提として組むと、不許可となった場合の給与設計に支障が出るため注意が必要です。

試用期間の最低賃金で迷ったとき

試用期間と最低賃金について最も大切なのは、 試用期間だから最低賃金以下でもよいという考え方は原則として誤り だということです。

会社側で試用期間中の給与を本採用後より低く設定したい場合には、まず勤務地や業種に適用される最低賃金を確認し、その金額以上の範囲で賃金を設定できないか検討してください。

多くの会社では、最低賃金そのものを下回らなくても、試用期間中と本採用後の賃金に一定の差を設けることは可能です。

実務上はこの方法の方がシンプルで、法令違反のリスクも管理しやすくなります。

どうしても最低賃金未満の賃金を設定する必要がある場合には、最低賃金法第7条の減額特例について検討します。

試の使用期間中の者については減額率の上限が20%とされていますが、実際の減額率や期間は個別に審査され、期間についても最長6か月という上限があります。

確認する立場 まず確認すること
会社側 勤務地・業種の最新最低賃金
会社側 試用期間中の賃金を最低賃金以上にできないか
会社側 最低賃金未満なら減額特例の許可が必要か
会社側 求人票・労働条件通知書・就業規則の整合性
労働者側 実際の時給換算額と勤務地の最低賃金
労働者側 会社が減額特例の許可を受けているか
労働者側 最低賃金を下回る期間と不足額

すでに最低賃金を下回って支払っていたことが分かった会社は、今後の賃金を修正するだけではなく、過去の不足額についても確認してください。

最低賃金に達しない契約部分は無効となり、原則として差額の支払いが必要になります。

労働者側で試用期間中の時給が最低賃金以下ではないかと疑っている場合には、給与明細、雇用契約書、労働条件通知書などを準備し、勤務地の最低賃金額と比較してみてください。

会社に減額特例の許可の有無を確認することも重要です。

会社側の基本対応は「最低賃金以上で試用期間の賃金を設定する」、例外的に最低賃金未満とする必要がある場合は「事前に減額特例の許可を検討する」という順番です。

最低賃金額や発効日は改定されるため、過去に確認した金額をそのまま使わないようにしてください。

特定最低賃金が適用される業種については、地域別最低賃金だけで判断できない場合もあります。

正確な情報は公式サイトをご確認ください。

また、減額特例の対象になるか、どの賃金を最低賃金の計算に含めるか、過去の不足額をどのように計算するかは、会社の賃金規程や勤務条件によって結論が変わることがあります。

最終的な判断は専門家にご相談ください。

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